JPH026999Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、組付け工具ユニツトの自動戻し装置
に関し、詳しくは、組付けラインの組付けコンベ
ア上を所定の速度にて流れている被組付け部材に
対して、動きながら組付け作業を行う組付け工具
ユニツトを組付け作業終了後、所定の距離だけ被
組付け部材の反進行方向に戻して次の被組付け部
材の上部にて組付け工具ユニツトを待機された状
態とさせることによつて、被組付け部材に対する
他部材の組付け作業性を著しく向上させることの
できる組付け工具ユニツトの自動戻し装置にかか
る。

〔従来の技術〕

自動車の組付けライン等においては、組付けラ
インの組付けコンベア上を所定の速度にて流れる
被組付け部材に対して、動きながら組付け作業す
ることがしばしば必要とされる。

そして、組付けラインにおいて使用するナツト
ランナユニツト等の組付け工具ユニツトは、作業
者の頭上に配設された１ビームから滑車により吊
り下げられており、従来においては組付け作業等
に伴う組付け工具ユニツトの進行した距離だけ
を、作業者が被組付け部材の反進行方向に引つ張
つて戻すこととしていた。

そこで、その組付け工具ユニツトの戻し操作を
自動化するための１つの方法として、第６図に示
すようなスプリング９を用いて引つ張つてナツト
ランナユニツト３を元の位置に戻す装置が既に採
用されている。

なお、第６図において、１は組付けコンベア、
２は被組付け部材、３はナツトランナユニツト、
５はＩビーム、ａは被組付け部材の進行方向であ
る。

〔考案が解決しようとする課題〕

上述のような従来の技術の現状に鑑み、本考案
が解決しようとする課題は、上述のような従来の
スプリングを用いて引つ張つることにより、組付
け工具ユニツトの戻し操作を自動化させることと
した組付け工具ユニツト（ナツトランナユニツト
等）の自動戻し装置においては、 スプリングの一端をＩビームの所定の部位に
固定しておく必要があることから、ナツトラン
ナユニツトの移動範囲、言い換えれば、組付け
作業範囲が限定される。

ナツトランナユニツトを戻す部位によりスプ
リングの張力が変化することから、ナツトラン
ナユニツトの戻しスピードが一定とならない。

スプリングの慣性力の影響を受けて、ナツト
ランナユニツトの戻る位置を一定とすることが
できない。

等ということである。

従つて、本考案の技術的課題とするところは、
流れ作業により被組付け部材に対して他部材を組
付ける組付け作業において、組付け工具ユニツト
に組付け工具ユニツトの自動戻し装置を配設する
ことによつて、組付けラインにおける組付けコン
ベア上の被組付け部材に対する組付け工具ユニツ
トにより組付け作業する時においては、従来の戻
し装置のない組付け工具ユニツトと同様にどの位
置においても軽快に動かすことができ、組付け作
業が終了したら組付け工具ユニツトの組付け作業
終了地点から所定の距離だけ組付け工具ユニツト
を被組付け部材の反進行方向に戻すとともに、そ
の位置から次に流れてくる被組付け部材と組付け
工具ユニツトが同期的に流れるようにすることに
より、組付け工具ユニツトが必ず次の被組付け部
材の上において待機された状態とし、もつて、被
組付け部材に対する組付け作業性を著しく向上さ
せることにある。

〔課題を解決するための手段〕

このような従来の技術における問題点に鑑み、
本考案における従来の技術の課題を解決するため
の手段は、 流れ作業により被組付け部材に他部材を組付け
た後、組付け作業に使用した組付け工具ユニツト
を自動的に被組付け部材の反進行方向に所定距離
だけ戻すための組付け工具ユニツトの自動戻し装
置であつて、 前記組付け工具ユニツトにナツトランナユニツ
ト取付台を介して戻し用シリンダが取付けられて
おり、組付け作業に伴い被組付け部材とともに進
行した組付け工具ユニツトを組付け作業終了地点
を起点として、被組付け部材の反進行方向に所定
距離だけ戻す戻し装置と、ナツトランナユニツト
取付台の上部に配設されたスライド軸上をクラン
プ取付け台により摺動可能に配設され、しかも、
前記クランプ取付け台上には、クランプ用シリン
ダが配設されており、このクランプ用シリンダ
は、前記戻し用シリンダの作動軸に連結されてい
て、上述の組付け作業終了地点にてクランプ用シ
リンダの作動により一対の走行レールに対してク
ランプ状態もしくはアンクランプ状態とするクラ
ンプ装置と、組付け工具ユニツトに被組付け部材
に臨んで配設され組付けラインの組付けコンベア
上を流れる被組付け部材と共に組付け工具ユニツ
トを移動させる同期シリンダとからなり、 被組付け部材に対して他部材を組付け作業する
時においては、上記クランプ装置がアンクランプ
状態にあつて、組付け作業を被組付け部材の流れ
とともに実施可能とされており、被組付け部材に
対する他部材の組付け作業が終了すると上記クラ
ンプ装置がクランプ用シリンダにより一対の走行
レールを内側から押し付けて固定され、前記戻し
用シリンダにより組付け工具ユニツトを被組付け
部材の反進行方向に所定距離だけ戻した後、クラ
ンプ装置をアンクランプ状態として組付け工具ユ
ニツト上に配設されたスライド軸上を摺動移動さ
せてクランプ装置を組付け工具ユニツトの所定の
配置部位に戻すとともに、同期シリンダから同期
バーを下降させて、組付けラインの組付けコンベ
ア上を流れてくる新たな次の被組付け部材に当接
させた組付け工具ユニツトを被組付け部材と同期
的に移動させることを特徴とした組付け工具ユニ
ツトの自動戻し装置からなつている。

〔作用〕

以下、本考案の作用について説明する。

本考案の組付け工具ユニツトの自動戻し装置に
おいて、組付け工具ユニツトに配設された戻し用
シリンダにより、組付け作業に伴い被組付け部材
とともに進行した組付け工具ユニツトを組付け作
業終了地点を起点として、被組付け部材の反進行
方向に所定距離だけ戻し装置に戻し、組付け工具
ユニツトの上部に配設されたスライド軸上を摺動
可能に配設されているクランプ装置は上述の組付
け作業終了地点にてクランプ用シリンダにより一
対の走行レールに内側から押し付けられるように
なつている。

そして、組付け工具ユニツトにより被組付け部
材に対して他部材を組付け作業する時において
は、上記クランプ装置が前記走行レール上でアン
クランプ状態にあつて、組付け工具ユニツトによ
る組付作業が被組付け部材の流れとともに実施可
能とされており、被組付け部材に対し組付け工具
ユニツトによる他部材への組付け作業が終了する
と上記クランプ装置がクランプ用シリンダにより
一対の走行レールを内側から押し付けて固定さ
れ、前記戻し用シリンダにより組付け工具ユニツ
トを被組付け部材の反進行方向に所定距離だけ戻
した後、クランプ装置を再びアンクランプ状態と
して組付け工具ユニツト上に配設されたスライド
軸上にクランプ装置を摺動移動させてクランプ装
置を組付け工具ユニツトの所定の配置部位に戻す
のである。

また、本考案の組付け工具ユニツトの自動戻し
装置において、組付け工具ユニツトに配設される
同期シリンダは、組付けラインの組付けコンベア
上を流れる被組付け部材と共に組付け工具ユニツ
トを移動させるようになつており、この同期シリ
ンダに被組付け部材に臨んで配設された同期バー
は、組付けラインの組付けコンベア上の次の被組
付け部材の上部において組付け工具ユニツトが待
機された状態で、組付け工具ユニツトを被組付け
部材とともに、移動させるようになつている。

〔実施例〕

以下、添付図面に基づいて、本考案の１実施例
を説明する。

なお、以下の実施例に関する説明において、前
記第６図の従来の組付け工具ユニツトの自動戻し
装置と同一もしくは相当部分については、前記第
６図と同一の符号を付することにより説明を省略
する。

なお、この実施例においては、組付け工具ユニ
ツトとしてナツトランナユニツトを使用した例に
ついて説明する。

第１図に、本考案の組付け工具ユニツト（ナツ
トランナユニツト３）の自動戻し装置の主要構成
を示した図である。

第１図に示すように、本考案のナツトランナユ
ニツト３の自動戻し装置においては、従来のナツ
トランナユニツト３の上部には戻し装置４とクラ
ンプ装置８が、また、組付けラインの組付けコン
ベア１上の被組付け部材２に臨むナツトランナユ
ニツト３の下方部には同期シリンダ６がそれぞれ
取付けられている。

そして、第１図および第３図に示すように、戻
し装置４にはナツトランナユニツト３にナツトラ
ンナ取付台３１を介して戻しシリンダ４１が取付
けられており、また、クランプ装置８はナツトラ
ンナユニツト３に連結されているナツトランナユ
ニツト取付台３１を介してその上部に配設されて
いるスライド軸８３上をクランプ取付け台８１に
より摺動可能に配設されている。

また、第３図に示すように前記クランプ取付け
台８１上には、クランプ用シリンダ８２が配設さ
れており、このクランプ用シリンダ８２は、前記
戻し用シリンダ４１の作動軸４２に連結されてい
て、クランプ取付け台８１に配設されているリニ
アウエイベアリング８４を介して、クランプ装置
８がスライド軸８３上を摺動移動するのである。

また、第２図に示すようにクランプ取付け台８
１にはクランプ用シリンダ８２が配設されてお
り、このクランプ用シリンダ８２の作動によりク
ランプ軸８８の先端に配設されたゴム部材８９が
第４図からも分かるように、走行レールである一
対の、Ｉビームに押し付けられたり離遠させられ
たりして、クランプ装置８をクランプ状態とした
り、アンクランプ状態としたりするのである。

次に、本考案のナツトランナユニツト３の自動
戻し装置の作動について、第２図〜第４図の組付
け工具ユニツトの自動戻し装置の詳細図及び第５
図のタイムチヤートに基づいて説明する。

まず、ナツトランナユニツト３が組付けライン
の組付けコンベア１上の被組付け部材２に対する
他部材の組付け工業を完了すると、ナツトランナ
ユニツト３と同期シリンダ６が上昇して同期バー
６１が被組付け部材２から離れる。

その時第２図図示のクランプ用シリンダ８５が
後退して、クランプ軸８８の先端に配設されたゴ
ム部材８９がＩビーム５に押し付けられ、第３図
及び第４図図示のクランプ取付け第８１がその位
置で保持され従つてクランプ装置８がＩビーム５
に固定される。

ついで、第３図図示のナツトランナユニツト３
および戻しシリンダ４１は、戻しシリンダ４１の
作動により戻しシリンダ４１のストローク距離だ
け第１図図示の被組付け部材２の進行方向ａと反
対方向に移動させられる。

その後、第２図図示のクランプ用シリンダ８５
の前進作動により一対のＩビーム５に押し付けら
れているクランプ軸８８の先端に配設されたゴム
部材８９を、Ｉビーム５から離してクランプ装置
８のクランプ状態を解除することにより、第３図
図示のクランプ取付け台８１はナツトランナユニ
ツト３からフリーの状態となるため、戻し用シリ
ンダ４１を作動させるとクランプ取付け台８１は
前述の被組付け部材２の進行方向ａと反対方向に
移動させられているナツトランナユニツト３側に
引き寄せられ、クランプ装置８がナツトランナユ
ニツト３の所定の配置部位に戻るのである。

その後、同期シリンダ６の作動により同期シリ
ンダ６に配設されている同期バー６１が下降し
て、組付けコンベア１上を流れてくる新たな次の
被組付け部材２に同期バー６１を当接させるとナ
ツトランナユニツト３は組付けコンベア１上を流
れる被組付け部材２と同期的に移動するのであ
る。

〔考案の効果〕

以上により明らかなように、本考案にかかる組
付け工具の自動戻し装置によれば、流れ作業によ
り被組付け部材に対して他部材を組付ける組付け
作業において、組付け工具ユニツトに組付け工具
ユニツトの自動戻し装置を配設することによつ
て、組付けラインにおける組付けコンベア上の被
組付け部材に対する組付け工具ユニツトにより組
付け作業する時においては、従来の戻し装置のな
い組付け工具ユニツトと同様にどの位置において
も組付け工具ユニツトを軽快に動かすことがで
き、組付け作業が終了したら組付け工具ユニツト
をその組付け作業終了地点から所定の距離だけ被
組付け部材の反進行方向に戻すとともに、その位
置から次に流れてくる被組付け部材と組付け工具
ユニツトが同期的に流れるようにするとにより、
組付け工具ユニツトが必ず組付けコンベア上を流
れてくる新たな次の被組付け部材の上において待
機された状態となり、もつて、被組付け部材に対
する他部材の組付け作業性を著しく向上させるこ
とができる利点がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本考案の組付け工具ユニツトの自動
戻し装置を装着したナツトランナユニツトの全体
図、第２図は、本考案の組付け工具ユニツトの自
動戻し装置の詳細を示す平面図、第３図は、本考
案の組付け工具ユニツトの自動戻し装置の詳細を
示す正面図、第４図は、本考案の組付け工具ユニ
ツトの自動戻し装置の詳細を示す側面図、第５図
は、本考案を構成する各装置の作動状態を示すタ
イムチヤートを示す図、第６図は、従来のスプリ
ング方式によるナツトランナユニツトの自動戻し
装置の全体図である。 １……組付けコンベア、２……被組付け部材、
３……ナツトランナユニツト、３１……ナツトラ
ンナユニツト取付台、４……戻し装置、４１……
戻し用シリンダ、４２……作動軸、５……Ｉビー
ム、６……同期シリンダ、６１……同期バー、７
……滑車、８……クランプ装置、８１……クラン
プ取付け台、８２……クランプ用シリンダ、８３
……スライド軸、８４……リニアウエイベアリン
グ、８５……クランプ作動軸、８６……クランプ
継手、８７……軸受部、８８……クランプ軸、８
９……ゴム部材、９……スプリング、ａ……被組
付け部材の進行方向。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 流れ作業により被組付け部材に他部材を組付け
   た後、組付け作業に使用した組付け工具ユニツト
   を自動的に被組付け部材の反進行方向に所定距離
   だけ戻すための組付け工具ユニツトの自動戻し装
   置であつて、 前記組付け工具ユニツトにナツトランナユニツ
   ト取付台を介してに戻し用シリンダが取付けられ
   ており、組付け作業に伴い被組付け部材とともに
   進行した組付け工具ユニツトを組付け作業終了地
   点を起点として、被組付け部材の反進行方向に所
   定距離だけ戻す戻し装置と、ナツトランナユニツ
   ト取付台の上部に配設されたスライド軸上をクラ
   ンプ取付け台により摺動可能に配設され、しか
   も、前記クランプ取付け台上には、クランプ用シ
   リンダが配設されており、このクランプ用シリン
   ダは、前記戻し用シリンダの作動軸に連結されて
   いて、上述の組付け作業終了地点にてクランプ用
   シリンダの作動により一対の走行レールに対して
   クランプ状態もしくはアンクランプ状態とするク
   ランプ装置と、組付け工具ユニツトに被組付け部
   材に臨んで配設され組付けラインの組付けコンベ
   ア上を流れる被組付け部材と共に組付け工具ユニ
   ツトを移動させる同期シリンダとからなり、 被組付け部材に対して他部材に組付け作業する
   時においては、上記クランプ装置がアンクランプ
   状態にあつて、組付け作業を被組付け部材の流れ
   とともに実施可能とされており、被組付け部材に
   対する他部材の組付け作業が終了すると上記クラ
   ンプ装置がクランプ用シリンダにより一対の走行
   レールを内側から押し付けて固定され、前記戻し
   用シリンダにより組付け工具ユニツトを被組付け
   部材の反進行方向に所定距離だけ戻した後、クラ
   ンプ装置をアンクランプ状態として組付け工具ユ
   ニツト上に配設されたスライド軸上を摺動移動さ
   せてクランプ装置を組付け工具ユニツトの所定の
   配置部位に戻すとともに、同期シリンダから同期
   バーを下降させて、組付けラインの組付けコンベ
   ア上を流れてくる新たな次の被組付け部材に当接
   させ組付け工具ユニツトを、被組付け部材と同期
   的に移動させることを特徴とした組付け工具ユニ
   ツトの自動戻し装置。