JPH0311304Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［考案の技術分野］ この考案はスライド連結金具に係り、型枠施工
時のパイプサポートと水平つなぎパイプとの連
結、或いは、足場設置時の建地と根がらみとの連
結など、仮設工事の縦パイプと横材との連結及び
解体に好適なスライド連結金具に関する。

［考案の技術的背景とその問題点］ 従来より、仮設工事におけるこの種の縦パイプ
と横材とを連結する手段として、主にクランプ金
具が使用されている。ところが、このクランプ金
具による連結は、パイプの連結部分夫々に、ネジ
止め作業によつて緊締するクランプ金具自体を装
着してから各部を連結するものなので、連結作業
や解体作業に手間が掛る欠点があつた。また、仮
設工事現場において使用されるクランプ金具の数
が極めて多いことから、不使用時のクランプ金具
自体の管理や運搬等に少なからずの労力を必要と
し、仮設工事施工期間の短縮化を妨げていた。

［考案の目的］ そこでこの考案は、上述の問題点を解消すべく
案出されたもので、仮設工事における縦パイプと
横材との連結及び解体を極めて迅速に行うことが
でき、しかも、運搬・管理が頗る容易なスライド
連結金具の提供を目的とする。

［考案の概要］ 上述の目的を達成すべくこの考案は、側面適位
置に係止突起を備えた縦パイプに貫通された上下
一対の固定カツプと、この縦パイプの側面に連結
せしめる横材端部に設けられ、固定カツプの内側
面と縦パイプの外側面との間隙に挿入して上下の
固定カツプに挟着される略舌片状の係止片を上下
に有した連結体とから成り、固定カツプは、更に
係止突起の下部に固定され、連結体の下係止片を
挟着せしめる下部受カツプと、下部受カツプの上
方に回動自在に緩嵌され、自身の回動に伴なつて
係止突起の下端に当接摺動せしめる螺旋状のスラ
イド縁を上端に有し、連結体の上係止片を挟着せ
しめる上部緊締カツプとから成り、係止突起を挿
通せしめる挿通口を上部緊締カツプの内側面に設
けて係止突起の上下に上部緊締カツプを移動自在
にすると共に、自身を回動せしめる回動突起を上
部緊締カツプの外側面に突設したことにより、迅
速な着脱が可能で、しかも運搬・管理を容易にす
ることに成功した。

［考案の実施例］ 以下、図面を参照してこの考案の実施例を詳細
に説明する。

図に示す符号１は略カツプ形状を成した固定カ
ツプであり、側面適位置に係止突起４を備えた縦
パイプに貫通されて対を成し、互いの開口縁が間
隔をおいて相対峙している。そして、この縦パイ
プの側面に連結せしめる横材の端部に、舌片状の
上係止片５Ａと下係止片５Ｂとを上下に延長し、
上下の固定カツプ１夫々の内側面と縦パイプの外
側面との間隙にこの上下係止片５Ａ，５Ｂを挿入
して上下の固定カツプ１に挟着される連結体５を
設ける。

固定カツプ１は、更に係止突起４の下部に固定
され、連結対５の下係止片５Ｂを挟着せしめる下
部受カツプ２と、この下部受カツプ２の上方に回
動自在に緩嵌され、自身の回動に伴なつて係止突
起４の下端に当接摺動せしめる螺旋状のスライド
縁３Ａを上端に有し、連結体５の上係止変５Ａを
挟着せしめる上部緊締カツプ３とから成る。図示
例の係止突起４は縦パイプの軸方向に沿つた円柱
形状の係止突起４を縦パイプの軸側面に溶着して
あり、この係止突起４の下端に上部緊締カツプ３
の緊締側板３Ｂを当接摺動させることで固定カツ
プ１内の連結体５を緊締させる。この際、係止突
起４の形状は図示例に限られず、適宜に変更でき
ることは言うまでもない。

そして、上部緊締カツプ３の内側面に係止突起
４を挿通せしめる挿通口３Ｃを設けて係止突起４
の上下に上部緊締カツプ３を移動自在にすると共
に、上部緊締カツプ３自身を回転せしめる回動突
起３Ｄを上部緊締カツプ３の外側面に突設してあ
る。この際、挿通口３Ｃは、上部緊締カツプ３の
側面適位置を外がわに湾出して略管体状を成した
挿通口３Ｃを形成してあり、この管体状の挿通口
３Ｃ内に前記円柱形状の係止突起４を挿通させる
ようにしてある。こうすることで、係止突起４の
上下に上部緊締カツプ３を移動させることが可能
となり、しかも挿通口３Ｃの湾出した側面が上部
緊締カツプ３自体の強化を図る利点もある。更
に、図示例の挿通口３Ｃは、螺旋状を成したスラ
イド縁３Ａの最上部と最下部との境界部分に設け
てある。これは、上部緊締カツプ３の挿通口３Ｃ
内に係止突起４を挿通して係止突起４下端にスラ
イド縁３Ａを最初に当接させた状態のときに、下
部受カツプ２と上部緊締カツプ３との間隔が最も
広くなるように設けたもので、挿通口３Ｃ内に係
止突起４を挿通させた後は、スライド縁３Ａの上
方に向つて摺動する方向、すなわち、固定カツプ
１と上部緊締カツプ３とを間隔が狭まつて行く一
方向にのみ回転自在になる。また、緊締した上部
緊締カツプ３を解除する際には、固定カツプ１と
上部緊締カツプ３との間隔が広がつて緊締力が最
も緩んだときに係止突起４を挿通口３Ｃ内に挿通
させることができるから、緊締作業及び回転作業
共に作業能率が良いものとなる。

第６図で示す縦パイプは、型枠施工時に使用さ
れるパイプサポートＰを利用したもので、パイプ
サポートＰの本体パイプP1の上下に、夫々一対
の固定カツプ１と係止突起４とを設けてあり、一
方、連結体５は、パイプサポートＰ間に水平に連
結する水平つなぎパイプＳの両端に設けてある。
こうすることで、パイプサポートＰ夫々の水平つ
なぎパイプＳを連結する高さが予め、等間隔に設
定され、しかも、水平つなぎパイプＳの長さによ
つて隣接するパイプサポートＰとの間隔も一定に
なることから、型枠構築におけるパイプサポート
Ｐ設置作業の能率を高めることができる。第７図
では、足場構築の際の建地Ｔに固定カツプ１と係
止突起４とを設け、建地Ｔに連結せしめる根がら
みＮに連結体５を設けてある。こうすることによ
り、例えば１本の建地Ｔに数本の根がらみＮを放
射状に連結する場合でも、１度の緊締作業で全て
の根がらみＮを緊締することが可能になり、足場
構築の作業時間を短縮できる。尚、この考案連結
金具は、この外、枠組の建枠と布枠との連結（図
示せず）など、他の縦パイプと横材との連結に適
宜に利用できるものである。

［考案の効果］ この考案は上述の如く構成したことにより、仮
設工事において縦パイプと横材との連結及び解体
を極めて迅速に行うことができる。

すなわち、側面適位置に係止突起４を備えた縦
パイプに貫通された上下一対の固定カツプ１とこ
の縦パイプの側面に連結せしめる横材端部に設け
られ、固定カツプ１の内側面と縦パイプの外側面
との間隙に挿入して上下の固定カツプ１に挟着さ
れる略舌片状の係止片を上下に有した連結体５と
から成り、固定カツプ１は、更に係止突起４の下
部に固定され、連結体５の下係止片５Ｂを挟着せ
しめる下部受カツプ２と、下部受カツプ２の上方
に回動自在に緩嵌され、自身の回動に伴なつて係
止突起４の下端に当接摺動せしめる螺旋状のスラ
イド縁３Ａを上端に有し、連結体５の上係止片５
Ａを挟着せしめる上部緊締カツプ３とから構成し
たことにより、縦パイプに設けた上下の固定カツ
プ１間に、横材端部に設けた連結体５を差し込ん
で固定カツプ１上部の上部緊締カツプ３を回転さ
せて締付けるだけの簡単な作業で縦パイプと横材
との連結を極めて容易に行うことができる。しか
も、この固定カツプ１は、縦パイプの周側面に連
結せしめる複数本の連結体５を同時に緊締するこ
とが可能であり、連結作業や解体作業等の作業時
間を著しく短縮させることができる。

また、上部緊締カツプ３の内側面に係止突起４
を挿通せしめる挿通口３Ｃを設けて係止突起４の
上下に上部緊締カツプ３を移動自在に設けたこと
により、上部緊締カツプ３の上下動が大きくなつ
て連結体５の挟着操作を容易にできる。更に、上
部緊締カツプ３の外側面に回動突起３Ｄを突設し
たことにより、上部緊締カツプ３を回転させて緊
締する際に、この回動突起３Ｄをハンマー等で連
打して緊締できるから、強力な締付けが可能にな
るものである。

しかも、固定カツプ１を所定の縦パイプに設け
ると共に、この縦パイプに連結せしめる横材の端
部に連結体５を設けたことにより、固定カツプ１
及び連結体５の運搬・管理は縦パイプ及び横材の
運搬・管理と同時に行えることになり、この考案
連結金具のみに費す管理業務は一切なくなり、こ
の種の作業時間を大幅に短縮することができる。

このようにこの考案によれば、仮設工事におけ
る縦パイプと横材との連結及び解体を極めて迅速
に行うことができ、しかも、運搬・管理も頗る容
易であるなどといつた実用上有益な種々の効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面はこの考案の実施例を示すもので、第１図
は分解斜視図、第２図は止着状態を示す側面図、
第３図は断面図、第４図は上部緊締カツプを示す
平面図、第５図は下部緊締カツプを示す底面図、
第６図は支保工に使用した状態を示す側面図、第
７図は仮設足場に使用した状態を示す斜視図であ
る。 １……固定カツプ、２……下部受カツプ、２Ａ
……固定フランジ、２Ｂ……係止側板、２Ｃ……
水抜孔、３……上部緊締カツプ、３Ａ……スライ
ド縁、３Ｂ……緊締側板、３Ｃ……挿通口、３Ｄ
……回動突起、４……係止突起、５……連結体、
５Ａ……上係止片、５Ｂ……下係止片、５Ｃ……
溶着部、Ｐ……パイプサポート、P1……本体パ
イプ、Ｓ……水平つなぎパイプ、Ｔ……建地、Ｎ
……根がらみ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 側面適位置に係止突起を備えた縦パイプに貫通
   された上下一対の固定カツプと、この縦パイプの
   側面に連結せしめる横材端部に設けられ、固定カ
   ツプの内側面と縦パイプの外側面との間隙に挿入
   して上下の固定カツプに挟着される略舌片状の係
   止片を上下に有した連結体とから成り、固定カツ
   プは、更に係止突起の下部に固定され、連結体の
   下係止片を挟着せしめる下部受カツプと、下部受
   カツプの上方に回動自在に緩嵌され、自身の回動
   に伴なつて係止突起の下端に当接摺動せしめる螺
   旋状のスライド縁を上端に有し、連結体の上係止
   片を挟着せしめる上部緊締カツプとから成り、係
   止突起を挿通せしめる挿通口を上部緊締カツプの
   内側面に設けて係止突起の上下に上部緊締カツプ
   を移動自在にすると共に、自身を回動せしめる回
   動突起を上部緊締カツプの外側面に突設したこと
   を特徴とするスライド連結金具。