JPH027444Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は電気機器に使用される変圧器、特に低
周波用の変圧器として適した鉄心に関するもので
ある。

第５図はこの種の従来の変圧器用の鉄心であ
り、２種類のＩ字形けい素鋼板１，２を組み合わ
せてなる。その変圧器用鉄心を組し立てるには、
まず第６図のようにけい素鋼板１を用いて交互に
Ａの位置とＢの位置にずらしＩ字形積層鉄心３，
４を製作する。次にＩ字形積層鉄心３，４の一方
の側の端部にＩ字形けい素鋼板２を差し込み、Ｕ
字形積層鉄心とし、Ｉ字形積層鉄心３，４に変圧
器の巻線（図示せず）を巻く。その後で、けい素
鋼板２をＩ字形積層鉄心３，４のもう一方の側の
端部において差し込み、ロ字形構造の鉄心とする
ものである。変圧器用鉄心は、けい素鋼板１，２
を第７図のＡとＢとに組み合わせ、交互に積層し
たものとなつている。

ところで、この変圧器用鉄心においては、第７
図から明らかなようにＩ字形けい素鋼板１，２の
当接か所が４か所あり、このため変圧器の励磁電
流（無負荷電流）が大きくなつて鉄損が増加し、
効率および温度上昇の点で問題があつた。しか
も、Ｉ字形けい素鋼板２を積層鉄心３，４の端部
２か所において差し込まねばならず、組立てに多
くの時間を費やした。

本考案は以上の欠点を解決したものであり、効
率がよく、温度上昇が軽減されて、組立てが簡単
な変圧器用の鉄心を提供することを目的とする。

次に、図面を参照して本考案を説明する。

第１図は本考案の実施例を示す変圧器用鉄心で
ある。第５図と共通する部分には同一符号を付
す。この変圧器用鉄心は、Ｉ字形けい素鋼板１，
２とＬ字形けい素鋼板５との組合せからなつてい
る。組立てに際しては、まず第２図のようにＩ字
形けい素鋼板１とＬ字形けい素鋼板５を用いてＵ
字形の積層鉄心６を組み立てる。次に、積層鉄心
６に変圧器の巻線（図示せず）を巻いた後で、Ｉ
字形けい素鋼板２をＵ字形積層鉄心６の開放側端
７にて差し込む。本考案の変圧器用鉄心の各層の
鋼板の組合せは第３図のようになつている。な
お、けい素鋼板１，２，５は第４図に示すような
配置で鋼板を打抜加工することによつて得られ
る。

以上のように、本考案によればＩ字形けい素鋼
板とＬ字形けい素鋼板との組合せにより、変圧器
用鉄心の各層の鋼板の当接か所が従来の４か所か
ら３か所となり、変圧器の励磁電流（無負荷電
流）が小さくなつて鉄損が減少し、効率が向上す
る。また、それに伴つて変圧器用鉄心の温度上昇
が軽減される。さらに、Ｉ字形けい素鋼板とＬ字
形けい素鋼板との組合せにより、ただちにＵ字形
積層鉄心が構成できるため、鉄心の組立てが簡単
になる。

本考案は上記の実施例に限定されるものでな
く、さらに変形が可能である。たとえば、けい素
鋼板に限らず、他の類似の磁性鋼板でもよい。ま
た、本考案の思想を変えない範囲内で、鋼板の寸
法、形を変えることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す変圧器用鉄心、
第２図はＵ字形積層鉄心の組立て図、第３図は第
１図の変圧器用鉄心の各層における鋼板の組合せ
を示す図、第４図は鋼板の打抜き図、第５図は従
来の変圧器用鉄心、第６図はＩ字形積層鉄心、第
７図は第５図の変圧器用鉄心の各層における鋼板
の組合せを示す図である。 図において、１，２はＩ字形けい素鋼板、３，
４はＩ字形積層鉄心、５はＬ字形けい素鋼板、６
はＵ字形積層鉄心である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. Ｕ字形に組み合わせたＩ字形鋼板１とＬ字形鋼
   板３とを積層してＵ字形積層鉄心６とし、前記Ｕ
   字形積層鉄心６の開放側端７においてＩ字形鋼板
   ２を差し込み配設してロ字形構造としたことを特
   徴とする変圧器用鉄心。