JPH0311783Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔考案の利用分野〕 本考案は、例えば電子レンジのキーボードスイ
ツチなどとして用いられるスイツチ装置に係り、
特に、可撓性を有し導電パターンを形成した絶縁
シートを折返して上下の電極が切離可能となつて
いる所謂折返し形状のメンブレンスイツチに関す
る。

〔考案の背景〕

従来のこの種スイツチ装置、つまり折返し形状
のメンブレンスイツチは、第２図および第３図に
示す如き構造をしている。

すなわち、第２図のシート展開図に示すよう
に、ポリエステルや塩化ビニルあるいはポリウレ
タン等の可撓性樹脂からなる絶縁シート１が、そ
の略中央の折曲用の切欠２によつて互いに隔てら
れている複数個の連結部３と、該連結部３によつ
て連結されている上部シート４ならびに下部シー
ト５と、リード取出し部６とから構成されてお
り、この絶縁シート１上には導電パターン７が形
成されている。この導電パターン７は銀印刷の後
カーボン印刷してなるものであり、前記上部シー
ト４側の電極である上部電極８と、前記下部シー
ト５側の電極である下部電極９と、これら上部お
よび下部電極８，９から導出されるリード１０と
から構成され、該リード１０は前記リード取出し
部６を経て外部へ導出される。

そして、第３図の断面図に示すように、絶縁シ
ート１はその連結部３にて折返され、上部シート
４と下部シート５との間にスペーサ１１が介装さ
れる。このスペーサ１１には所定位置に複数個の
透孔１２が設けてあり、該透孔１２を介して上部
電極８と下部電極９とが対向するようになつてい
る。したがつて、上部電極８の上方から図面矢印
方向に手指等で押圧力を加えると、上部シート４
の可撓性により上部電極８は下部電極９に接触し
て導通状態となり、その押圧力を除去すれば上部
シート４の撓んでいた部分が元の位置に戻り、上
部電極８は再び下部電極９から離間して非導通状
態となる。

しかしながら、上述した従来のスイツチ装置
は、上部シート４からリード取出し部６へと導か
れる複数本のリード１０が特定の連結部３におい
て密集しているため、つまり第２図にＡ，Ｂ部分
として示すように同一の連結部３を複数本のリー
ド１０が通過する構成となつているため、この
Ａ，Ｂ部分に水滴等が付着してリード１０がシヨ
ートしやすいという欠点があつた。すなわち、か
かるスイツチ装置を例えば電子レンジのキーボー
ドスイツチなどとして使用した場合、水蒸気等の
侵入、露結により、第３図に示すように、絶縁シ
ート１の折曲げ部分である連結部３に水滴１３等
が付着しやすく、そこにリード１０が密集して形
成されていると該水滴等が隣り合うリード１０ど
うしを短格してしまう危険性が高かつた。

〔考案の目的〕

本考案の目的は、上述した従来技術の欠点を除
き、絶縁シートの連結部上に形成されている導電
パターンのリードのシヨート発生を防止したスイ
ツチ装置を提供するにある。

〔考案の概要〕

この目的を達成するために、本考案は、絶縁シ
ートの折曲用の切欠に隔てられた複数個の連結部
上に形成される導電パターンのリードどうしの間
に、少なくとも前記切欠を介在させ、複数本のリ
ードが同一の連結部を通過しないように分散させ
たことを特徴とする。

〔考案の実施例〕

以下、本考案の実施例を図面により説明する。

第１図は、本考案による折返し形状のメンブレ
ンスイツチの一実施例を示すシート展開図部分図
であつて、先に説明した第２図と対応する部分に
は同一符号をつけてある。

すなわち、符号１はポリエステルや塩化ビニル
やポリウレタン等の可撓性樹脂からなる絶縁シー
トを全体として示し、２はその折曲用の切欠、３
は該切欠２によつて互いに隔てられている複数個
の連結部、４，５はそれぞれ該連結部３によつて
連結されている上部シートと下部シートである。
また、符号７は銀印刷の後カーボン印刷してなる
導電パターンを全体として示し、８は前記上部シ
ート４側の上部電極、９は前記下部シート５側の
下部電極、１０はこれら上部および下部電極８，
９から導出されるリードである。

そして本考案の特徴点は、第１図に明らかなよ
うに、連結部３においてリード１０を分散させ、
換言すれば連結部３上に形成される各リード１０
どうしの間に少なくとも切欠２を介在させて、同
一の連結部３を複数本のリード１０が通過しない
ようにしたことにある。つまり、絶縁シート１に
おける切欠２の個数やその形成位置、さらに導電
パターン７におけるリード１０の経路等を、適宜
設定することにより、２本以上のリード１０が同
一の連結部３を通過することのないようにしてあ
る。

したがつて、水蒸気等の侵入、露結により、絶
縁シート１の折曲げ部分である連結部３に水滴等
が付着しても、複数個の該連結部３上に形成され
ている各リード１０の間には少なくとも切欠２が
介在しているので、隣り合うリード１０どうしが
前記水滴等によつて短格される危険はない。

〔考案の効果〕

以上説明したように、本考案によれば、導電パ
ターンの複数本のリードが絶縁シートの同一の連
結部を通過しないように形成してあるので、折曲
げ部分であるその連結部に水滴等が付着しても隣
り合うリードどうしが短格される危険がなく、信
頼性の高いスイツチ装置を提供することができ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案による折返し形状のメンブレン
スイツチの一実施例を示すシート展開図部分図、
第２図は従来の折返し形状のメンブレンスイツチ
を示すシート展開図、第３図は同従来例の断面図
である。 １……絶縁シート、２……切欠、３……連結
部、４……上部シート、５……下部シート、７…
…導電パターン、８……上部電極、９……下部電
極、１０……リード、１１……スペーサ、１２…
…透孔。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 折曲用の切欠に隔てられた複数個の連結部にて
   折返されて上部シートと下部シートとを構成する
   可撓性を有する絶縁シートと、該絶縁シート上に
   形成されて前記上部シート側の上部電極と前記下
   部シート側の下部電極とこれら各電極から導出さ
   れるリードとからなる導電パターンと、所定位置
   に透孔を有し前記上部シートと前記下部シートと
   の間に介装されるスペーサとを備え、前記上部電
   極と前記下部電極とが前記透孔を介して対向する
   スイツチ装置において、絶縁シートの前記連結部
   上に形成される導電パターンの前記リードどうし
   の間に少なくとも前記切欠を介在させ、複数本の
   リードが同一の連結部を通過しないように分散さ
   せたことを特徴とするスイツチ装置。