JPH027573Y2

JPH027573Y2 -

Info

Publication number: JPH027573Y2
Application number: JP12029485U
Authority: JP
Priority date: 1985-08-07
Filing date: 1985-08-07
Publication date: 1990-02-22
Also published as: JPS6230845U

Description

【考案の詳細な説明】（産業上の利用分野）本考案は、医療用チユーブの連通部の構造に関
するもので、血液等の液体がこの連通部をスムー
スに流れるようにしたものである。

（従来技術及びその問題点）従来、血液バツグにおける連結チユーブの口部
には、第５図に示すような連通ピース３０が設け
られていることはよく知られている。

この連通ピース３０は、たとえば血液バツグ内
の血漿成分を連結チユーブを充して子バツグに移
す場合、薄肉部３２において頭部３１を折り、流
路を開通するようにしたものである。

しかし、このような構造によれば、開通後、チ
ユーブ内に頭部３１が残るため、血液の流路が妨
げられ、血液がスムースに流さず、また血液の凝
固やクロツトの原因、さらには血球の破損等の原
因となつていた。

このためには、連結チユーブを単にクランプ等
で閉塞しておく方法も考えられるが、連結チユー
ブは通常塩化ビニル等のプラスチツク樹脂で作ら
れているため、クランプした状態でオートクレー
プ滅菌をすると、クランプ部の内面がブロツキン
グを起して流路を閉塞してしまう問題がある。

本考案は、上記したような問題を解決するため
に検討の結果提案されたものである。

（問題点を解決するための手段）本考案は、実施例に対応する第１図に示すごと
く、シリコーン、フツ素系樹脂のごとく加熱によ
りブロツキングを生じない材質の弾性状内管１
と、この内管を覆う可撓性外管２と、この外管２
の端部に接続されるチユーブ３，３とで構成した
ものである。

（作用）内管１はブロツキングを生じない材質であるた
め、内管１及び外管２をクランプした状態でオー
トクレーブ滅菌を行なつても、内管１の内面は密
着しない。また外管２は内管１を保護するととも
に、内管１とチユーブ３，３を接続させるための
連結管としての作用がある。

なお、血液等の液体は、内管１を層流の状態で
無理なく流れることになる。

（実施例）以下、本考案の実施例を第１図〜第４図に従つ
て説明すると、まず第３図は本考案を適用したダ
ブルバツグタイプの血液バツグを示したもので、
親バツグ１０と小バツグ１１の連結チユーブ１２
における親バツグ近くに、第１図に示すような連
通部７を設けたものである。

この連通部７は、内管１と、この内管１を覆う
外管２及びこの外管２の両端部に接続され、かつ
連結チユーブ１２となるチユーブ３，３とから構
成されている。

前記内管１は、オートクレーブ滅菌時にブロツ
キングを生じない弾性材であり、具体的にはシリ
コーン、フツ素系樹脂等の弾性回復力のある合成
樹脂または天然ゴムが使用される。

また、外管２及びチユーブ３，３は軟質塩化ビ
ニル等の可撓性プラスチツクチユーブが使用され
る。このチユーブ３，３は前記内管１と同径であ
り、外管２とは接着剤等を使用して固定される。

こうした連通部７には、第２図で示すような板
クランプ４があらかじめ取付けられる。この板ク
ランプ４は、前記連通部７よりも大径の円形開口
部６と細長いスリツト部５とが一体的に形成され
ており、未使用時にはスリツト５で連通部７を押
圧して閉塞しておき、使用時すなわちバツグ１０
内の分離成分を小バツク１１に移動させる場合
に、連通部７を円形開口部６方向に引き寄せて流
路を開放するものである。

以上の構成は、本考案の一例であり、たとえば
前記連通部７のバツグ側のチユーブ３を省いて、
外管２を直接バツグ１０の上端縁に挿入固定して
もよい。またクランプ４はスリツト部５の開口面
積を徐々に変化させて流量調節できるようにして
もよいし、あるいは板クランプ以外の他のタイプ
のクランプを使用してもよい。

第４図は本考案をプラズマフエレーシスバツグ
に適用した実施例を示したものである。すなわ
ち、このシステムは、採血チユーブ２０に分岐せ
しめて複数の採血バツグ２１，２１を接続すると
ともに、各採血バツグ２１，２１に連結チユーブ
２２，２２を介して分離バツグ２３，２３を接続
している。

本実施例では、前記採血チユーブ２０の一方の
採血バツグ２１寄りに第１図に示したような連通
部７を設け、その連通部７に板クランプ４を取付
けたものである。

このようなシステムによるときは、まず連通部
７を板クランプ４で閉じておき、採血針２４によ
り、紙面に向つて左側の採血バツグ２１に採血
し、遠心分離後、上澄の血漿成分を分離バツグ２
３に移す。その後、血球返還口２５に輸血セツト
を接続し、採血バツグ２１内に残つた血球を患者
に返還する。

次に、左側採血バツグ２１に通じる採血チユー
ブをシールカツトもしくはクランプした後、連通
部７の板クランプ４を移動させて連通部７を円形
開口部６に位置せしめ、右側採血バツグ２１に至
る採血チユーブの流路を開通させ、前と同じ手順
で、血液の採血と分離及び返血を行なうものであ
る。

（効果）以上説明した本考案によれば、従来のようにチ
ユーブ内に何等の連通機構がないため、血液等の
液体は層流の状態でスムーズに流れ、液体が血液
の場合は、血液凝固やクロツトさらには血球破損
を防ぐことができる。また、内管はブロツキング
を起さない弾性材で構成されているため、連通部
をクランプした状態でオートクレーブ滅菌をして
も、内管の内面が密着するのを防ぐことができ
る、等の効果が得られる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を説明するための連通
部の断面図、第２図は本考案の実施例で使用され
る板クランプの概略図、第３図及び第４図は本考
案を適用した医療バツグンステムの概略図、第５
図は従来の連通部の断面図である。図中１は内管、２は外管、３は接続チユーブ、
４は板クランプ、７は連通部である。

Claims

【実用新案登録請求の範囲】

可撓性医療用チユーブの連通部の構造であつ
て、加熱によりブロツキングを生じない材質の弾
性状内管と、この内管を覆う可撓性外管と、この
外管の端部に接続されるチユーブとから構成され
る医療用チユーブ。