JPH0270057A - 表面処理方法及びその装置 - Google Patents

表面処理方法及びその装置

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JPH0270057A
JPH0270057A JP22065988A JP22065988A JPH0270057A JP H0270057 A JPH0270057 A JP H0270057A JP 22065988 A JP22065988 A JP 22065988A JP 22065988 A JP22065988 A JP 22065988A JP H0270057 A JPH0270057 A JP H0270057A
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Toru Arai
新井 透
Hiromasa Takeda
裕正 武田
Hiroyuki Kawaura
宏之 川浦
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  • Crucibles And Fluidized-Bed Furnaces (AREA)

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、流動層式炉を用いて、鉄合金材料等の被処理
材の表面に、クロム、バナジウム等の窒化物等の表面層
を形成する表面処理方法及びその装置に関するものであ
る。
C従来の技術〕 流動層を使用して被処理材の表面に窒化物層を形成する
技術としては、本出願人が先になした特願昭51−10
80’54(特開昭60−251’ 274)の発明が
ある。
この方法は、アルミナ等の耐火物粉末(以下、流動剤と
称す)と、窒化物形成元素の金属または合金(以下、層
形成剤と称す)の粉末とハロゲン化アンモニウム塩また
は処理温度以下で昇華または蒸発する金属ハロゲン化物
(以下、活性剤と称す)の粉末とから成る処理剤をアル
ゴン等の流動化ガスによって流動化させ、その中に被処
理材を埋没し、この被処理材の表面に窒化物を形成させ
るものである。しかして、この窒化物は層形成剤と活性
剤のガスとが反応して発生した窒化物形成元素のハロゲ
ン化物ガスが鋼中の窒素、または流動層中に導入される
窒素ガスと反応して形成されるものである。
〔解決すべき問題点〕
上記の方法で用いられる活性剤は、処理中において処理
剤の固化を防止し、さらに流動化を維持するため、処理
温度以下で昇華、蒸発するものでなければならない。ま
た、上記処理剤を長時間使用すると活性剤の一部が散逸
して表面層形成能力が徐々に低下してくる。それ故、処
理時間の経過=4 と共に形成される炭化物または窒化物層の厚さが薄くな
るおそれがある。また、層形成剤として、粉末状の金属
または合金を使用するため、この粉末が被処理材に付着
し、表面の平滑性を損ねるおそれがある。
このような問題点を解決する一つの手段として、本出願
人は先に特願昭60−220’925(特開昭62−8
0258)を出願した。すなわち、この出願の発明は、
層形成剤と活性剤との混合粉末を多孔質体からなる容器
に充填し、流動剤中に被処理材と共に配置し、処理に供
するものである。
そして、層形成剤と活性剤の混合粉末の層形成能力が低
下した場合は、この容器を炉外へ取り出し、新しい層形
成剤と活性剤との混合粉末と交換し、この容器を再び流
動剤中に配置する。しかし、この方法では層形成能力が
低下する毎に層形成剤と活性剤の混合粉末を交換しなけ
ればならず、両粉末の混合や、能力の低下した粉末の容
器からの除去等の操作が厄介であり、またそのために被
覆作業が中断しがちである。
また、表面層形成能力を維持する一つの手段として、本
出願人は先に特願昭61−159440を出願した。す
なわち、この出願の発明は、流動剤と層形成剤とからな
る処理剤を流動化させ、この流動層中に被処理材を配置
すると共に、該流動層中に活性剤を炉外より随時供給す
ることにより、加熱下において被処理材表面に窒化物の
層を形成させるものである。この方法は、活性剤を炉外
より随時供給することができるため、常に層形成能力を
維持することができ、連続的に処理を行うことができる
大きな効果がある。しかし、層形成剤として、粉末状の
金属又は合金を使用し、該粉末が流動化し被処理材と接
触するため、その表面に該粉末が付着し表面の平滑性を
損ねる欠点がなお残されていた。また、これらの方法は
、流動化ガスに窒素含有ガスを使用するため層形成剤が
使用中に窒化され、層形成能力が低下し、層形成剤を交
換しなければならない。
〔第1発明の説明〕 本第1発明(特許請求の範囲第(1)項に記載の発明)
は、これらの問題点に鑑み、被処理材の表面に層形成剤
等の粉末が付着することがなく、層形成剤の窒化を防ぎ
、表面層形成能力の維持を図ることができ、かつ連続処
理を可能とした表面処理方法及び装置を提供しようとす
るものである。
すなわち本第1発明は、流動層式炉を用いてアルミナ等
の耐火物粉末からなる流動剤中に流動化ガスを導入して
上記流動剤を流動化させると共に、その中に被処理材を
配置して、加熱下で被処理材の表面に窒化物、炭窒化物
からなる表面層を形成する表面処理方法において、上記
表面層を形成させるための形成元素を含有してなる層形
成剤を上記炉内の下方に配置し、該層形成剤の上方にお
いて上記流動剤を流動化させてその中に被処理材を配置
し、該層形成剤の下方に炉外から活性剤であるハロゲン
化物を随時供給すると共に、上記層形成剤と非接触の状
態で被処理材の下方及び側方の少なくともいずれか一方
より窒素含有ガスを供給することを特徴とする表面処理
方法に関するものである。
本第1発明の方法においては、層形成剤は炉下部に被処
理材と非接触状態で位置しており、流動化しないので、
被処理材への粉末の付着が起こらない。また、窒素含有
ガスを層形成剤上部に供給するため、窒素含有ガスが層
形成剤と接触することがなく、層形成剤の窒化による劣
化を完全に防止でき使用寿命が延びる。
また、活性剤としてのハロゲン化物は表面処理工程中に
おいて外部より随時層形成剤の下部に供給される。その
ため従来のように、流動剤と層形成剤上部末の混合等の
必要がなく、連続的に表面処理を続けることができる。
また、活性剤を少量ずつ添加できるので、流動層より排
出されるハロゲン化ガスの量が少なく、廃ガス処理設備
を小型で簡易なものにすることができる。また、長時間
にわたり層形成剤の交換が不要であり、チタン、バナジ
ウム等の高価な金属の使用量を少なくすることができる
〔第2発明の説明〕 以下、本第1発明をより具体化した発明(本節2発明と
する)について詳しく説明する。
窒化物等の表面層を形成させるための形成元素とは、窒
素、または炭素と窒素の両方と結合して窒化物または炭
窒化物を形成しやすい金属をいう。
元素としては、第1Va族元素のチタン(Ti)、ジル
コニウム(Zr)、ハフニウム(Hf)、第Va族元素
のバナジウム(■)、ニオブ(Nb)、タンクル(Ta
)、そして第Vla族元素のクロム(Cr)、モリブデ
ン(Mo)、タングステン(W)、及び第■a族元素の
マンガン(Mn)が代表的である。これらの表面層形成
元素を含む層形成剤としては、これらを含有する合金も
使用可能で、その合金としては、Fe−■、Fe−Nb
Fe−Cr等の合金鉄等がある。なお1、複合あるいは
2層以上の窒化物層あるいは炭窒化物層を形成するため
に、2種類以上の窒化物または炭窒化物形成元素の金属
または合金を混合してもよい。
この層形成剤の粒度は特別に限定しない。通常、望まし
くは4〜350メツシユのものが望ましい。
なお、層形成剤が流動化ガス導入口に詰まって正常な流
動化が阻害されることがあり、これを防止するためガス
導入口と層形成剤との間に粗粒(粒度5〜20メツシユ
)のアルミナ等の耐火物を置いてもよい。上記層形成剤
の粒は、流動剤の下方に配置する。また、金網等のガス
だけが自由に通過できる多孔質容器に装入して出入れが
容易になるように流動剤の下方に配置してもよい。この
場合は、層形成剤が劣化したときに流動剤と層形成剤の
分離が容易であり、層形成剤のみを交換できる。上記の
層形成剤の量はこの層形成に寄与するハロゲン化ガスを
十分に発生させる量が必要である。通常は、流動剤の重
量に対して2〜80%であるが、価格等を考慮すると1
0〜20%が望ましい。
被処理材としては必ずしも炭素を含有する必要はなく、
鉄、ニッケル、コバルト等の各種金属材料、超硬合金、
アルミナ等の酸化物焼結体等の非金属材料が使用できる
。この場合、流動化ガスとしてアルゴンガスを使用し、
窒化物層形成に必要なガスとしては上記層形成剤上部か
ら送入した窒素含有ガスを使用する。この窒素含有ガス
と層形成剤中の窒化物形成元素とが結合して被処理材表
面に窒化物が形成される。被処理材中に炭素が含有され
ていれば、炭窒化物層が形成される。
活性剤としては処理温度以下で昇華、蒸発または溶融す
るハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム塩、金属ハロ
ゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物のうちの
1種または2種以上を用いる。これらの融点は処理温度
より高くても低くてもよい。活性剤は、通常固体、液体
、気体の状態で順次添加していく。なお、最初に活性剤
が層形成剤に添加されていてもよい。ハロゲン化物ニは
HCI等があり、ハロゲン化アンモニウム塩にはNH,
CI、NH4Br、NH4F、NH,I。
NH,BF4等がある。金属ハロゲン化物としてはTi
F4、VCl3、VF:l 、FeCl3等があり、ア
ルカリ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物とし
てはNaCl、KCI、KBF、、NaBF4等がある
。充分な厚さの表面層を得るためには、活性剤の随時添
加量は、流動剤と層形成剤の合計全量に対し0.01〜
20%であることが望ましく、1分〜4時間程度の間隔
で定期的にまたは不定期的にこれらの量を添加する。そ
して上記0.01%より少なくては頻繁に添加する必要
があり、一方20%よりも多くなると発生ガス量が増大
して配管の詰まり等のトラブルが生じやすくなる。また
、廃ガスの量を少なくし、廃ガス処理装置を小容量、容
易なものとするためには、度に加える量を少なくして0
.1〜0.2%程度をほぼ連続的に添加していくのがよ
い。活性剤は外部より供給するが、その形状は、この活
性剤が処理温度で昇華、蒸発あるいは溶融するため特に
限定はない。通常は取り扱いを考慮して固体としてペレ
ット、円柱、ブロック状で用いる。活性剤は、層形成剤
の下方に炉本体の断面にわたり均一になるように供給す
る。
流動剤として用いる耐火物粉末は、被処理材の構成金属
と反応しない不活性なものであり、アルミナ(Al2O
,)、酸化ケイ素(Si02)、酸化チタン(Tie□
)、ジルコニア(ZrOz)等の通常の熱処理で用いら
れるものでよい。これら耐火物は1種類または2種類以
上で使用する。
その粒度は、通常の熱処理で用いられる60〜200メ
ツシユの範囲内が望ましい。粒度が200メツシユより
細かいと耐火物粉末の取り扱いが難しく、流動化が不均
一になる。逆に60メツシユより粗いと流動化ガスの量
を多くしなければならず好ましくない。
窒素含有ガスは、層形成剤と非接触の状態で被処理材の
下方及び側方の少なくともいずれか一方より供給する。
窒素含有ガスは炭窒化物を形成する場合にはメタン、プ
ロパン等の浸炭用ガスと混合して用いる。また、これら
のガスはアルゴンと混合して用いてもよい。なお、流動
化ガスあるいは窒素含有ガス中に水素を少量添加しても
よい。
流動化ガスの流動層炉内での流速は、良好な流動化に十
分な範囲であればよい。つまり、流動剤であるアルミナ
等の耐火物粉末が良好な流動化状態となればよい。流速
が小さずぎると流動化が不十分で流動層内の温度分布が
不良となる。逆に、大きすぎるとガスの消費量が多くな
り、また著しいバブリングが生じたり、層形成剤の粒等
が浮き上がる等処理操作が困難になる。
流動化ガスが流動層式炉内に流入されると流動剤は、炉
内に吹き上げられ、しかも引続き流入する流動化ガスの
圧力により落下せず、浮遊状態で炉内を移動する流動層
となる。
窒素含有ガスの流速は、流動化に必要な流速を必要とせ
ず、窒化物層等を形成するだけの流速で十分である。
処理温度は400〜1200°Cの範囲内で選択される
。400°C未満では、層形成速度が著しく遅くなり、
1200°Cを越えると、被処理材母材の劣化を生じる
おそれがあり好ましくない。
処理時間は被処理材の組成、形成する層の組成、厚さ等
を考慮して0.5〜5時間の範囲で選択する。
一般に、一定の厚さの層を得るには、高い処理温度では
比較的短い処理時間を、低い処理温度では比較的長い処
理時間を必要とする。
〔第3発明の説明〕 本第3発明(特許請求の範囲第(3)項に記載の発明)
は、表面層を形成するための元素を含有し、被処理材の
下方または側方あるいは下方と側方に配置される粒状の
層形成剤と流動層を形成するためのアルミナ等の耐火物
粉末と流動化ガス導入口ならびに排出口とを存する流動
層式炉と、該流動層式炉を加熱するための加熱手段と該
層形成剤の下方に流動剤を供給するための炉本体の外部
と結合した活性剤供給手段と層形成剤と非接触の状態で
被処理材の下方及び側方の少なくともいずれか一方より
窒素含有ガスを導入する手段とからなる被処理材の表面
に加熱下において窒化物、炭窒化物からなる層を形成す
るだめの表面処理装置に関するものである。
流動層式炉としては、一般に使用されているものを用い
る。例えば、第1図に示すように炉本体1の下部に流動
化ガスの導入口11が開口しており、炉内の導入口側に
ガス分散板12が設けられたものである。そして、炉上
部にはガス排出口51を有する蓋5が装着されている。
また、炉本体と上記蓋とが一体となった構造で、該炉本
体に活性剤ガス噴出管や窒素含有ガス噴出管や被処理材
を出し入れするための開閉自在の扉を設けた炉でもよい
活性剤の添加は、例えば第1図に示すような活性剤供給
手段を用いて行う。例えば第2図、第3図に示すように
、活性剤供給管6と数個の活性剤ガス噴出管7とからな
る。そして、この噴出管7は層形成剤の下部に配置する
。複数のガス噴出管7は、ガスの流れを均一にするため
互いに一定の角度をもたせる。
窒素含有ガスは外部より第1図に示すように供給する。
この場合、供給管15及びガス噴出管16の構造及び配
置は活性剤供給管及び活性剤ガス噴出管と同様でよい。
また、流動層炉内において活性剤ガス噴出管7及び窒素
含有ガス噴出管16の占める面積が大きすぎると、均一
な流動状態を保ち難い。そのため、該流動層炉の直径方
向断面の断面積Aと、同方向断面における活性剤ガス噴
出管7、活性剤供給管6の合計断面積、もしくは窒素含
有ガス噴出管16、窒素含有ガス供給管15の合計断面
積Bとの比B/Aば1/3以下とすることが望ましい。
なお、両噴出管7.16の形状は、第5図、第6図、第
7図に示すようにリング管13としてもよい。この場合
、活性剤ガス噴出管は下部に小孔71を、窒素含有ガス
噴出管は上部及び側面に小孔17.18を設Gノる。
また第1図に示すように、活性剤供給管6の端部は炉外
にあり、活性剤保持用ホッパー8が設けられている。こ
こに蓄えられたペレット10等の固体状活性剤は棒9に
より押し出され活性剤供給管6に沿って落下する。なお
、該活性剤供給管6の上端は、密閉されており、活性剤
Iガスの外部への流出及び外気の侵入を防止する。
装入された活性剤が供給管の高温度域に達すると活性剤
ガスの昇華、蒸発による体積膨張によりガス噴出管7の
下面に設けられた活性剤ガス噴出用小孔71から排出さ
れる。この場合、ガスの流出を容易にするために供給管
6に不活性ガス等のガスを送入してもよい。また、活性
剤ガス噴出管7を流動層ガス分散板12の下部に、また
これに連通ずる活性剤供給管6を炉本体1の外部に配置
してもよい。また、活性剤供給管6の炉外にある部分に
ヒーターをつけて、押し出された活性剤のベレット等を
炉本体に装入される前にガス化してもよい。
なお、流動層を用いた鋼の焼入れ焼もどし処理等の装置
で使われている、被処理材の自動装入、取り出し装置を
設ければ連続処理が可能となる。
本表面処理装置によれば、窒素含有ガスを層形成剤と非
接触の状態で供給できるので層形成剤の窒化が防がれる
。そのため、層形成剤の表面層形成能力低下を著しく遅
らせることができる。また、層形成剤が炉の下部に被処
理材と非接触で配置されているので、被処理材表面への
金属粉末等の付着が全くない。
〔実施例〕
第1実施例 第1図に示す流動層式炉を用いて、本発明の炭窒化物被
覆処理を行った。流動層式炉は、炉本体1の下部に、流
動化用アルゴンガス供給通路11が開口し、開口部の直
上に炉内を上下に仕切るガス分散板12が設けられてい
る。炉本体1の頂部には、取り外し自在の蓋を設け、蓋
5の一部には廃ガスをトラップするスクラバーに結合し
たガス排出通路51が開口している。
炉本体1の外周には、加熱器2が設置されている。□ま
た炉本体1は、耐熱鋼製であり、かつ形状は直径60m
mx高さ800mmの円柱状である。
上記流動層式炉のガス分散板12上には、層形成剤とし
て流動化しない400gのフェロバナジウム粒(70%
バナジウム含有、8〜16メンシユ)を置き、その上に
600gの流動剤であるアルミナ粉末(80〜100メ
ツシユ)を置いた。
流動化ガスとしてアルゴンガスを圧力1.5 kg /
 crR1流速140cm/分で上記ガス供給通路11
より炉本体1内に流入した。これにより、流動剤は流動
化し、流動層4が形成される。この層形成剤の下部には
、ガス分散板上部に第2図、第3図に示したような、8
本の活性剤ガス噴出管7が活性剤供給管6と接続しであ
る。また、層形成剤の上部には活性剤ガス噴出管と同様
に8本の窒素含有ガス噴出管16がガス供給管15と接
続しである。活性剤供給管6の内径は10陥で、窒素含
有ガス供給管15の内径は5mmである。窒素含有ガス
は圧力2kg/c+fl、流速]200cm/分で流入
した。また、それぞれのガス噴出管7.16には直径0
.5mmのガス噴出管用小孔17.18が3か所開けら
れている。次に、被処理材(炭素工具鋼SK4、合金工
具鋼5KDII、直径7mmX高さ50mm)3を窒素
含有ガス供給管の上方で流動層のほぼ中心に蓋内面の支
持具52を介して吊り下げた。次いで炉本体頂部の蓋5
をし、密閉した後、流動層を1000°Cに加熱した。
次に、活性剤として0.1 gのペレット状体の塩化ア
ンモニウムを、活性剤保持用ホッパー8の上部から装入
し、上端を密閉後、棒9によって活性剤供給用管6内に
1個ずつ2分毎に落下させた。
このようにして、2時間の表面処理を行って得られた被
処理材についてその表面を目視したところ、いずれの被
処理材も粉末の付着、色むら等は認められず平滑な表面
であった。そして、この断面を顕微鏡で観察したところ
SK4で6〜7μm、5KDIIで4〜5μmの被覆物
が均一に形成されていることが認められた。また、この
層をX線回折及びX線マイクロアナライザーによって分
析したところ、炭素をわずかに含むバナジウム炭窒化物
(V (NC) )層であることが確認された。
また、この層の硬さを測定したところ、約Hv 240
0の硬度を示した。
このように、層形成剤を流動しなくても、活性剤を随時
添加するのめで、また窒素含有ガスを流動層に流入する
のみで、充分な厚さのバナジウム炭窒化物層を被覆する
ことができた。
第2実施例 600gの流動剤であるアルミナ粉末(80〜100メ
ツシユ)と、400gの層形成剤であるフェロチタン粒
(8〜16メツシユ)とを、第1実施例と同様に流動層
式炉を用いて炭窒化物被覆処理を行った。被処理材(炭
素工具鋼SK4、合金工具鋼5KDII、直径7mmX
高さ50mm)を流動層中心部に蓋内面の支持具を介し
て吊り下げた。次いで炉本体頂部の蓋5をし、密閉後流
動層を1000°Cに加熱した。次に、活性剤として第
1実施例と同様に塩化アンモニウムペレットを添加した
。2時間処理後、被処理材を取り出し油冷した。
このようにして得られたいずれの被処理材も、表面には
粉末の付着がなく、またその表面にはSK4で6〜7 
μm、 SKD 11で5〜6μmの平滑な被覆層が形
成されていた。この層をX線回折及びX線マイクロアナ
ライザーによって分析したところ、炭素をわずかに含む
チタン炭窒化物(Ti  (NC))層であることが確
認された。また、この層の硬さを測定したところ、約H
v 3200の硬度を示した。
第3実施例 800gの流動剤であるアルミナ粉末(80〜100メ
ツシユ)と、200gの層形成剤であるクロム粒(8〜
16メツシユ)とヲ外径45 mm、内径30mm、長
さ100mmの円筒状のステンレス金網からなる容器に
充填し流動層下部に配置し、第1実施例と同様に流動層
式炉を用いて炭窒化物被覆処理を行った。被処理材(炭
素工具鋼SK4、合金工具MAsKD11、直径7mm
X高さ50鵬)を流動層中心部に蓋内面の支持具を介し
て吊り下げた。次いで炉本体頂部の蓋をし密閉後、流動
層を1000°Cに加熱した。次に、活性剤として第1
実施例と同様に塩化アンモニウムのペレ・ントを添加し
た。2時間処理後、被処理材を炉外に取り出し油冷した
。このようにして得られたいずれの被処理材表面にも粉
末の付着はなく極めて平滑であった。被覆層はSK4で
7〜8μm、、5KD11で5〜6μmであり、X線回
折及びχ線マイクロアナライリ゛−によって分析したと
ころ、炭素をわずかに含むクロム炭窒化物(Cr (N
C))層であることが確認された。また、この層の硬さ
を測定したところ約Hv1500の硬度を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の実施例を示す図で、第1
図は流動層式表面処理装置の概要を示す図、第2図は活
性剤ガス噴出管及び窒素含有ガス噴出管の平面図、第3
図は第2図の■−■線に沿う活性剤ガス噴出管矢視断面
図、第4図は第2図の■−■線に沿う窒素含有ガス噴出
管矢視断面図、第5図は他の活性剤ガス噴出管及び窒素
含有ガス噴出管の平面図、第6図は第5図のV−V綿に
沿う活性剤ガス噴出管矢視断面図、第7図は第5図のV
−V線に沿う窒素含有ガス噴出管矢視断面図である。 1・・・炉本体、3・・・被処理材、4・・・流動層、
5・・・蓋、  6・・・活性剤供給管、7・・・活性
剤ガス噴出管、 13・・・活性剤ガス噴出リング、 14・・・層形成剤、15・・・窒素含有ガス供給管、
16・・・窒素含有ガス噴出管

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)流動層式炉を用いて、アルミナ等の耐火物粉末か
    らなる流動剤中に流動化ガスを導入して上記流動剤を流
    動化させると共に、その中に被処理材を配置して、加熱
    下で被処理材の表面に窒化物、炭窒化物からなる表面層
    を成形する表面処理方法において、上記表面層を形成さ
    せるための形成元素を含有してなる層形成剤を上記炉内
    の下方に配置し、該層形成剤の上方において上記流動剤
    を流動化させてその中に被処理材を配置し、該層形成剤
    の下方に炉外から活性剤であるハロゲン化物を随時供給
    すると共に、上記層形成剤と非接触の状態で被処理材の
    下方及び側方の少なくともいずれか一方より窒素含有ガ
    スを供給することを特徴とする表面処理方法。
  2. (2)層形成剤は、チタン、ジルコニウム、ハフニウム
    、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン
    、タングステン及びマンガンの1種または2種以上を含
    有する金属または合金の粒状体または粉末状体であるこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第(1)項に記載の表面
    処理方法。
  3. (3)上記窒素含有ガスは窒素やアンモニア等の窒化用
    ガスあるいはこれらとメタンやプロパン等の浸炭用ガス
    と混合ガスあるいはこれらとアルゴン等の不活性ガスと
    の混合ガスからなる特許請求の範囲第(1)項に記載の
    表面処理方法。
  4. (4)表面層を形成するための元素を含有し、被処理材
    の下方または側方あるいは下方と側方に配置される粒状
    の層形成剤と、流動層を形成するためのアルミナ等の耐
    火物粉末と、流動化ガス導入口ならびに排出口とを有す
    る流動層式炉と、該流動層式炉を加熱するための加熱手
    段と、該層形成剤の下方に流動剤を供給するための炉本
    体の外部と結合した活性剤供給手段と層形成剤と非接触
    の状態で被処理材の下方及び側方の少なくともいずれか
    一方より窒素含有ガスを導入する手段、とからなる被処
    理材の表面に加熱下において、窒化物、炭窒化物からな
    る層を形成するための表面処理装置。
  5. (5)活性剤供給手段及び窒素含有ガス導入手段は、流
    動層式炉内を経由する供給管に接続していることを特徴
    とする特許請求の範囲第(4)項に記載の表面処理装置
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100431696B1 (ko) * 2002-01-23 2004-05-17 한국과학기술연구원 팩 시멘테이션 방법을 이용한 엠씨에프씨용 분리판의 금속부식 방지막 코팅 방법 및 시스템
JP2006348330A (ja) * 2005-06-14 2006-12-28 Mitsubishi Materials Corp 骨格表面に炭窒化チタン層を有する多孔質チタン
JP2017528302A (ja) * 2014-04-30 2017-09-28 ティッセンクルップ スチール ヨーロッパ アクチェンゲゼルシャフトThyssenKrupp Steel Europe AG 平鋼製品を処理するためのノズル装置および方法

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