JPH0311279Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、抄紙装置における抄き網へ紙料を流
しかけるストツクインレツトに関し、殊に紙料流
路内部を簡便に清掃できるようにしたストツクイ
ンレツト構造体の改善に係る。

従来技術 第１図に示すように、従来のストツクインレツ
トは後端の多岐管２から先端のスライス４に至る
流路３が一体剛構造としたストツクインレツト構
造体１の内部に形成されている。

このストツクインレツトの多岐管２における紙
料流出部やスライスリツプ内面、或は紙料流路３
内面等に紙料カスが付着すると健全な紙料供給が
損なわれるので定期的な清掃が必要である。

ストツクインレツトの清掃の間は上記抄紙機の
運転を停止せねばならないため、短時間で清掃作
業が行え、且つ洗浄用の高圧水を上記箇所の隅隅
まで作用させることができ、内部清掃が簡便で且
つ美麗に行えるものであることが望まれる。

考案が解決しようとする問題点 然るに従来のストツクインレツトは上記の如く
後端の多岐管２から先端のスライス４に至る紙料
流路３が一体剛構造としたストツクインレツト構
造体１の内部に形成されているため、紙料流路３
内の清掃が充分に行えず、同清掃作業に多くの作
業時間を費やしている実情にある。

例えば、従来ストツクインレツト構造体後端に
多岐管２の吐出口部３ａに向かう上記清掃口や紙
料流路に向かう後部清掃口を設けて、同清掃口５
からホースを差し込み高圧水を噴射して清掃を行
う構成としているが、高圧水を曲成された紙料流
路の奥部やスライス内腔部まで作用させることが
できず、その清掃には非常な労度と不便を来して
いる。

問題点を解決するための手段 ストツクインレツト構造体をそのスライス及び
該スライスから後部多岐管の紙料吐出口部に至る
紙料流路を上下に二分する位置で上部構造体と下
部構造体とに分割し、該上部構造体と下部構造体
とを上記分割部を横切るように並設されたリンク
にて連結し、該リンクはその起立時に上記上部構
造体を下部構造体の上方へ平行シフトするように
配し、該リンクによる上部構造体の平行シフトに
て上記スライス及び紙料流路を上記二分する線上
において上下に拡開する構成としたものである。

作 用 本考案は以上のように、ストツクインレツトの
上部構造体をリンク機構を介して平行シフトさ
せ、上記紙料流路を上記二分する線上において上
下に拡開するように移動させることにより、スラ
イスの開口度を充分に拡大し且つ露出させて清掃
を行うことができ、同様に後部紙料吐出部を広く
開放状態にして高圧水洗浄が行え、これまで限界
を伴つていた紙料吐出口やスライスリツプ内側、
或は紙料流路奥部の清掃が簡便且つ美麗に行える
ものである。

実施例 以下本考案の実施例を第２図乃至第４図に基い
て説明する。各図はストツクインレツト構造体を
概示し、前記の如く該ストツクインレツト構造体
を上部構造体１ａと下部構造体１ｂとに分割し、
該分割にて該スライス４及び紙料流路３を上下に
二分する。該上部構造体１ａと下部構造体１ｂと
はその閉合によつてスライス４及び後部多岐管２
の紙料吐出口部３ａからスライス４に至る紙料流
路３を閉成する。

上記の如く分割した上部構造体１ａと下部構造
体１ｂとをリンク６を介して連結する。下部構造
体１ｂは抄紙機本体のフレームに固装し上部構造
体１ａを下部構造体１ｂに対し該リンク６を介し
平行シフト可とする。該リンク６は上記スライス
４及び紙料流路３を二分する分割部を横切るよう
に並設し、上下構造体１ａ，１ｂ間を連結する。

即ち、第２図に示すようにリンク６を上下構造体
１ａ，１ｂの閉合時に垂線に対し斜めになるよう
に上記分割部を横切つて並設し、その各一端を上
部構造体１ａに、他端を下部構造体１ｂに夫々枢
着することにより、上部構造体１ａはリンク６を
起立する方向に槓上されつつ前方へ持ち出される
ように平行シフトされる。

該平行シフトによつて紙料流路３を上下に分離
拡開し、更にはスライス４を拡開して上下スライ
スリツプ４ａ，４ｂを前後に位置をずらして露出
させ、同時に後部紙料吐出口部３ａを広く開放状
態にすることができる。

適例として上記リンク６は平行リンクとする。
該平行リンク６を前記の如く傾設し、各リンク６
の一端を上部構造体１ａに、他端を下部構造体１
ｂに夫々枢着する。これによつて高重量の上部構
造体１ａの上記平行シフト及び垂直槓上が安定且
つ軽快に行え、清掃を適正に遂行させる。

上記平行リンクの他例として第４図に示すよう
にくの字形リンク６′の利用が可能であり、該く
の字形リンク６′を上記スライス４及び紙料流路
３を二分する分割線上を横切るように並設し、そ
の各該くの字形リンク６′の一端を上部構造体１
ａに、他端を下部構造体１ｂに夫々枢着し、くの
字形リンク６′の中間枢着部を圧力シリンダー８
にて屈伸動可にし、同リンク６′を伸長させるこ
とにより、上部構造体１ａを上方に平行シフト
し、紙料流路３を開放状態とする。上記くの字形
リンク６′によれば上部構造体１ａの上方槓上量
を著しく増加させ、紙料流路３の開放度を大幅に
拡大し高圧水ホース７による清掃をより容易なも
のにする。

考案の効果 以上説明したように、本考案によれば隠蔽され
たり、深部であるために清掃が困難であつた紙料
流路の曲成部や内深部、更にはスライス内側及び
後部紙料吐出口部の清掃を極めて容易且つ迅速に
行うことができ、従来剛構造体内部に紙料流路が
形成されているために、清掃口を設ける等しても
その位置限定等を伴なうために充分な高圧水洗浄
が行えず、清掃に多くの時間を要していた問題を
極めて効果的に解決し、抄紙機の運転停止時間を
最小限にとどめることができる。

又その手段としてリンク機構応用にてストツク
インレツト上部と下部の構造体に分割し、リンク
機構を介し平行シフトさせる極めて簡単な構成の
採用にて、所期の目的が効果的に達成できる。

又リンク機構を連結媒体とするから、高重量の
ストツクインレツト構造体を容易且つ軽快に移動
させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来のストツクインレツトの内部構造
を概示する断面図、第２図は本考案の一実施例を
示すストツクインレツトの平行シフト機構を概示
する側面図、第３図は同ストツクインレツトの平
行シフト状態を概示する側面図、第４図は本考案
の他の実施例を示すストツクインレツトの平行シ
フト機構を概示する側面図である。 １ａ……ストツクインレツトの上部構造体、１
ｂ……同下部構造体、２……多岐管、３……紙料
流路、４……スライス、６……リンク。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ストツクインレツト構造体をそのスライス及び
   該スライスから後部多岐管の紙料吐出口部に至る
   紙料流路を上下に二分する位置で上部構造体と下
   部構造体とに分割し、該上部構造体と下部構造体
   とを上記分割部を横切つて並設されたリンクにて
   連結し、該リンクはその起立時に上記上部構造体
   を下部構造体の上方へ平行シフトするように配さ
   れ、該リンクによる上部構造体の平行シフトにて
   上記スライス及び紙料流路を上記二分する線上に
   おいて上下に拡開する構成としたことを特徴とす
   るストツクインレツト。