JPH028065Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、電子機器類などのケースの開口部
開閉装置に関する。

一般に、第１図及び第２図に示すように、電子
機器類のケースａには開口ｂを閉鎖する開閉体ｃ
が丁番ｄによつて取付けられている。この丁番ｄ
には２個の支持片ｅ，ｆが枢軸ｇを介して回動自
在に連結され、この両支持片ｅ，ｆを開閉体ｃの
下部背面及びケースａにおける開口縁の下部内面
にそれぞれ取付けられて構成されている。

そして、ケースａの開口縁下部及び開閉体ｃの
下部は下番ｄの枢軸部に対応してコ字の切欠部
ｈ，ｉが形成されており、開閉体ｃを外側に回動
して開口ｂを開閉する一方、止めネジｊでもつて
開閉体ｃをケースａに閉鎖固定するように構成さ
れている。

この丁番機構においては、第２図に示すよう
に、丁番ｄが外部より見えることになり、美観を
損ねるという欠点があつた。特に、近年、電子機
器等においては機能面のもならず、デイザイン的
にも優れたものが要望されており、丁番が見えて
いると、見苦しく、商品価値を低下させる一要因
となつていた。

しかも、丁番ｄの枢軸部は回動するために塗装
が剥げ易く、長時間使用すると極めて見苦しいと
いう問題があつた。

更に、この丁番機構において、開閉体ｃは180
度開動するため、前方に突き出した状態に支持し
ようとすると、別個にストツパ機構が必要とな
り、構造が複雑化するという問題があつた。

この考案は、かかる点に鑑みなされたもので、
この考案のケースの開口部開閉装置は、ケース１
に設けられた開口２を開閉するための開閉体３
と、２個の支持片４ａ，４ｂが枢軸４ｃを介して
回動自在に連結されて成り、一方の支持片４ａが
前記開閉体３の背面下端部に前記開閉体３の下端
縁より若干内側に前記枢軸４ｃが位置するように
取付けられ、他方の支持片４ｂに長孔４ｄが前記
枢軸４ｃと直交方向に穿設された丁番４と、前記
開口２の下縁近傍に開口下縁と平行に架設される
支柱５と、この支柱５の下面に設けられ、前記長
孔４ｄに遊嵌係合し、前記長孔４ｄを有する支持
片４ｂを水平方向に移動自在に支持するガイドピ
ン６とから構成され、丁番が外部から見えないよ
うにして美観をよくすると共に、開閉体を90度に
開放支持できるようにしている。

以下、図面に示す実施例に基づいてこの考案を
詳細に説明する。

第３図乃至第７図に示すように、１は電子機器
類などのケースであつて、点検口などの開口２が
形成されている。そして、この開口２を開閉する
開閉体３が丁番４によつてケース１に取付けられ
ている。この開閉体３は開口２よりやや大きく、
外開き式に構成されている。

丁番４は２個取付けられており、２個の支持片
４ａ，４ｂが枢軸４ｃを介して回動自在に連結さ
れて構成されている。この一方の支持片４ａは開
閉体３の背面下部にスポツト溶接などで取付けら
れており、枢軸４ｃが開閉体３の下端よりやや上
方に位置するようになつている。また、他方の支
持片４ｂには枢軸４ｃと直交方向に長孔４ｄが１
個穿設されている。

前記ケース１の内部における開口縁の下部近傍
には１本の支柱５が開口縁と平行に架設されてお
り、この支柱５の下面に２個のガイドピン６が設
けられている。このガイドピン６は、丁番４の長
孔４ｄに係合するもので、長孔４ｄより大径の頭
部６ａと長孔４ｄを貫通する軸部６ｂとより構成
されている。

そして、このガイドピン６の軸部６ｂに長孔４
ｄが遊隙を存して係合され、長孔４ｄを有する支
持片４ｂがケース１に対して前後方向に直線移動
自在に支持されている。

前記開閉体３の上部には止めネジ７が設けら
れ、この止めネジ７をケース１の上部に形成され
たネジ孔１ａに螺合して開閉体３をケース１に閉
鎖固定するようになつている。また、この止めネ
ジ７は開閉体３より離脱しないように設けられて
いる。

次に、開閉体３の開閉動作について説明する。

第３図及び第６図に示すように、開口２を閉鎖
した状態より開閉体３を開ける場合、先ず、止め
ネジ７をケースより外して、開閉体３を手前に回
動する。この際、開閉体３は下端がケース１に接
触し、この接触点Ａを支点に回動する。また、長
孔４ｄを備えたケース側支持片４ｂはケース１の
下部開口縁に接し、開閉体３の回動に伴つてガイ
ドピン６に案内され、手前にやや引き出される。

そして、開閉体３を90度回動すると、第４図及
び第７図に示すように、開閉体３は下部がケース
側支持片４ｂに当接して前方に突出した状態で停
止保持される。

次に、この状態より開口２を閉鎖する場合は、
開閉体３を上方に回動した後、下部を押し込み、
止めネジ７をネジ孔１ａに螺合して開閉体３をケ
ース１に固定する。

以上のようにこの考案によれば、２個の支持片
と枢軸とより成る丁番の一方の支持片を開閉体の
背面に取付け、他方の支持片に長孔を穿設し、開
閉体が開閉する開口を備えたケース内に長孔と係
合するガイドピンを開口縁の近傍に設け、このガ
イドピンに長孔を係合してこの長孔を備えた支持
片をケースに移動自在に支持し、開閉体をケース
に取付けたために、丁番が外部から見えないよう
にすることができる。

従つて、美観を良くすることができるから、電
子機器類などの商品価値を向上させることができ
る。

また、丁番の枢軸部の塗装が剥げても外部から
見えないので、美観が損なわれることがない。

しかも、丁番の一方の支持片が、枢軸が開閉体
の端縁より若干内側に位置するように開閉体の背
面端部に取付けられ、また開閉体が開いた時に開
閉体の前記端縁がケース外壁に当接して、前記開
閉体が水平方向となるようにケース体に取付ける
ものであるから、別個にストツパ機構を設ける必
要がなく、構造を簡素にすることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の丁番機構を示す断面図、第２図
は同正面図、第３図乃至第７図はこの考案の一実
施例を示し、第３図は開口閉鎖時の丁番機構を示
す断面図、第４図は開口開放時の同断面図、第５
図は第４図の一部省略底面図、第６図は開口閉鎖
時のケースの正面図、第７図は開口開放時の同正
面図である。 １……ケース、２……開口、３……開閉体、４
……丁番、４ａ，４ｂ……支持片、４ｃ……枢
軸、４ｄ……長孔、５……支、６……ガイドピ
ン、６ａ……頭部、６ｂ……軸部、７……止めネ
ジ。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ケース１に設けられた開口２を開閉するための
   開閉体３と、 ２個の支持片４ａ，４ｂが枢軸４ｃを介して回
   動自在に連結されて成り、一方の支持片４ａが前
   記開閉体３の背面下端部に前記開閉体３の下端縁
   より若干内側に前記枢軸４ｃが位置するように取
   付けられ、他方の支持片４ｂに長孔４ｄが前記枢
   軸４ｃと直交方向に穿設された丁番４と、 前記開口２の下縁近傍に開口下縁と平行に架設
   される支柱５と、 この支柱５の下面に設けられ、前記長孔４ｄに
   遊嵌係合し、前記長孔４ｄを有する支持片４ｂを
   水平方向に移動自在に支持するガイドピン６と、 からなることを特徴とするケースの開口部開閉装
   置。