JPH03100123A - 低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法 - Google Patents

低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法

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JPH03100123A
JPH03100123A JP23469289A JP23469289A JPH03100123A JP H03100123 A JPH03100123 A JP H03100123A JP 23469289 A JP23469289 A JP 23469289A JP 23469289 A JP23469289 A JP 23469289A JP H03100123 A JPH03100123 A JP H03100123A
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JP
Japan
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heat treatment
grain
silicon steel
iron loss
steel sheet
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JP23469289A
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English (en)
Inventor
Kenichi Arai
賢一 荒井
Masaaki Ueno
上野 雅朗
Tomohiro Arasawa
荒沢 友浩
Kazuki Kobayashi
和樹 小林
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Mitsubishi Power Ltd
Original Assignee
Babcock Hitachi KK
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、方向性珪素鋼板の製造方法に係わり、特に磁
束密度が高く、鉄損の低い極薄の方向性珪素鋼板の製造
方法に関する。
〔従来技術■〕
Si:2〜8重量%を含有し、(110)〔001〕結
晶粒集合組織を有する市販の一方向性珪素鋼板を冷間圧
延することにより、板厚150μm以下の(111) 
 (112)結晶粒集合組織を有する中間薄板を作成し
、これを常圧非酸化性雰囲気、あるいは減圧非酸化性雰
囲気において常温から1.5℃/秒以上の昇温速度で1
000〜1400℃まで昇温し、その温度に3時間以上
保持して結晶粒径が10mm以上の三次再結晶粒を成長
させ、磁束密度の高い、鉄損の低い極薄の方向性珪素鋼
板を得る方法(特開昭63−171827号)に提案さ
れている。
また、昇温過程を含む初期の熱処理を減圧非酸化性雰囲
気で実施し、続いて必要とされる残りの熱処理時間を常
圧水素雰囲気で熱処理し、減圧非非酸化性雰囲気と常圧
水素雰囲気での熱処理時間の合計が3時間以上であるよ
うにすることによって粒径10mm以上の三次再結晶を
成長させ、磁束密度の高い、鉄損の低い極薄の方向性珪
素鋼帯を得る方法(特願昭63−286711号)が提
案されている。
〔発明が解決しようとする課題■〕
上記の提案における熱処理鋼板は冷間圧延による薄板化
のあとであり、その長さは冷間圧延前の数倍となる。こ
のためその後の熱処理において、高温、高真空下で長時
間さらされる鋼板の表面積も数倍となり、材料の揮散に
よる重量減少量が大きくなるという問題がある。すなわ
ち製品w4板の重量当たりのコストが増大するという問
題があった。
本発明の第1の目的は、上記従来技術の欠点をなくし、
磁束密度の高い、鉄損の低い極薄の方向性珪素鋼板を低
コストで効率よく製造する方法を提供することである。
〔従来技術■〕
方向性珪素鋼板は変圧器などの鉄心材料に広く使用され
ている電磁鋼板である。電気機器の省エネルギ、あるい
は発熱による温度上昇抑制の観点から鉄損を低減するこ
とが要求されている。
鉄損を低減するために、結晶方位を(110)〔001
)により高度に揃えること、板厚を薄くすること、St
含有量を上げて鋼板の電気抵抗を増加させること、等が
有効である。
例えば、特開昭63−171827号では、市販の方向
性鋼板に冷間圧延と真空中、1200℃以上での熱処理
を加えて、薄板化と結晶方位の高配向化を図って、結晶
粒径が10mm以上の三次再結晶粒からなる鉄損の極め
て低い方向性珪素鋼板を得る方法が提案されている。し
かしながら、結晶粒が大きいと磁区幅が大きくなり、高
周波領域での鉄損が低くならないという傾向がある。
一方、磁区の細分化を図って鉄損を下げる方法として、
最終仕上げ焼鈍後の方向性珪素鋼板の表面に小球を押圧
して深さ3μm以下の凹みを形成して線状の微小歪を付
与する方法(特公昭58−5968号)がある。また、
特公昭58−26406号、特公昭58−26410号
では、最終仕上げ焼鈍後の方向性珪素鋼板の表面にレー
ザー照射により痕跡を形成して局所的な微小歪を与え、
鉄損を低減する方法が提案されている。しかしながら、
上記のようにして得られた鉄損の低い珪素鋼板も、焼鈍
、例えば巻鉄心を製造の際の800℃以上での歪取り焼
鈍によって鉄損改善効果が消失してしまうという問題が
ある。
上記の焼鈍による鉄損改善効果の消失の解決のために、
仕上げ焼鈍済みまたは絶縁被膜処理済みのw4viに点
線または破線状の加工歪を付与し、その後750℃以上
の熱処理を行って微細結晶粒を生じさせて磁区を細分化
する方法(特公昭6253579号)が提案されている
さらに、仕上げ焼鈍された方向性珪素鋼板の鋼成分ある
いはfiA組織と異なる異質物を形成して上記の焼鈍に
よる鉄損改善効果の消失を解決しようとする提案がある
。例えば、冷延工程で金属粉末などを埋め込む方法(特
公昭63−31527号)、特定元素を塗布した後、熱
処理により異質物を形成させる方法(特公昭63−19
567号。
特公昭63−30968号)、さらに電気メツキ後の熱
処理により鋼の成分、組織と異なる侵入帯を形成する方
法(特公昭63−19568号、特公昭63−1956
9号)がある。
〔発明が解決しようとする課題■〕
上記の提案方法は歪取り焼鈍によって鉄損改善効果を消
失してしまうという問題はないものの、レーザー照射な
みの鉄損低減効果を得るのが難しい、あるいは熱処理等
を必要とし方向性珪素鋼板の製造コストが高(なるとい
う問題点がある。
本発明の第2の目的は、熱処理例えば800℃以上の歪
取焼鈍を施しても鉄損改善効果が消失しない、しかも処
理コストの低い磁区細分化法を提案して、鉄損の低い方
向性珪素鋼板を製造しようとするものである。
〔従来技術■〕 方向性珪素鋼板は変圧器などの鉄心材料に広く使用され
ている電磁鋼板である。電気機器の省エネルギ、あるい
は発熱による温度上昇抑制の観点から鉄損を低減するこ
とが要求されている。
鉄損を低減するために、結晶方位を(110)〔001
)により高度に揃えること、板厚を薄くすること、Si
含有量を上げて鋼板の電気抵抗を増加させること、等が
有効である。
例えば、特開昭63−171827号では、市販の方向
性珪素鋼板に冷間圧延と真空中1200℃以上での熱処
理を加えて、薄板化と結晶方位の高配向化を図って、結
晶粒径が10mm以上の三次再結晶粒からなる鉄損の極
めて低い方向性珪素鋼板を得る方法が提案されている。
一方、珪素鋼板のSi含有量を増加させ、4.0〜6.
5%Stを含む珪素鋼板では飽和磁束密度は減少するも
のの、Siの増加により比抵抗が増加するので渦電流損
が減少するこという効果があり、鉄損低域に有効である
。このため高珪素鋼板製造のアプローチが行われている
。しかし、高珪素鋼板は脆く圧延が難しいという欠点が
ある。
そうした中、特開昭63−60225号ではStを4.
0〜7.0%含む高珪素含有スラブを熱間圧延により結
晶粒界間隔を最適化しその後温間圧延で薄板化する高珪
素無方向性珪素鋼板の製造方法が提案されている。
また特開昭53−14290号では6.5%Stを含む
溶湯を水冷ロール上に急冷凝固させて薄板化した後、1
000〜1300℃に焼鈍し高珪素方向性珪素鋼板を製
造する技術が提案されている。
また特開昭63−26312号では低珪素含有珪素鋼板
を冷間圧延後、CVD法によりSt濃度を高める浸珪処
理を行い、6.5%Si含有の高珪素無方向性珪素鋼板
を得る製造方法が提案されている。
一方、従来から簡便に浸珪する方法として四塩化珪素ガ
ス中で珪素鋼板を熱処理することにより高珪素化できる
ガス浸珪法という原理が知られている。
〔発明が解決しようとする課題■〕
上記の提案方法の中で、温間圧延による方法、急冷凝固
による方法、CVDによる浸珪法はいずれも高珪素鋼板
を製造可能である。しかし、温間圧延法では、熱間圧延
により結晶粒径を制御するために高度な技術を要し高コ
ストとなる。
また、急冷凝固法は急冷凝固制御が難しく高コストとな
るばかりでなく、溶湯を急冷するためにロール周速を1
2〜20m/s程度にする必要があり、そのためにロー
ルから高速で剥離されてくる銅帯を処理する設備や、ス
ペースが問題となるなどの問題点を有している。
CVD法は特殊なCVD装置を用い、処理に高度な技術
を必要とするため、製造コストが高くなるという問題点
を有している。
次にガス浸珪法を無方向性珪素鋼板(通常の珪素鋼板)
に適用する場合について検討する。この鋼板では、製造
過程において、高温で長時間の熱処理を行っていないた
め、結晶粒が十分に成長しておらず、高温での拡散熱処
理中に結晶粒が成長する。拡散熱処理中に成長した結晶
の粒界は、その後の加工で割れ易いという問題があった
。また、方向性珪素鋼板では、仕上げ焼鈍時に表面にフ
ォルステライトと呼ばれる表面被膜を生じているため、
四塩化珪素ガス中で熱処理を行っても浸珪しない。
本発明の第3の目的は、仕上げ焼鈍後に鋼板表面に生成
したフォルステライト被膜を除去した方向性珪素鋼板を
使用し、簡便なガス浸珪法の条件を最適化して処理コス
トの低い高珪素方向性珪素鋼板を製造しようとするもの
である。
〔課題を解決するための手段I〕
上記第1の目的は、冷間圧延前に鋼板の不純物除去熱処
理を行うことにより達成される。
ここで、不純物除去熱処理とは三次再結晶粒の成長を阻
害する不純成分を除去するための104〜10−’To
rrの減圧非酸化雰囲気、1150〜1300℃で2時
間以上行う熱処理である。
具体的には、上述の不純物除去熱処理を行った後、冷間
圧延を行い、冷間圧延により板厚150μm以下の歪エ
ネルギーを蓄えた状態である(111)〔112)結晶
粒集合組織を有する薄板にする。その後、三次再結晶化
熱処理を常圧水素雰囲気、1050〜1300℃におい
て1時間以上行うことにより上記目的が達成される。
〔作用I〕
本発明者らは、冷間圧延後の熱処理における三次再結晶
の成長について鋭意研究した結果、三次再結晶の成長は
鋼板中の不純物、例えばMn。
Cu、Sn等、あるいはそれらの合計量をある値以下に
除くことによって常圧、非酸化性雰囲気においても容易
に進むことを見出した。
さらに、鋼板中の不純物の除去に減圧雰囲気での熱処理
が有効であることも見出した。第2図は、真空度2X1
0−’Torr、熱処理温度1200℃での熱処理時間
と鋼板中のMn、Cu、Sn含有量の変化である。不純
物として示したMn、Cu、Snは上記条件の減圧雰囲
気において急速に減少している。
本発明の方法は、上記の研究結果、すなわち、不純物を
除く工程に減圧非酸化性雰囲気での熱処理を採用するこ
とができること、およびその工程は冷間圧延の前でも後
であっても三次再結晶の成長に有効であることに基づく
ものである。
すなわち、市販の方向性珪素鋼薄帯の被膜除去後、不純
成分を除去するための減圧下での熱処理を2時間以上行
い、続いて冷間圧延により板厚150μm以下の歪エネ
ルギーを蓄えた状態である(111)〔112)結晶粒
集合組織を有する薄帯にする。
その後、減圧あるいは常圧非酸化性雰囲気において10
00℃以上で5分以上の熱処理を行う。
これにより高温、減圧下にさらされる鋼板の表面積は冷
間圧延後の鋼板表面積の数分の1であり、かつ冷間圧延
後の熱処理が常圧であるので、材料の揮散による重量減
少が低減される。
また、不純物質を除去するための冷間圧延前の熱処理は
、I X I Q−’〜5x 10−”To r rの
真空度が好ましい。5X10”zTorrより真空度が
低いと充分に不純物の除去ができない、逆にIX 10
−’To r rより真空度が高いと被熱処理材自身の
揮散が盛んになり重量減少が抑制できず、材料コストの
増加を招くので好ましくない。
また、例えばHe、Ar、水素などの非酸化性ガスをパ
ージしつつ減圧にした雰囲気で上記の不純物除去熱処理
を行っても同様な効果が得られる。
〔課題を解決するための手段■〕
本発明の第2の目的は、二次再結晶粒あるいは三次再結
晶粒からなる方向性珪素鋼板に、貫通孔を形成すること
によって達成される。この孔の深さ制御が不要であるた
め、極薄珪素鋼板など板厚の薄い材料にも効率よく磁区
細分化の処理を施すことができる。
本発明の貫通孔の形成は、好ましくは絶縁被膜の塗布前
において行われ、珪素鋼板の圧延方向との角度45〜9
0度の方向に、貫通孔の孔径が9からなる方向性珪素鋼
板に、貫通孔を受ける掻取下好ましくは100〜300
μm2貫通孔ピツチが孔径により制限を受けるピッチ好
ましくは0.5〜2mm、貫通孔列の間隔が孔径により
制限を受ける間隔以上60mm以下好ましくは10〜6
0mmにおいて行われる。
貫通孔を形成するためには、好ましくはYAGレーザー
の他、ルビーレーザー等の固体レーザー炭酸ガスレーザ
ー等の気体レーザーが処理速度や加工性に応じて用いら
れる。また、レーザー以外の加工機械、例えばドリル、
パンチングマシンなどを用いても構わない。
次いで、該鋼板にリン酸、リン酸アルミニウム、リン酸
マグネシウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等のリン
酸塩、クロム酸、クロム酸マグネシウム等のクロム酸塩
、重クロム酸塩、コロイダルシリカなどの1種または2
種以上を含む絶縁被膜溶液を塗布し、350℃以上の温
度で焼付けして絶縁被膜(張力コーティング)を形成す
る。
本発明に係る珪素鋼板は、二次再結晶粒あるいは三次再
結晶粒からなる方向性珪素鋼板で、該方向性珪素鋼板の
化学組成、再結晶化されるまでの製造条件は特定する必
要がない。好ましくは、絶縁被膜塗布前の鋼板に処理す
る。しかし、絶縁被膜塗布後であっても、貫通孔の形成
は可能であり、改善効果に何ら変化はなく、これについ
ても限定するものではない。
〔作用■〕
貫通孔の形成による鉄損の低下は、鋼板に孔が存在する
と、静磁エネルギーが増加し、これを打ち消すために生
じた反転磁極が、磁区の細分化をもたらしたためと考え
られる。
第5図に、三次再結晶粒からなる鋼板の貫通孔形成前後
の磁区観察写真を示す。貫通孔径が450μm、孔ピッ
チが0.55mmである。いずれも張力を2kg/mm
”付与した場合である。貫通孔の形成により磁区(18
0度磁区)は細分化されている。なお、同図において1
は磁壁、2は磁区、3は貫通孔である。
従来技術における小球を押圧して線状の凹み、あるいは
レーザー照射による痕跡の形成が、いずれも微小歪を与
える磁区細分化方法なのに対し、本発明は貫通孔の形成
であり歪の付与によらないため、焼鈍によって鉄損の改
善効果が消失することがなく、かつ結晶粒の大きい珪素
鋼板に対しても、鉄損の改善効果を発揮するものである
さらに、他金属元素の埋め込み、微細結晶の成長、溝の
形成に比べて磁区細分化処理が簡単であるため、製造コ
ストの低減にもつながる。
〔課題を解決するための手段■〕
上記本発明の第3の目的は、仕上げ焼鈍後の鋼板表面に
あるフォルステライト被膜を除去した、方向性珪素鋼板
をハロゲン化珪素ガスを含む雰囲気中で熱処理し、浸珪
させた後、非酸化性ガス中での熱処理により、Siを鋼
中に拡散させて均一濃度として高珪素方向性珪素鋼板を
製造することによって達成される。
〔作用■〕
ハロゲン化珪素ガス中での熱処理では以下の反応により
、Siが鋼中に浸透するものと考えられる。
Fe+5kC1a −FeC1z +5IC1zS i
 Cl z = 1 / 2 S i + 1 / 2
 S i CI! a従来の高珪素鋼板の製造方法がい
ずれも高コストであるのに対し、本発明ではガス雰囲気
中の熱処理という簡便な方法で高珪素化できる。しかも
方向性珪素鋼板を原料とするため、仕上げ焼鈍で結晶粒
の(001)方向を圧延方向に揃えるため、高温で長時
間の熱処理を行っており、結晶粒が十分な成長状態にあ
る。このため、高温での拡散処理により結晶粒が成長す
ることがなく、その後の加工により粒界割れを生じない
本発明の熱処理は、仕上げ焼鈍に続いて鋼板表面のフォ
ルステライト被膜を酸洗い等により除去した後において
行われ、四塩化珪素ガスと窒素ガスなどを雰囲気ガスと
して用い、600〜1150℃で20分以上の浸珪熱処
理後、窒素ガス等の雰囲気中で800〜1150℃で3
0分以上拡散熱処理する方法において行われる。
次いで該鋼板に、リン酸アルミニウム、リン酸マグネシ
ウム、リン酸亜鉛、リン酸カルシウム等のリン酸塩、ク
ロム酸やクロム酸マグネウウム等のクロム酸塩、重クロ
ム酸塩、コロイダルシリカなどの1種または2種以上を
含む絶縁被膜溶液を塗布し、350℃以上の温度で焼付
けして絶縁被膜を形成する。
本発明に係る適用珪素鋼板は、作上げ焼鈍後の方向性珪
素鋼板で、表面のフォルステライト被膜を除去したもの
およびフォルステライト被膜を生成しない製造法により
作られたものであれば、製造条件は特定しない。
浸珪熱処理のガス雰囲気は上記の四塩化珪素ガス素ガス
の他、四塩化珪素+アルゴンガス、四塩化珪素ガス+ヘ
リウムガス、100%四塩化珪素ガスなどが使用される
。拡散熱処理のガス雰囲気は、上記窒素ガスの他、アル
ゴンガス、ヘリウムガス、およびこれらの不活性ガスと
水素ガスの混合雰囲気、100%水素ガスなどが使用さ
れる。
〔発明の実施例〕
次に本発明の具体例を詳細に説明する。
(第1実施例) 第1図は本発明による低鉄損方向性珪素鋼帯の製造工程
を示す図であり、主要な各工程をそれぞれブロックで示
した。矢印は工程の流れを示す。
図中の101はSiを2〜8重量%を含有する(110
)〔001)結晶粒集合組織を有する一方向性珪素鋼帯
素材、102は該珪素鋼帯素材101の表面に形成され
ている絶縁被膜の除去工程、104は被膜除去後の珪素
鋼帯103の不純物除去のための減圧非酸化雰囲気での
熱処理工程、106は不純物除去後の珪素鋼帯105の
冷間圧延工程、108は冷間圧延後の珪素鋼薄帯107
の常圧非酸化性雰囲気での熱処理工程である。
工程!04による熱処理は、5X10−”Torr以上
の真空化、1150〜1400℃で2時間以上。工程1
08による熱処理は常圧あるいは減圧の非酸化性雰囲気
中、1050〜1300℃で1時間以上が必要である。
工程110は、熱処理後の珪素鋼薄帯109の表面への
絶縁被膜塗布、焼付は工程であり、絶縁被膜形成ととも
に珪素鋼薄帯に張力を付与し、鉄損のより低減を図る工
程である。
本発明は以上の主要工程からなり、素材101の鉄損を
大幅に低減した低鉄損方向性珪素f4薄帯111を得る
ことができる。次に上記の各工程についてさらに詳細に
説明する。
本発明で使用する珪素鋼帯中の珪素含有率は、2〜8重
量%の範囲に規制されたものを用いるとよい、珪素を2
重量%以上含有する珪素鋼帯はT変態がないので高温焼
鈍によって結晶粒を大きくしたり、二次ならびに三次の
再結晶を生じさせて好ましい集合組織を形成させること
ができるが、珪素の含有率が2重量%未満では前述のよ
うな特長が発揮されない。一方、珪素の含有率が8重量
%を超えると飽和磁束密度が約1.7T以下になって磁
性材料としては不適当であるばかりでなく、機械的に著
しく脆弱になるので好ましくない。特に珪素の含有率が
2.5〜4.0重量%のものは、圧延等の機械的特性に
優れ、飽和磁束密度も1.95T以上であるため好適で
ある。
珪素鋼帯中に、例えばMn、AN、S、Se。
Sn、Sb、MnS、MnSe/Sb、AjiNなどが
総量で0.5重量%程度、また、不可避混入元素として
例えばNi、Cu、Mo、W、Co。
Crなどを少量含有することもある。さらに例えばO,
N、 Cなどの不可避不純物の含有量は、最終的に目的
とする薄帯の品質に応じて制限されなければならない。
なお、本発明で使用する素材としては、市販の方向性珪
素鋼薄帯を使用することができる。市販の方向性珪素鋼
帯としては、例えば次の表1のようなものが使用できる
表  1 なお表中の鉄損W+tzs。は、磁束密度1.7T、周
波数50Hzのときの鉄損であり、B、は磁化力800
A/mにおける磁束密度である。
例えば、表1では鉄tjl (W + ?/S。)が1
.10以下、磁束密度(B、)が1.757以上のもの
が使用できる。
冷間圧延前の不純物を除去するための熱処理時間は、第
2図に示すように1200℃、2X10−’Toorに
おいて2時間以上の熱処理によって最も含有量の高いC
uでさえ熱処理前の含有量の30%以下の200ppm
、その他の微量成分では1100pp以下となり、この
時点で微量成分は三次再結晶の成長に影響しなくなるこ
とから、2時間以上が好ましい。
第3図は、不純物除去熱処理時間と冷間圧延後の三次再
結晶化熱処理で得られた薄鋼帯の三次再結晶粒の面積割
合との関係を示す図である。不純物除去のための熱処理
は真空度2X10−’Torrにおいて温度を1150
.1200.1250℃に変化し、それぞれの温度でさ
らに処理時間を変えた。三次再結晶化熱処理は冷間圧延
後の板厚40μmの”atiA帯を常圧水素雰囲気、1
200℃で1時間行った。
図に示されるように、不純物除去熱処理温度がtiso
℃の場合、鋼板全体に帯する三次再結晶粒の面積割合は
16時間でほぼ100%となる。
1200℃では5時間、1250℃では3時間の不純物
除去熱処理が必要であり、温度上昇につれて必要な不純
物除去熱処理時間は短縮されている。
不純物除去熱処理温度が1150℃以下であると、微量
成分除去が不充分であるばかりでなく、時間も掛かる。
一方、方向性珪素鋼薄帯の融点が約1500℃であるこ
とから、熱処理時における方向性珪素a薄帯の溶解が生
じないようにするためには、安全性をみて熱処理温度を
1400℃以下に抑える必要があり、さらに1300℃
以上になると炉の設計上コスト高になる。以上のことよ
り不純物除去熱処理温度は1150〜1300℃が好ま
しい。
不純物除去熱処理後、冷間圧延によって板厚が150μ
m以下に圧延される。この圧下率は50%以上であれば
充分で、冷間圧延の本来の主旨は、(110)〔001
)方位の方向性珪素鋼帯から、圧延方向に対してずれ角
度の大きい、換言すれば結晶歪のある(111)  (
112)方位を有する極薄の中間帯を得ることにある。
また本発明では、150μmを超える板厚では(110
)〔001)方位の再結晶粒成長が生じ難いことが確か
められた。この理由は、150μmを超える板厚では、
表面エネルギーが駆動力となって、表面エネルギーの一
番低い(110)面が成長するには板厚が厚すぎるため
と考えられる。
第4図は、冷間圧延後の三次再結晶化熱処理の温度と結
晶粒の粒径との関係を示す特性図で、常圧水素雰囲気中
で熱処理時間は1時間である。この図から明らかなよう
に、熱処理温度が1000℃を超えることにより二次再
結晶粒の粒径が急激に大きくなっている。この二次再結
晶粒の集合組織は(110)〔001)方位だけの結晶
組織だけでなく、他に(120)〔001)方位、(1
11)  (110)方位ならびに(111)〔100
)方位などの様々な結晶方位のものが混在しており、こ
の二次再結晶粒が引き続いて起きる三次再結晶粒の核と
なり、熱処理の重要なポイントとなる。
一方、方向性珪素鋼薄帯の融点が約1500℃であるこ
とから、熱処理時における方向性珪素鋼薄帯の溶解が生
じないようにするためには、安全性を見て熱処理温度を
1400℃以下に抑える必要がある。
しかしながら1050℃以下での熱処理では三次再結晶
粒が十分に成長するのに時間が掛かり過ぎる。一方、1
300℃以上になると炉の設計上コスト高になるため、
三次再結晶化熱処理温度は1050〜1300℃が好ま
しい。
常圧水素雰囲気での熱処理時間は、第3図の条件に示し
たように、1時間の三次再結晶化熱処理時間で十分であ
り、三次再結晶化熱処理時間は1時間以上が好ましい。
〔実施例2〕 本実施例には、三次再結晶粒よりなる絶縁被膜塗布前の
鉄損W+3/S@  (1,37,50Hzにおける鉄
損)=0.50W/kg、磁束密度Ba  <fIIi
化力800A/mにおける磁束密度)=1.96T、板
厚60μmの方向性珪素鋼板を、800℃で1hの歪取
り焼鈍を施したもの用いた。
貫通孔の形成はパルスYAGレーザ−〔−日本レーザー
製〕を用い、各試料の孔径を58〜280μmの範囲で
変え、圧延方向と90度の方向に、孔ピッチ0.5 m
 mとなるように孔を形成し、孔径の影響をみた。
第6図に孔径に対する磁壁数比の変化を示す。
磁区はSEM(走査電子顕微鏡)で観察し、単位鋼板幅
角たりの磁壁数を数え、貫通孔による磁区細分化処理を
行う前の磁壁数に対する比を磁壁数比とした。磁壁数比
が大きいほど180度磁区は細分化され、鉄損は低減す
る。
図中の値はさらに2kg/mm”の張力を付与したとき
のものであるが、孔径が90μm以上になると磁区の数
が急激に増加している。さらに、孔径を大きくすること
により磁壁数比が緩やかながらも増加する。この結果か
ら、貫通孔の孔径は90μm以上であれば、磁区の細分
化が起こると言える。しかし、それ以上あまり大きくす
ると鋼板断面積の減少による磁束密度の低下、鋼板の強
度低下が問題となるため、孔径は製品鋼板の磁束密度、
板厚、幅により、ある程度規制されなげればならない。
孔の形はレーザーで孔開けを行った場合、殆ど円形であ
る。しかし、楕円あるいは長方形などでも磁区を細分し
鉄損を低減する効果に変化はないことを確認している。
次に、板厚60μm、鉄損W131511−0.50 
W/kgの三次再結晶粒からなる珪素鋼板に対して、孔
径を140μmに固定し、孔ピッチを0.5〜2゜Qm
m、列の間隔を5〜70mmに変えたときの鉄損Wll
/j。の変化を見た。
第7図に孔ピッチと列間隔による鉄損の変化を示す。第
6図と同様に、鉄損は2kg/mm”の張力を付与した
ときの値である。図中Δは孔ピッチ0.5mm、口は1
.0mm、Oは1.5mm、◇は2、Qmmのときの鉄
損である。
孔ピッチ0.5〜2.Ommの条件範囲では、ピッチに
よる鉄損低減効果の有効性は殆どない。一方、列間隔は
、70mmにおいて急速に鉄損が上昇している。そのた
め、列間隔は60mm以下が好ましいと言える。しかし
、あまり列間隔が狭くなると試料全体の断面積が小さく
なり、それにより孔列のある断面では磁束密度が上昇し
、その磁束密度での鉄損が、改善された鉄損を上回るた
め、鉄損が悪くなり、磁束密度が大きく減少すると考え
られるので、列間隔はlQmm〜60mmが好ましい範
囲である。
第7図より、孔形成後の鉄損は孔形成前に比べ約20〜
30%低減しており、製品に適用した場合の省エネルギ
ー効果は大きい。
また、貫通孔列の方向の影響については、板厚60um
、鉄損W +5iso −0,50W/ k gの三次
再結晶粒からなる珪素鋼板に、孔径140μm、孔ピッ
チ1.0mm、圧延方向との角度を各試料毎に20〜9
0度の範囲で変化させて貫通孔列を形成し影響を検討し
た。
第8図は、各試料の貫通孔列が圧延方向とのなす角度と
磁壁数の関係を示す。図中には張力を2kg/mm”付
与した場合の磁壁数を示す。これより、角度45度以下
で磁壁の数が減少しており、磁区幅の大幅な改善を図る
ためには、貫通孔列の角度を圧延方向に対して45〜9
0度とすることが必要である。
以下に三次再結晶粒からなる方向性珪素鋼板に本発明を
適用した場合に基づいて、具体例を説明する。
JISの規定による鉄損がWl/+1゜≦1.05W/
kg、磁束密度B、≧1.897.板厚0.3mmの市
販方向性珪素鋼板の被膜を酸洗いして除去する。
次に、冷間圧延により圧下率67%で、板厚100μm
まで圧延する。その後、2X10−’T。
rrの真空下、昇温速度1.5℃/Sで1200℃まで
昇温し7時間保持する、特願昭62−3270号に基づ
(方法で鉄損WIT/S。−0,55W/kg(張力2
kg/mm”付加)、磁束密度B。
=1.967、板厚t=0.8mm、磁壁の数0.4本
/ m mの三次再結晶粒からなる方向性情珪素鋼板を
得た。
この鋼板にパルスYAGレーザ−〔@)日本レーザー製
〕で、孔径140μm、孔ピッチ1.5mm、列間隔2
5mm、圧延方向との角度90度で貫通孔列を形成した
後、絶縁被膜による鋼板にかかる張力を模擬し、試料に
張力を2kg/mm”付与した状態で鉄損W+、/S。
、磁束密度88、磁壁数を測定した。さらにこの試料に
、コロイダルシリカとリン酸アルミニウムからなる絶縁
被膜を塗布し、500℃で2分間の焼付けを行った。そ
の後、800℃で1hの歪取り焼鈍を行い、鉄損、磁束
密度、磁壁数の測定を行った。
表2に孔形成前、形成後、被膜塗布+歪取り焼鈍後の測
定値を示す。
表2 つたため、約1%減少したが、磁壁数は5倍に増加し、
それにともない鉄損はWI?/!l。で約33%減少し
た。また、絶縁被膜の塗布により張力2kg/ m m
 ”付与と同じ鉄損低減効果が得られた。また、この結
果は歪取り焼鈍後の鉄損測定値であり、歪取り焼鈍によ
る鉄損改善効果の消失はみられなかった。
他の具体例について説明する。
JISの規定による、鉄損w+、zs。≦1.05W/
kg、磁束密度B8≧1.897、板厚0.3 m m
の市販方向性珪素鋼板を用いて、酸洗いにより被膜を除
去し鉄損W+?/S。−1,02W/kg(張力2kg
/mm”付加)、磁束密度B、−1,917、板厚0.
28mm、磁壁数0.9本/ m mの材料を得た。こ
の後、幅5mm、長さ100mmに切断し試料とした。
次に、三次再結晶粒からなる方向性情珪素鋼板の実施例
と同様に、パルスYAGレーザ−〔鋳日本レーザー製〕
を用いて、下記の孔寸法に孔開けした。
磁束密度については、試料の断面積が少なくなこれによ
り、孔径200pm、孔ピッチ1mm、列間隔25mm
で圧延方向との角度90度の貫通孔列を形成した後、試
料に張力2kg/mm”を付与し、鉄損w+t/s。、
磁束密度B、、磁壁の数を測定した。その後、コロイダ
ルシリカとリン酸アルミニウムからなる絶縁被膜を塗布
し、500℃で2分間の焼付けを行い、さらに800℃
でlhの歪取り焼鈍を行い、鉄損、磁束密度、磁壁の数
について測定を行った。
その結果を表3に示すが、三次再結晶粒よりなる方向性
珪素鋼板同様、鉄損の改善が見られた。
また、歪取り焼鈍によっても改善効果は失われないこと
が確認された。
表3 (実施例3) 本実施例には特願昭63−60225号に提示の方法で
作成した、絶縁被膜塗布前で、表面にフォルステライト
被膜のない方向性珪素鋼板を用いた。その特性は、鉄損
W+z、5yso  (1,25T、 50Hzにおけ
る鉄損)−0,28W/kgS磁束密度Ba  (80
0A/mにおける磁束密度)−1,967、板厚−Q、
1mmのものである。
次に熱処理処理路中にこの鋼板を置き、20%5iCj
!4+89%Ngガス中で、熱処理温度を500℃から
1200℃の範囲で変え、それぞれ30分間浸珪熱処理
した。熱処理後、EPMAを使用して、Si濃度を測定
した。板厚方向のSi濃度は、表面を化学研磨して板厚
を約0.02mmずつ薄クシ、その都度5tt1度を測
定した。
第9図に浸珪熱処理温度と浸珪率(板厚に対する浸珪深
さの割合)の関係を示す。600℃以上で漫珪の効果が
認められ、700℃以上では板厚全体に浸珪しているこ
とが確認できた。1200℃以上で熱処理すると表面に
気孔を生じるため好ましくない。つまり、600℃〜1
2oo℃で熱処理することにより浸珪可能である。
次に、20%5iCj!4+80%N2ガス中で、浸珪
熱処理温度を800℃に固定し、熱処理時間を10分か
ら60分の範囲で変化させ熱処理し浸珪深さを測定した
第10図に熱処理時間と漫珪率(板厚に対する浸珪深さ
の割合)の関係を示す。この実験から20分以上で板厚
全体が浸珪されており、浸珪熱処理時間は20分以上必
要であることが判明した。
さらに、5iC14+N、ガス中(7) S i Cl
 a(四塩化珪素)濃度の影響を調べるため、四塩化珪
素ガス濃度を10〜100%の範囲で変化させた雰囲気
中で、800℃、30分間の浸珪熱処理を行い、浸珪深
さを測定した。
第11図に5iCj!、濃度と浸珪率(板厚に対する浸
珪深さの割合)の関係を示す。5ic14ガス濃度20
%以上で板厚全体が浸珪されており、5iCI14ガス
濃度20%以上が必要である。
ここまでの実験で、浸珪熱処理の条件を検討した。
浸珪熱処理後の板厚方向の濃度分布例を第12図に示す
。表面近くにおいて、Si濃度が急激に高くなっており
、次の拡散熱処理において、この濃度差を小さくする必
要がある。
そこで、鋼板を20%5iC1a +80%N2ガス中
で800℃、30分の浸珪処理を行った後、N2ガス中
で、拡散熱処理温度を600℃から1200℃の範囲で
変化させ、それぞれ1時間熱処理した。熱処理後表面の
Si?11度をEPMAで測定した。さらに板厚を1/
2まで化学研磨し再びsi?1度を測定した。
第13図には、拡散熱処理温度と表面と板厚中央部のS
i濃度差の関係を示す。800℃以上で差は1.0%以
下となっている。また熱処理温度が1200℃を超える
と表面に気孔を生じる。これにより拡散熱処理は800
℃〜1200℃で行う必要がある。
次に拡散熱処理温度の検討と同様に、浸珪熱処理を行っ
た後、N2ガス中で拡散熱処理温度850℃と固定し、
熱処理時間を0.5時間から2.0時間の範囲で変化さ
せ熱処理し、表面と、板厚中央部のSi濃度を測定した
第14図に拡散熱処理時間と5ita度差の関係を示す
。熱処理時間0.5時間以上でSi濃度差が1%以下と
なっている。
この結果から、拡散熱処理時間は0.5時間以上必要で
ある。
次に方向性珪素鋼板に本発明を適用した場合に基づく具
体例について説明する。
JISの規定による鉄損がW、、、、。−1,01W/
kg、磁束密度1.91T、板厚0.3mmの市販方向
性珪素鋼板の被膜を酸洗いして除去する。
次に冷間圧延により圧下率67%で、板厚0.01mm
まで圧延する。その後、2X10−’Torrの真空下
、1200℃まで昇温し7時間保持する:特公昭62−
3270号による方法で鉄損W+z、 5150 = 
0.28 W/ k g、磁束密度Bs=1゜96T、
板厚t=0.8mm、の方向性珪素鋼板を得た。鋼板の
Si?J1度は3.1%である。この方法により得られ
た方向性珪素鋼板は表面にフォルステライト被膜を生成
していないので、被膜の除去はしなかった。
この鋼板を熱処理路内に置き、20%5iC14+80
%N2のガス雰囲気中で、800℃、30分の浸珪熱処
理を行った。次にガス雰囲気を100%N2ガスに切り
換え、800℃で1時間の拡散熱処理を行った。熱処理
後、絶縁被膜により鋼板にかかる張力を模擬し、試料に
張力を3kg/mm”付与した状態で鉄損W+t−!+
156 s W+/+6110゜を測定した。また鉄損
測定後、試料中央部のSi濃度を測定した。表4に、浸
珪熱処理前、浸珪および拡散熱処理後の測定値を示す。
表4 熱処理により、Si濃度は3.1%から6.5%に増加
しており、それにともなって鉄損も50Hz。
1.257で約30%低減でき、高周波領域である10
KHz、0.ITでは約45%の低減でき、特に高周波
領域での効果が大きいことが判明した。
〔発明の効果〕
本発明は前述のように、冷間圧延の鋼板表面積の低い状
態で減圧雰囲気の不純物除去熱処理を行うので、揮散に
よる材料の損失量の低減が可能になり、単位重量当たり
のコストの低い、極薄の方向性珪素鋼板を製造すること
ができる。
さらに、珪素鋼板に貫通孔を設けることで磁区細分化が
できるので、歪取り焼鈍によっても効果が消失せず、し
かも処理が簡単であることから、従来より低い磁区細分
化処理コストで方向性珪素鋼板の鉄損を著しく低減する
ことができる。
また、表面のフォルステライト被膜を除去した方向性珪
素鋼板を用い、ガス雰囲気中で熱処理するという、簡便
な方法により、低コストで鉄損の低い高珪素方向性珪素
鋼板を得ることができる。
さらにまた、四塩化珪素ガスの濃度を低くできるため、
安全性が増す。
【図面の簡単な説明】
第1図は、本発明による方向性珪素鋼薄帯の製造行程を
示す図、 第2図は、不純物除去熱処理時間と微量成分含有量との
関係を示す特性図、 第3図は不純物除去熱処理時間と三次再結晶粒の面積割
合との関係を示す特性図、 第4図は、熱処理温度と粒径の関係を表す特性第6図は
、孔径に対する磁壁枚数比の変化を示す特性図、 第7図は、孔ピッチと孔間隔による鉄損の変化を示す特
性図、 第8図は、貫通孔列が圧延方向とのなす角度と磁壁数の
関係を示す特性図、 第9図は、浸珪熱処理温度と浸珪率の関係を示す特性図
、 第10図は、浸珪熱処理時間と浸珪率の関係を示す特性
図、 第11図は、四塩化珪素ガス濃度と浸珪率の関係を示す
特性図、 第12図は、浸珪熱処理後の板厚方向のSi濃度分布を
示す特性図、 第13図は拡散熱処理温度とSi濃度差の関係を示す特
性図、 第14図は拡散熱処理時間とSi濃度差の関係を示す特
性図である。 1・・・磁壁、2・・・磁区、3・・・貫通孔、101
・・・一方向性珪素鋼帯素材、102・・・絶縁被膜除
去行程、104・・・不純物除去行程、106・・・冷
間圧延行程、108・・・熱処理行程。 第2図 第1図 Qz 04 06 0B IO 不純物除去熱処理時間(h) 第3図 不純物除去熱処理時間 (h) 第5図 (a) (b) 第4図 三次再結晶化熱処理温度 (”C) 第6図 孔 径 (pm ) 第7図 貫通孔列間隔 (mm) 第9図 第1O図 漫珪熱処理時間 (min ) 第8図 圧延方向との角度 (°) 第11図 第12図 表面よりの深さ (mm) 第13図 手続補正書(方式) %式% 事件の表示 特願平 1−234692号 発明の名称 低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法 補正をする者 事件との関係  特許出願人

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)Si:2〜8重量%を含有し、(110)〔00
    1〕結晶粒集合組織を有する市販の珪素鋼板を出発材料
    とし、不純物除去のための熱処理を行つた後、冷間圧延
    および年次再結晶粒成長のための熱処理を行うことを特
    徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  2. (2)請求項(1)において、不純物を除去する熱処理
    が、5×10^−^2Torr以上の非酸化性減圧雰囲
    気中において、1150〜1300℃、2時間以上であ
    ることを特徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  3. (3)請求項(1)において、不純物を除去する熱処理
    後の鋼板を板厚150μm以下の(111)〔112〕
    結晶粒集合組織を有する薄板に冷間圧延することを特徴
    とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  4. (4)請求項(1)において、三次再結晶粒を成長させ
    るための上記冷間圧延後の鋼板の熱処理を常圧非酸化性
    雰囲気において、1050〜1300℃、1時間以上行
    うことを特徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  5. (5)請求項(1)において、三次再結晶化のための熱
    処理後に鋼板の表面に被膜を形成させることを特徴とす
    る低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  6. (6)請求項(1)において、冷延後の薄板化鋼体表面
    にMgO等の焼鈍分離材を塗布した後に、三次再結晶化
    のための熱処理を行うことを特徴とする低鉄損方向性珪
    素鋼板の製造方法。
  7. (7)二次再結晶粒あるいは三次再結晶粒からなる方向
    性珪素鋼板に、貫通孔を形成し、磁区を細分化すること
    を特徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  8. (8)請求孔(7)において、前記貫通孔の孔径が90
    μm以上、磁束密度、板厚、幅により制限を受ける径以
    下、その貫通孔のピッチが等間隔あるいは適当間隔で孔
    径により制限を受けるピッチ、その貫通孔列の間隔が孔
    径により制限を受ける間隔以上、60mm以下であるこ
    とを特徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  9. (9)請求孔(7)において、前記貫通孔の列が圧延方
    向と45〜90度の角度をなすことを特徴とする低鉄損
    方向性珪素鋼板の製造方法。
  10. (10)Si含有量を増加させて鉄損の低い方向性珪素
    鋼板を製造する方法において、仕上げ焼鈍後鋼板表面に
    あるフォルステライト被膜を除去した方向性珪素鋼板を
    、ハロゲン化珪素を含む雰囲気中で浸珪熱処理後、非酸
    化雰囲気中で拡散熱処理することを特徴と低鉄損方向性
    珪素鋼板の製造方法。
  11. (11)請求項(10)において、前記浸珪熱処理温度
    が600〜1200℃、熱処理時間が20分以上である
    ことを特徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  12. (12)請求項(10)において、前記ハロゲン化珪素
    を含む雰囲気が、ハロゲン化珪素100%、またはハロ
    ゲン化珪素+不活性ガスでハロゲン化珪素の含有量が2
    0%以上であることを特徴と低鉄損方向性珪素鋼板の製
    造方法。
  13. (13)請求項(10)において、前記拡散熱処理温度
    が800〜1200℃、熱処理時間が30分以上である
    ことを特徴とする低鉄損方向性珪素鋼板の製造方法。
  14. (14)請求項(10)において、前記拡散熱処理を行
    う非酸化雰囲気が、不活性ガス、不活性ガス+H_2ガ
    スまたはH_2ガスであることを特徴とする低鉄損方向
    性珪素鋼板の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003064420A (ja) * 2001-08-22 2003-03-05 Nkk Corp 高珪素方向性珪素鋼板の製造方法
JP2007169726A (ja) * 2005-12-22 2007-07-05 Jfe Steel Kk 低鉄損方向性電磁鋼板とその製造方法

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