JPH03100357A - 断熱ピストン及びその製造方法 - Google Patents

断熱ピストン及びその製造方法

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JPH03100357A
JPH03100357A JP23790289A JP23790289A JPH03100357A JP H03100357 A JPH03100357 A JP H03100357A JP 23790289 A JP23790289 A JP 23790289A JP 23790289 A JP23790289 A JP 23790289A JP H03100357 A JPH03100357 A JP H03100357A
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英紀 北
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、断熱エンジン等における断熱ピストン及びそ
の製造方法に関する。
(従来の技術) 例えば、燃焼ガスに晒されて高温になる燃焼室側に面す
るピストンヘッドの表面部の熱容量を可及的に小さく構
成し、かつその断熱性を高度なものとするすれば、エン
ジンの吸入効率およびサイクル効率が向上し、エンジン
の熱ショックを受けても強度上の問題が生じないことか
ら、ピストンヘッドとピストンスカートとの間のシール
機能を向上するようにした断熱ピストンの発明が既に出
願されている(特開昭63−302164号公報)。
これは第3図に示すように、セラミックスのピストンへ
ラド11の内部に取付はボス部12を嵌合し、その上面
に断熱材13を介してセラミックス薄板14を設け、そ
の外周部を化学蒸着法によってセラミックスリング15
と接合するものであった。
この場合、断熱ピストンの熱容量を小さくするために、
極めて薄く形成したセラミックス薄板が燃焼室に面する
ようにピストンヘッド部に断熱材を介して配置されなく
てはならない。そしてこの断熱材は、チタン酸カリウム
ウィスカー ジルコニアファイバ等の材料からなり、断
熱機能を果すとともに、爆発時にセラミックス薄板に作
用する圧力を受は止める構造材として機能する。
(発明が解決しようとする課題) このような従来の断熱ピストンの構造では、ピストンヘ
ッド部内に取付けられる個々の部品、例えば取付はボス
部12、断熱材13、セラミックス薄板14、セラミッ
クスリング15等の加工に高い精度が要求され、しかも
それらを作成する工程や、全体を組立てるために要する
工程が多くなって、コスト的に問題があった。
また、ピストンヘッド11の強度を確保するうえで、セ
ラミックス薄膜14の肉厚を大きくとる必要から、その
部分での熱容量が大きくなって、ピストンヘッドの断熱
性が低下する。更に、ピストンヘッド部内では、互いに
熱膨張係数の異なる材料、特に断熱材とセラミックスと
が接合する構造となるため、長時間の熱サイクルの下で
は、この部分が熱的なウィークポイントとなる。
本発明は、上記課題を解決するためになされたもので、
熱容量が小さくかつ耐熱性を有し、しかも製造コストの
低減が可能な断熱ピストン及びその製造方法を提供する
ことを目的としている。
(課題を解決するための手段) 本発明によれば、緻密質セラミックスでなる外周部材と
、該外周部材の内部に充填結合される10%以上の気孔
を有するセラミックス断熱層とからなるピストンヘッド
部を有することを特徴とする断熱ピストンを提供できる
また、本発明によれば、多孔質のブロック上にピストン
ヘッド部を対向させてセラミックス類の外周部材を載置
し、該外周部材の内部にシリコン粉末を含むスラリーを
流し込む第1ステップと、前記多孔質のブロックに水分
を吸収させてスラリーを固化する第2ステップと、前記
ピストンヘッドを窒素ガス中で反応焼結して前記固化し
たスラリーをセラミックス化した断熱層に形成する第3
ステップと、前記外周部材の端面と断熱層の端面にセラ
ミックス薄膜を形成する第4ステップとを有することを
特徴とする断熱ピストンの製造方法が提供される。
(作用) 本発明の断熱ピストンは、ピストンヘッドとなる緻密質
セラミックスによる外周部材の内部に溝部を形成してお
いて、外周部材の内部に10%以上の気孔を有するセラ
ミックスを、例えばスラリーを流し込んで反応焼結する
ことにより充填して、ピストンヘッドの断熱層が形成さ
れている。
通常のセラミックスとは異なり反応焼結セラミックスは
、焼結時の寸法変化率が零であるから、焼成後も断熱層
と外周部材とは強固に接着され、エンジンの燃焼による
熱を遮断する気孔を有する断熱層が容易に形成できる。
(実施例) 以下、本発明の実施例を図面に従って詳細に説明する。
実施例1 第1図は、本発明のピストンを示す断面図である。溝部
1を有するピストン用の外周部材2のうちピストンヘッ
ド部は、窒化珪素(Sig N4 )、炭化珪素又はこ
れらの複合セラミックスなどの緻密質セラミックスで構
成され、ピストンヘッド部を作製した後に、たとえばア
ルミ合金製のピストンスカート部と接合されている。ピ
ストンヘッド部には、反応焼結セラミックスからなる多
孔質の断熱層3が充填結合され、このピストンヘッド部
の端面に、外周部材2とセラミックス断熱層3とを覆う
緻密なセラミックス薄膜4が形成されている。外周部材
2のピストンスカート部には、コンロッドを接続するた
めのピストンピン穴5が形成されている。
上記外周部材2の溝部1は、そこに充填さ′れた断熱層
3がピストンヘッド部の端面から脱落することを防止し
ている。また多孔質の断熱層3は、10%以上、好まし
くは20%〜30%の体積比で気孔を有する窒化珪素か
らなるセラミックスであり、更にその熱伝導率を低下さ
せて断熱性を高めるために、その熱伝導率が窒化珪素よ
り小さいセラミックス粒子を含有していることが好まし
い。
上記セラミックス薄膜4は、この多孔質の断熱層3の強
度を向上させるためのものである。
このような断熱ピストンの製造に際しては、まず内面の
円周に沿って溝部1を設けたセラミックス類の外周部材
2を用意する。この外周部材2を例えば石膏ブロック等
の多孔質のブロック上にピストンヘッド部を対向させて
設置して、その内部にシリコン粉末とムライト粉末(チ
タン酸アルミニウム)とを体積比で1:1となるように
配合したスラリーを流し込む。スラリー中の水分は、石
膏中に吸収され、固化する。その後に、焼成炉内に入れ
て、窒素(N2)加圧雰囲気中で反応焼成して、シリコ
ンを窒化珪素(Si3 N4 )などの多孔質セラミッ
クスに変化させる。炉冷後に、これを取り出して、その
端面を若干研摩し、化学気相蒸着によりCVD装置内で
窒化珪素(Si3N4 )薄膜4を形成する。
上記製造方法により作成された断熱ピストンをディーゼ
ルエンジン内に組込んで、2000rpmの回転条件で
約2000時間の耐久テストを行なった結果、ピストン
の破損などの異常は全く認められず、エンジン熱効率も
、従来のピストンを使用したものに比較して約10%の
向上が確認された。
上記製造方法の変形例としては、スラリーを流し込む代
りに、例えばシリコン粉末に熱分解により除去できるワ
ックス等を混ぜ、塑性を有するセラミックス組成物を形
成し、これを外周部材の内部に加圧充填することが可能
である。この場合に、上記セラミックス組成物は、脱脂
してから窒素ガス中で反応焼結してセラミックス化した
断熱層に形成される。
また、化学気相蒸着により窒化珪素(SigN4)薄膜
4を形成する代りに、物理蒸着によってセラミックス薄
膜を形成することも可能である。更に、上記セラミック
ス薄膜は、外周部材の端面と断熱層の端面を有機ポリマ
ー溶液に浸漬し、その後に焼結することによっても形成
される。
叉10Iユ 前記実施例1の断熱ピストンを構成する断熱層3と同じ
反応焼結セラミックスであって、シリコン粉末とチタン
酸アルミニウムとの配合の比率を様々に変更して、ピス
トンヘッド内部に充填されるセラミックスに対応する複
数の試験片について、熱伝導率、及び強度の測定を行な
った。
第2図は、横軸にチタン酸アルミニウムの配合を体積比
で示し、縦軸にそれぞれ熱伝導率(Ca17cm−se
c ・’e)と曲げ強度(MPa;メガパスカル)の測
定結果を示している。熱伝導率の測定は、レーザフラッ
シュ法により、強度の測定は、4点曲げにより行なって
いる。この図から理解されるように、チタン酸アルミニ
ウムの粉末が増加するに従って、熱伝導率は低下する。
したがって、種々にチタン酸アルミニウムの配合比を変
えてピストンヘッドとして必要最小限の強度を確保でき
るようにして、熱伝導率の低減をはかることが可能であ
る。
衷」1孤ユ 前記実施例1の断熱ピストンを構成する断熱層3と同じ
反応焼結セラミックスであって、シリコン粉末とチタン
酸アルミニウムとの配合の比率を614にした複数の試
験片を用意し、その表面に窒化珪素(Si5 N4 )
のセラミックス薄膜を蒸着したものと、そうでないもの
について、強度の測定を行なった。
試験片は、シリコン粉末とムライト粉末とを体積比で6
=4となるように配合したスラリーをスリップキャステ
ィング法により角棒状に成形され、窒素加圧雰囲気中で
反応焼成して、シリコンを窒化珪素(Si3N4)に変
化させた。これを3 x 4 x40 (mm)に加工
された100本の試験片とし、このうちの50本には、
その表面に厚さ約1.5μmの蒸着膜を形成し、4点曲
げ法により強度を測定した。その結果、蒸着膜を設けな
かったものでは、曲げ強度が290MPaであったが、
蒸着膜を形成したものでは385MPaと、30%以上
強化された。また、試験片の破壊強度のばらつきに関す
るワイブル係数については、蒸着膜を設けなかったもの
が10.5.蒸着膜を形成したものでは18と、後者の
ものの方がロフト毎の強度の変動が小さくなることを示
している。
以上では、この発明をある程度詳細にその最も好ましい
実施態様について説明したが、その好ましい実施態様の
説明は、構成の詳細な部分についての変形、特許請求の
範囲に記載された本発明の精神に反しない限りでの種々
な変形、あるいはそれらを組み合わせたものに変更する
ことができることは明らかである。
(発明の効果) 以上説明したように、本発明によれば、セラミックス材
料を使用して断熱性や強度の高い断熱ピストンが提供で
き、しかもその製造プロセスが簡単になって、コストの
低減も可能とする断熱ピストンの製造方法を提供できる
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明の一実施例を示す断面図、第2図は、
焼成された断熱層の熱伝導率と曲げ強度とを示す図、第
3図は、従来の断熱ピストンの構造を示す断面図である
。 1・・・溝部、2・・・外周部材、3・・・多孔質の断
熱層、4・・・セラミックス薄膜。

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)緻密質セラミックスでなる外周部材と、該外周部
    材の内部に充填結合される10%以上の気孔を有するセ
    ラミックス断熱層とからなるピストンヘッド部を有する
    ことを特徴とする断熱ピストン。
  2. (2)前記セラミックス断熱層は、反応焼結窒化珪素か
    らなることを特徴とする請求項(1)に記載の断熱ピス
    トン。
  3. (3)前記セラミックス断熱層は、窒化珪素及びその熱
    伝導率が窒化珪素より小さいセラミックス粒子を含有す
    ることを特徴とする請求項(1)又は(2)に記載の断
    熱ピストン。
  4. (4)前記セラミックス粒子は、チタン酸アルミニウム
    であることを特徴とする請求項(3)に記載の断熱ピス
    トン。
  5. (5)前記緻密質セラミックスは、窒化珪素あるいは炭
    化珪素又はこれらの複合セラミックスであることを特徴
    とする請求項(1)に記載の断熱ピストン。
  6. (6)前記外周部材は、断熱層が充填される内面に溝部
    が形成され、かつ合金製のピストンスカート部と接合さ
    れピストンを構成していることを特徴とする請求項(1
    )に記載の断熱ピストン。
  7. (7)前記ピストンヘッド部の端面に、外周部材とセラ
    ミックス断熱層とを覆う緻密なセラミックス薄膜が形成
    されていることを特徴とする請求項(1)に記載の断熱
    ピストン。
  8. (8)前記セラミックス薄膜は、窒化珪素あるいは炭化
    珪素又はこれらの複合セラミックスの薄膜であることを
    特徴とする請求項(7)に記載の断熱ピストン。
  9. (9)多孔質のブロック上にピストンヘッド部を対向さ
    せてセラミックス製の外周部材を載置し、該外周部材の
    内部にシリコン粉末を含むスラリーを流し込む第1ステ
    ップと、前記多孔質のブロックに水分を吸収させてスラ
    リーを固化する第2ステップと、前記ピストンヘッドを
    窒素ガス中で反応焼結して前記固化したスラリーをセラ
    ミックス化した断熱層に形成する第3ステップと、前記
    外周部材の端面と断熱層の端面にセラミックス薄膜を形
    成する第4ステップとを有することを特徴とする断熱ピ
    ストンの製造方法。
  10. (10)ピストンヘッド部となるセラミックス製の外周
    部材の内部にシリコン粉末を含む塑性を有するセラミッ
    クス組成物を挿入する第1ステップと、前記セラミック
    ス組成物を前記外周部材の内部に加圧充填する第2ステ
    ップと、前記セラミックス組成物を脱脂してから窒素ガ
    ス中で反応焼結してセラミックス化した断熱層に形成す
    る第3ステップと、前記外周部材の端面と断熱層の端面
    にセラミックス薄膜を形成する第4ステップとを有する
    ことを特徴とする断熱ピストンの製造方法。
  11. (11)前記第4ステップでは、化学気相蒸着によりセ
    ラミックス薄膜を形成することを特徴とする請求項(9
    )又は(10)に記載の断熱ピストンの製造方法。
  12. (12)前記第4ステップでは、物理蒸着によりセラミ
    ックス薄膜を形成することを特徴とする請求項(9)又
    は(10)に記載の断熱ピストンの製造方法。
  13. (13)前記第4ステップでは、外周部材の端面と断熱
    層の端面を有機ポリマー溶液に浸漬し、その後に焼結す
    ることによりセラミックス薄膜を形成することを特徴と
    する請求項(9)又は(10)に記載の断熱ピストンの
    製造方法。
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