JPH0284392A - 熱転写シート - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱転写プリンタに使用する熱転写シートに係り
、特に記録感度が高く、色再現性に優れた黄色記録や適
当なマゼンタ、シアン色と組合せてフルカラー記録を行
うに好適な熱転写シートに関する。

〔従来技術〕

近年、各種デイスプレィ上の画像等をハードコピーする
プリンタとして熱転写プリンタが広く用いられるように
なっている。このプリンタの記録材料には熱転写シート
と被記録体が用いられる。

この熱転写シートは、熱により昇華、蒸発あるいは拡散
して被記録体へ移行する性質を有する染料（以後、昇華
性染料と称す）を含有するインク層を基体上に設けた構
造を有し、解像度を低下させることなく、加える熱エネ
ルギの大小で容易に転写濃度（染料移行量、プリント画
像の反射濃度）を制御することができるという特徴を有
している。

そのような熱転写シートの例としては特開昭６０−１０
１０８７号公報等多数の公報が知られている。また、こ
の熱転写シートに用いる昇華性染料としては同上公報に
記されているもののほか、特開昭６０−２７５９４号公
報等多数の公報に示されている。

〔発明が解決しようとする課題〕

しかし、上記従来技術においては、印加したある一定熱
エネルギのもとての被記録体への染料の移行量、即ち記
録感度については必ずしも充分な配慮がなされていなか
った６インク層が熱により溶融あるいは軟化して被記録
体上に移行する熱溶融型の熱転写シートと比べると転写
に大きな熱エネルギを必要とする、即ち記録感度が低い
という問題があった。

本発明の目的はこの問題を解決し、低エネルギで高い記
録濃度のプリンタを得ることができる高感度な黄色記録
用熱転写シートを提供することにある。

〔課題を解決するための手段〕

上記目的は、基体の片面に下記化学構造式（Ｉ）で示さ
れる染料を含有するインク層を設けることにより達成さ
れる。

ＨＯ−Ｃ−Ｎ−Ｒ２ （式中、Ｒ１はメチル基又はエチル基　Ｒ２は水素原子
、メチル基又はエチル基、又は水素原子又は塩素原子を
表わす。但し、Ｒ１がメチル基　Ｒ２Ｘが水素原子であ
るもの、及びＲ１がメチル基。

Ｒ２が水素原子、Ｘがパラ位に塩素原子で他の水素原子
であるものを除く。） 基体としてはポリエチレンテレフタレート（ＰＥＴ）等
の厚さ３〜１０μｍ程度のプラスチックシートを用いる
ことができる。この基体上に上記染料を含有するインク
層を形成するためには、染料の外に結着剤を使用するこ
とが好ましい。結着剤としては製膜能のある高分子化合
物を使用できる。そのような高分子化合物の例としては
ポリエステル、ポリビニルブチラール、ポリアミド。

セルロース誘導体等をあげることができる。

また、基体のインク層を有する面とは反対の面に、プリ
ンタ内のサーマルヘッドに対する走行を滑らかにし、サ
ーマルヘッドと基体間の熱融着を防止するための耐熱滑
性層を設けてもよい。この層を形成する物質としてはシ
リコーン樹脂や滑材等を含有する耐熱性樹脂、例えばメ
ラミン樹脂。

エポキシ樹脂、セルロース誘導体等を用いることができ
る。

〔作用〕

本発明で使用される前記化学構造式（１）で表わされる
染料の主なものと、従来の熱転写シートに用いられてい
る染料、カラーインデクスナンバーデイスパースイエロ
ー３．同１６（前記化学構造式（１）においてＲ１がメ
チル基　ＲＺがフェニル基、Ｘが水素原子）及びソルベ
ントイエロー４４の２００℃並びに２４０℃における昇
華又は蒸発速度の測定値を第１表に示した。なお、この
速度は示差熱天秤（真空理工製ＴＧＤ−３０００）を使
用して測定した。

第　　　１　　　表 第１表に示されているように、本発明の熱転写シートに
用いられる染料は従来用いられている染料に比べ数倍か
ら百数十倍昇華又は蒸発速度が大きい。このため、イン
ク層中に同じ量の染料が含有されている時、本発明の熱
転写シートにサーマルヘッドよりある一定の熱エネルギ
を加えれば、従来の染料を用いた熱転写シートに比べ、
インク層から多量の染料が被記録体に移行するので、本
発明の熱転写シートは記録感度が高くなる。

〔実施例〕

実施例１ 本発明の熱転写シートの一実施例の構成を第１図により
説明する。第１図は熱転写シート１の断面図であり、熱
転写シート１は基体３の片面に耐熱滑性層２、他面に昇
華性染料と結着剤を含有するインク層４が設けられてい
る。

基体３として厚さ６μｍのＰＥＴシート（音大ＩＡ）を
用いた。この基体の片面にシリコーン（信越シリコーン
製ＫＳ−７２２）の５重量％トルエン溶液２０重量部と
硬化触媒（信越シリコーン製ＰＬ−３）０．５　重量％
ヘキサン溶液１重量部の混合液を塗布、乾燥し、さらに
１００℃の温度に５分間放置してシリコーンを硬化させ
、厚さ約０．２μｍの耐熱滑性層２を形成した。

次に、前記化学構造式（１）においてＲ１がメチル基　
ＲＺとＸが水素原子の染料１重量部と結着剤としてポリ
エステル（東洋助層バイロン２９０）２重量部をテトラ
ヒドロフラン２７重量部に分散。

溶解し、この塗液を基体３の耐熱滑性層２非形成面に塗
布、乾燥して厚さ約１μｍのインク層４を形成し、本実
施例の熱転写シートを得た。

この熱転写シートと熱転写プリンタとして日立製作所製
ビデオプリンタＶＹ−５０及び被記録体としてＶＹ−５
０用のペーパーインクセットＶＹ−３１００中の被記録
体を用い、熱転写シートの記録感度特性を測定した。測
定にあたってはｖｙ−５０を一部改造し、外部よりサー
マルヘッドに対する通電制御を行えるようにした。即ち
、プリント１ラインあたりの通電時間を０〜１５ｍ５ま
で１ｍｓ間隔で制御できるようにした。このようにして
、プリント１ラインあたりの通電時間を０〜１５　ｍ　
ｓまで１ｍｓ毎に変化させて被記録体上に得られたプリ
ント画像の通電時間と反射濃度（大日本スクリーン製反
射濃度計ＤＭ−４００で測定）の関係を第２図に示した
。

後述の従来染料を用いた比較例１の熱転写シートの特性
と比べ、いずれの通電時間においても高い反射濃度が得
られ、記録感度が高い。見方を変えると、同じ反射濃度
のプリント画像を得るには実施例１の方が比較例１より
１ラインあたりの通電時間が短くてよく、あるいは通電
時間を同じくすればサーマルヘッドへの印加電圧が小さ
くてすみ、記録時間や消費電力を低減することができる
。

比較例１ 実施例１において、染料として第１表に示した従来染料
の中で最も昇華又は蒸発速度の大きいデイスパースイエ
ロー１６（日本化架装カヤセットイエロー９３７）１重
量部を用いたこと以外は同様にして熱転写シートを作製
し、実施例１と同様にして通電時間と反射濃度の関係を
測定し、その結果を第２図に併記した。

実施例１に比べ、用いた染料の昇華又は蒸発速度が小さ
いので、いずれの通電時間においても反射濃度が低く、
記録感度が低い。

実施例２〜４ 染料として、前記化学構造式（１）においてＲ１，Ｒ”
、Ｘがそれぞれ第２表に示した染料１重量部を用いたこ
と以外は実施例１と同様にして実施例２〜４の熱転写シ
ートを作製した。これらの熱転写シートを用いて、実施
例１と同様にして通電時間と反射濃度の関係を測定した
。その結果を第２表に実施例１及び比較例１と共に併記
した。

第２表に示したどの通電時間においても実施例２〜４の
熱転写シートの反射濃度は比較例１のそれよりも高く、
記録感度が高い。

第　　　２　　　表 〔発明の効果〕 本発明の熱転写シートは昇華又は蒸発速度の大きな染料
を使用しているので記録感度が高い。その結果、熱転写
に際し記録時間や消費熱エネルギを低減させることがで
きる。また、本発明の熱転写シートの黄色インク層に隣
接した基体上に、適熱なマゼンタ色の昇華性染料を含有
するインク層とシアン色の昇華性染料を含有するインク
層を設けることにより、色再現性に優れた鮮明なフルカ
ラー画像を作製することが可能な熱転写シートを提供で
きる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例の熱転写シートの断面図であ
る。第２図は実施例１及び比較例１の熱転写シートの記
録感度特性を示した図である。 １・・・熱転写シート、２・・・耐熱滑性層、３・・・
基体。 ４・・・インク層。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １、基体の片面に、熱により被記録体へ移行する性質を
   有する染料を含有する層を設けた熱転写シートにおいて
   、染料として下記一般式（ I ）で表わされる染料を用
   いたことを特徴とする熱転写シート。 ▲数式、化学式、表等があります▼・・・（ I ） （式中、Ｒ＾１はメチル基又はエチル基、Ｒ＾２は水素
   原子、メチル基又はエチル基、Ｘは水素原子又は塩素原
   子を表わす。但し、Ｒ＾１がメチル基、Ｒ＾２、Ｘが水
   素原子であるもの、及びＲ＾１がメチル基、Ｒ＾２が水
   素原子、Ｘがパラ位に塩素原子で他の水素原子であるも
   のを除く。）