JPH0311334Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、扉を所定量だけ開き、外来者の顔、
姿等を確認して無用の人の入室を阻止し得るよう
にする為の扉の用心金具に関する。

現在、この種金具において、従来の鎖式のもの
に変わるものとしてアーム式のものが知られてい
るが、現存するアーム式の用心金具は扉を所定の
開き角度に規制するだけのものであつて、ドアク
ローザの閉扉力に対抗して扉を用心状態に保持し
得るものではなかつた。

本考案は上述アーム式において、扉の開放保持
機能をもたせ、防犯効果を保ち得ながら屋内への
通風効果が得られるようにした扉の用心金具を提
供しようとするのが、その目的である。

以下本考案を図示の実施例に基づいて詳述すれ
ば、第１図ないし第７図に示したように、係止金
具１と回動金具２にて構成されている。

上記係止金具１は、座部３ａを有する中空の受
座３とストツパー４にて形成されている。

即ち、受座３の傾斜した前壁中心部に貫設した
軸孔３ｂに、上記ストツパー４の基部から同軸的
に延設した短軸部４ａを挿通し、Ｅ形止め輪１２
を係嵌することによつて軸方向の離脱を阻止した
状態で軸回り方向へ回転自在に当該ストツパー４
を受座３から傾斜突設して係止金具１は形成され
ていると共に、該ストツパー４は直角な二軸方向
の寸法Ｌ、ｌを大・小異ならしめた横断面形状に
形成された軸部４ｂと、該軸部４ｂの先端に、軸
部４ｂの長軸方向寸法Ｌよりも径大に形成される
径大頭部４ｃを連設して形成されている。

上記係止金具１は、受座３の座部３ａを図示し
ないネジにて扉取付用の竪枠５に固定されるので
あるが、上記ストツパー４は扉６の開き方向とは
反対方向に、つまり、扉６は外開きに竪枠に蝶番
されるのであるから、上記ストツパー４は屋内向
きに傾斜突設される。

こゝで、上記ストツパー４は、その短軸部４ａ
と、軸部４ｂとの境に設けたフランジ４ｄと、受
座３の軸孔３ｂ前端部に設けた座ぐり３ｃとの間
に波ワツシヤ７を介在させることによつてストツ
パー４の回転に抵抗力を加えてあり、当該ストツ
パー４が自然に回転してしまうことがないように
してある。又上記軸部４ｂは第３図に示すように
横断面略楕円形状に形成するがよい。

一方、上記回動金具２は台座８と、アーム９に
て形成されている。

即ち、上記台座８は、板状の座部８ａの中央部
にブラケツト８ｂを突設して形成されており、該
ブラケツト８ｂに上記アーム９の基端部をピン１
３にて枢着することにより上記アーム９が水平状
態で回動可能に形成されていると共に、上記アー
ム９には、中央部にあつて、長手方向に開口案内
部１０を貫設してあるが、該開口案内部１０は、
上記ストツパー４と係脱自在に係合可能に、該ス
トツパー４の径大頭部４ｃの径よりも幅拡く設け
られる拡幅案内部１０ａと、上記ストツパー４に
おける軸部４ｂの短軸方向、つまり短辺のみをス
ライド自在に係合可能な幅に設けられる狭幅案内
部１０ｂと、上記ストツパー４における軸部４ｂ
の長軸方向、つまり長辺を回動自在に嵌合可能
に、その長軸方向の寸法Ｌに対応する幅に設けら
れる切欠部１０ｃとを、アーム９の基端側から先
端側へ順番に連設して形成させてある。

又、上記回動金具２は図示の如く、扉６の開放
端裏面にあつて、台座８の座部８ａをネジ１１止
めすることにより上記係止金具１に対応せしめて
固定されるのであるから、そのアーム９の基端部
に設けられる拡幅案内部１０ａは第１図、第２図
の閉扉状態にあつて、上記ストツパー４と自在に
係け外しできる長さに設けられている。

而して上記構成において、上記係止金具１と回
動金具２は、図示の如く竪枠５と扉６に対応せし
めて夫々固定されるものであるから、扉６を閉じ
た状態で回動金具２のアーム９を第１図に示した
如く扉６の裏面に沿つた位置に保持させておくこ
とにより扉６は通常の扉６と同様、自由に開閉動
作されるのであるが、上記アーム９を閉扉状態に
おいて、第１図に示した矢印ａ方向へ90度回動す
ることにより、その開口案内部１０の拡幅案内部
１０ａにより第４図に示した如く係止金具１に係
合することができる。

こゝで、上記拡幅案内部１０ａの幅はストツパ
ー４における径大頭部４ｃの径より大きく形成し
てあるので、当該ストツパー４を何れの向きとし
ても上記アーム９は係脱可能であるが、第４図に
示した用心金具として使用する場合は、上記スト
ツパー４を、その軸部４ｂの長軸方向が水平にな
る向きとしておく。

従つて、第４図の状態で扉６を図示の矢印ｂ方
向へ開くと、当該扉６と共に回動金具２は開扉方
向へ移動されるので、ストツパー４における軸部
４ｂの短軸方向とアーム９の狭幅案内部１０ｂと
がスライド係合することによつて開扉動作が行な
われ、上記軸部４ｂがアーム９における開口案内
部１０の先端壁と当接した位置で扉６は開きエン
ドとなり、上記開口案内部１０の有効長さの範囲
で扉６は所定量だけ開かれ、第５図に示した用心
状態となる。

又、上記開口案内部１０の有効長さは、上述用
心状態に扉６を開いた時、その開き量が屋内から
外来者を確認できて、かつ人の出入りを阻止する
ことができるよう予め設定して設けられているこ
とはもとよりである。

上述用心状態において、ストツパー４を軸回り
方向へ90度回転させると、当該ストツパー４の軸
部４ｂはアーム９の切欠部１０ｃ内で回転され、
軸部４ｂの長軸方向が上記切欠部１０ｃに第６
図、第７図に示した如く嵌合され、これによつて
アーム９のスライドは阻止されるので、扉６はド
アクローザの閉じ力に抗して第６図に示した通風
状態に開放保持される。

上記通風状態を解く場合は、ストツパー４を左
右何れか一方へ90度回転してストツパー４におけ
る軸部４ｂの向きを開口案内部１０の狭幅案内部
１０ｂに対応させればよい。

尚、上記ストツパー４は上述のように回転操作
されるものであるから、上記アーム９を係合した
状態で回転操作し易く、径大頭部４ｃの先端部左
右両側を欠除して、扁平なツマミ部４ｅに形成す
るとよい。

以上説明したように本考案に係る扉の用心金具
は構成し、作動するものであるから閉扉状態で回
動金具２のアーム９を回動し、係止金具１のスト
ツパー４に係合することにより、開扉動作によつ
て上記アーム９における開口案内部１０の有効長
さの範囲で扉６は所定量だけ開放され、その以上
開放されるものではない為、その開扉間隔をして
屋内から外来者の確認を行ない得るをもつて無用
の人の入室を阻止できることはもとより、扉６を
所定量開放した状態でストツパー４を90度回転
し、その軸部４ｂの長軸方向をアーム９における
開口案内部１０の切欠部１０ｃと嵌合させること
により、ストツパー４に対するアーム９のスライ
ドは阻止されるをもつて扉６を開放状態に保持で
きるから、上述のように防犯効果を保ちながら屋
内への通風効果が得られるのであり、従つて、扉
部から屋内の換気や、夏期において夜間、外部の
涼風を室内に求める場合、防犯上の安全性を確保
することができ、又、ストツパー４における軸部
４ｂの長軸方向寸法Ｌに対応してアーム９におお
ける狭幅案内部１０ｂの先端部に切欠部１０ｃを
設けた構成としたから、扉６を用心状態に開いた
状態でストツパー４を左右何れか一方へ90度回転
するだけの容易な操作によつて扉の開放保持とそ
の開放保持を解くことができるものであり、更に
構造的には、従来のこの種用心金具と同数の部材
数をもつて形成できて簡単であるから扉開放機能
をもたせたにもかゝわらず、コストアツプするこ
となく安価に製作できるのみならず、相互に係脱
自在に係合される係止金具１のストツパー４と、
回動金具２のアーム９は、杆状をなす基礎的部材
で形成されるので、用心状態及び扉開放状態にて
扉６を開き方向へ強く引いた場合に生じる衝撃力
に対しても充分に耐え得るだけの耐久性があつて
破損し難い等、実用上幾多の優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案に係る扉の用心金具を一部断面
して示した使用状態の平面図、第２図は同金具の
正面図、第３図は第１図における−線拡大横
断面図、第４図は同金具を用心金具として使用す
る場合を示した平面図、第５図は同金具の用心状
態を示した平面図、第６図は同金具の扉開放保持
状態を示した平面図、第７図は第６図における矢
視Ａ拡大図である。 １……係止金具、２……回動金具、３……受
座、４……ストツパー、４ｂ……軸部、４ｃ……
径大頭部、６……扉、９……アーム、８……台
座、１０……開口案内部、１０ａ……拡幅案内
部、１０ｂ……狭幅案内部、１０ｃ……切欠部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 受座３にストツパー４を軸回り方向へ回動可能
   に枢設した係止金具１と、台座８に開口案内部１
   ０を有するアーム９を上記ストツパーと係脱自在
   に係合可能なるよう回動自在に枢着した回動金具
   ２とからなつて、上記ストツパーは、二軸方向の
   寸法を大・小異ならしめた横断面形状を有する軸
   部４ｂと、該軸部先端に径大頭部４ｃを連設して
   形成し、一方上記アームの開口案内部は、上記ス
   トツパーと係脱自在に係合可能な幅に設けられる
   拡幅案内部１０ａと、上記ストツパーの軸部短軸
   方向のみスライド自在に係合可能な幅に設けられ
   る狭幅案内部１０ｂと、上記ストツパーの軸部長
   軸方向を回転自在に嵌合可能な幅に設けられる切
   欠部１０ｃとをアームの長さ方向にあつて、当該
   アーム基端側から先端側へ順番に連設してなるこ
   とを特徴とする扉の用心金具。