JPH027592Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、飛び出した人形に簡単な構成で上下
の動きを持たせたオルゴール付ビツクリ箱に関す
る。

従来オルゴールの嗚奏中のある時点でロツクが
解除されてバネ等で人形が飛び出すオルゴール付
ビツクリ箱や、蓋は瞬時に開かれるが人形はカム
やリンク機構でゆつくりと上下動されるオルゴー
ル付ビツクリ箱が提案されているが、前者では人
形が飛び出し、そのまゝ静止してその後、動きが
ないのでそのまゝ見ていても面白さに欠け、後者
では急激に人形が飛び出す面白さがなく、人形の
飛び出し状態では蓋が閉じられず、前者のオルゴ
ールによるロツク解除機構や後者のカム・リンク
機構等は部品点数が多くなつて複雑になる欠点が
ある。

本考案の目的は、前記欠点に鑑み、簡単な構成
で人形が飛び出すと共に上下動してその動きが見
て楽しめる趣味性を有すると共に何時でも人形が
容易に押し下げられて蓋が閉じられるオルゴール
付ビツクリ箱を提案することにある。

本考案の特徴は、上部の蓋を開放することによ
つて人形が該人形の下部に取り付けられたスプリ
ングで飛び出す形式のビツクリ箱において、ケー
スの下側にオルゴールを収納配置し、且つ該オル
ゴールのドラムの回転に連動して回動するクラン
ク部材と前記回転軸と交差する方向に配置した前
記人形の下部とを紐で繋ぎ、前記蓋の開放で人形
を飛び出させると共に該人形を連続的に上下動さ
せるようにしたことである。

以下、図示の実施例で本考案を説明する。オル
ゴール付ビツクリ箱は第１図、第２図でビツクリ
箱がケース１と蓋２とで形成されてケース１内の
上げ底台部１ａにオルゴール３が載置固定され、
ケース１の内側に固定された中板４上にスプリン
グ５の下端５ａが固定されて上端５ｂに縫いぐる
み人形６が固定され、オルゴール３に設けたクラ
ンク部材７とスプリング５の上端５ｂが中板４の
透孔４ａとスプリング５の中心に挿通された紐８
で繋がれている。

前記蓋２は一側がケース１と開口自在にヒンジ
部で連結され、他側とケース１とに夫々固定され
た起毛型の係止テープ１０，１１で蓋２の開きが
ロツクされている。

前記オルゴール３は第１図から第３図のように
フレーム３ａ上に全舞が内装された香箱１２と振
動板１３と風切り調速機構１４が固定され、フレ
ーム３ａにドラム１５がドラム軸１６で回動自在
に軸承され、ドラム軸１６の一端はフレーム３ａ
の一側から突出されて前記レバー７′が固定され
ている。

前記中板４には大径の透孔４ａが穿設されて前
記紐８が挿通されている。

前記スプリング５の上端５ｂは第４図のように
円形に形成されて紐８の上端が結ばれている。

前記クランク部材７はレバー７′の一端にピン
１７が固定されて構成され、レバーの他端はドラ
ム軸１６に固定され、ピン１７に紐８の下端が回
動自在に連結されている。

前記ケース１の内側一側にはストツパー９が上
下に摺動自在に設けられてスプリング１８で上方
に付勢され、ストツパー９の下端９ａはオルゴー
ル３の風切り調速機構１４に臨まされ、上端９ａ
は蓋２の内側に当接されて蓋２が閉じられた状態
では下端９ａが風切りに係止されてオルゴールが
停止されている。

オルゴール付ビツクリ箱の動作は、第５図のよ
うに蓋２が閉じられた状態ではスプリング５が圧
縮されて紐８がたるみ、オルゴール３はストツパ
ー９で停止されている。

次にケース１の台部１ａから下方に突出された
図示しない全舞巻き上げ軸に螺合された巻鍵１９
で全舞が巻き上げられて蓋２のロツクが解除され
ると、蓋２が縫いぐるみ人形６を介してスプリン
グ５で押し上げられて縫いぐるみ人形が飛び出
し、ストツパー９が上昇されて下端９ａが風切り
から離間され、オルゴール３は全舞駆動源でドラ
ム１５が回転されて嗚奏されると共にクランク部
材７が回転されて縫いぐるみ人形６はスプリング
５に抗して第２図のようにクランク部材７が上方
に垂直になつた状態と第６図のようにクランク部
材７が下方に垂直になつた状態の範囲で上下動さ
れる。

オルゴール付ビツクリ箱が前記のように構成さ
れると、縫いぐるみ人形６とクランク部材７は紐
８で連結されているので構成が簡単で縫いぐるみ
人形６は飛び出した後、上下動されて飛び出す驚
きと動きが楽しめる。更に縫いぐるみ人形６が外
部の力で下方に押されれば、紐８がたるんでクラ
ンク部材７がどの位置にあつても容易に縫いぐる
み人形６が押し下げられて縫いぐるみ人形６が上
下のどの位置にあつても蓋２が閉じることが出来
る。

前記説明では人形を縫いぐるみ人形で述べたが
他の材料で製作された人形であつてもよく、形状
も他の形状であつてもよい。

前記クランク部材７は円板に偏心ピンを植設し
た構成する等してもよい。

前記起毛型の係止テープ１０，１１は他の係止
バンドや金具等で構成してもよい。

更に、前記紐８を前記人形６の下部に固定して
もよく、この場合前記スプリング５は前記人形６
又は前記紐８に固定しなくてもよい。

本考案は前述のように構成されたから、構成簡
単で組み立て易く、人形の飛び出しによる驚きと
オルゴールの嗚奏に合わせた上下動による動きが
楽しめて趣向性が高められ、人形がどの位置にあ
つても押し下げて蓋を閉じることが出来る等実用
上優れた効果を奏するオルゴール付ビツクリ箱を
提供することができる。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案オルゴール付ビツクリ箱の一実施
例が示され、第１図はケースが断面で示された人
形の正面図、第２図はケースの断面側面図、第３
図はオルゴールの平面図、第４図はスプリングの
上部拡大斜視図、第５図は蓋が閉じられた要部断
面側面図、第６図は人形がクランク部材で沈降状
態の要部断面側面図である。 １…ケース、２…蓋、３…オルゴール、５…ス
プリング、６…人形、７…クランク部材、８…
紐、１５…ドラム。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 上部の蓋を開放することにより人形が該人形の
   下部に取り付けられたスプリングで飛び出す形式
   のビツクリ箱において、ケースの下側にオルゴー
   ルを収納配置し、且つ該オルゴールのドラムの回
   転に連動して回動するクランク部材と前記回転軸
   と交差する方向に配置した前記人形の下部とを紐
   で繋ぎ、前記人形下部に前記紐を伸長方向に付勢
   する前記スプリングを配置して、前記蓋の開放で
   人形を飛び出させると共に該人形を連続的に上下
   動させるようにしたことを特徴とするオルゴール
   付ビツクリ箱。