JPH0310766Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 《産業上の利用分野》 本考案は車両用シート、特にバイブレータを内
蔵した車両用シートに関する。

《従来の技術》 自動車などでは同じ姿勢で長時間座ることが多
いので、腰、背骨、首などが疲れる。

これを緩和するためシートバツクやヘツドレス
ト部分にバイブレータを内蔵させ、必要に応じて
使用できる構造にした車両用シートがある。この
構造は、腰、背骨のほかに首などもマツサージで
きる構造にする場合、第５図に示すように、シー
トクツシヨン１に取り付けたシートバツク２の背
当て部に内蔵したバイブレータ３と、ヘツドレス
ト４に内蔵したバイブレータ５の二つのバイブレ
ータ３，４を設けたシート６の構造を採つてい
る。

《考案が解決しようとする問題点》 したがつて一つのシート６で二つのバイブレー
タ３，４を必要とするのでコスト高になる。また
二つのバイブレータ３，４を同時に作動させた場
合は消費電力大きくなり、バツテリー（不図示）
への負担が大きくなる。

本考案は上記問題点に鑑みてなされたものであ
り、一つのバイブレータで腰、背骨部のマツサー
ジと首部のマツサージを同時に行なうことのでき
る構造にした車両用シートを提供することを目的
とする。

《問題点を解決するための手段》 上記目的を達成するため本考案は、シートバツ
クと、前記シートバツクの取付穴にステーを差し
込んで取り付けられるとともに前記差し込み量の
調整で高さが変えられるヘツドレストを備えた車
両用シートであつて、前記ヘツドレストに振動板
を内蔵させ、且つ該振動板に棒状の第１クラツチ
部材の一端を取付け、該第１クラツチの他端を前
記ヘツドレストの下面より下側に突出させるとと
もに、前記シートバツクの背当て面に向けた状態
でバツクフレームにバイブレータを固定し、該バ
イブレータに前記棒状の第１クラツチ部材が差し
込まれる第２クラツチ部材を設け、前記第１クラ
ツチ部材および第２クラツチ部材でクラツチ手段
を構成し、前記ヘツドレストの特定の高さ調整位
置で、前記第１クラツチ部材が第２クラツチ部材
に差し込まれクラツチ手段が係合して前記ヘツド
レストに内蔵した振動板に前記シートバツクに固
定したバイブレータの振動を伝達するよう構成し
たものである。

《作用》 この構成によると、ヘツドレストを特定高さ位
置に調整するとクラツチ手段を介しヘツドレスト
側の振動板も振動する。したがつてシートバツク
側のバイブレータをヘツドレスト側で兼用するこ
とができ、一つのバイブレータで腰・背骨部のマ
ツサージと首部のマツサージを同時に行なえる。

《実施例》 以下、本考案の実施例に付いて図面を用いて説
明する。

第１図乃至第４図は本考案の一実施例に係る車
両用シートの要部を概略的に示したものである。

第１図乃至第４図においてシート７は、シート
クツシヨン（不図示）に取り付けられたシートバ
ツク８と、ヘツドレスト９を備えている。

そしてヘツドレスト９はヘツドレスト面１１に
向けた状態で振動板１０を内蔵させ、この振動板
１０の背面に棒状の第１クラツチ部材１３を取り
付けている。この第１クラツチ部材１３は一端が
ブラケツト１２で振動板１０に固定され、他端が
ヘツドレスト９の下面より下側へ大きく突出した
状態になつている。またヘツドレスト９にはクラ
ツチ部材１３と平行で、かつ第１クラツチ部材１
３を中心として左右に位置した状態で下面より突
出させて一対のステー１４を設けている。

一方、シートバツク８には上面１５に、ヘツド
レスト９側の一対のステー１４をそれぞれ差し込
んで取り付ける一対の取付穴１６と第１クラツチ
部材１３を差し込む挿入穴１７とを対応して設け
ているとともに、取付穴１６に差し込んだステー
１４を任意の差し込み位置で拘束できる解除可能
なロツク手段１８を設けている。そして内部には
挿入穴１７に差し込まれた第１クラツチ部材１３
を摺動自在に支持するブラケツト１９と、バイブ
レータ２０とを設けている。このバイブレータ２
０はシートバツク８の背当て面２１に向けた状態
でバツクフレーム（不図示）に固定しており、不
図示のスイツチの操作で起動・停止できる。また
バイブレータ２０の背面には第１クラツチ部材１
３が差し込まれて来る部分に対応して第２クラツ
チ部材２２を設けている。この第２クラツチ部材
２２は第１クラツチ部材１３と組み合わされてク
ラツチ手段２３を構成しているものである。そし
てヘツドレスト９が一番下側へ高さ調整されて下
げられると、第１クラツチ部材１３の先端が第３
図乃至第４図に示すように第２クラツチ部材２２
内に差し込まれて連結し、バイブレータ２０の振
動を振動板１０へ伝達させて振動板１０も同時に
振動させる。逆にヘツドレスト９が上側に高さ調
整されると、第１クラツチ部材１３の先端が第１
図乃至第２図に示すように第２クラツチ部材２２
より抜け出て非連結状態になり、バイブレータ２
０の振動を振動板１０へ伝達しない。

このように構成した車両用シート１では、ロツ
ク手段１８を制御しヘツドレスト９を上方に調整
配置させておくとクラツチ手段２３が断たれ、バ
イブレータ２０が動作しても振動板１０は振動せ
ず、腰・背中の部分だけをマツサージすることが
できる。そして同時に首もマツサージしたい場合
は、ヘツドレスト９を下方へ高さ調整するとクラ
ツチ手段２３を介してバイブレータ２０の振動が
振動板１０にも伝わりヘツドレスト９を振動させ
る。そして、この振動で首をマツサージさせるこ
とができる。

したがつて、この車両用シートではクラツチ手
段２３を切り換えることにより、一つのバイブレ
ータ２０で腰・背骨だけをマツサージできる態様
と、腰・背骨のマツサージに加えて首のマツサー
ジも同時にできる態様とで使用することができ
る。これによりバイブレータの設置数を減らすこ
とができ、コスト低減が図れると同時に消費電力
も少なくできる。

なお上記実施例ではヘツドレスト９を一番下側
に高さ調整したときをクラツチ手段２３の投入時
として説明したが、途中の調整位置から投入させ
るようにしても良いことは勿論である。

《考案の効果》 以上説明したとおり、本考案に係る車両用シー
トによれば、シートバツク側のバイブレータを一
つだけ設けて、クラツチ手段を介してヘツドレス
ト側の振動板に連結し、必要に応じてシートバツ
クの振動の他にヘツドレストの振動を選択できる
ものである。従つて、バイブレータをシートバツ
クとヘツドレストに個別に設けなくともよく、コ
スト低減に寄与し消費電力の節減によるバツテリ
ーへの負担を軽くするばかりでなく、腰、背骨部
のマツサージのみ必要で、首のマツサージを不必
要のとき、ヘツドレスト側の振動を切つてしまう
ことができて、使用者の希望を確実にかなえるこ
とができ、快適安全なドライブを保証するもので
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例に係る車両用シート
の要部を概略的に示した正面図、第２図は第１図
の側面図、第３図は同上シートの要部を他の使用
態様で概略的に示した正面図、第４図は第３図の
側面図、第５図は従来に係る車両用シートの要部
を概略的に示した斜視図である。 ７……シート、８……シートバツク、９……ヘ
ツドレスト、１０……振動板、１３……第１クラ
ツチ部材、２２……第２クラツチ部材、１６……
取付穴、１７……挿入孔、２０……バイブレー
タ、２１……背当て面（背当て部）、２３……ク
ラツチ手段。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. シートバツクと、前記シートバツクの取付穴に
   ステーを差し込んで取り付けられるとともに前記
   差し込み量の調整で高さが変えられるヘツドレス
   トを備えた車両用シートであつて、前記ヘツドレ
   ストに振動板を内蔵させ、且つ該振動板に棒状の
   第１クラツチ部材の一端を取付け、該第１クラツ
   チの他端を前記ヘツドレストの下面より下側に突
   出させるとともに、前記シートバツクの背当て面
   に向けた状態でバツクフレームにバイブレータを
   固定し、該バイブレータに前記棒状の第１クラツ
   チ部材が差し込まれる第２クラツチ部材を設け、
   前記第１クラツチ部材および第２クラツチ部材で
   クラツチ手段を構成し、前記ヘツドレストの特定
   の高さ調整位置で、前記第１クラツチ部材が第２
   クラツチ部材に差し込まれクラツチ手段が係合し
   て前記ヘツドレストに内蔵した振動板に前記シー
   トバツクに固定したバイブレータの振動を伝達す
   るようにしたことを特徴とする車両用シート。