JPH02822Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、スライドスイツチに関する。

（従来技術） スライドスイツチは、ツマミをスライドさせる
と、接点もスライドして切換えられる型式のスイ
ツチであり、多くの種類がある。多極のわりに小
型なので切換え用に広く利用されている。特に近
年、電気機器の小型化、実装密度向上などの要望
が著しく、それらの制約から、機能上異なつた働
きをするため、本来機能上異なつたスイツチに分
けて、それぞれ分離操作をすることが望ましい場
合でも、異なる機能を混在させて同一のスイツチ
として一体に形成してしまうことが多い。第１図
および第２図は、いずれもそのような従来のスラ
イドスイツチのツマミ付近の外観図である。図
中、１０，１２はツマミ、１４，１６はその符合
線、１８，２０はケース、２２，２４はそれぞれ
ケース１８，２０にガイドされ、一直線的なツマ
ミ１０，１２の移動を案内するスライド領域（以
下ガイド口という）である。またケース１８，２
０上の各点は符合点であり、それぞれ対応する
OFF，ON，HOLD，OFF，NORMAL，
SURGEなどの切換フアンクシヨンを示す。

（従来技術の問題点） このようなスライドスイツチでは、ツマミの切
換ストロークも小さくなつてきており、シヨート
ストロークのものでは２mmストロークのものがあ
る。第１図、第２図などに示されるスライドスイ
ツチでは、電源スイツチが含まれており、電源ス
イツチON後の切換フアンクシヨンを示す符合点
が、電源スイツチのOFF，ONの符合点と共に、
一直線的に配列されている。そのため、シヨート
ストロークのものでは、ツマミ操作を誤まつて、
１ポジシヨン飛ばして欲さないポジシヨンに切換
え、そのまま気づかないで放置したり、測定など
を開始することがある。また、電気機器の保護、
使用者の安全確保などの観点からも、そのような
誤操作を防止しなければならない。

（考案の目的） 本考案はこのような従来の問題点に着目してな
されたものであり、誤操作を防止し、フアンクシ
ヨン切換を確実に行なうため、ポジシヨンの切換
を一直線的に行なうことなく無意識的なポジシヨ
ン通過を防ぐべき重要な位置で、ツマミの移動方
向を転換させると共に、切換操作を明確化するこ
とのできるスライドスイツチを提供しようとする
ものである。

（考案の概要） 本考案のスライドスイツチは、接点切換え用の
スライド軸が嵌合するツマミと、そのツマミの移
動を案内するガイド口とを備えたものである。そ
して、そのスライド軸が嵌合するツマミの嵌合溝
をスリツトとし、そのスリツトの長手方向をスラ
イド軸の移動方向に対して45゜を超える角度に傾
斜させて配設し、ツマミの移動を案内するガイド
口をスライド軸の移動方向には基本方向ガイド口
を設け、その移動方向と直角方向には直角方向ガ
イド口を設けた一方向転換ガイド口とすることに
より、ツマミをスライド軸の移動方向と直角な一
方向に移動させ得る構成とする。

（実施例） 以下、添付図面に基づいて、本考案の実施例を
説明する。第３図は、本考案の一実施例を示すス
ライドスイツチのツマミ付近の外観図、第４図
は、第３図のＡ−A′線断面図、第５図は、第３
図のＢ−B′線断面図、第６図は、第４図のＣ−
C′線断面図である。第７図は、第３図の状態から
ツマミを電源OFFに切換えたときの第４図のＣ
−C′線における状態断面図、第８図は、第３図の
状態からツマミをHOLDに切換えたときの第４
図のＣ−C′線における状態断面図である。

図中、３０はツマミ、３２はスライドスイツチ
本体、３４はスライド軸、３６はケース、３８は
ケース３６にガイドされ、ツマミ３０の移動方向
を転換して案内するスライド領域（以下、一方向
転換ガイド口という）、４０はプリント板、４２
は防塵板である。またケース３６上の各点はポジ
シヨンを示す符合点であり、それぞれOFF、
ON、HOLDなどの切換フアンクシヨンに対応す
る。

ツマミ３０は操作部４４とスリツト部４６とを
有し、ケース３６の一方向転換ガイド口３８中に
配置され、ケース３６にガイドされて移動する。
操作部４４はその一部がケース面から外部に突出
しており、その突出面上に符合線４８がある。ツ
マミ３０はスライド軸３４と嵌合しており、その
嵌合溝たるスリツト５０がスリツト部４６のスラ
イド面に設けられている。スリツト５０はその長
手方向をスライド軸３４の移動方向に対して傾斜
させて配設する。ツマミ３０を操作すると、スラ
イド軸３４の頂部３５はスリツト５０内を摺動し
ながら移動する。

スライド軸３４は、スライドスイツチ本体３２
内のスライド部（図示なし）と結合しており、そ
のスライド軸３４はツマミ３０のポジシヨン切換
操作によつてスライドし、本体３２内の接点を切
換える。スライド軸３４の形状は、その頂部３５
をスリツト５０内に嵌合し、円滑に摺動させるた
め、円柱状とすることが好ましい。

一方向転換ガイド口３８には、ツマミ３０の移
動方向を転換させるポジシヨンを基準として、ツ
マミ３０がそのポジシヨンよりいずれかの方向に
移動したとき、ツマミ３０の一部を嵌合する方向
ガイド口が存在する。第６図では、スライド軸３
４の移動方向には基本方向ガイド口５２が、スラ
イド軸３４の移動方向と直角方向には直角方向ガ
イド口５４が、それぞれ存在し、ツマミ３０の移
動を規制する。

次に、本実施例の操作と作用を説明する。

まず、電源が切れた状態、すなわち、ツマミ３
０の符合線４８と符合点OFFとが一致し、ツマ
ミ３０の一部が直角方向ガイド口５４に嵌合して
いるポジシヨンから、電源を入れるため、ツマミ
３０をスライド軸３４の移動方向と直交する方向
に操作して移動する。すると、ツマミ３０は、第
３図に示されるポジシヨンに設定され、符合線４
８と符合点ONとが一致し、電源が入る。このと
き、スライド軸３４の頂点３５はツマミ３０のポ
ジシヨンに対応した位置にあり、スライド軸３４
の移動距離の中点で、かつスリツト５０の長手方
向距離の片端にある（第６図参照のこと）。この
ポジシヨンは、ツマミ３０の移動方向を転換させ
る基準ポジシヨンであるため、ツマミ３０を無意
識的に同一方向にスライドさせても、基準ポジシ
ヨンを通過して、次の切換フアンクシヨンたる符
合点HOLDに至ることはない。

次に、次の切換フアンクシヨンたる符合点
HOLDへと移動するには、ツマミ３０の移動方
向を変え、スライド軸３４の移動方向と同一方向
にツマミ３０を移動する。すると、ツマミ３０が
基本方向ガイド口５２に入り、符号線４８と符号
点HOLDとが一致し、スライド軸３４の頂点３
５は、ツマミ３０ポジシヨンに対応した位置にく
る。すなわち、頂点３５は、スリツト５０の長手
方向距離の片端に保持されたまま、スライド軸３
４の移動距離の片端へと移動する（第８図参照の
こと）。

次に、HOLDからONへのポジシヨン切換操作
は、上記の逆であり、さらにONからOFFに切換
えるには、基準ポジシヨンたるONの位置でツマ
ミ３０の移動方向を変え、ツマミ３０をスライド
軸３４の移動方向と直交する方向にスライドさせ
る。すると、ツマミ３０の符合線４８と符号点
OFFとが一致し、電源が切れる。このとき、ス
ライド軸３４の頂点３５は、ツマミ３０のポジシ
ヨンに対応した位置にくる。すなわち、スライド
軸３４の頂点３５は、スライド軸３４の移動方向
に対して傾斜したスリツト５０内を摺動して移動
し、スライド軸３４の移動方向距離の他端で、ス
リツト５０の長手方向距離の他端へと達する（第
７図参照）。このように、ツマミ３０をスライド
軸３４の移動方向に沿い、或いはその移動方向と
直角な位置方向に沿つて移動すると、常に接点の
切換えを行うことができる。

なお、上記のOFFからONまたはONからOFF
へのツマミ３０のポジシヨン切換操作では、ツマ
ミ３０をスライド軸３４の移動方向に直交する方
向に移動するが、スリツト５０の長手方向をスラ
イド軸３４の移動方向に対して傾斜して配設して
いるため、そのスリツト５０の傾斜角度を変える
ことにより、スイツチの切換ストロークに対し、
ツマミ３０の切換フアンクシヨン間の一部の切換
ストロークを自由に変えて、符合点OFF，ON間
のスペーを広げることができる。例えば、スイツ
チの接点切換ストロークをｂ、ツマミ３０のフア
ンクシヨン切換ストロークをａ、スライド軸３４
の移動方向に対するスリツト５０の傾斜角度をα
とすると、ａ＝btanαとなり、α＜45゜ではａ＞ｂ
となる。しかも、αの大きさに対応してａが大き
くなる。こため、スイツチの接点切換ストローク
ｂに対し、ツマミ３０のフアンクシヨン切換スト
ロークａが広がり、ポジシヨンが明確となる。

本実施例では、符合点として３点の切換フアン
クシヨンを有するスライドスイツチについて説明
したが、さらに多数の切換フアンクシヨンを符合
点として有する第９図のような多点スライドスイ
ツチにも、本考案を適用することができる。図
中、６０はツマミ、６２は符合線、６４は一方向
転換ガイド口、OFF，Ｖ，Ａ，Ω，Hzは切換フ
アンクシヨンに対応する符合点である。また、そ
のような多点スライドスイツチにおいて、ツマミ
の移動方向を転換させる基準ポジシヨンの位置
を、任意に選択して設定することもできる。

（考案の効果） 以上説明した本考案によれば、ツマミをスライ
ド軸の移動方向と直角な一方向に移動することに
より、無意識的なポジシヨン通過を防ぐべき重要
な位置で、ツマミの移動方向を転換して、誤操作
を防止することができる。しかも、方向転換の前
後に亘つて、常にフアンクシヨン切換を確実に行
なえるので好適なものになる。更に、スリツトの
長手方向をスライド軸の移動方向に対して45゜を
超える角度に傾斜させているため、スイツチの接
点切換ストロークに対し、ツマミの無意識的なホ
ポジシヨン通過を防ぐべき重要な位置にある切換
フアンクシヨン間の切換ストロークを広げること
により、スイツチを小型化しても、ツマミの切換
操作を明確化することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図および第２図は、いずれも従来のスライ
ドスイツチのツマミ付近の外観図である。第３図
は、本考案の一実施例を示すスライドスイツチの
ツマミ付近の外観図、第４図は、第３図のＡ−
A′線断面図、第５図は、第３図のＢ−B′線断面
図、第６図は、第４図のＣ−C′線断面図である。
第７図は、第３図の状態からツマミを電源OFF
に切換えたときの第４図のＣ−C′線における状態
断面図、第８図は、第３図の状態からツマミを
HOLDに切換えたときの第４図のＣ−C′線にお
ける状態断面図である。第９図は、本考案を適用
した多点スライドスイツチのツマミ付近の外観図
である。 ３０，６０……ツマミ、３２……スライドスイ
ツチ本体、３４……スライド軸、３６……ケー
ス、３８，６４……一方向転換ガイド口、５０…
…スリツト、５２……基本方向ガイド口、５４…
…直角方向ガイド口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 接点切換え用のスライド軸が嵌合するツマミ
   と、そのツマミの移動を案内するガイド口とを備
   えたスライドスイツチにおいて、上記ツマミの嵌
   合溝をスリツトとし、そのスリツトの長手方向を
   上記スライド軸の移動方向に対して45゜を超える
   角度に傾斜させて配設し、上記ガイド口をスライ
   ド軸の移動方向には基本方向ガイド口を設け、そ
   の移動方向と直角方向には直角方向ガイド口を設
   けた一方向転換ガイド口とすることにより、ツマ
   ミをスライド軸の移動方向と直角な一方向に移動
   させ得ることを特徴とするスライドスイツチ。