JPH028677Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はバイス用ストツパに関し、特に締付時
に口金部が斜前下方に移動する形式のバイスと共
働して加工物などの締付を行うときに使用される
バイス用ストツパに関する。

（従来の技術） 締付時に口金部が斜前下方に移動する形式のバ
イスは例えば実公昭50−44600号公報に示す如く
公知である。このようなバイスを使用して加工物
などの締付を行うとき加工物と当接してバイスの
締付力を加工物を介して受止め加工物を所定位置
に位置決め固定するストツパとしては通常ブロツ
クなど直立壁を有する部材が使用されている。

（考案が解決しようとする問題点） このような従来形式のストツパを口金部が斜前
下方に移動する形式のバイスと共に使用した場
合、バイスから加工物に伝達される締付力は、有
効成分である水平方向の分力以外に垂直下方に向
う分力を持つており、このために締付に伴つて加
工物が回転する傾向があるという問題点があつ
た。なお、加工物の下面を支持して垂直方向の分
力を受け止めるようにすることはできるが、十分
な締付が行なわれ難くなる。

（問題点を解決するための手段） 本考案によれば、ジヨー部材が前下方に摺動す
る形式のバイスと組み合わせて用いられるバイス
用ストツパであつて、工作機械のテーブル等の上
に取付けられるに適した基台部材と、基台部材の
前面に設けられた直立するありみぞと、基台部材
に設けられた直立するねじ孔と、前記ありみぞに
係合して基台部材に対して上下方向に摺動可能に
案内されるストツパ部材と、ストツパ部材の貫通
孔を貫通して基台部材の前記ねじ孔にねじ係合す
るボルトと、該ボルトの縮径部と係合してストツ
パ部材の下面と係合してボルトとストツパ部材と
の相対的上下方向運動を抑止するワツシヤと、ス
トツパ部材の前端面に設けられて加工物と当接す
る口金部とを含むバイス用ストツパが提供され
る。

（作用及び効果） 上述のように、「基台部材の前面に設けられた
直立するありみぞに係合して基台部材に対して上
下方向に摺動可能に案内されるストツパ部材」を
設けたことにより、ジヨー部材が前下方に摺動す
る形式のバイスと組み合わせて用いた場合に、バ
イスによる締め付けを行うと必然的に生じる加工
物の回転あるいは浮き上がりを、このストツパ部
材を下方に動かすことにより吸収して、加工物を
その水平方向の位置を維持した状態で確実に締付
固定することができる。

（実施例） 図において１は口金部であつて加工物（第４図
に３として示す）に当接し係合するに適した適宜
の形状の凹凸部２を前面に有し、ねじ４，４によ
つてストツパ部材５に固定されている。ストツパ
部材５には直立するありみぞ６，６が設けられ、
これらが後述する基台部材１０の対応するありみ
ぞ１１，１１に係合して相対的に上下方向に摺動
可能となつている。第１図ないし第３図に示す実
施例では、基台部材１０は４本のボルト１２によ
つて台座部材１５に固定され、台座部材１５はボ
ルト１６（１本のみが図示される。）によつて例
えば工作機械のテーブル等１７に設けたＴ溝１８
に収容されたナツト１９と係合しており、これに
よつて基台部材１０はテーブル等１７に固定され
ているが、基台部材１０を直接にテーブル等１０
上に固定することもできる。

ストツパ部材５には貫通孔７が設けられ、基台
部材１３にはねじ孔１３が貫通孔７と整合して直
立して設けられ、ボルト２１が貫通孔７を貫通し
てねじ孔１３にねじこまれる。ボルト２１には貫
通孔７を貫通した位置に縮径部２２が設けられ、
ほゞ馬蹄形のワツシヤ２３が貫通孔７の下端にお
いてストツパ部材５の下面と係合して縮径部２２
に嵌合し、これによつてボルト２１とストツパ部
材５との相対的上下方向運動を制限する。ボルト
２１を回転することによつてボルト２１とストツ
パ部材５とは基台部材１０に対して上下方向に移
動する。

第４図は使用状態を略示しており、台座部材は
省略されている。第４図右方には例えば実公昭50
−44600号公報に示す如きバイス４０があり、こ
れは工作機械のテーブル等１７に固定される支持
部材４３と、口金部材４１を有するジヨー部材４
２とが、前下方に傾斜する傾斜面４４に沿つて摺
動可能となされ、ボルト４５を締付けることによ
るジヨー部材４２の前方（第４図左方）への運動
によつて加工物３を本考案によるストツパ３０と
の間に固定する。ジヨー部材４２はこのとき左方
に運動すると共に下方に運動するからストツパ３
０の口金部１が停止していると加工物３に回転運
動が生じ、円滑な締付が行なわれなくなる。本考
案によるストツパ３０によればこのときボルト２
１を締付けることによつてバイス４０の口金部４
１の下方への運動に対応して口金部１を下方に運
動させることができるから加工物は回転を生ずる
ことがなく確実な締付が行なわれる。

（考案の効果） 本考案によれば締付時にジヨー部材が前下方に
摺動する形式のバイスと組合せて使用したとき若
しくは有効であり、加工物の確実な締付が可能で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案によるストツパの縦断面図、第
２図は上面図、第３図は正面図、第４図は好適な
使用例を示す概略図。 １，４１……口金部、５……ストツパ部材、１
０……基台部材、６，１１……ありみぞ、７……
貫通孔、１３……ねじ孔、２１……ボルト、２
２′……縮径部、２３……ワツシヤ、３０……ス
トツパ、４０……バイス、４４……傾斜面。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ジヨー部材が前下方に摺動する形式のバイスと
   組み合わせて用いられるバイス用ストツパであつ
   て、工作機械のテーブル等の上に取付けられるに
   適した基台部材と、基台部材の前面に設けられた
   直立するありみぞと、基台部材に設けられた直立
   するねじ孔と、前記ありみぞに係合して基台部材
   に対して上下方向に摺動可能に案内されるストツ
   パ部材と、ストツパ部材の貫通孔を貫通して基台
   部材の前記ねじ孔にねじ係合するボルトと、該ボ
   ルトの縮径部と係合してストツパ部材の下面と係
   合してボルトとストツパ部材との相対的上下方向
   運動を抑止するワツシヤと、ストツパ部材の前端
   面に設けられて加工物と当接する口金部とを含む
   バイス用ストツパ。