JPH0277417A - 水性被覆用樹脂組成物及びその製造方法 - Google Patents

水性被覆用樹脂組成物及びその製造方法

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JPH0277417A
JPH0277417A JP12889689A JP12889689A JPH0277417A JP H0277417 A JPH0277417 A JP H0277417A JP 12889689 A JP12889689 A JP 12889689A JP 12889689 A JP12889689 A JP 12889689A JP H0277417 A JPH0277417 A JP H0277417A
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epoxy resin
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JP12889689A
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English (en)
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Hiroaki Shimada
島田 博彰
Hitoshi Takayanagi
均 高柳
Takeshi Masuda
増田 毅
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Original Assignee
Dainippon Ink and Chemicals Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、水性被覆用樹脂組成物とその製造方法に関し
、更に詳しくは金属被覆用組成物として、特に鑵内面塗
料として優れた塗膜を形成することのできる水性被覆樹
脂組成物とその製造方法に関する。
従来の技術 従来より、罐用塗料や防食塗料は省資源、省エネルギー
、あるいは環境公害等の面から水系へ移行が望まれてい
る。水系においても溶剤型の場合と同様、主としてエポ
キシ樹脂系のものが検討され、エポキシ樹脂を水中に分
散させる方法として種々の方法が提案されている。
例えばエポキシ樹脂を界面活性剤を使用して水中に分散
させる方法があり、これにはアニオン系界面活性剤を用
いる方法と、ノニオン系界面活性剤を用いる方法の2つ
の方法が知られている。
しかしながら、前者においては、乳化過程及び貯蔵中に
オキ−シラン環が開環するため反応性が低下して形成塗
膜の性能を悪くしたり、また、ときには貯蔵中に増粘、
ゲル化の問題を起こし易(、一方、後者においては、分
散性及び貯蔵安定性を付与するために多量の界面活性剤
を使用しなければならないため、塗膜に多量の界面活性
剤が含まれることになり、塗膜の化学的及びR械低性質
に悪影響を及ぼす傾向がある。
これらの解決方法として、エポキシ樹脂をアクリル系樹
脂で変性して、乳化力のあるセグメントを分子中に導入
した自己乳化型エポキシ樹脂を水中に分散させる方法が
種々知られている。
例えば、特開昭53−1228号公報には、エポキシ樹
脂の存在下にベンゾイルパーオキサイドなどのフリーラ
ジカル発生剤を用いてカルボキシル基含有ビニ夾モノマ
ーを含むモノマー混合物を重合することにより得られる
グラフト化されたエポキシ樹脂を、塩基を含む水性媒体
中に安定に分散させる方法が開示されている。また特開
昭55−75460号公報及び特開昭56−10924
3号公報には、アクリル系樹脂と比較的高分子量の芳香
族エポキシ樹脂とを反応させたカルボキシル基過剰の部
分反応物をアンモニアもしくはアミンの存在下で水性媒
体中に安定に分散させる方法が開示されている。また、
特開昭55−3481号公報及び特開昭55−3482
号公報には、カルボキシル基含有ビニルポリマーをアミ
ン系エステル化触媒の存在下にエポキシ樹脂とエステル
化し、エポキシ樹脂にオキシラン基を実質1有しないカ
ルボキシル基含有ビニルポリマー変性エポキシ樹脂を塩
基で中和して水中に分散させる方法が開示されている。
また、特開昭57−105418号公報及び特開昭58
−198513号公報には、芳香族系エポキシ樹脂と(
メタ)アクリル酸を部分反応させて一分子中にエポキシ
基とアクリロイル基とを有する低分子化合物を合成し、
これにアクリル酸もしくはメタクリル酸を含む七ツマー
混合物を共重合させ、この共重合体を塩基で中和して水
中に分散させる方法が開示されている。これらにより得
られるものは樹脂自身が分散性を有する、いわゆる自己
乳化型エポキシ樹脂組成物であっで、エポキシ樹脂を水
中に分散させるための界面活性剤を含まないので、機械
的、化学的性能の比較的良い塗膜を与える。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、上記自己乳化型エポキシ樹脂組成物のあ
るものは、開始剤を多量に用いるため比較的低分子量の
水可溶性樹脂成分であるカルボキシル基台をビニルポリ
マーを多く含み、食品容器等の内面塗装材料として使用
する場合、塗膜中に存在するこれら水可溶性樹脂成分が
レトルト処理の際の密閉条件下に溶出するため、衛生上
好ましくない上、食品に好ましくない異臭を与えたり、
食品の味を低下させたり、あるいは蒸気や熱水処理をす
る際に塗膜が白化する等の問題点を有する。
しかも合成上の多くの制約を有している。
また、その他の方法はエポキシ樹脂に水性化成分を導入
する反応点としてエポキシ樹脂中のエポキシ基に注目し
ているため、エポキシ樹脂が高分子量になったり、ある
いはその改質のために酸、アルコール、フェノール等に
よる変性を行った場合にはエポキシ当量が大きくなる結
果として、カルボ、キシル基を含む水性化成分の導入さ
れる割合が少なくなり、水分散化できなくなったり、水
分散化しても微粒子化せず、貯蔵安定性、機械的安定性
等の優れた水分散体を得ることができなかった。
特にエポキシ樹脂にアクリロイル基を導入後、アクリル
酸又はメタクリル酸を含むビニル七ツマ−を共重合させ
る上記自己乳化型エポキシ樹脂組成物は、エポキシ樹脂
にアクリロイル基を導入するときの反応触媒として、■
 アルカリ金属の水酸化物、例えばKOH、NaO[I
、あるいは■ アルカリ金属の無機又は有機塩を用いる
ため、これらが最終生成物に残り塗膜の耐水性を悪くす
るのみならず、鑵内面塗膜として使用されるときに罐内
容物が熱水処理されるような場合に白化する現象が見ら
れる。また、これら触媒はアクリロイル基を導入したエ
ポキシ樹脂にアクリル酸又はメタクリル酸を共重合さ廿
るときにそのまま存在すると、これら七ツマ−が関与す
る重合体の酸基とエポキシ樹脂の残存エポキシ基とが反
応して架橋し、ゲル化し易くなって安定的に製造するこ
とができないと言う問題点を生じる。
また、エポキシ当314000以上の比較的エポキシ当
量の大きいエポキシ樹脂を使、用したときには特に、ア
クリロイル基を導入するときの反応点であるエポキシ樹
脂のエポキシ基の数が少ないので、エポキシ樹脂にアク
リロイル基が導入され難く、したがって後にアクリル酸
又はメタクリル酸を共重合させてエポキシ樹脂にカルボ
キシル基を導入しようとしてもその導入される割合が少
なく、これらモノマーのみによる重合物が多くなる。こ
の場合、エポキシ樹脂の水性化が不十分なため、その水
中への分散が良く行われず、実際にも安定な分散液が得
られていないという問題点がある。これは、酸、アルコ
ール、フェノール等による変性によりエポキシ樹脂を改
質するような場合にはさらにエポキシ当量が大きくなり
、水分散化できなくなったり、水分散しても微粒子化せ
ず、貯蔵安定性、週械安定性の優れた水分散体を得るこ
とができなくなる。また、得られた樹脂組成物の分散液
は、上述した如くアクリル酸又はメタクリル酸の単独重
合物が多くなり、これら重合物は水可溶性樹脂成分であ
るため、食品容器等の内面塗膜として使用された場合、
密閉条件下に溶出する。このため衛生上好ましくない上
に、内容物に好ましくない異臭を与えたり、食品の味を
低下させ、さらには食品を蒸気や熱水処理する際に塗膜
が白化する等の問題点を有している。
本発明が解決しようとする課題は、優れた水中分散性と
耐水性等の優れた塗膜性能を有する自己乳化型芳香族エ
ポキシ樹脂組成物及びその製造方法を与え、これにより
金属被覆組成物、特に罐内容物への低分子化合物の溶出
量が少なく、食品衛生、風味保持性に優れ、かつ低温短
時間の焼付条件で強固な塗膜を形成できる水性被覆用樹
脂組成物及びその製造方法を提供することにある。
課題を解決するための手段 本発明は、上記課題を解決するために、(al  芳香
族系エポキシ樹脂90.00〜99.95重量%と、無
水アクリル酸及び/又は無水メタクリル酸0.05〜1
0.00重量%を反応させて得られるビニル基含有反応
物40〜95重量部と、 (bl  カルボキシル基含有とニルモノマーヲ少なく
とも20重量%含有する重合性ビニルモノマー5〜60
重量部 の共重合物を水性媒体中に分散して含有することを特徴
とする水性被覆用樹脂組成物を提供するものである。こ
の際エポキシ当量4000以上の芳香族系エポキシ樹脂
も使用できる。
また、(a)  芳香族系エポキシ樹脂90.00〜9
9.95重量%と無水アクリル酸及び/又は無水メタク
リル酸0.05〜10.00重量%を不活性有機溶媒中
にて反応させて得られるビニル基含有反応物40〜95
重量部と、 (bl  カルボキシル基含有ビニルモノマーを少なく
とも20ff重量%含有する重合性ビニルモノマー5〜
60重量部 を重合開始剤の存在下に反応させることによりカルボキ
シル基含有変性重合体を製造する第1工程と、 前記カルボキシル基含有変性重合体中に含まれるカルボ
キシル基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和した後
、該中和物を水中に分散させ、pH5以上の分散液を得
る第2工程 を有することを特徴とする水性被覆組成物の製造方法を
提供するものである。この際重合開始剤を多量に用い芳
香族エポキシ樹脂骨格に(b)成分の重合物をグラフト
することも好ましい。
次に本発明の詳細な説明する。
本発明で使用する芳香族系エポキシ樹脂としては、例え
ばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF
型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂等が挙げら
れる。これらのエポキシ樹脂の内、エポキシ当量が45
0以上のものが好ましく、エポキシ当量が4000以上
のものも好ましく用いられる。
エポキシ当量が450〜4000のものとしては、例え
ばシェル化学株式会社製の「エピコー1−1001J、
「エピコート1004 J、[エピコート1007J、
「エピコート1009J、大日本インキ化学工業株式会
社製の「エビクロン1050J 、エビクロン3050
 J、「エビクロン4055 J、[エビクロン705
5 J、[エビクロン9055 J等が挙げられる。ま
た、エポキシ当量が4000以上のものとしては、例え
ばシェル化学株式会社製の「エビコー) 1010J、
「エピコー)1100L J 、チバガイギー社製ビス
フェノール^変性のrLS−X13J、rLS−911
J 、ユニオンカーバイド株式会社製フェノキシ樹脂r
 PKHA J、rPKHcJ、rPKHHJ、r P
KHJ J等が挙げられる。
また、エポキシ樹脂としては上記のほかに、脂肪酸変性
エポキシ樹脂、フェノール系化合物変性エポキシ樹脂、
アルコール系化合物変性エポキシ樹脂等の変性エポキシ
樹脂も使用できる。これらの変性に用いる脂肪酸として
は、大豆油脂肪酸、ヒマシ油脂肪酸等の植物油脂肪酸類
、安息香酸、酢酸等の有機rl1Mが挙げられ、フェノ
ール類としては、ビスフェノール^、フェノール、クレ
ゾール等が挙げられ、アルコール類としては、メタノー
ル、ブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられる。
これらの変性剤と芳香族系エポキシ樹脂を無触媒あるい
は適当な反応触媒例えば第三級アミン、第四級アンモニ
ウム等の存在下にて100〜170℃に加熱することに
より上記のそれぞれの変性エポキシ樹脂が得られる。
これらのそれぞれの群のエポキシ樹脂は単独、各群複数
又は2つの群にまたがって複数使用することができる。
本発明に係わるビニル基含有反応物は、上記エポキシ樹
脂に無水アクリル酸及び/又は無水メタクリル酸を反応
させるが、この場合無触媒でも反応させることができ、
その際エポキシ樹脂の水酸基と反応し易いが、エポキシ
基とも反応させることができ、これらの反応は触媒の存
在下でより促進される。このように無触媒でエポキシ樹
脂にアクリロイル基を導入することは、アクリル酸、メ
タクリル酸を使用する従来の方法によっては得られない
、これは無水アクリル酸、無水メタクリル酸の反応性が
良いためで、これにより従来、エポキシ当量4000以
上のエポキシ樹脂のアクリル酸、メタクリル酸によるア
クリロイル基の十分な導入が困難なものでも、エポキシ
樹脂の水酸基に対するエステル化が容易になり、アクリ
ロイル基を十分に導入でき、従来にない物質を提供でき
る。
このビニル基含有反応物は芳香族系エポキシ樹脂90.
00〜99.95重量%に対し、無水アクリル酸及び/
又は無水メタクリル酸0.05〜10.0重量%を反応
させるが、好ましくはエポキシ樹脂97.0〜99.8
重量%に対し、無水アクリル酸及びl又は無水メタクリ
ル酸を0.2〜3.0重量%を反応させる。無水アクリ
ル酸及び/又は無水メタクリル酸が0.05重量%より
少ないと水性媒体中における樹脂の分散安定性が劣る傾
向にあるので好ましくなく、また、10.00重量%よ
り多い場合には重合時に高分子量化し易く、ゲル化を起
こし易いため好ましくない。
上記ビニル基含有反応物の製造は、本発明の水性被覆用
樹脂組成物の製造法の第一工程のはじめの工程であるが
、その具体的製造法としては、例えば芳香族系エポキシ
樹脂と無水アクリル酸、無水メタクリル酸を不活性有機
溶媒中でエステル化触媒の存在下、又は不存在下におい
て50〜120℃で10分間〜8時間攪拌する方法が挙
げられる。このエステル化反応は、フーリエ変換赤外分
光光度針(FT−II?)の利用により無水アクリル酸
、無水メタクリル酸の酸無水物の吸収が無くなるか、低
い一定の値になることを確かめることにより反応の完結
を確認することができる。なお、確認手段はこれに限る
ものでない。
上記エステル化触媒を使用するときは、例えばアミン、
アルカリ金属水酸化物、鉱酸等が使用できる。好ましい
エステル化触媒としてはトリメチルアミン、トリエチル
アミン、トリプロピルアミン等のトリアルキルアミン:
N−アルキルモルホリン: トリエチレンジアミン、N
、 N’−ジメチルピペラジン、ヘキサメチレンテトラ
ミン、ピリジン、ピラジン、キノリン、ベンジルメチル
アミン、α−メチルベンジルジメチルアミン、N−アル
キルイミダシリン、トリフェニルホスフィン、トリシク
ロヘキシルホスフィン等が挙げられる。
本発明で使用するビニル基含有反応物を製造する際に用
いる不活性有機溶媒としては、アセトン、メチルエチル
ケトン、メチルイソブチルケトン、エチルプロピルケト
ン、エチルブチルケトン等のケトン系溶媒が好ましい。
上記ビニル基含有反応物にカルボキシル基含有モノマー
を含有する重合性ビニルモノマーを反応させてエポキシ
樹脂に水性化が可能な官能基を導入するが、この重合性
ビニルモノマーにはカルボキシル基含有ビニルモノマー
を少なくとも20重量冗含有させる。カルボキシル基含
有ビニルモノマーの使用量が20重量%より少ない場合
には、水性媒体中における樹脂の分散安定性、塗膜の金
属に対する密着性や耐溶剤性及び鑵内面塗膜に使用した
場合のフレーバー通性等いずれも悪くなる傾向にある。
上記カルボキシル基含有モノマーとしては、例えばアク
リル酸、メタクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレ
イン酸、フマル酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有ビニルモノマー以外の重合性ビニル
モノマーとしては、例えばスチレン、ビニルトルエン、
2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、クロルスチ
レン等のスチレン系七ツマー;アクリル酸メチル、アク
リル酸エチル、アクリル酸イソプロピ/L、=、アクリ
ル酸n−ブチル、アクリル酸イソブチル、アフリルミn
−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキ
シル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−
オクチル、アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシル等の
アクリル酸エステル類;メタクリル酸メチル、メタクリ
ル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸
イソブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n
−ヘキシル、メタクリルflln−オクチル、メタクリ
ル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸デシル、メタク
リル酸ドデシル等のメタクリル酸エステル類、アクリル
酸ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、
メタクリル酸ヒドロキエチル、メタクリル酸ヒドロキシ
プロピル等のヒドロキシ基含有モノマー、N−メチロー
ル (メタ)アクリルアミド、N−ブトキシメチル(メ
タ)アクリルアミド等のN−置換(メタ)アクリル系モ
ノマー等が挙げられる。
上記ビニル基含有反応物と重合性ビニル七ツマ−の反応
割合は、重量比で40 : 60〜95:5の範囲が好
ましい。ビニル基含有反応物の使用割合が40重量%よ
り少ない場合には、エポキシ樹脂のもつ種々の特性を活
かせない場合があるので好ましくない、逆にビニル基含
有反応物の使用割合が95.ff量%より多い場合には
、カルボキシル基の数が少なくなり、得られた樹脂の自
己乳化性が不十分になり、界面活性剤なしでは水性媒体
に分散できないことがある。
上記ビニル基含有反応物と上記重合性ビニルモノマーと
の反応は、この重合性ビニルモノマーを有機溶媒中でア
ブビスイソブチロニトリル、ベンゾイルパーオキサイド
等の通常のラジカル重合開始剤を用いて60〜150℃
の温度で行なわせる。
特にビニル基含有反応物と重合性ビニルモノマーとの共
重合反応を行う際、開始剤に多量のベンゾイルパーオキ
サイドを用いると、水素引き抜きの力が強いためエポキ
シ樹脂の“炭素鎖に直接C−C結合が生じ、そこを起点
としてビニル七ツマ−がグラフト重合し、エポキシ樹脂
骨格にビニル重合体をグラフトする可能性があるが、本
発明の方法を組み合わせることによりエポキシ樹脂に対
するビニルポリマーのグラフト率が上がるため乳化力が
向上し、従来それぞれ単独の方法では困難であった組成
であっても乳化させることができるばかりでなく、非常
に分散安定性に優れた分散体を得ることができる。こう
してできた乳化物は非常に微粒子化し、半透明な0.2
μm以下の粒径を有する分散体となる。
この反応を行うときの有機溶媒としては1例えばメタノ
ール、エタノール、プロパツール、ブタノール等のアル
コール類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロ
ピルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルピトー
ル、エチルカルピトール等のエーテルアルコール類;メ
チルエチルケトン、ジイソブチルケトン等のケトン類や
トルエン等の芳香族炭化水素等が挙げられる。
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、前記ビニル基含有反
応物と重合性ビニル七ツマ−との重合反応によって得ら
れる、いわゆるカルボキシル基含有変性重合体に塩基を
加えて水性媒体中に分散させ、pH5以上の分散液とす
ることによって得られる。これが本発明の水性被覆用樹
脂組成物の第二工程に該当する。
ここで使用される塩基は、アンモニアや揮発性のアミン
が好ましく、無機塩基は、塗膜中に残留し耐水性を悪く
する傾向があるので好ましくない。
上記アミンとしては、トリメチルアミン、トリエチルア
ミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類;ジメチルア
ミノエタノール、ジェタノールアミン、アミノメチルプ
ロパツール等のアルコールアミン類;モルホリン等が使
用できる。また、エチレンジアミン、ジエチレントリア
ミン等の多価アミンも使用できる。
本発明において水性媒体とは、少なくとも10重量%以
上が水である水単独もしくは親水性有機溶剤との混合液
を意味する。親水性有機溶剤とじては、例えばメタノー
ル、エタノール、n−プロパツール、イソプロパツール
、n−ブタノール、5ec−ブタノール、tert−ブ
タノール、イソブタノール等のアルキルアルコール類;
メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、プロピルセロソ
ルブ、ブチルセロソルブ、ヘキシルセロソルブ、メチル
カルピトール、エチルカルピトール等のクリコールエー
テル類;メチルセロソルブアセテート、エチルセロソル
ブアセテート等のグリコールエーテルエステル類:その
他、ジオキサン、ジメチルホルムアミド、メチルエチル
ケトン、ダイア七トンアルコール、テトラヒドロフラン
等が使用できる。
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、分散安定性が非常に
良好であるので、含有する有機溶剤を減らすことができ
、その場合にはアセトン、メチルエチルケトン等の沸点
の低い一溶剤や、ブタノールやブチルセロソルブ等の水
と共沸する溶剤を、本発明に係わる樹脂を得るときの反
応系の溶剤やこの樹脂を水性媒体中に分散させるときの
分散助剤として用いれば、水性媒体中に分散後に常圧も
しくは減圧にて蒸溜することにより、安定的にかつ容易
に有機溶剤含有量の少ない水性被覆用樹脂組成物を得る
ことができる。
本発明の水性被覆用樹脂組成物には必要に応じて塗装性
を改良するための溶剤、界面活性剤や消泡剤を加えるこ
とも可能である。また、アミノ樹脂やフェノール樹脂を
硬化剤として加えることも可能であるが、多量の添加は
塗膜中に残存する未反応の低分子量化合物が増加し、塗
膜から例えば罐内容物への溶出量が増加するため好まし
くない。
これらの硬化剤を添加する場合には、5%以下、好まし
くは3%以下の添加量が適当である。
また、本発明の水性被覆用樹脂組成物に、その特性を損
なわない程度に、ポリエステル樹脂、ポリブタジェンお
よびその変性樹脂、塩化ビニル樹脂、塩化ビニル−酢酸
ビニル共重合体系樹脂、エポキシ樹脂等を混合すること
も可能である。これらの樹脂は必ずしも水性化が施され
ている必要はなく、本発明の第1工程の反応終了後、す
なわちカルボキシル基含有変性重合体を得た後に、この
重合体と混合し水性媒体中に分散させても良く、また、
本発明の第2工程の終了後、すなわち水性被覆用樹脂組
成物を得た後に適当な親水性溶剤でこれらの樹脂を希釈
するかあるいはそのまま水中分散液中に攪拌しながら添
加することも可能である。
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、エポキシ基が比較的
多量に残るため焼付時の硬化に役立つばかりでなく、水
性分散体の微小な粒子の中で残存するエボ本シ基とカル
ボキシル基の反応を40〜90℃で1〜50時間行うこ
とにより三次元網目構造を有するミクロゲル体を生成す
ることができるため、焼付条件を低温でしかも短時間と
することができ、省エネルギー、生産性の向上などが図
られる利点がある。
本発明の被覆組成物の他の特徴は次のとおりであるやす
なわち、本発明のカルボキシル基含有変性重合体は、■
 一般には相溶性のよくないエポキシ樹脂とカルボキシ
ル基含有ビニルポリマーとが化学的に一体になって結合
しているから相分離を起こすことがなく、また、残存す
るカルボキシル基を有するから、水性媒体に対して自己
乳化性を有し、このため分散安定性が非常に良好である
、■ 合成上の制約が少ないので、遊離の低分子量の水
可溶性樹脂であるカルボキシル基含有ビニルポリマーが
少なくなるようにコントロールできるため、鑵内面塗膜
として用いた場合謹白さ物−の溶出成分が非常に少なく
、衛生上、風味保持性に優れている。■ エポキシ樹脂
の水酸基にアクリロイル基を導入するとき必ずしも触媒
を用いる必要がなく、最終樹脂組成物にこれらが残存し
て鑵内面塗膜として用いたとき鑵内容物の熱水処理の際
に塗膜が白化するようなことがなく、耐水性に優れると
ともに、アクリロイル基を導入したエポキシ樹脂にアク
リル酸等の重合性ビニルモノマーを重合反応させるとき
にエステル化反応による高粘度化、ゲル化を避けること
ができ、その重合反応の制御が容易である。■ 水酸基
との反応を利用してアクリロイル基を導入できるため高
分子量の芳香族系エポキシ樹脂を利用できるので、加工
性に優れ、しかも罐内面塗1*とじて用いた場合罐内容
物への溶出が問題となる芳香族系エポキシ樹脂中に含ま
れる低分子量エポキシ樹脂成分を少なくできるので、衛
生上、風味保持性に優れる。
■ エポキシ樹脂の改質を目的とした種々の変性体を使
用することによっても、その残存水酸基を利用してアク
リロイル基を導入できるので、各種用途に応じ、色々な
特性をもった変性エポキシ樹脂を用いることができる。
■ 水酸基との反応を利用してアクリロイル基を導入で
きるため、エポキシ樹脂の中央に重合性ビニルモノマー
の重合体を形成できるので、従来品よりもガラス転移温
度(Tg)を低くでき、加工性を著しく改良できる。
このような特徴から、本発明の水性被覆用樹脂組成物は
アルミニウム、錫メツキ鋼板、前処理した金属、スチー
ル等の金属基材の被覆剤、木材等の非金属基材の被覆剤
として有用である0本発明の水性被覆用樹脂組成物の最
も好ましい用途は飲食物等に用いる金属容器の内面塗装
に使用することであり、その塗膜には耐水性があり、塗
膜から罐内容物への低分子量化合物の溶出がなく、非常
に塗膜の不浸透性が高いので罐内容部に貯蔵する飲食物
の天然の味や香を変質させない。
なお、本発明の水性被覆用樹脂組成物の製造方法は、エ
ポキシ樹脂のエポキシ基を反応点としてその一部又は全
部のみならず、エポキシ樹脂のエポキシ基及び水酸基を
反応点としてこれらの一部又は全部にアクリロイル基を
導入し、これらのアクリロイル基に重合性ビニルモノマ
ーを反応させて得られるもいずれのタイプのものにも適
応できる。
本発明の水性被覆用樹脂組成物の塗装方法としては、エ
アスプレー、エアレススプレー、静電スプレーなどのス
プレー塗装が好ましいが、浸漬塗装、ロールコータ塗装
、電着塗装なども可能である。また、焼付は条件として
は、120℃〜250℃で10秒〜30分間の範囲が好
ましい。
本発明の水性被覆用樹脂組成物は、用途に応じて適当な
防錆剤、顔料、充填剤等を配合して防錆プライマー、印
刷インキ、防食性塗料などに使用することもできる。
実施例 以下、本発明を実施例により説明する。なお、「部」、
「%」はそれぞれ「重量部」、「重量%」を示す。
実施例1 〔ビニル基含有反応物の製造〕 aエピコート1009           134.
00(油化シェルエポキシ社製芳香族 エポキシ樹脂、エポキシ当量2800)b無水メタクリ
ル酸          1.36Cメチルエチルケト
ン        166.00上記a、cを窒素ガス
置換した4つロフラスコに仕込み、完全に熔解させた後
、bを仕込み、内容物を攪拌しながら80℃まで加熱し
、同温度で4時間攪拌することによってビニル基含有反
応物液へを得た。
このビニル基含有反応物において無水メタクリル酸の付
加した位置は、エポキシ樹脂中の第1級の水酸基(エポ
キシ基に水が付加してできたもの)、第2級の水酸基及
びエポキシ基が考えられるが、これらのどの位置に無水
メタクリル酸が付加したかは反応の前後のモル数を計算
することにより推定できる。
次の方法により求めた結果を下記の表に示す。
■ 反応したエポキシ基のモル数 通常のエポキシ当量測定法による。すなわち試料の溶液
に所定量の臭化セチルトリメチルアンモニウムを加え、
クリスタルバイオレットを指示薬として過塩素酸で滴定
する。
■ 反応した第1級水酸基のモル数 α−グリコールの定量方法による。詳細はrAnal、
che*、30.381−383,1958 Jに記載
されている。
■ 反応した第2級の水酸基のモル数 酸価及び反応したエポキシ基のモル数、第1級の水酸基
のモル数から計算により求めた。
この結果から第2級水酸基に対する付加量が際立って多
いことがわかる。
〔水性被覆用樹脂組成物の調製〕
(第一工程) dビニル基含有反応物液A     301.36部e
メタクリル酸          23.56部fスチ
レン            19.80部gエチルア
クリレート       21.10部hパーブチル0
          1.50部(日本油脂■製t−ブ
チルパー オキシ(2−エチルヘキサネート) iメチルエチルケトン      125.0  部上
記d=iを均一に混合した後、その混合液の100部を
窒素ガス置換した4つロフラスコに仕込み80℃に加熱
し、その温度に保ちつつ残りの混合液を3時間かけて徐
々に滴下し、更に同温度で4時間攪拌することによって
カルボキシル基含有変性重合体液を得た。
(第二工程) 第一工程で得たカルボキシル基含有変性重合体液にジメ
チルエタノールアミン10.0部及びブタノール80部
を加えて均一に混合した後、イオン交換この組成物の粘
度は、この組成物を1週間室温に放置した後も変化しな
かった。また、この組成物中の有機溶媒を減圧留去した
後の組成物も良好な分散状態を示した。
実施例2〜3 物を製造した。
比較例1 表1の比較例1の欄に示すエピコート1007540部
をエチルセロソルブ200部に熔解さ吾、にaOHo、
021を少量の水とともに投入し、120℃まで昇温す
る。これにメタクリル酸4.3部を約2時間かけて滴下
し、120〜130℃に保ち、酸価が0.5以下になっ
た時点で反応を終了させ、ビニル基含有反応物液Bを得
る。
実施例Iにおいてビニル基含有反応物液Aの代わりにビ
ニル基含有反応物液Bを用いた以外は同様にして水性被
覆用樹脂組成物を得た。
実施例4 〔ビニル基含有反応物の製造〕 lエピコート1010         134.00
部(油化シェルエポキシ社製芳香族 エポキシ樹脂、エポキシ当量4380)b゛無水メタク
リル酸        1.03部C°メチルエチルケ
トン       165.00部実施例1において、
上記a、b、cの代わりに上記a”、b゛、Coを用い
た以外は同様にしてビニル基含有反応物溶液A゛を得た
〔水性被覆用樹脂組成物の調製〕
(第一工程) d゛ビニル基基台反応物溶液A’    300.03
部e゛メタクリル酸          23.90部
f°スチレン            19.80部g
゛エチルアクリレート       21.10部h゛
パーブチル6           2.00部i″メ
チルエチルケトン       1.25.00部実施
例1において、上記d−4の代わりに上記d′〜i゛を
用いた以外は同様にしてカルボキシル基含有変性重合体
液を得た。
(第二工程) 実施例1と同様にして固型分18.5%、pH7,7の
水性被覆用樹脂組成物を得た。
実施例5〜7 表2のそれぞれの実施例の掴に示す原料を用いた以外は
実施例4と同様にして水性被覆用樹脂組成物を製造した
比較例2.3 表2のそれぞれの比較例の間に示す原料を用いた以外は
実施例4と同様にして水性被覆用樹脂組成物を製造した
実施例8 〔ビニル基含有反応物の製造〕 +1  エピコート1010        124.
76部bり+無水メタクリル酸       0.48
部c゛l メチルエチルケトン     124.76
部上記、・・、。・・を窒素ガス置換した4つロフラス
コに仕込み、完全に熔解させた後、b++ を仕込み、
内容物を攪拌しながら80℃まで加熱し、同温度で4時
間攪拌することによってビニル基含有反応物All を
得た。
〔水性被覆用樹脂組成物の調製〕
(第一工程) d”° ビニル基含有反応物^”     250.0
部e”° メタクリル酸         20.0部
fl+  スチレン           10.6部
g”  エチルアクリレート       0.4部h
++  バーブチル0         3.0部i′
“ n−ブタノール         80.0部上記
dll とil+ を窒素ガス置換した4つロフラスコ
に仕込み、80℃に加熱し均一に熔解した後、e”〜h
11の均一に混合したモノマー混合液をその温度に保ち
つつ2時間かけて徐々に滴下し、さらに同温度で4時間
攪拌することによってカルボキシル基がそ変性重合体液
を得た。
(第二工程) 第一工程で得たカルボキシル基含有変性重合体液にジメ
チルエタノールアミン10.0部及びイオン交換水60
0部を均一に混合した水溶液を30分間かけて滴下した
ところ、固型分16.0%、pH7,5の水性被覆用樹
脂組成物を得た。
この組成物の粘度はこの組成物を1週間室温に放置した
後も変化しなかった。また、この組成物中の有機溶媒を
減圧留去した後の組成物も良好な分散状態を示した。
実施例9〜14 表3のそれぞれの実施例の間に示す原料を用いた以外は
実施例8と同様にして水性被覆用樹脂組成物を製造した
比較例4.5 表3のそれぞれの比較例の欄に示す原料を用いた以外は
実施例8と同様にして水性被覆用樹脂組成物を製造した
なお、表中略号の内容は次のとおりである。
エビコー)1007:油化シェルエポキシ社製の芳香族
系エポキシ樹脂であり、 エポキシ当量は2000である。
エピコートl100L:油化シェルエポキシ社製の芳香
族系エポキシ樹脂であり、 末端のエポキシ基の一部をア ルキルフェノールにて処理シ たもので、エポキシ当量は 4500である。
フェノキシ樹脂rPMHHJ :ユニオンカーバイド社
製の高分子量エポキシ樹脂 であり、エポキシ当量は20.000 である。
エピコー)1001:油化シェルエポキシ社製の芳香族
系エポキシ樹脂であり、 エポキシ当量は480である。
LS−X13:チバガイギー社製の芳香族エポキシ樹脂
であり、末端のエポキシ基を全てビ スフェノールAにて処理したものであ る。
MAAH:無ホメタクリル酸 MAA:メタクリル酸 St:スチレン EA:エチルアクリレート 上記各実施例、比較例で得た水性被覆用樹脂組成物を以
下の方法により評価した。その結果を表1、表2及び表
3に示した。
(分散状態〕 分散状態を目視評価した。評価基準は次の通りである。
○・・・分散状態良好。
Δ・・・分散するが1週間後に2層分離した。
×・・・分散不良。
〔試験用塗装板の製造〕
厚さ0.1 mのアルミニウム箔の上にNo、18のバ
ーコーターを用いて上記実施例、比較例で得たそれぞれ
の水性被覆用樹脂組成物を塗布し、200℃に設定した
熱風オーブン中で2分間焼付けた。これを取り出して室
温まで冷却し、それぞれの実施例、比較例の試験用塗装
板とした。
〔塗装の外観〕
上記試験用塗装板に形成された塗膜の状態を目視観察し
、次に示した3段階評価を行った。
Q・・透明。
Δ・・少し濁りがあり。
×・・不透明。
〔溶出試験〕
上記で得た試験用塗装板を16()−に調整し、これを
100ta lの精製水中に浸漬し、100℃、125
℃でそれぞれ1時間煮沸処理した。処理後の精製水中に
含まれる有機化合物を過マンガン酸カリウムの消費量か
ら次に示した3段階評価を行った。
0・・s pp−以下 Δ・・10 pp−未満 ×・・10 pp膳以上 〔耐水白化性〕 上記で得た試験用塗装板を精製水中に浸漬し、100℃
、125℃でそれぞれ1時間熱水処理した。
その後塗膜の白化の状態を観察し、次に示す3段階評価
を行った。
O・・透明で処理前と同じ状態。
Δ・・少しくもりがある状態。
×・・白く変色した状態。
(フレーバー試験〕 直径5■、長さ203の硬質ガラス棒を上記実施例、比
較例で得た水性被覆用樹脂組成物中に18値まで浸漬し
、引き上げて自然滴下がな(なってから、200℃の乾
燥層中に入れ、2分間焼付けた。
これを取り出して冷却後、その塗膜表面積100−当た
り蒸溜水100m lの割合の精製水を入れた容器に上
記焼付棒16本を入れて、塗膜を完全に精製水に浸し、
密栓状態に保って30分間煮沸したのち、20℃に冷却
した。
対照として、同様のガラス棒を用い、水性被覆用樹脂組
成物に浸すことなく200℃で2分間焼付けた以外は全
く同様に処理して対照水を調製し、これに対する上記試
験水の奥と味を比較し、次に示した3段階評価を行った
O・・実質的に差が認められない。
Δ・・疑わしい差が認められる。
X・・明らかに差が認められる。
表2 2I!3 なお、表中、比較例2.4.5の水性被覆用樹脂組成物
は樹脂が分散せず1.試験が出来ず、比較例3ではビニ
ル基含有反応物を得るときにゲル化した。
以上の結果から、実施例のものはいずれの試験項目も良
い結果を示したのに対し、比較例1は溶出試験、耐水白
化性、フレーバー試験でいずれも問題があり、これはビ
ニル基含有反応物を得るときに触媒を使用した結果であ
り、また、メタクリル酸の低分子量の単独重合物が多(
存在する結果である。また、比較例2.4.5で樹脂が
分散しないのはエポキシ樹脂にアクリロイル基が導入さ
れず、したがってカルボキシル基台をビニルモノマーと
の重合により水性化可能な基をエポキシ樹脂に導入する
ことがmWであるからである。
発明の効果 本発明によれば、無水アクリル酸及び/又は無水メタク
リル酸と芳香族系エポキシ樹脂を反応させ、アクリロイ
ル基を導入し、これにカルボキシル基を含有する重合性
ビニルモノマーを反応させたので、無水アクリル酸及び
/又は無水メタクリル酸の主に水酸基に対するぼれた反
応性により必ずしも触媒を使用することなく、アクリロ
イル基を芳香族系エポキシ(B脂に効率良く導入できる
これにより重合物を得るときにゲル化等の不都合を起こ
すことなく、反応の制御が容易であるとともに、得られ
る最終生成物の水性被覆用樹脂組成物は優れた分散性、
分散安定性を示す、また、その塗膜は優れた耐水性、耐
白化性を示すのみならず、鑵内面塗膜として用いても内
容物の味、香を損なわないようにできる。
このような塗膜性能は、エポキシ当量が4000以上の
芳香族系エポキシ樹脂を使用したときに特に優れ、従来
得られなかったものである。
このようにして芳香族系エポキシ樹脂を使用した従来に
ない水性被覆用樹脂組成物は、無水アクリル酸及び/又
は無水メタクリル酸をアクリロイル基導入用に使用した
本発明の製造方法によるものであるが、このような製造
方法はまた、触媒を使用しなくても良いという製造上の
優れた効果を生じる。
平成1年05月24日 手続補正書 平成1年6月22日 特許庁長官 吉 1)文 毅 殿 2、発明の名称 水性被覆用樹脂組成物及びその製造方法3、補正をする
者 事件との関係 特許出願人 東京都板橋区坂下3丁目35番58号 大日本インキ化学工業株式会社 代表者用村茂邦 4、代理人 ■105 8、補正の内容 明細書第1頁第3行に、 F水性被覆用樹脂組成物とその製造方法」とあるを、 「水性被覆用樹脂組成物及びその製造方法jと訂正する

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)(a)芳香族系エポキシ樹脂90.00〜99.
    95重量%と、無水アクリル酸及び/又は無水メタクリ
    ル酸0.05〜10.00重量%を反応させて得られる
    ビニル基含有反応物40〜95重量部と、 (b)カルボキシル基含有ビニルモノマーを少なくとも
    20重量%含有する重合性ビニルモノマー5〜60重量
    部 の共重合物を水性媒体中に分散して含有することを特徴
    とする水性被覆用樹脂組成物。
  2. (2)共重合物が芳香族エポキシ樹脂骨格にも(b)成
    分のグラフト重合物を有することを特徴とする請求項1
    記載の水性被覆用樹脂組成物。
  3. (3)芳香族エポキシ樹脂のエポキシ当量が4000以
    上であることを特徴とする特許請求の範囲第1項又は第
    2項記載の水性被覆用樹脂組成物。
  4. (4)(a)芳香族系エポキシ樹脂90.00〜99.
    95重量%と無水アクリル酸及び/又は無水メタクリル
    酸0.05〜10.00重量%を不活性有機溶媒中にて
    反応させて得られるビニル基含有反応物40〜95重量
    部と、 (b)カルボキシル基含有ビニルモノマーを少なくとも
    20重量%含有する重合性ビニルモノマー5〜60重量
    部 を重合開始剤の存在下に反応させることによりカルボキ
    シル基含有変性重合体を製造する第1工程と、 前記カルボキシル基含有変性重合体中に含まれるカルボ
    キシル基の少なくとも一部を塩基性化合物で中和した後
    、該中和物を水中に分散させ、pH5以上の分散液を得
    る第2工程を有することを特徴とする水性被覆組成物の
    製造方法。
  5. (5)重合開始剤を多く用いることにより芳香族エポキ
    シ樹脂骨格に対しても(b)成分の重合物をグラフトし
    たカルボキシル基含有変性重合体を製造することを特徴
    とする特許請求の範囲第4項記載の水性被覆組成物の製
    造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1103540A1 (de) * 1999-11-25 2001-05-30 Bakelite AG Vinylester mit hoher Vernetzungsdichte. Verfahren zu ihrer Herstellung und Verwendung
WO2013172450A1 (ja) * 2012-05-17 2013-11-21 協立化学産業株式会社 エステル化エポキシ樹脂、その製造方法、及びそれを含む硬化性組成物
WO2022104222A1 (en) * 2020-11-16 2022-05-19 Swimc Llc Aromatic diol compounds, diepoxide compounds, polymers prepared from such compounds, and methods for making the same

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WO2022104222A1 (en) * 2020-11-16 2022-05-19 Swimc Llc Aromatic diol compounds, diepoxide compounds, polymers prepared from such compounds, and methods for making the same

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