JPH0275881A - 冷蔵庫・クーラーボックス用内張り - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は剛性、耐薬品性、成形品外観、低温衝撃性にす
ぐれ真空成形性の良好な電気冷蔵庫又はクーラーボック
スの内張りの成形体に関するものである。

［従来の技術］ 近年、電気冷蔵庫やクーラーボックスのデザインが多様
化してきている。

従来より、これら電気冷蔵庫やクーラーボックスの内張
りには真空成形によってつ（られる発泡ウレタンとＡＢ
Ｓ樹脂の複合祠が多く用いられている。

これら電気冷蔵庫やクーラーボックスの内張りに用いら
れる樹脂には剛性、ＥＳＣＲ性、低温耐衝撃性、成形品
外観等にすぐれ且つすぐれた真空成形性をもつ事が要求
される。

従来の発泡ウレタンとＡＢＳの複合材はすぐれた成形品
外観をもつものが得られるが、ＡＢＳ樹脂は真空成形時
にウレタンの発泡材として用いられるフレオン溶剤にお
かされやすく又ＥＳＣＲ性も不充分である等の欠点を有
している。

近年耐溶剤性、耐熱性、耐衝撃性にすぐれる素材として
ポリアミド樹脂／ポリフェニレンエーテル樹脂系アロイ
が開発され各社よりその内容が明らかになりつつある。

例えば特開昭６２−２７３２５４号公報ではポリアミド
樹脂がマトリックスを形成し、ポリフェニレンエーテル
が一次分散相を成し、その−次分散相中にさらにジエン
系ブロック共重合体が分散したモルフォロジーを有する
多相構造体が提案されておりさらに特開昭６２−１３８
５５３号公報にはポリアミド樹脂／ポリフェニレンエー
テル樹脂系アロイがその特性より電気冷蔵庫等の部品の
素材として用いる事が出来る旨記載されている。

［発明が解決しようとする課題］ しかしながら、これら公知技術で得られるポリアミド樹
脂／ポリフェニレンエーテル樹脂系アロイは冷蔵庫又は
クーラーボックスの内張りに用いた場合には衝撃強度に
おいて成形異方性が著しく、さらに低温（−３０℃）衝
撃強度が不充分であり実用に耐えないという問題点を有
している。

［課題を解決するための手段］ 一方、本出願人はこれら公知技術のポリアミド樹脂／ポ
リフェニレンエーテル樹脂（以下これをＰＰＥと略記す
る事がある）系アロイの欠点である」二記問題点を鋭意
検討し、既に特願昭６２−６４０２８号公報ではＰＰＥ
が特定の分散相をとるポリアミド樹脂／ポリフェニレン
エーテル樹脂系アロイが成形異方性を改良し、低温（−
３０℃）衝撃強度にも優れることを見い出した。

そしてさらに事実にもとずき検討し、このＰＰＥが特定
の分散相をとるポリアミド樹脂／ポリフェニレンエーテ
ル樹脂系アロイが冷蔵庫又はクーラーボックス用内張り
として有用である事を見い出し本発明に到達したもので
ある。

すなわち本発明は （ａ）ポリアミド樹脂４０〜７０重量部と（ｂ）ポリフ
ェニレンエーテル樹脂５〜４５ｍｆｆ１部と（ｃ）　２
３°Ｃにおけるヤング率が５１０ｋｇ／ｃｍ２以下のゴ
ム状弾性体１０〜３０重量部 とを含有し、０．６μｍ以下のＰＰＥ分散相をもつ樹脂
組成物で成形した冷蔵庫又はクーラーボックス用内張り
である。

以下、本発明に関し詳しく述べる。

本発明の（ａ）成分として用いるポリアミド樹脂は特に
制限はなく、例えばナイロン６、ナイロン２．６、ナイ
ロン４，６、ナイロン６．６、ナイロン６．１０、ナイ
ロン６．１２、ナイロン６．６６、ナイロン６Ｔ／６Ｂ
、ナイロン６／６１０、ナイロン６／６１．２、ナイロ
ンＭＸＤ６等が挙げられる。

これらのポリアミド樹脂は１種または２種以上を樹脂組
成物に４０〜７０重量％含有し、４０重量％未満では耐
溶剤性に劣り好ましくなく、また７０重量％を超える場
合は成形性、特に真空成形性が悪化し好ましくない。

つぎに本発明の（ｂ）成分として用いるポリフェニレン
エーテル樹脂は 結合単位： （ここで、Ｒ、Ｒ、Ｒ、およびＲ４はそれぞれ水素、ハ
ロゲン、炭化水素、または置換炭化水素基からなる群か
ら選択されるものであり、互に同一でも異なっていても
よい。）からなり、還元粘ａ（０，５ｇ／ｄβ、クロロ
ホルム溶液、３０℃測定）が０，１５〜０．７０の範囲
、より好ましくは０．２０〜０．６０の範囲にあるホモ
重合体および／または共重合体である。

具体的にはポリ（２，６−シメチルー１，４−）ユニし
ンエーテル）、２，６−シメチルフエノールと２．３．
６−　）リメチルフェノールの共重合体が挙げられる。

また、本発明の（ａ）成分として用いるＰＰＥは上記の
ＰＰＥのほかに該ＰＰＥと、α、β−不飽和カルボン酸
またはその誘導体とをラジカル発生剤の存在下、非存在
下で溶融状態、溶解状態、スラリー状態で８０〜３５０
℃の温度下で反応させることによって得られる変性ＰＰ
Ｅであってもよ（、さらに上記したＰＰＥと該変性ＰＰ
Ｅの任意の割合の混合物であってもかまわない。

この（ｂ）成分のＰＰＥは樹脂組成物中５〜４５重量％
であり、５重量％未満では真空成形性が悪化し好ましく
なく、また４５重量％を超える場合はＰＰＥの分散粒径
が大きくなり衝撃強度の成形異方性が悪くなる。

つぎに本発明の（Ｃ）成分として用いる事の出来るゴム
状弾性体は、２３℃におけるヤング率が５１０ｋｇ　／
　ｃＪ以下であるゴム状重合体であれば特に制限は無く
使用する事が出来る。

例えば、ビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロッ
ク共重合体（スチレン−ブタジェンブロック共重合体、
スチレン−イソプレンブロック共重合体等）、水素添加
されたビニル芳香族化合物−共役ジエン化合物ブロック
共重合体（水添ブロック共重合体）、オレフィン系ゴム
状重合４（エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−
ブテン共重合体、エチレン−プロピレン−非共役ジエン
共重合体等）があり、これ等を基本構造とした。ｌＪ：
重合体が挙げられ、さらにこれらのゴム状重合体のα、
β−不飽和カルボン酸またはその誘導体で変性した変性
ゴム状重合体が挙げられる。

この（ｃ）成分のゴム状重合体は樹脂組成物中１０〜３
０重量％であり、１０重量％未満では耐衝撃性の改良が
充分でなくまた３０重量％を超える場合は樹脂組成物の
剛性の低下が著しくなり好ましくない。

冷蔵庫やクーラーボックスの内張りに用いられる樹脂は
真空成形性が重要であり高剛性の材料が薄肉化出来るた
めに好ましい。

剛性としては従来ＡＢＳ樹脂では曲げ弾性率２００００
〜２５０００　ｋｇ／ｃ♂程度であり平板の厚さは２．
５〜３ｍｍ程度のものが普通である。

本発明によるポリアミド樹脂／ポリフェニレンエーテル
樹脂系アロイはエラストマー含有量を調整することで曲
げ弾性率２２０００〜２８０００　ｋｇ／ｃｄ程度にす
る事が可能である。

又冷蔵庫やクーラーボックスの内張りに用いられる材料
にはウレタン発泡材との複合材料化するに際してのウレ
タンの発泡材として用いられるフレオンＦ１２３　、　
Ｆｉｌ等におかされにくいものが要求される。

この用途に用いられるＡＢＳ樹脂は耐フレオン性を向ト
させるため共重合成分のアクリロニトリル含有量を高め
たりして各社苦労している。

本発明による材料の耐フレオン性はＡＢＳ樹脂より良好
であり本発明の用途に好適である。

本発明による材料は低温における耐衝撃強度もＡＢＳ樹
脂より大きく本発明の用途に好適である。

又本発明のポリアミド樹脂／ポリフェニレンエーテル樹
脂系アロイの表面外観は分散相のＰＰＥの分散粒子径が
０．６μｍ以下ときわめて微細であるためＡＢＳ樹脂に
おとらない表面光沢を有しており、Ｇｌｏｓｓとして８
５〜９０％と良好であり表面外観がきわめて重要である
電気冷蔵庫の内張り材料として好適に用いる事が出来る
。

本発明の冷蔵庫又はクーラーボックス用内張りは上記（
ａ）〜（ｅ）成分から成る樹脂組成物で成形されたもの
であり耐溶剤性、成形加工性に優れる事はもちろんのこ
と特に優れた低温（−３０℃）衝撃強度を与え、すぐれ
た表面外観を与える上で樹脂組成物のポリアミドマトリ
ックス樹脂中に分散するエラストマー粒子及びＰＰＥ分
散相は微細なものでなければならない。

特にＰＰＥ分散相は０．６μｍ以下で存在しなければな
らず該ＰＰＥ分散相が０．６μｍを超える場合は樹脂組
成物のＧｌｏｓｓが低下し表面外観が悪化し、低温の衝
撃強度の悪化をまねく。

ここで特定するＰＰＥ分散相とは、ＰＰＥだけで形成さ
れた分散相を意味し、ＰＰＥ分散相中に任意の大きさで
ゴム状重合体を含んだ分散相ではない。

これらの違いは、オスミュウム酸またはルテニウム酸等
で染色したサンプル切片を透過型電子顕微鏡で写真撮影
し、確認出来る。

そして本発明の樹脂組成物中にある該ＰＰＥ分散相は上
記したＰＰＥ分散相だけの場合、ＰＰＥだけの分散相＋
ＰＰＥＰＰ用中に任意の大きさでゴム状重合体を含んだ
分散相の場合、ＰＰＥだけの分散相中ゴム状重合体の分
散相中に任意の大きさでＰＰＥを含んだ分散相のモルフ
ォロジーを示す場合があり、いずれの場合でもＰＰＥ分
散相をもっている特徴を有しており本発明の冷蔵庫又は
クーラーボックス用内張り素材として利用される。

つぎに（ｅ）成分のゴム状重合体はポリアミド樹脂マト
リックス中に重量平均粒径として２．０μｍ以下で単独
で分散している場合、またはＰＰＥ分散相中に任意の大
きさで存在する場合、または２．０μｍ以下のゴム状重
合体の分散相中に任意の大きさでＰＰＥを含んだ分散相
で存在する場合がありいずれの形態で存在してもよい。

これ等の分散状態はオスミュウム酸またはルテニウム酸
等で染色したサンプル切片を透過型電子顕微鏡で写真撮
影し、確認測定出来る。

本発明の冷蔵庫又はクーラーボックス用内張りの材料は
上記した（ａ）〜（Ｃ）成分から成り（ｂ）成分のＰＰ
Ｅが０．６μｍ以下で分散した樹脂組成物で成形された
ものであるが、剛性向上、着色、ＵＬ９４規定での各難
燃レベルに難燃化させる等の口約に応じて顔料、染料、
ガラス繊維、金属繊維、金属フレーク、炭素繊維等の補
強剤や、タルク等の充填剤や熱安定剤、酸化防止剤、紫
外線吸収剤、光安定剤、滑剤、可塑剤、帯電防止剤等の
添加剤や、公知の難燃剤等を必要に応じて添加する事が
出来る。

この冷蔵庫又はクーラーボックス用内張りの累月となる
樹脂組成物は上記の成分を複合化する事によって得られ
る。

この複合化の手段は一軸押出機、二軸押出機、バンバリ
ーミキサ−、ロール、ブラベンダープラストグラフ、ニ
ーダ−等の溶融混練機を用いて溶融混練し複合化する事
が出来る。

なお、各成分の混合順序には特に制限はない。

［発明の効果］ 本発明の冷蔵庫又はクーラーボックス用内張りは分散相
として０．６μｍ以下のＰＰＥ分散相をもった樹脂組成
物で成形されているため、衝撃強度の成形異方性に優れ
かつ低温衝撃がきわめて良好である。

更にウレタン発泡材であるフレオンＦ１２３やＦｉｌに
おかされに＜＜、耐ＥＳＣＲ性も良好である。

又本発明のポリアミド樹脂／ポリフェニレンエーテル樹
脂系アロイはすぐれた成形品外観を与えるため特に外観
の重要な電気冷蔵庫の内張りとして好適である。

［実　施　例コ 本発明を実施例により更に詳細に説明するが本発明がこ
れ等のみに限定されない事はもちろんである。

実施例１〜３ ナイロン６、ＰＰＥ、ＥＰＤＭ１水添ブロ水添ブロック
共裏合体示す組成で含んだ樹脂組成物を射出成形しテス
トピースを得た。゛ このテストピースの射出成形異方性を見るため（ゲート
部のアイゾツト衝撃強度／中央部のアイゾツト衝撃強度
）Ｘ１００％の値を測定した。

また−３０℃におけるアイゾツト衝撃強度を測定した。

そして、テストピースを０３Ｏ４で染色した切片を透過
型電子顕微鏡写真をとり、モルホロジーを観察し、分散
したＰＰＥ分散粒径を測定した。

この結果より、０．６μｍ以下のＰＰＥ分散相をＨする
樹脂組成物は成形異方性に優れる事が明らかとなった。

実施例４及び比較例３ 実施例１で用いたポリアミド樹脂／ポリフェニレンエー
テル樹脂系アロイを用いて厚さ３．０ｍｍの平板をシー
ト成型で作成した。

このものを用いて物性測定用試験片を切り出し曲げ弾性
率、表面光沢（グロスの測定）、及び耐フレオン溶剤性
（曲げひずみ１．２％荷重下の試験片にフレオン溶剤を
含浸させたガーゼをあてて試験片にクラックの入るまで
の秒数を測定）を測定した。

比較例として三菱モンサント社ＡＢＳ樹脂ＹＴ６６２を
用いて同様に３．０ｍｍの平板をつくり実施例４と同様
の試験を実施した。

曲げ弾性率　Ｇｌｏｓｓ　　耐フレオン性（ｋｇ／ｃＪ
）　　　（％）　　（Ｆｌ、２．３）（ｓｅｅ）実施例
４　　２８０００　　８５．０　　１８０以上比較例３
　　２６０００　　９６．０　　　２．０

【図面の簡単な説明】

第１図は実施例１の樹脂組成物で真空成型した冷蔵庫内
張りの一部破断面を有する斜視図である。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １．（ａ）ポリアミド樹脂４０〜７０重量部と（ｂ）ポ
   リフェニレンエーテル樹脂５〜４５重量部と（ｃ）２３
   ℃におけるヤング率が５１０ｋｇ／ｃｍ＾２以下のゴム
   状弾性体とを含有し、０．６μｍ以下のポリフェニレン
   エーテル樹脂分散相をもつ樹脂組成物で成形した冷蔵庫
   ・クーラーボックス用内張り。