JPH029594Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、高周波回路装置に関するもので、高
周波回路装置のシールド構造を簡単にすると共に
高周波回路装置の性能も十分満足されるようにす
ることを目的とする。

高周波回路装置においては、所定回路部間にシ
ールド構造が施される。これは、各回路部間に構
成される帰還ループによる異常発振を防ぐと共
に、内部発振回路の発振信号が入力回路部に漏洩
し不要輻射をおこすのを防ぐためである。

そこで従来の高周波回路装置を検討すると、そ
のシールド構造は、回路基板上で回路部品立設面
の各回路部間のシールド板のみによるものがほと
んどであつた。このシールド構造の場合は、回路
基板の配線パターン側の面にはシールドが施され
ないために異常発振や不要輻射の原因となり高周
波回路装置の性能が満足されていなかつた。そこ
で上記高周波回路装置を改良したものとして回路
基板の配線パターン側において、回路基板上の各
回路部に対応する部分間をシールドするシールド
板を設け、回路基板の両面でそれぞれの回路部間
をシールドするものが作られて異常発振や不要輻
射を解決していた。この改良された高周波回路装
置は、回路基板の配線パターン側にシールド板を
設けるにあたつてパターン設計の自由度が束縛さ
れ装置が大きくなつたり、またシールド板自体の
形状もパターン設計にあわせたものを用意しなけ
ればならないので作業工程も複雑化する。

次に、本考案による簡単なシールド構造で性能
も十分に満足される高周波回路装置についてテレ
ビジヨンチユーナ装置を１実施例に説明する。

第１図は、UHFテレビジヨンチユーナ装置の
局部発振回路部分と、混合回路部分とを示す部分
断面斜視図である。回路基板１は、図中上面に配
線パターンを有し、シールド板２の一部２Ａが挿
通されてアースパターンに半田付けされている。
下面では、シールド板２により局部発振回路３と
混合回路４とが区画されている。またシールド板
２の一部２Ａの先端を金属性の連結板５の穴５Ａ
の部分へ当接して図中上面より半田付けされる。
この半田付は、連結板５の穴５Ａの径がシールド
板２の板厚より大きいために、溶融半田が連結板
５の下面へ穴５Ａを通つて流れ込むことによつて
なされる。尚、連結板５の一端５Ｂは、枠状の金
属ケース６に半田付けされる。７は例えば局部発
振回路の配線パターン面に設けられた発振用チツ
プトランジスタ等のチツプ状素子で所定パターン
に半田付けされる。８はインダクターで回路基板
上面のパターンに半田付けされる。金属性ケース
カバー９には、図中下面側へ折れ曲がつた弾性片
９Ａが設けられている。金属性ケースカバー９を
枠状の金属ケース６に嵌合すると弾性片９Ａの先
端が、連結板５の穴５Ａの近傍に弾性接触する。
このように回路基板１の下面では局部発振回路３
と混合回路４とはシールド板２により電気、機械
的に完全なシールドがなされ、上面ではシールド
板２の一部２Ａに半田付された連結板５により局
部発振回路３と混合回路４との電気的シールドが
確実になされる。こうして回路基板上面側では連
結板５のみにより、シールド板をケースの一端か
ら他端まで全長にわたつて設けたのと略同一の電
気的効果を奏する。即ち局部発振回路の高周波が
外部へ漏洩するのが確実に防止されると共に、金
属性ケースカバーとシールド板が連結板を介して
短かい距離でアースされるので、回路基板状に形
成される回路部間における残留インピーダンス
（残留インダクタンス、残留抵抗分による）が小
となる。その結果帰還ループの形成による異常発
振は認められなくなる。

本考案の高周波回路装置は、配線パターンを有
する回路基板と、該回路基板を収納する枠状の金
属ケースと、該金属ケースをおおう金属性ケース
カバーとからなる高周波回路装置において、回路
基板の配線パターと反対側の面には複数のシール
ド板が立設され、該回路基板の配線パターン側に
は回路の一部を構成する局部発振部と混合回路部
を覆う巾の金属性連結板が配設され、かつ該金属
性連結板は該ケースの開口内に配され、一端が該
ケースに半田付されるとともに該局部発振部をシ
ールドするシールド板及び該混合回路部をシール
ドするシールド板の夫々の該回路基板を挿通する
先端部に半田付固定され、更に金属性ケースカバ
ーの弾性片と当接してなるので、異常発振や不要
輻射による装置の性能の低下を防ぐことができ、
しかもその構造が簡単であるために実用的であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案におけるUHFテレビジヨンチ
ユーナ装置の局部発振回路部分と、混合回路部分
とを示す部分断面斜視図である。 １……回路基板、２……シールド板、２Ａ……
シールド板の一部、３……局部発振回路、４……
混合回路、５……連結板、５Ａ……穴、５Ｂ……
連結板の一端、６……枠状の金属ケース、７……
チツプ状素子、８……インダクター、９……金属
性ケースカバー、９Ａ……弾性片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 配線パターンを有する回路基板と、該回路基板
   を収納する両側開口面を有する粋状の金属ケース
   と、該金属ケースをおおう金属性ケースカバーと
   該回路基板の所定回路部間を区画する板状のシー
   ルド板とからなる高周波回路装置において、該回
   路基板の該配線パターンと反対側の面には複数の
   シールド板が立設され、該回路基板の配線パター
   ン側には回路の一部を構成する局部発振部と混合
   回路部を覆う巾の金属性連結板が配設され、かつ
   該金属性連結板は該ケースの開口内に配され、一
   端が該ケースに半田付されるとともに、該局部発
   振部をシールドするシールド板及び該混合回路部
   をシールドするシールド板の夫々の該回路基板を
   挿通する先端部に半田付固定され、更に金属性ケ
   ースカバーの弾性片と当接してなることを特徴と
   する高周波回路装置。