JPH076052B2 - 表面処理方法及びその装置 - Google Patents

表面処理方法及びその装置

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JPH076052B2 JP22065988A JP22065988A JPH076052B2 JP H076052 B2 JPH076052 B2 JP H076052B2 JP 22065988 A JP22065988 A JP 22065988A JP 22065988 A JP22065988 A JP 22065988A JP H076052 B2 JPH076052 B2 JP H076052B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、流動層式炉を用いて、鉄合金材料等の被処理
材の表面に、クロム、バナジウム等の窒化物等の表面層
を形成する表面処理方法及びその装置に関するものであ
る。
〔従来の技術〕
流動層を使用して被処理材の表面に窒化物層を形成する
技術としては、本出願人が先になした特願昭59-108054
(特開昭60-251274)の発明がある。
この方法は、アルミナ等の耐火物粉末(以下、流動剤と
称す)と、窒化物形成元素の金属または合金(以下、層
形成剤と称す)の粉末とハロゲン化アンモニウム塩また
は処理温度以下で昇華または蒸発する金属ハロゲン化物
(以下、活性剤と称す)の粉末とから成る処理剤をアル
ゴン等の流動化ガスによって流動化させ、その中に被処
理材を埋没し、この被処理材の表面に窒化物を形成させ
るものである。しかして、この窒化物は層形成剤と活性
剤のガスとが反応して発生した窒化物形成元素のハロゲ
ン化物ガスが鋼中の窒素、または流動層中に導入される
窒素ガスと反応して形成されるものである。
〔解決すべき問題点〕
上記の方法で用いられる活性剤は、処理中において処理
剤の固化を防止し、さらに流動化を維持するため、処理
温度以下で昇華、蒸発するものでなければならない。ま
た、上記処理剤を長時間使用すると活性剤の一部が散逸
して表面層形成能力が徐々に低下してくる。それ故、処
理時間の経過と共に形成される炭化物または窒化物層の
厚さが薄くなるおそれがある。また、層形成剤として、
粉末状の金属または合金を使用するため、この粉末が被
処理材に付着し、表面の平滑性を損ねるおそれがある。
このような問題点を解決する一つの手段として、本出願
人は先に特願昭60-220925(特開昭62-80258)を出願し
た。すなわち、この出願の発明は、層形成剤と活性剤と
の混合粉末を多孔質体からなる容器に充填し、流動剤中
に被処理材と共に配置し、処理に供するものである。そ
して、層形成剤と活性剤の混合粉末の層形成能力が低下
した場合は、この容器を炉外へ取り出し、新しい層形成
剤と活性剤との混合粉末と交換し、この容器を再び流動
剤中に配置する。しかし、この方法では層形成能力が低
下する毎に層形成剤と活性剤の混合粉末を交換しなけれ
ばならず、両粉末の混合や、能力の低下した粉末の容器
からの除去等の操作が厄介であり、またそのために被覆
作業が中断しがちである。
また、表面層形成能力を維持する一つの手段として、本
出願人は先に特願昭61-159440を出願した。すなわち、
この出願の発明は、流動剤と層形成剤とからなる処理剤
を流動化させ、この流動層中に被処理材を配置すると共
に、該流動層中に活性剤を炉外より随時供給することに
より、加熱下において被処理材表面に窒化物の層を形成
させるものである。この方法は、活性剤を炉外より随時
供給することができるため、常に層形成能力を維持する
ことができ、連続的に処理を行うことができる大きな効
果がある。しかし、層形成剤として、粉末状の金属又は
合金を使用し、該粉末が流動化し被処理材と接触するた
め、その表面に該粉末が付着し表面の平滑性を損ねる欠
点がなお残されていた。また、これらの方法は、流動化
ガス中に窒化され、層形成能力が低下し、層形成剤を交
換しなければならない。
〔第1発明の説明〕 本第1発明(特許請求の範囲第(1)項に記載の発明)
は、これらの問題点に鑑み、被処理材の表面に層形成剤
等の粉末が付着することがなく、層形成剤の窒化を防
ぎ、表面層形成能力の維持を図ることができ、かつ連続
処理を可能とした表面処理方法及び装置を提供しようと
するものである。
すなわち本第1発明は、流動層式炉を用いてアルミナ等
の耐火物粉末からなる流動剤中に流動化ガスを導入して
上記流動剤を流動化させると共に、その中に被処理材を
配置して、加熱下で被処理材の表面に窒化物、炭窒化物
からなる表面層を形成する表面処理方法において、上記
表面層を形成させるための形成元素を含有してなる層形
成剤を上記炉内の下方に配置し、該層形成剤の上方にお
いて上記流動剤を流動化させてその中に被処理材を配置
し、該層形成剤の下方に炉外から活性剤であるハロゲン
化物を随時供給すると共に、上記層形成剤と非接触の状
態で被処理材の下方及び側方の少なくともいずれか一方
より窒素含有ガスを供給することを特徴とする表面処理
方法に関するものである。
本第1発明の方法においては、層形成剤は炉下部に被処
理材と非接触状態で位置しており、流動化しないので、
被処理材への粉末の付着が起こらない。また、窒素含有
ガスを層形成剤上部に供給するため、窒素含有ガスが層
形成剤と接触することがなく、層形成剤の窒化による劣
化を完全に防止でき使用寿命が延びる。
また、活性剤としてのハロゲン化物は表面処理工程中に
おいて外部より随時層形成剤の下部に供給される。その
ため従来のように、流動剤と層形成剤各粉末の混合等の
必要がなく、連続的に表面処理を続けることができる。
また、活性剤を少量ずつ添加できるので、流動層より排
出されるハロゲン化ガスの量が少なく、廃ガス処理設備
を小型で簡易なものにすることができる。また、長時間
にわたり層形成剤の交換が不要であり、チタン、バナジ
ウム等の高価な金属の使用量を少なくすることができ
る。
〔第2発明の説明〕 以下、本第1発明をより具体化した発明(本第2発明と
する)について詳しく説明する。
窒化物等の表面層を形成させるための形成元素とは、窒
素、または炭素と窒素の両方と結合して窒化物または炭
窒化物を形成しやすい金属をいう。元素としては、第IV
a族元素のチタン(Ti)、ジルコニウム(Zr)、ハフニ
ウム(Hf)、第Va族元素のバナジウム(V)、ニオブ
(Nb)、タンタル(Ta)、そして第VIa族元素のクロム
(Cr)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、及び
第VIIa族元素のマンガン(Mn)が代表的である。これら
の表面層形成元素を含む層形成剤としては、これらを含
有する合金も使用可能で、その合金としては、Fe−V、
Fe-Nb、Fe-Cr等の合金鉄等がある。なお、複合あるいは
2層以上の窒化物層あるいは炭窒化物層を形成するため
に、2種類以上の窒化物または炭窒化物形成元素の金属
または合金を混合してもよい。
この層形成剤の粒度は特別に限定しない。通常、望まし
くは4〜350メッシュのものが望ましい。なお、層形成
剤が流動化ガス導入口に詰まって正常な流動化が阻害さ
れることがあり、これを防止するためのガス導入口と層
形成剤との間に粗粒(粒度5〜20メッシュ)のアルミナ
等の耐火物を置いてもよい。上記層形成剤の粒は、流動
剤の下方に配置する。また、金網等のガスだけが自由に
通過できる多孔質容器に装入して出入れが容易になるよ
うに流動剤の下方に配置してもよい。この場合は、層形
成剤が劣化したときに流動剤と層形成剤の分離が容易で
あり、層形成剤のみを交換できる。上記の層形成剤の量
はこの層形成に寄与するハロゲン化ガスを十分に発生さ
せる量が必要である。通常は、流動剤の重量に対して2
〜80%であるが、価格等を考慮すると10〜20%が望まし
い。
被処理材としては必ずしも炭素を含有する必要はなく、
鉄、ニッケル、コバルト等の各種金属材料、超硬合金、
アルミナ等の酸化物焼結体等の非金属材料が使用でき
る。この場合、流動化ガスとしてアルゴンガスを使用
し、窒化物層形成に必要なガスとしては上記層形成剤上
部から送入した窒素含有ガスを使用する。この窒素含有
ガスと層形成剤中の窒化物形成元素とが結合して被処理
材表面に窒化物が形成される。被処理材中に炭素が含有
されていれば、炭窒化物層が形成される。
活性剤としては処理温度以下で昇華、蒸発または溶融す
るハロゲン化物、ハロゲン化アンモニウム塩、金属ハロ
ゲン化物及びアルカリ土類金属のハロゲン化物のうちの
1種または2種以上を用いる。これらの融点は処理温度
より高くても低くてもよい。活性剤は、通常固体、液
体、気体の状態で順次添加していく。なお、最初に活性
剤が層形成剤に添加されていてもよい。ハロゲン化物に
はHCl等があり、ハロゲン化アンモニウム塩にはNH4Cl、
NH4Br、NH4F、NH4I、NH4BF4等がある。金属ハロゲン
化物としてはTiF4、VCl3、VF3、FeCl3等があり、アルカ
リ金属またはアルカリ土類金属のハロゲン化物としては
NaCl、KCl、KBF4、NaBF4等がある。充分な厚さの表面層
を得るためには、活性剤の随時添加量は、流動剤と層形
成剤の合計全量に対し0.01〜20%であることが望まし
く、1分〜4時間程度の間隔で定期的にまたは不定期的
にこれらの量を添加する。そして上記0.01%より少なく
ては頻繁に添加する必要があり、一方20%よりも多くな
ると発生ガス量が増大して配管の詰まり等のトラブルが
生じやすくなる。また、廃ガスの量を少なくし、廃ガス
処理装置を小容量、容易なものとするためには、一度に
加える量を少なくして0.1〜0.2%程度をほぼ連続的に添
加していくのがよい。活性剤は外部より供給するが、そ
の形状は、この活性剤が処理温度で昇華、蒸発あるいは
溶融するため特に限定はない。通常は取り扱いを考慮し
て固体としてペレット、円柱、ブロック状で用いる。活
性剤は、層形成剤の下方に炉本体の断面にわたり均一に
なるように供給する。
流動剤として用いる耐火物粉末は、被処理材の構成金属
と反応しない不活性なものであり、アルミナ(Al
2O3)、酸化ケイ素(SiO2)、酸化チタン(TiO2)、ジ
ルコニア(ZrO2)等の通常の熱処理で用いられるもので
よい。これら耐火物は1種類または2種類以上で使用す
る。その粒度は、通常の熱処理で用いられる60〜200メ
ッシュの範囲内が望ましい。粒度が200メッシュより細
かいと耐火物粉末の取り扱いが難しく、流動化が不均一
になる。逆に60メッシュより粗いと流動化ガスの量を多
くしなければならず好ましくない。
窒素含有ガスは、層形成剤と非接触の状態で被処理材の
下方及び側方の少なくともいずれか一方より供給する。
窒素含有ガスは炭窒化物を形成する場合にはメタン、プ
ロパン等の浸炭用ガスと混合して用いる。また、これら
のガスはアルゴンと混合して用いてもよい。なお、流動
化ガスあるいは窒素含有ガス中に水素を少量添加しても
よい。
流動化ガスの流動層炉内での流速は、良好な流動化に十
分な範囲であればよい。つまり、流動剤であるアルミナ
等の耐火物粉末が良好な流動化状態となればよい。流速
が小さすぎると流動化が不十分で流動層内の温度分布が
不良となる。逆に、大きすぎるとガスの消費量が多くな
り、また著しいバブリングが生じたり、層形成剤の粒等
が浮き上がる等処理操作が困難になる。
流動化ガスが流動層式炉内に流入されると流動剤は、炉
内に吹き上げられ、しかも引続き流入する流動化ガスの
圧力により落下せず、浮遊状態で炉内を移動する流動層
となる。
窒素含有ガスの流速は、流動化に必要な流速を必要とせ
ず、窒化物層等を形成するだけの流速で十分である。
処理温度は400〜1200℃の範囲内で選択される。400℃未
満では、層形成速度が著しく遅くなり、1200℃を越える
と、被処理材母材の劣化を生じるおそれがあり好ましく
ない。
処理時間は被処理材の組成、形成する層の組成、厚さ等
を考慮して0.5〜5時間の範囲で選択する。一般に、一
定の厚さの層を得るには、高い処理温度では比較的短い
処理時間を、低い処理温度では比較的長い処理時間を必
要とする。
〔第3発明の説明〕 本第3発明(特許請求の範囲第(2)項に記載の発明)
は、表面層を形成するための元素を含有し、被処理材の
下方に配置される粒状の層形成剤と流動層を形成するた
めのアルミナ等の耐火物粉末と流動化ガス導入口ならび
に排出口とを有する流動層式炉と、該流動層式炉を加熱
するための加熱手段と該層形成剤の下方に流動剤を供給
するための炉本体の外部と結合した活性剤供給手段と層
形成剤と非接触の状態で被処理材の下方及び側方の少な
くともいずれか一方より窒素含有ガスを導入する手段と
からなる被処理材の表面に加熱下において窒化物、炭窒
化物からなる層を形成するための表面処理装置に関する
ものである。
流動層式炉としては、一般に使用されているものを用い
る。例えば、第1図に示すように炉本体1の下部に流動
化ガスの導入口11が開口しており、炉内の導入口側にガ
ス分散板12が設けられたものである。そして、炉上部に
はガス排出口51を有する蓋5が装着されている。また、
炉本体と上記蓋とが一体となった構造で、該炉本体に活
性剤ガス噴出管や窒素含有ガス噴出管や被処理材を出し
入れするための開閉自在の扉を設けた炉でもよい。
活性剤の添加は、例えば第1図に示すような活性剤供給
手段を用いて行う。例えば第2図、第3図に示すよう
に、活性剤供給管6と数個の活性剤ガス噴出管7とから
なる。そして、この噴出管7は層形成剤の下部に配置す
る。複数のガス噴出管7は、ガスの流れを均一にするた
め互いに一定の角度をもたせる。
窒素含有ガスは外部より第1図に示すように供給する。
この場合、供給管15及びガス噴出管16の構造及び配置は
活性剤供給管及び活性剤ガス噴出管と同様でよい。ま
た、流動層炉内において活性剤ガス噴出管7及び窒素含
有ガス噴出管16の占める面積が大きすぎると、均一な流
動状態を保ち難い。そのため、該流動層炉の直径方向断
面の断面積Aと、同方向断面における活性剤ガス噴出管
7、活性剤供給管6の合計断面積、もしくは窒素含有ガ
ス噴出管16、窒素含有ガス供給管15の合計断面積Bとの
比B/Aは1/3以下とすることが望ましい。
なお、両噴出管7、16の形状は、第5図、第6図、第7
図に示すようにリング管13としてもよい。この場合、活
性剤ガス噴出管は下部に小孔71を、窒素含有ガス噴出管
は上部及び側面に小孔17、18を設ける。
また第1図に示すように、活性剤供給管6の端部は炉外
にあり、活性剤保持用ホッパー8が設けられている。こ
こに蓄えられたペレット10等の固体状活性剤は棒9によ
り押し出され活性剤供給管6に沿って落下する。なお、
該活性剤供給管6の上端は、密閉されており、活性剤ガ
スの外部への流出及び外気の侵入を防止する。
装入された活性剤が供給管の高温度域に達すると活性剤
ガスの昇華、蒸発による体積膨張によりガス噴出管7の
下面に設けられた活性剤ガス噴出用小孔71から排出され
る。この場合、ガスの流出を容易にするために供給管6
に不活性ガス等のガスを送入してもよい。また、活性剤
ガス噴出管7を流動層ガス分散板12の下部に、またこれ
に連通する活性剤供給管6を炉本体1の外部に配置して
もよい。また、活性剤供給管6の炉外にある部分にヒー
ターをつけて、押し出された活性剤のペレット等を炉本
体に装入される前にガス化してもよい。
なお、流動層を用いた鋼の焼入れ焼もどし処理等の装置
で使われている、被処理材の自動装入、取り出し装置を
設ければ連続処理が可能となる。
本表面処理装置によれば、窒素含有ガスを層形成剤と非
接触の状態で供給できるので層形成剤の窒化が防がれ
る。そのため、層形成剤の表面層形成能力低下を著しく
遅らせることができる。また、層形成剤が炉の下部に被
処理材と非接触で配置されているので、被処理材表面へ
の金属粉末等の付着が全くない。
〔実施例〕
第1実施例 第1図に示す流動層式炉を用いて、本発明の炭窒化物被
覆処理を行った。流動層式炉は、炉本体1の下部に、流
動化用アルゴンガス供給通路11が開口し、開口部の直上
に炉内を上下に仕切るガス分散板12が設けられている。
炉本体1の頂部には、取り外し自在の蓋を設け、蓋5の
一部には廃ガスをトラップするスクラバーに結合したガ
ス排出通路15が開口している。
炉本体1の外周には、加熱器2が設置されている。また
炉本体1は、耐熱鋼製であり、かつ形状は直径60mm×高
さ800mmの円柱状である。
上記流動層式炉のガス分散板12上には、層形成剤として
流動化しない400gのフェロバナジウム粒(70%バナジウ
ム含有、8〜16メッシュ)を置き、その上に600gの流動
剤であるアルミナ粉末(80〜100メッシュ)を置いた。
流動化ガスとしてアルゴンガスを圧力1.5kg/cm2、流速1
40cm/分で上記ガス供給通路11より炉本体1内に流入し
た。これにより、流動剤は流動化し、流動層4が形成さ
れる。この層形成剤の下部には、ガス分散板上部に第2
図、第3図に示したような、8本の活性剤ガス噴出管7
が活性剤供給管6と接続してある。また、層形成剤の上
部には活性剤ガス噴出管と同様に8本の窒素含有ガス噴
出管16がガス供給管15と接続してある。活性剤供給管6
の内径は10mmで、窒素含有ガス供給管15の内径は5mmで
ある。窒素含有ガスは圧力2kg/cm2、流速1200cm/分で流
入した。また、それぞれのガス噴出管7、16には直径0.
5mmのガス噴出管用小孔17、18が3か所開けられてい
る。次に、被処理材(炭素工具鋼SK4、合金工具鋼SKD1
1、直径7mm×高さ50mm)3を窒素含有ガス供給管の上方
で流動層のほぼ中心に蓋内面の支持具52を介して吊り下
げた。次いで炉本体頂部の蓋5をし、密閉した後、流動
層を1000℃に加熱した。
次に、活性剤として0.1gのペレット状体の塩化アンモニ
ウムを、活性剤保持用ホッパー8の上部から装入し、上
端を密閉後、棒9によって活性剤供給用管6内に1個ず
つ2分毎に落下させた。
このようにして、2時間の表面処理を行って得られた被
処理材についてその表面を目視したところ、いずれの被
処理材も粉末の付着、色むら等は認められず平滑な表面
であった。そして、この断面を顕微鏡で観察したところ
SK4で6〜7μm、SKD11で4〜5μmの被覆物が均一に
形成されていることが認められた。また、この層をX線
回折及びX線マイクロアナライザーによって分析したと
ころ、炭素をわずかに含むバナジウム炭窒化物(V(N
C))層であることが確認された。また、この層の硬さ
を測定したところ、約Hv2400の硬度を示した。
このように、層形成剤を流動しなくても、活性剤を随時
添加するのみで、また窒素含有ガスを流動層に流入する
のみで、充分な厚さのバナジウム炭窒化物層を被覆する
ことができた。
第2実施例 600gの流動剤であるアルミナ粉末(80〜100メッシュ)
と、400gの層形成剤であるフェロチタン粒(8〜16メッ
シュ)とを、第1実施例と同様に流動層式炉を用いて炭
窒化物被覆処理を行った。被処理材(炭素工具鋼SK4、
合金工具鋼SKD11、直径7mm×高さ50mm)を流動層中心部
に蓋内面の支持具を介して吊り下げた。次いで炉本体頂
部の蓋5をし、密閉後流動層を1000℃に加熱した。次
に、活性剤として第1実施例と同様に塩化アンモニウム
ペレットを添加した。2時間処理後、被処理材を取り出
し油冷した。
このようにして得られたいずれの被処理材も、表面には
粉末の付着がなく、またその表面にはSK4で6〜7μ
m、SKD11で5〜6μmの平滑な被覆層が形成されてい
た。この層をX線回折及びX線マイクロアナライザーに
よって分析したところ、炭素をわずかに含むチタン炭窒
化物(Ti(NC))層であることが確認された。また、こ
の層の硬さを測定したところ、約Hv3200の硬度を示し
た。
第3実施例 800gの流動剤であるアルミナ粉末(80〜100メッシュ)
と、200gの層形成剤であるクロム粒(8〜16メッシュ)
とを外径45mm、内径30mm、長さ100mmの円筒状のステン
レス金網からなる容器に充填し流動層下部に配置し、第
1実施例と同様に流動層式炉を用いて炭窒化物被覆処理
を行った。被処理材(炭素工具鋼SK4、合金工具鋼SKD1
1、直径7mm×高さ50mm)を流動層中心部に蓋内面の支持
具を介して吊り下げた。次いで炉本体頂部の蓋をし密閉
後、流動層を1000℃に加熱した。次に、活性剤として第
1実施例と同様に塩化アンモニウムのペレットを添加し
た。2時間処理後、被処理材を炉外に取り出し油冷し
た。このようにして得られたいずれの被処理材表面にも
粉末の付着はなく極めて平滑であった。被覆層はSK4で
7〜8μm、SKD11で5〜6μmであり、X線回折及び
X線マイクロアナライザーによって分析したところ、炭
素をわずかに含むクロム炭窒化物(Cr(NC))層である
ことが確認された。また、この層の硬さを測定したとこ
ろ約Hv1500の硬度を示した。
【図面の簡単な説明】
第1図ないし第7図は本発明の実施例を示す図で、第1
図は流動層式表面処理装置の概要を示す図、第2図は活
性剤ガス噴出管及び窒素含有ガス噴出管の平面図、第3
図は第2図のIII-III線に沿う活性剤ガス噴出管矢視断
面図、第4図は第2図のIII-III線に沿う窒素含有ガス
噴出管矢視断面図、第5図は他の活性剤ガス噴出管及び
窒素含有ガス噴出管の平面図、第6図は第5図のV−V
線に沿う活性剤ガス噴出管矢視断面図、第7図は第5図
のV−V線に沿う窒素含有ガス噴出管矢視断面図であ
る。 1……炉本体、3……被処理材、4……流動層、5……
蓋、6……活性剤供給管、7……活性剤ガス噴出管、13
……活性剤ガス噴出リング、14……層形成剤、15……窒
素含有ガス供給管、16……窒素含有ガス噴出管

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】流動層式炉を用いて、アルミナ等の耐火物
    粉末からなる流動剤中に流動化ガスを導入して上記流動
    剤を流動化させると共に、その中に被処理材を配置し
    て、加熱下で被処理材の表面に窒化物、炭窒化物からな
    る表面層を形成する表面処理方法において、上記表面層
    を形成させるための形成元素を含有してなる層形成剤を
    上記炉内の下方に配置し、該層形成剤の上方において上
    記流動剤を流動化させてその中に被処理材を配置し、該
    層形成剤の上方において上記流動剤を流動化させてその
    中に被処理材を配置し、該層形成剤の下方に炉外から活
    性剤であるハロゲン化物を随時供給すると共に、上記層
    形成剤と非接触の状態で被処理材の下方及び側方の少な
    くともいずれか一方より窒素含有ガスを供給することを
    特徴とする表面処理方法。
  2. 【請求項2】表面層を形成するための元素を含有し、被
    処理材の下方に配置される粒状の層形成剤と、流動層を
    形成するためのアルミナ等の耐火物粉末と、流動化ガス
    導入口ならびに排出口とを有する流動層式炉と、該流動
    層式炉を加熱するための加熱手段と、該層形成剤の下方
    に流動剤を供給するための炉本体の外部と結合した活性
    剤供給手段と層形成剤と非接触の状態で被処理剤の下方
    及び側方の少なくともいずれか一方より窒素含有ガスを
    導入する手段、とからなる被処理材の表面に加熱下にお
    いて、窒化物、炭窒化物からなる層を形成する表面処理
    装置。
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