JPH0293022A - 低炭素オーステナイトステンレス鋼製凝縮熱交換器胴体の熱処理方法 - Google Patents

低炭素オーステナイトステンレス鋼製凝縮熱交換器胴体の熱処理方法

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JPH0293022A
JPH0293022A JP24547888A JP24547888A JPH0293022A JP H0293022 A JPH0293022 A JP H0293022A JP 24547888 A JP24547888 A JP 24547888A JP 24547888 A JP24547888 A JP 24547888A JP H0293022 A JPH0293022 A JP H0293022A
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匡宏 木村
Masanobu Konno
近野 正伸
Yoshio Uchiyama
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Wataru Sagawa
渉 佐川
Takeshi Koakutsu
小圷 斌
Shigeo Hattori
成雄 服部
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、ガス中の水蒸気を凝縮させるオーステナイト
ステンレスtfJ製の凝縮熱交換器胴体の熱処理方法に
係り、特に塩素イオンが混入するようなガスを扱う凝縮
熱交換器胴体における溶接部の高残留応力部に貫粒型応
力腐食割れが発生するのを防止するために溶接残留応力
の低減を図る熱処理方法に関する。
[従来の技術] 凝縮熱交換器の例として、原子炉の排ガス処理において
は、原子炉での放射線による水の分解に起因して発生し
た排ガス中の酸素と水素を再結合させて水蒸気となし、
その後、排ガス体積を減らすために凝縮熱交換器に通し
て水蒸気分を凝縮させることが行われている。従来、か
かる凝縮熱交換器では応力腐食割れは起こらないと一般
に考えられており、従って、応力腐食割れが起こらない
機器に通常使用されることになっている比較的安価な5
US304ステンレス鋼が用いられ、しかも溶接残留応
力低減策も実施されていない。
[発明が解決しようとする課題] しかし、凝縮熱交換器に送り込まれるガス中には若干の
塩素イオンが混入していることがある。
凝縮熱交換器の水蒸気凝縮ゾーンでは乾燥と湿潤状態が
繰り返されており、このゾーンに塩素イオンが流入する
と塩素イオンが濃縮され、凝縮熱交換器に応力腐食割れ
が生じ易くなることを本発明者らは発見した。
ところで、従来、圧延鋼板、パイプ等の一様肉厚で単純
形状のオーステナイトステンレス鋼部材において1粒界
腐食を防ぐ方法として1000〜1100℃より急冷す
る固溶化熱処理があるが、これを凝縮熱交換器の如く複
雑で種々の肉厚を有する溶接構造物に適用すると、温度
管理が非常に困難な他、変形を起こす欠点があった。変
形は、高温加熱時に重力が原因で起こるものと、急冷時
に収縮量の違いより起こるものがあるが、いずれも熱交
換器機能上支障をきたす。
又、C′3′有率0.03%以下の極低炭素ステンレス
鋼(例えば5US316L等)の使用は、5O3304
に比べ優れた耐食性をもたらすが応力腐食割れを完全防
止する決定的手段ではなかった。特に塩素イオンの濃縮
環境では割れが発生することが確認されている。
このように、凝縮熱交換器の応力腐食割れ防止策として
は、上記従来一般の方法は満足すべき解決手段とはなら
ない。
従って本発明は、上述の諸、−vに鑑み、凝縮熱交換器
の貫粒留応力腐食割れを防止するため、変形せず残留応
力を低下させるに有効且つ簡易な熱処理方法を提供する
ことを目的とする。
〔課題を解決するための手段J 本発明は炭素基を低減したオーステナイI−ステンレス
鋼製凝縮熱交換器胴体を1000〜1100℃に保持し
た後、100℃/1(r以下の冷却速度で徐冷すること
を特徴とする低炭素オーステナイトステンレス鋼製凝縮
熱交換器胴体の熱処理方法を提供するものである。
[作   用コ 前述したように5凝縮熱交換器がその使用環境。
機能上、容易に腐食される事象及びメカニズムを本発明
者らは新たに発見した。凝縮熱交換8口14体内面の水
蒸気凝縮ゾーンの環境は、温度約102℃、湿度100
%の湿り状態となっており、胴体上部は凝縮液温が少な
いため、常に乾燥湿潤を繰り返している。このゾーンに
塩素イオンが流入した場合、乾燥過程で塩素イオンが濃
縮される現象が起こり、いずれは高塩素イオン濃縮環境
を生じてしまう。このように、凝縮熱交換器は、塩素イ
オン持ち込みのある場合、機能上高腐食ポテンシャルを
有している事が新たに確認された。
ところが、本発明の熱処理方法に基づき、溶接後の凝縮
熱交換器を1000〜1100℃に加熱保持すると、材
料は変形抵抗が低下し、加工硬化、又は昇温過程の鋭敏
化等の影響を消し去り、残留応力が低下される上、析出
したδフェライ1−がオーステナイト地中に固溶し消失
するため、78接部靭性が向上する。又、100℃/H
r以下の冷却速度に管理することは、Cr炭素化物が結
晶粒界に析出し粒界腐食を引起こさない効果があること
に加え、栂造物全体を均一に冷却できるため、肉厚差を
有する部分の冷却速度の違いにより生じる引張り応力、
又は変形が生じない働きがある。しかしその他の加熱温
度の場合、700℃以下では残留応力が材料の許容応力
レベル以下にならず、 1000℃〜700℃付近の温
度範囲ではオーステナイト溶接金屑にぜい化が起きる。
また100℃/Hr以上の高速急冷は、溶接構造物の変
形を招き危険が生じる。この様に本発明方法による条件
以外では所望の効果が得ら、れない。本発明方法による
条件によれば、変形の問題なく強度特性を満足した残留
応力低下効果が得られ、貫粒型応力腐食割れを有効に防
止できる。
[実 施 例コ 以下1本発明の詳細な説明する。第1図は凝縮熱交換器
胴体の概要側面図であり、第2図はそのA −A横断面
図である。胴板1にドレンポット(凝縮した水の溜り場
所)2、胸当板3、フランジ4、各種管台5が取付けら
れた一体溶接構造物である胴体は、炭素量を低くコント
ロールされたSO5316Lステンレス鋼の板厚数m〜
数十mの部材から構成されている。この中には不図示の
管群が設けられ、管台5の1つから入った冷却水が該管
群中をdl!れ、他の管台5から流出し、他方、鏡板6
の人口から入った排ガス(若干の塩素イオンが混入して
いることがある)は他の管台の1つから流出し、その間
、該排ガス中に含まれている水蒸気が冷却されて凝縮し
、ドレンポット2に溜って取りだされるように構成され
る。ところで、上記胴体は、製作上、鏡板6部に周溶接
線、胴板1に長手溶接線、肩当板3部にすみ固溶接線が
あり、そこに高残留応力が存在している。よって、中に
管群を入れる1前に、本発明に基づき、胴体の熱処理を
行うのであるが、熱処理に先立ち、拘束リング7を胴体
内部に挿入し、外周拘束バンド8で外部から締め付けて
、胴体を拘束する。以上の様な拘束治具を取付けた凝縮
熱交換器胴体を第3図に示す熱処理条件で熱処理する。
温度コントロールは、実態温度を熱電対で感知し、加熱
速度を100’C/llr以下とし、1000℃〜11
00℃で111r以下保持し、その後、冷却速度100
℃/Hr以下で徐冷という条件で実施する。熱処理終了
後は上記拘束治具7.8は取り外す。
次に、上述した実施例で得られた効果について説明する
1)残留応力低減効果 拘束溶接した小型試験模擬胴体を、溶接後種々な熱処理
温度で熱処理し、残留応力を測定した結果が第4図にあ
る。溶接したままのもので約35kgf/mm2程度の
残留応力のものが、本実施例により約10kg丁/ff
l112以下に低下することがわかる。
2)溶接金属の延性・靭性の回復 第5図に溶接金属の延性、靭性に及ぼす溶接後熱処理の
影響を示す。各種熱処理温度にて衝撃試験・引張試験・
顕微鏡w1察をした結果、800℃付近の熱処理温度で
は延性・靭性がともに低下するが、実施例の1000〜
1100℃においては回復し更に向上する。
3)粒界型応力腐食割れに及ぼす影響 本実施例の部材において、低温鋭敏化処理を実施したも
のとしないもの2ケースについて改良型ストラウス試験
を行ったが、いずれも割れを生じず、耐粒界型応力腐食
割れ性能を有している事が確認された。
4)貫粒型応力腐食割れに及ぼす影響 本実施例の熱処理をした胴体を沸@MgCQ 、に浸漬
させる試験を実施した。溶接したままのものでは、長手
溶接部、周溶接部、当板すみ内部の全ての部分に割れを
生じたが、本実施例の熱処理をしたものでは、全く割れ
が起こらなかった。
5)変形量の測定 本熱処理前後に凝縮熱交換器胴体の寸法測定を行い変形
量を調べたが、熱交換器製作公差2+m+以内に納まる
変形量で、管台の変形も全く起こらなかった。
以上説明した通り1本実施例によると胴体の変形を防止
し且つ溶接部残留応力を低減させ、耐食性向上の効果が
ある。
[発明の効果コ 本発明によれば、凝縮熱交換器胴体の変形を抑え、溶接
部残留応力が低減され1貫粒型応力腐食割れを予防する
効果がある。それによって、低炭素ステンレス鋼製熱交
換器胴体のメインテナス性。
信頼性が向上し、分解点検の頻度が減り、製品寿命が増
すメリッ1〜がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例に係る凝縮熱交換器胴体側図
、第2図はそのA−A断面図、第3図は熱処理条件を表
す図、第4図は残留応力に及ぼす溶接後熱処理の影響の
図、第5図は溶接金属の延性、靭性に及ぼす影響を示す
図である。 1・・・胴板      2・・・ドレンポット3・・
・肩当板     4・・・フランジ5・・・各種管台
    6・・・鏡板7・・・拘束リング   8・・
・外周拘束バンド第1図 第2図 第3図

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 炭素量を低減したオーステナイトステンレス鋼製凝
    縮熱交換器胴体を1000〜1100℃に保持した後、
    100℃/Hr以下の冷却速度で徐冷することを特徴と
    する低炭素オーステナイトステンレス鋼製凝縮熱交換器
    胴体の熱処理方法。 2 前記凝縮熱交換器胴体を熱変形防止用円形治具で拘
    束した状態にて前記熱処理を行う請求項1記載の低炭素
    オーステナイトステンレス鋼製凝縮熱交換器胴体の熱処
    理方法。
JP24547888A 1988-09-29 1988-09-29 低炭素オーステナイトステンレス鋼製凝縮熱交換器胴体の熱処理方法 Expired - Fee Related JPH0670257B2 (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003028786A (ja) * 2001-07-18 2003-01-29 Ishikawajima Harima Heavy Ind Co Ltd 管内面の応力腐食割れ形成方法及び装置
KR100809029B1 (ko) * 2007-06-05 2008-03-03 이정걸 스테인레스강의 무산화 열처리 방법
US20080179377A1 (en) * 2006-11-28 2008-07-31 Mitsubishi Heavy Industries, Ltd. Restotration method for deteriorated part and restoration apparatus for deteriorated part

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