JPH0310952Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は洗濯用等の物干しに関する。

〔従来の技術と考案が解決しようとする課題〕

従来の物干しに於いては、使用時に組立・展開
し、不使用時に折り畳むことの出来るものもある
が、上記組立或いは展開の操作が煩わしく、ま
た、折り畳み操作も簡単ではなかつた。

本考案は、上記問題点を解決した物干しを提供
することを目的としている。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的を達成するために、本考案に係る物干
しは、揺動可能に中心部を相互に連結してなる一
対のリンクを、上下方向に複数組配列し且つリン
クの上端部を該リンクの上方に位置する一対のリ
ンクの下端部と相互に揺動可能に連結して上下方
向伸縮リンク機構を構成し、且つ、所定間隔に平
行に配設される一対の該リンク機構を連結リンク
にて連結した物干しにおいて； 外筒体と該外筒体に摺動可能に嵌合される内筒
体とから伸縮可能なスプリング収納筒を形成する
と共に、所定間隔に平行に配設される一対の該収
納筒を連結杆にて連結し、且つ該収納筒内に該収
納筒を縮める方向に弾発付勢する引張スプリング
を収納して伸縮可能な支持枠部を構成し、さら
に、最下段のリンクの下端部を該支持枠部の収納
筒に揺動可能に連結して、該支持枠部に上記リン
ク機構を立設すると共に、該収納筒を長さ寸法調
整自在に固定するロツク部材と、該収納筒をその
長手方向に走行させる転動輪とを、上記支持枠部
に付設したものである。

〔作用〕

折り畳み状態に於いては、水平方向伸縮部材の
スプリング収納筒は、外方へ最も伸びた状態とな
る。このとき同時に、各リンクは略水平状且つ上
下方向に重なつた状態、つまり、上下方向伸縮リ
ンク機構が上下方向に最も圧縮されて扁平形状と
なる。

展開状態に於いては、スプリング収納筒は短縮
し、このとき同時に、上下方向伸縮リンク機構は
上下方向に延伸した状態となつている。

折り畳み状態から展開状態に変えるには、ま
ず、ロツク部材によるスプリング収納筒のロツク
状態を解除した後、任意のリンクを持ち上げて上
下方向伸縮リンク機構を上方向へ延伸させその状
態で再びロツク部材にて収納筒をロツク状態とす
ればよい。そして、この場合、引張スプリングに
て収納筒は縮む方向に弾発付勢されているので、
その持ち上げ力は僅かですむ。また、逆に、展開
状態から折り畳み状態とするには、同様に、ロツ
ク部材によるスプリング収納筒のロツク状態を解
除した後、任意のリンクを押し下げ、その状態で
再び収納筒をロツク状態とすればよい。この場
合、各リンクの自重によりその押し下げ力も僅か
ですむ。

また、スプリング収納筒の長さ寸法を種々の寸
法に変更することが出来るので、リンク機構の高
さ寸法を種々のものに変更することが出来る。

さらに、支持枠部には転動輪が付設されている
ので、全体の移動を容易に行うことが出来、しか
も、スプリング収納筒の伸縮操作も容易に行え
る。

〔実施例〕

実施例について図面を参照して説明すると、第
１図に於いて本考案に係る物干しの展開状態を示
し、この物干しは、水平方向伸縮部材８，８と、
上下方向伸縮リンク機構３，３と、を備えてい
る。該水平方向伸縮部材８は、スプリング収納筒
６内にコイルスプリング等の引張スプリング７を
収納して構成したものであり、また、上記リンク
機構３は、揺動可能に中心部Ｃ，Ｃを相互に連結
してなるＸ字型の一対のリンク１，１を、上下方
向に複数組配列して構成したものである。なお、
最下方に位置する一対のリンク１，１間に水平方
向伸縮部材８を配設した場合を示している。

図例では、水平方向伸縮部材８，８を平行状に
配設すると共に、該伸縮部材８，８を連結して支
持枠部１０を形成している。また、上下方向伸縮
リンク機構３，３を平行状に、且つ、水平方向伸
縮部材８，８の間隔と同一間隔に設定すると共
に、両伸縮リンク機構３，３の対応するリンク１
…を相互に連結することによつて可動枠部１１を
形成している。従つて、本考案に係る物干しは、
支持枠部１０の上部に可動枠部１１が上下方向伸
縮可能に設けられたものといえる。

水平方向伸縮部材８，８のスプリング収納筒６
は、第２図に示すように、円筒状の外筒体４と、
該外筒体４の内周部に摺動可能に嵌合された内筒
体５と、からなる。内・外筒体５，４の外方側の
端部には脚部材１３，１３が溶接等により固着さ
れており、内有された引張スプリング７の両端が
該脚部材１３，１３の所定部位に連結されてい
る。該引張スプリング７は両脚部１３，１３を介
して一対のリンク１，１の下端部９，９を常時内
方向Ａ，Ａへ引き寄せるように弾発付勢してい
る。最下方に配置された一対のリンク１，１の内
の一方のリンク１の下端部９は、外筒体４の外方
側の端部１４に、他方のリンク１の下端部９は、
内筒体５の外方側の端部１５に、夫々揺動可能に
連結されている。１６…は枢支ピンであつて、該
枢支ピン１６…は枢結部材１７を介して内・外筒
体５，４に夫々取付けられている。

第１図と第３図に於いて、各上下方向伸縮リン
ク機構３，３における一対のリンク１，１の上端
部２，２は、該リンク１，１の上方に位置する別
の一対のリンク１，１の下端部９，９と相互に揺
動可能に連結されており、１８…はそのためのビ
ス等の枢結具である。並設された両伸縮リンク機
構３，３における対応するリンク１，１つまり同
じ高さ位置のリンク１，１は連結リンク１９…を
介して夫々連結されている。また、一対のリンク
１，１の中心部Ｃ，Ｃについても、第６図に示す
ように、ビス等の枢結具２４…にて連結されてい
る。

支持枠部１０の脚部材１３…には転動輪２０，
２０を付設して全体の移動を容易にしている。ま
た、これにより伸縮部材８，８の伸縮が容易とな
る。

２１，２１はロツク部材であつて、該ロツク部
材は、第２図に示すように、外筒体４，４のネジ
孔２２に螺合する雄ネジ部２３を有し、内筒体５
外周面を押圧することにより、外筒体４に内筒体
５を固定している。

折り畳み状態に於いては、第４図に示すよう
に、水平方向伸縮部材８のスプリング収納筒６，
６は最も外方へ伸びた最長状態となる。このとき
各リンク１…は何れも略水平状となり、上下方向
伸縮リンク機構３，３は上下方向に圧縮されて扁
平状となる。この状態にあるとき、伸縮部材８，
８に負荷する重量つまり可動枠部１１の重量に基
づく外方向Ｂ，Ｂの水平方向分力は、伸縮部材
８，８の引張スプリング７，７の内方向Ａ，Ａへ
の弾発付勢力より大に設定してあるので、このよ
うな折り畳み状態にて全体が安定する。

折り畳み状態から第５図のように全体を展開す
るには、上下方向伸縮リンク機構３，３を軽く押
し上げるだけでよく、例えば、任意のリンク１を
掴んで或る高さ位置迄ちよつと押し上げれば、そ
の後は引張スプリング７，７の弾発付勢力により
伸縮リンク機構３，３は自動的に上方へ延伸す
る。このとき伸縮リンク機構３，３を所望の高さ
にしたうえ、ロツク部材２１，２１にてスプリン
グ収納筒６をロツクすることにより一定高さ位置
に確実に保持することが出来る。

このように展開したうえで、第５図のように、
別途用意した物干し枠２５…等を適宜の高さ位置
に載置すればよく、具体的には、物干し枠２５…
に設けた係止用凹所２６…を連結リンク１９，１
９に係止させておく。

ロツク部材２１については、第７図に示すよう
に、ペダル式としてもよく、具体的には、該ロツ
ク部材２１は、支持枠部１０の連結杆２７に回動
可能に取付けられており、その先端係止部２９
を、外筒体４，４を連結している中間連結杆２８
に係止させることによりスプリング収納筒６，６
を所望の長さにひいては全体を所望の高さに設定
することが出来る。他の具体例として、第８図に
示すように、連結リンク１９に一端を回動可能に
取付け、他端に形成した嵌込凹所３０…を該連結
リンク１９の上方位置の別の連結リンク１９に係
止させる形式のものであつてもよい。

他の実施例として、第９図に示すように、一対
のリンク１，１の内の一方のリンク１の上端部２
を内筒体５に、他方のリンク１の上端部２を外筒
体４に、夫々揺動可能に連結しても差し支えな
い。

上下方向伸縮リンク機構３は展開状態において
は、上方へ延伸するように常時弾発付勢されてい
るので、不意に落下するようなことはないが、ロ
ツク部材２１…を設けることにより確実に一定高
さに保持され、さらに安全なものとなる。

ロツク部材２１として、第７図に示すペダル式
のものを用いれば、脚で操作することが出来、手
が自由となるので便利である。

〔考案の効果〕

本考案は、以上説明したように構成されている
ので、以下に記載されるような効果を奏する。

上下方向伸縮リンク機構３の任意の部分を持
ち、僅かの力を上方向に加えると、その後は自
動的に上方向へ延伸して展開状態となる。同様
に僅かの力を下方向に加えるだけで、その後は
自動的に折り畳み状態とすることが出来る。

スプリング収納筒６，６の長さ寸法を変更す
ることが出来て各リンク機構３，３の高さ寸法
を種々の寸法に変更することが出来、極めて使
い勝手がよいものとなる。

転動輪２０…により、全体の移動が容易であ
り、しかも、支持枠部１０の伸縮が容易とな
り、高さ調整及び展開・折り畳み操作がなめら
かに行える。

構成部材を回動可能に相互に連結している部
分が一箇所に集中しておらず、複数の場所に分
散しているので、特別に剛性大とする必要のあ
る部分がなく、それだけ簡易構造且つ軽量化が
可能となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示す全体斜視図、
第２図は可動枠部の断面正面図、第３図はリンク
端部の連結部分を示す拡大斜視図、第４図は折り
畳み状態を示す正面図、第５図は展開状態を示す
正面図、第６図はリンク中心部の連結部分を示す
拡大斜視図、第７図と第８図は夫々ロツク部材の
他の具体例を示す一部省略斜視図、第９図は他の
実施例を示す一部省略斜視図である。 １……リンク、２……上端部、３……上下方向
伸縮リンク機構、４……外筒体、５……内筒体、
６……スプリング収納筒、７……引張スプリン
グ、８……水平方向伸縮部材、９……下端部、Ｃ
……中心部、Ａ……内方向。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 揺動可能に中心部Ｃ，Ｃを相互に連結してなる
   一対のリンク１，１を、上下方向に複数組配列し
   且つリンク１，１の上端部２，２を該リンク１，
   １の上方に位置する一対のリンク１，１の下端部
   ９，９と相互に揺動可能に連結して上下方向伸縮
   リンク機構３を構成し、且つ、所定間隔に平行に
   配設される一対の該リンク機構３，３を連結リン
   ク１９…にて連結した物干しにおいて、 外筒体４と該外筒体４に摺動可能に嵌合される
   内筒体５とから伸縮可能なスプリング収納筒６を
   形成すると共に、所定間隔に平行に配設される一
   対の該収納筒６，６を連結杆２７，２７にて連結
   し、且つ該収納筒６，６内に該収納筒６，６を縮
   める方向に弾発付勢する引張スプリング７，７を
   収納して伸縮可能な支持枠部１０を構成し、さら
   に、最下段のリンク１，１の下端部９，９を該支
   持枠部１０の収納筒６に揺動可能に連結して、該
   支持枠部１０に上記リンク機構３，３を立設する
   と共に、該収納筒６を長さ寸法調整自在に固定す
   るロツク部材２１と、該収納筒６をその長手方向
   に走行させる転動輪２０…とを、上記支持枠部１
   ０に付設したことを特徴とする物干し。