JPH0269981A - ジョセフソン素子の製造方法 - Google Patents

ジョセフソン素子の製造方法

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JPH0269981A
JPH0269981A JP63221753A JP22175388A JPH0269981A JP H0269981 A JPH0269981 A JP H0269981A JP 63221753 A JP63221753 A JP 63221753A JP 22175388 A JP22175388 A JP 22175388A JP H0269981 A JPH0269981 A JP H0269981A
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秀隆 東野
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紘一 水野
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は金属酸化物超電導体を用いたジョセフソン素子
に関するものである。
従来の技術 比較的高い超電導転移温度を有する材料として、窒化ニ
オブ(NbN)やゲルマニウムニオブ(Nb3Ge)等
が知られていた。またこれらの材料を用いたジョセフソ
ン素子も多く研究されてきた。
しかし、これら材料にしても、その超電導転移温度は高
々24にである。一方、超電導体として、ペロブスカイ
ト系3元化合物は高い転移温度が期待され、Ba−La
−Cu−0系の高温超電導体が提案された[J、G、B
endorz and K、A、Muller、  ツ
ァイト シュリフト フェア フィジーク)  Can
densed  Matter 84,189−193
  (198B)コ。 さらに、Y−Ba−Cu−0系
がより高温の超電導体であることが提案された[M、に
、Wu等、フィジカルレピューレターズ(Physic
al Revlew Letters) Vol、58
.No、il、90B−910(1987)コ。その後
、新たにB I−S r −Ca−Cu−0系、Ti−
Ba−Ca−Cu−〇系の高温超電導材料の提案が成さ
れ、更に高い転移温度を有するものが報告されている。
これら金属酸化物材料の超電導機構の詳細は明らかでは
ないが、転移温度が液体窒素温度以上に高いものもあり
、高温超電導体として従来の金属ニオブ等を用いた2元
系化合物より、より有望な特性が期待される。
発明が解決しようとする課題 しかしながら、これら新しく発見された酸化物高温超電
導体は、現在、主として焼結という過程によって形成さ
れるため、セラミックの粉末或はブロックの形状で利用
されることが多い。一方、この種の材料を実用化する場
合、薄膜化が強く要望されているが、従来の技術では、
素子化に向いた表面平坦度の良い薄膜を形成することは
非常に困難である。まして、きわめて高い精度の加工を
必要とするジョセフソン素子に、この種の材料を用いる
ことは非常に困難とされている。
本発明者らは、この種の材料を例えばスパッタリング法
などの薄膜化手法を用い、比較的低温で堆積させれば、
表面平坦度の優れた金属酸化物超電導薄膜が得られるこ
とを発見し、ジョセフソン素子への応用が期待できるこ
とを確認した。さらに、本発明者らは、金属酸化物超電
導体表面にアルゴンなどの不活性ガスイオンを照射した
ときの超電導特性の変化に着目し、詳細に検討した結果
、照射後は表面のある深さまでの部分はその構造が変化
し、超電導性を示さなくなり、半導体、或は、絶縁体と
して振舞うことを発見した。これら新たな発見を基にし
て、新規なジョセフソン素子を発明した。
課題を解決するための手段 水弟1の発明のジョセフソン素子は、金属酸化物超電導
体からなる少なくとも一対の電極と、上記電極間に上記
金属酸化物超電導体とは異なる構造の金属酸化物からな
る接合層とで構成されたものである。
金属酸化物超電導体としては、たとえば銅元素を含んだ
ものであり、また金属酸化物超電導体として酸素原子の
一部を硫黄原子、または、フッ素原子で置換したもので
あり、また金属酸化物超電導体としてA−B−Cu−0
複合化合物を用いたもので、Aは5c1YN  La1
  およびLa系列元素(原子番号57.59〜60.
62〜71)の内少なくとも1種、BはBa1 Srな
どIIa族元素の内少なくとも1種、かつA、  B元
素とCu元素の濃度は 0.5≦(A+B)/Cu≦2.5 であり、また金属酸化物超電導体として、Bi−Sr−
Ca−Cu−0複合化合物あるいはTi−Ba−Ca−
Cu−0複合化合物を用いることもできる。また、金属
酸化物超電導体を基板上に形成した薄膜で構成してもよ
く、その場合、基板としては、望ましくは、線膨張係数
α>10−[i/℃の材質、あるいは、 (100)面
酸化マグネシウム単結晶、あるいは、R面スピネル単結
晶、あるいは、0面サファイア単結晶、あるいは、3面
サファイア単結晶、あるいは、 (111)面スピネル
単結晶、あるいは、 (110)面スピネル単結晶、あ
るいは、 (100)面チタン酸ストロンチウム、ある
いは、シリコン、ガリウムひ素等の半導体単結晶を用い
ることができる。
木筆2の発明のジョセフソン素子の製造方法は、接合層
の形成の際に、金属酸化物超電導体の表面に、例えば、
アルゴンイオン等の不活性ガスイオンを照射することに
より前記金属酸化物超電導体とは異なる構造の金属酸化
物からなる接合層を形成したのち、金属酸化物超電導体
からなる他方の電極を形成してジョセフソン素子を形成
する。
木筆3の発明のジョセフソン素子の製造方法は、金属酸
化物超電導体の一部分に不活性ガスイオンを照射するこ
とにより、前記金属酸化物超電導体とは異なる構造の金
属酸化物からなる接合層を形成する。
作用 本発明に掛かるジョセフソン素子は、金属酸化物超電導
薄膜を用いているため、従来の焼結体に比べて本質的に
均質な超電導体を用いていること、かつ、その表面に不
活性ガスイオンを照射することによって表面に非超電導
層を形成し、それを接合層として利用するか、または、
金属酸化物超電導体の一部分に不活性ガスイオンを照射
し、結晶構造の異なる接合層を前記金属酸化物超電導体
の内部に形成するため、従来行われてきた蒸着なとで形
成した絶縁膜を超電導体ではさんだ積層構造を利用する
方法に比べて、簡単にまた精度良く接合層を作成できる
ことから、高性能なジョセフソン素子を実現できる。
実施例 本発明を図面と共に説明する。
第1図及び第2図は本発明のジョセフソン素子の1実施
例の斜視図及び断面図である。基板11の表面12上に
、金属酸化物超電導薄膜13.14を例えばスパッタリ
ング法で形成しである。また超電導薄膜13.14の間
には、接合層15を形成しである。接合層15は、あら
かじめ金属酸化物超電導薄膜13の表面に、アルゴン等
の不活性ガスのイオンを照射することにより形成してい
る。不活性ガスイオンの照射により表面付近の非常に浅
い範囲の金属酸化物超電導薄膜の結晶構造を破壊し、そ
の超電導特性を消失させる。従って、超電導薄膜13.
14と、その間の、超電導特性を有しない接合層15と
によって構成される、トンネル型、あるいは、弱結合型
のジョセフソン接合を実現した。
第1図及び第2図において、基板11は、金属酸化物超
電導薄膜13.14の保持を目的としている。この超電
導薄膜13.14は通常数100°Cの高温で形成し、
例えば液体窒素温度(−195°C)の低温で動作させ
るため、特に基板11と超電導薄膜13.14の密着性
が悪くなり、しばしば超電導薄膜13.14が破損する
ことを本発明者らは確認した。さらに本発明者らは、詳
細な基板の熱的特性を各種材料に付いて調べた結果、基
板の熱膨張係数α>10−’/’Cであれば、上記薄膜
の破損がなく、実用されることを確認した。
例えば、α<10−6/’Cの石英ガラスを基板に用い
ると、超電導薄膜13.14には無数の亀裂が入り、実
用に供しにくいことを本発明者らは確認した。
さらに、本発明者らは、第1図の基板11に機能性から
みて、最適の材料があることを見いだした。すなわち、
結晶性の高い金属酸化物超電導薄膜13.14を基板1
1の表面12に形成させるためには、単結晶の基板が有
効である。本発明者らは金属酸化物超電導薄膜にとって
の有効な基板材料を調べた結果、基板として、酸化マグ
ネシウム、サファイア(α−A1203)、スピネル、
チタン酸ストロンチウム、シリコン、ガリウムひ素等の
単結晶が有効であることを確認した。もっとも、これは
表面12に効果的に結晶性の高い超電導薄膜13.14
を成長させるためのものであるから、少なくとも基板表
面12が単結晶であればよい。
本発明のジョセフソン素子に用いているCu元素を含む
金属酸化物超電導体であるA−B−Cu−ol  およ
び、Bi−Sr−Ca−Cu−0、T I−Ba−Ca
−Cu−0系超電導体は結晶構造や組成式がまだ明確に
は決定されていないがN  A  B  Cu−〇につ
いては酸素欠損ペロブスカイト(A、  B)acLl
ao7と言われており、本発明者らは作製された薄膜に
おいて、元素比率が 0.5≦(A+B)/Cu≦2.5 の範囲であれば、臨界温度に多少の差があっても超電導
現象が見いだされることを確認した。
さらに、これら金属酸化物超電導体の酸素原子の一部を
硫黄、或はフッ素原子で置換した場合物理的に安定な薄
膜が得られ、その超電導特性の劣化はみられないことも
本発明者らは確認している。
本発明者らは、この種の結晶基板についてさらに詳細に
調べた結果、この種の結晶性基板の結晶方位についても
、最適方向があることを見いだした。すなわち、サファ
イア単結晶を基板に用いた場合、R面上には例えば(1
00)Si薄膜をヘテロエピタキシャル成長させ、本発
明の超電導薄膜をSO8構造シリコンデバイスに集積化
し得ることを本発明者らは確認した。同様に、0面及び
8面サファイアでは(111)Si薄膜をヘテロエピタ
キシャル成長させこれらのSO8構造のシリコンデバイ
スと集積化させ得ることを本発明者らは確認した。
さらに、0面サファイア単結晶基板では、(111)ガ
リウムひ素薄膜、 (011)窒化がリウム薄膜、 (
111)ガリウム隣薄膜などのl1iV族半導体薄膜を
基板上にヘテロエピタキシャル成長させ、III−V族
生導体デバイスと本発明の層状構造の超電導体とが集積
化されることを本発明者らは確認した。これは例えば超
高速ガリウムひ素デバイスの配線としても本発明の超電
導体の実用されることを示す。さらに、スピネル単結晶
基板では(100)面スピネルを用い、 (100)S
i薄膜あるいは(111)ガリウムひ素が基板表面にヘ
テロエピタキシャル成長させ、サファイア単結晶基板と
同様に、これらSiあるいはガリウムひ素デバイスと本
発明の超電導体と集積化できることを本発明者らは確認
した。
同様に、 (110)面スピネルを基板に用い、(11
0)Si薄膜及び(100)ガリウムひ素薄膜を基板表
面にヘテロエピタキシャル成長させ、これらのSi及び
ガリウムひ素デバイスと集積化できることを本発明者ら
は確認した。さらに、チタン酸ストロンチウム単結晶基
板の場合、(100)面を基板に用いると、成長させた
超電導膜の結晶性が非常に優れているこきを本発明者ら
は発見した。
さらに、本発明のジョセフソン素子の作製方法に関して
、不活性ガス照射による接合層について、本発明者らは
、不活性ガスイオンを超電導薄膜に照射したときの超電
導膜の特性の変化を測定した。
スパッタリング法によってMgO基板上に形成したY−
Ba−Cu−0系超電導薄膜に1keVのエネルギーの
アルゴンイオン(Ar4)を照射した後、その表面に抵
抗測定用の金電極を蒸着し、4端子法によって測定した
薄膜の抵抗の温度変化を第3図に、2つの金電極間の抵
抗の温度変化を第4図に示す。4端子法で測定した場合
、薄膜は、ある臨界温度以下では超電導を示しているに
もかかわらず、4端子のうちの2つの端子間には、明ら
かに電気抵抗が存在する。また、4端子測定では、臨界
温度以上では、温度の上昇に対して抵抗も増加する、い
わゆる金属的な特性を示しているにもかかわらず、2端
子間の抵抗は、逆に温度」上昇に対して抵抗が幾分減少
する、いわゆる半導体的な特性を示している。これらの
測定結果から、アルゴンイオン照射によって、4端子法
では測定できない、超電導薄膜の表面に超電導特性を示
さないで半導体的な抵抗変化特性を有する薄い層ができ
ていることがわかる。このことから、アルゴンイオンの
照射によって超電導薄膜の表面の結晶構造を破壊し、薄
い非超電導層を形成できることが確認できた。また、表
面非超電導層が、超電導膜の結晶構造の破壊によって生
じていることは、X線解析像の観測から、本発明者らは
確認した。
サラに、不活性ガスイオンとして、アルゴン(Ar)だ
けでなく、ヘリウム(He)、ネオン(Ne)、クリプ
トン(Kr)、キセノン(Xe)等の他の不活性ガスイ
オンでも同様の結果が得られることを、本発明者らは確
認した。さらに、数100〜数keV程度のエネルギー
を持つ不活性ガスイオンを超電導薄膜に照射した場合、
表面非超電導層の厚さが、エネルギーに応じて変化する
ことから、イオンエネルギーによって、表面非超電導層
、つまりは、ジョセフソン接合層の厚さを制御できるこ
とを、本発明者らは確認した。
この様な、イオン照射、或は、イオン注入法を用いて、
金属酸化物超電導体に損傷を与えて、超電導特性を消失
させる手法は、特に、水素イオンや塩素イオンなど化学
的に活性なイオンを用いて行う例が報告されている。し
かし、金属酸化物超電導体は良く知られているように、
超電導体形成の際に粒成長を伴うことから、粒界が多く
存在する。超電導体の表面から進入した不純物は、この
粒界を通して極めて早く超電導体の深部まで拡散する。
したがって、化学的に活性なイオンを表面に、たとえ低
エネルギーで照射した場合でも、その化学的影響は超電
導体の深部にまでおよび、表面の薄い部分のみの超電導
性を消失させることは不可能である。したがって、従来
のこの様な活性な原子のイオンを用いた方法では、本発
明にかかるジョセフソン素子の接合層のような、極めて
薄い非超電導層を金属酸化物超電導体の表面に形成する
ことは不可能であった。本発明者らは、不活性ガスイオ
ン照射では、純粋に物理的な効果のみによって超電導性
が消失し、周辺に拡散したガスイオンは超電導特性にほ
とんど影響を与えない点に着目し、この様な粒界が多く
存在する金属酸化物超電導体の微小領域の特性制御にと
っては、不活性ガスイオンを照射することが極めて有効
な手段であることを確認し、この不活性ガスイオン照射
を非常に高精度な界面制御が要求されるジョセフソン素
子に適用したところが本発明の特徴の一つである。
(具体的実施例) 酸化マグネシウム単結晶を基板11として用い、その(
100)面を表面12とした。まず、金属酸化物超電導
薄膜13を焼結したYBaCuOターゲットを用いた高
周波プレーナマグネトロンスッパタにより行った。スパ
ッタ条件は、Ar+02混合ガスの圧カニ 0.4Pa
1 ガス混合比Ar:02=3= 2、スパッタ電カニ
150W1 スパッタ時間: 1時間で、薄膜の厚さ5
00nm1 基板11の温度650 ’Cであった。薄
膜の超電導転移温度は90にであった。またこの金属酸
化物超電導薄膜13の表面はジョセフソン接合を形成す
るのには十分の平坦度を有していた。次に、この金属酸
化物超電導薄膜13の表面に接合層15形成のために、
不活性ガスの一つであるアルゴンによるイオン照射を行
った。アルゴンイオン照射には、カウフマン型イオン源
を持つイオン照射装置を用いた。イオン加速電圧は1k
e■、イオン電流密度は610μA/cm2、で4分間
のイオン照射を行った。最終的な金属酸化物超電導薄膜
13へのイオン照射量は約9.lX101フイオン/c
m2になるが、イオンの衝撃によって表面がエツチング
され、実際に薄膜表面に残っているアルゴン原子数はこ
のイオン照射量よりも遥かに少なくなっているものと考
えられる。このアルゴンイオン照射によって、金属酸化
物超電導薄膜13の表面に接合層15として、非常に薄
い非超電導性の層ができていることを確認した。更に、
この接合層15の上に、金属酸化物超電導薄膜14を同
じく高周波マグネトロンスパッタリングにより形成した
薄膜14の厚さは500nmであった。
金属酸化物超電導薄膜13と14間の電圧電流特性を測
定した結果、第5図に示すようなジョセフソン電流と準
粒子トンネル電流が観測された。
更に、接合層15に10GHz程度のマイクロ波を照射
したとき、電流を増減させると、約20μV程度の階段
状の電圧変化、いわゆるシャピロ(Shapjro)ス
テップが観測され、これらのことからジョセフソン素子
が形成されたことを確認した。
上記実施例では、不活性ガスイオンとしてアルゴンイオ
ンを用いて接合層の形成を行ったが、アルゴンイオンの
他に、ヘリウム、ネオン、クリプトン、キセノンの各不
活性ガスのイオンを用いても同様にジョセフソン素子が
形成できることを確認している。
A−B−Cu−0系金属酸化物超電導体では、構成元素
AおよびB構成比率の変化による超電導特性の変化の詳
細は明らかではない。ただ、Aは3価、Bは2価を示し
ているのは事実である。A元素としてYについて例を挙
げて説明したが、SCやLaさらにはランタン系の元素
(原子番号57〜71)でも、超電導転移温度が変化す
る程度で本質的な発明の特性を変化させるものではない
また、B元素においても、Sri  Ca1 Ba等I
Ia族元素の変化は超電導転移温度をIOK程度変化さ
せるが、本質的に本発明の特性を変えるものではない。
さらに、Cu元素を含む金属酸化物材料として、Bi−
Sr−Ca−Cu−0系、Ti−Ba−Ca−Cu−0
系超電導体においてもその結晶構造など知られていない
ことが多いが、本発明者らは、A−B−Cu−0系と同
様、従来のマグネトロンスパッタリング法を用い、基板
温度や雰囲気、高周波電力などを正確に制御すれば、超
電導薄膜を形成でき、A−B−Cu−0系を用いた場合
と同様に、ジョセフソン素子を実現できることを確認し
た。
その際の超電導転移温度はA−B−Cu−0系よりも高
い100に前後、あるいは、それ以上のものが得られる
ことから、その利用価値も高い。
金属酸化物超電導薄膜の中の酸素原子の一部を硫黄また
はフッ素で置換した場合でも、その超電導特性の劣化は
なく、同様の特性を持つジョセフソン素子が実現できる
ことを確認している。
また、本実施例では電極となる金属酸化物超電導薄膜1
3.14を接合層15で挟んで積層する構造を示したが
、第6図に示すように、基板21上に金属酸化物超電導
薄膜23.24が接合層25を挟んで平面上でジョセフ
ソン接合を形成する構造においても同様に本発明の効果
がある。接合層25作製の際のイオン照射に必要なイオ
ンエネルギーについては、注入イオンが接合層25の部
分で金属酸化物超電導薄膜23.24の十分の深さまで
達する必要があるので、超電導膜の膜厚にもよるが数1
00keV程度の加速電圧を用いる必要があると思われ
るが、この点について、本発明者らはまず次のような予
備実験を行なった。MgO単結晶基板上に形成した50
0nmのYBCO超電導薄膜に、150keyの比較的
高エネルギーのアルゴンイオンを照射した場合、電気的
には、絶縁体あるいは半導体的な特性を有し、超電導性
は完全に消失することを確認した。第7図は、アルゴン
イオン照射前後での超電導薄膜のX線回折パターンであ
る。照射前は超電導膜の結晶構造に伴う多くのピークが
みられるが、照射後はそれらはすべてなくなり、アモル
ファス状態に変化したことがわかる。したがって、アル
ゴンイオン照射においては、150key程度の加速電
圧で十分、金属酸化物超電導膜全体の結晶構造は破壊さ
れ、アモルファス状態になることがわかる。
さきに述べたように、この特性変化は、照射イオンの衝
撃による結晶構造の破壊によって起こっているので、膜
内に注入されたアルゴンイオンが、粒界を通して周囲に
拡散した場合でも、イオン照射をしていない領域の超電
導性には影響を与えない。したがって、極めて精度良く
、微細な非超電導領域を形成できる。
これらの点に注目し、実際に第6図に示すジョセフソン
素子を作製した。まず、高周波マグネトロンスパッタリ
ングにより、MgO基板上に500nmのYBCO超電
導薄膜を前記実施例と同じ条件で形成した。集束イオン
ビーム装置を用い、150keVのエネルギーのアルゴ
ンイオンを、電極間のくひれ部分に、第6図に示すよう
にくびれを横切るような線状のパターンで照射を行った
。その後、金属酸化物超電導薄膜23.24間の電圧電
流特性を測定した結果、第5図に示した典型的なジョセ
フソントンネル接合の特性を示した。また、接合層25
に10GHz程度のマイクロ波を照射したとき、電流を
増減させると、約20μV程度の階段状のシャピロステ
ップが観測され、これらのことからジョセフソン素子が
形成されたことを確認した。
上記実施例では、不活性ガスイオンとして、アルゴンイ
オンを用いたが、これに限る必要はなく、ヘリウム、ネ
オン、クリプトン、キセノンなどの他の不活性ガスのイ
オンを用いても同様の特性を持つジョセフソン素子を実
現できることを、本発明者らは確認した。
この製造方法を用いる場合、金属酸化物超電導薄膜を積
層する必要がないので、素子作成の工程が簡略化される
特徴がある。
発明の効果 すでに説明したように、本箱1の発明のジョセフソン素
子はSiあるいはガリウムひ素などの半導体電子デバイ
スとの集積化が可能であると共に、スクイド(Supe
rconductlng Quantum Inter
eference Device:超電導量子干渉計)
等やジョセフソン論理回路などの素子、あるいは非線形
素子などとして実用される。特にこの種の金属酸化物超
電導体の転移温度は室温になる可能性もあり、将来の実
用の範囲は広く、本発明のジョセフソン素子の工業的価
値は高い。
本箱2の発明のジョセフソン素子の製造方法では、ジョ
セフソン素子の接合層を作製する際に、超電導体に不活
性ガスイオンを照射して作製することから、従来上とし
て行われている絶縁膜や金属膜をはさんだ積層構造を利
用するのに比較して、素子作製工程が簡略化され、また
、簡単にまた再現性および精度良く接合層を作成できる
ことから、高性能なジョセフソン素子を容易に実現でき
る。
本箱3の発明のジョセフソン素子の製造方法では、金属
酸化物超電導体の一部分に、比較的商工ネルギーの不活
性ガスイオンの集束ビームを照射することにより接合層
を形成することから、超電導薄膜を積層させる必要がな
くなり、ジョセフソン素子作製工程が極めて簡略化され
、他の電子デバイスとの集積化も容易になる。
【図面の簡単な説明】
第1図及び第2図は本発明のジョセフソン素子の一実施
例の斜視図及び側面図、第3図及び第4図は表面に不活
性ガスイオンを照射した金属酸化物超電導体をそれぞれ
4端子法で測定した抵抗の温度変化及び2つの端子間の
抵抗の温度変化を示す図、第5図は本発明のジョセフソ
ン素子の基本特性図、第6図は本発明のジョセフソン素
子の第2の実施例を示す斜視図、第7図は金属酸化物超
電導体薄膜に不活性ガスイオンを照射する前後でのX線
回折パターン図である。 11.21−φ・基板、12・・・基板表面、13.1
4.23.24・・・金属酸化物超電導薄膜、 15、
25・拳 ・接合層。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 (1)金属酸化物超電導体からなる少なくとも一対の電
    極と、上記電極間に上記金属酸化物超電導体とは異なる
    構造の金属酸化物からなる接合層とで構成されたジョセ
    フソン素子。 (2)金属酸化物超電導体として、銅元素を含むことを
    特徴とする特許請求の範囲第1項記載のジョセフソン素
    子。 (3)銅元素を含む金属酸化物超電導体として酸素原子
    の一部を硫黄原子またはフッ素原子で置換することを特
    徴とする特許請求の範囲第2項記載のジョセフソン素子
    。 (4)銅元素を含む金属酸化物超電導体としてA−B−
    Cu−O複合化合物を用いることを特徴とする特許請求
    の範囲第2項記載のジョセフソン素子。 ここに、AはSc、Y、La、およびLa系列元素(原
    子番号57、59〜60、62〜71)の内少なくとも
    1種、BはBa、SrなどIIa族元素の内少なくとも1
    種、かつA、B元素とCu元素の濃度は 0.5≦(A+B)/Cu≦2.5 (5)銅元素を含む金属酸化物超電導体として、Bi−
    Sr−Ca−Cu−OまたはTi−Ba−Ca−Cu−
    O複合化合物を用いることを特徴とする特許請求の範囲
    第2項記載のジョセフソン素子。 (6)一方の金属酸化物超電導体を基板上に形成するこ
    とを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第5項記載のジ
    ョセフソン素子。 (7)基板を線膨張係数α>10^−^6/℃の材質で
    構成することを特徴とする特許請求の範囲第6項記載の
    ジョセフソン素子。 (8)基板として、(100)面酸化マグネシウム単結
    晶、または、R面サファイア単結晶、または、C面サフ
    ァイア単結晶、または、a面サファイア単結晶、または
    、(111)面スピネル単結晶、または、(110)面
    スピネル単結晶、または、(100)面チタン酸ストロ
    ンチウム、または、シリコン、ガリウムひ素等の半導体
    単結晶を用いることを特徴とする特許請求の範囲第6項
    または第7項記載のジョセフソン素子。 (9)一方の電極である金属酸化物超電導体表面に、不
    活性ガスイオンを照射することにより上記金属酸化物超
    電導体とは異なる構造の金属酸化物からなる接合層を形
    成したのち、金属酸化物超電導体からなる他方の電極を
    形成することを特徴とする特許請求の範囲第1項〜第8
    項記載のジョセフソン素子の製造方法。 (10)金属酸化物超電導体の一部分に不活性ガスイオ
    ンを照射することにより上記金属酸化物超電導体とは異
    なる構造の金属酸化物からなる接合層を形成することを
    特徴とする特許請求の範囲第1項〜第8項記載のジョセ
    フソン素子の製造方法。
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