JPH026979Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、フツクコンベアーに吊り下げられた
線材コイルを切断するためのカツター装置に関す
るものである。

（従来の技術） 従来、第６図に示す如くフツク１に吊り下げら
れた線材コイル２の端部に生じている不良部分を
切捨る場合、レール３に垂設されたカツター４に
よつて切断していた。ところで切断箇所は、不良
部分の長さによつて変わるため、切断箇所が線材
コイルの上部又は下部の場合は、カツター４を矢
印方向に捻らなければならない。しかしカツター
４は重量物であるためかゝる捻り動作は困難で、
通常は一定箇所、例えば中央部を切断していた。
このため線材の良好な部分をも切捨ることにな
り、歩留低下を来たす結果となつていた。

このような問題を解決するために、カツターに
電動機を付設したものがあるが、繁雑な操作を必
要とするとともにカツターが大型化し、作業性に
難点があつた。

（考案が解決しようとする問題点） 本考案は、フツクコンベアーに吊り下げられた
線材コイルの任意位置を容易に切断可能としたも
のである。

（問題点を解決するための手段・作用） 本考案はカツター本体側に回動リングを回動可
能に嵌合し、嵌合面の一方の面に半球面凹部を回
動方向に複数設け、該半球面凹部に球体を押付け
可能に挿嵌して設けるとともに前記回動リングを
バランサーを介して垂設したことを特徴とする線
材コイル用カツターの垂設構造にある。

以下、本考案の実施例を説明する。第５図は従
来法において用いる線材コイル切断用のカツター
での１例を示し、カツター本体４ａに内設された
油圧シリンダー（図示せず）によつて、刃物５−
１が矢印方向へ進行して線材コイル２を切断する
ものである。

第２図は前記カツター４に本考案を適用した例
を示し、６は固定リングであり、カツター本体４
ａに嵌合されボルト（図示せず）によつて固定さ
れて、カツター本体側を構成している。７は固定
リング６に回動可能に嵌合された回動リングであ
る。該回動リング７の嵌合面８には半球面凹部９
が回動方向に複数設けられている。１０は半球面
凹部９に挿嵌された球体、１１は固定リング６に
あけられた貫通孔１２に挿嵌された圧縮バネであ
り、該バネは球体１０に圧接されるとともに貫通
孔１２に螺合された止めボルト１３によつて固定
されている。１４は回動リング７の止めリングで
あり、固定リング６に螺合嵌着されている。１５
は回動リング７に固設された吊金具であり、該吊
金具に第１図のようにワイヤーロープ１６が連結
されている。第１図において３は建屋（図示せ
ず）に架設されたレール、１７は該レールに装着
された台車、１８は該台車に連設された旋廻アー
ム、１９は該旋廻アームに連設されたバランサー
である。

第３図は他の実施例を示し、固定リング６の嵌
合面８に半球面凹部９を回動方向に複数設けると
ともに、該凹部に球体１０を挿嵌し、回動リング
７に貫通孔１２を設け、該貫通孔に圧縮バネ１１
を挿嵌し、該バネを球体１０に押し付けるととも
に止めボルト１３によつて固定したものである。

なお半球面凹部９の深さは球体１０の半径以下
が望ましい。また該凹部９の数はカツターの回動
停止位置を考慮して決定すればよい。球体１０の
数を本例では１個としたが、複数設けてもよい。
また固定リング６とカツター本体４ａとを一体物
で形成してもよい。

第１図において、線材コイル２の上下方向中央
部を切断する場合、カツター４は図の状態でよ
い。線材コイル２の切断箇所が例えば最上部であ
る場合は、カツター４をバランサーの作用によつ
て上昇させるとともに該カツター４を左側に捻る
と、第２図、第３図において、カツター本体４
ａ、固定リング６及び止めリング１４が回動リン
グ７の嵌合面８を摺動回転する。この際、球体１
０は圧縮バネ１１を押して半球面凹部９から外れ
て隣の半球面凹部に挿嵌される。このようにして
カツター４の所望角度の捻りまで球体１０は順次
次の半球面凹部を通過する。そしてカツター４の
所望角度の捻りに相当する半球面凹部に球体１０
が挿嵌されたとき、回動を止める。かくしてカツ
ターをその位置に保持し、線材最上部の所望箇所
を切断する。また線材最下部を切断する場合はカ
ツター４を前記と逆方向に捻つて所望の位置に保
持する。

（考案の効果） 以上のとおり本考案によれば線材コイルの任意
箇所を容易に切断可能であるため、例えば線材コ
イル端部に生じる不良部分を切捨てる場合、不良
部分のみが切捨可能である。したがつて特に線材
が大径の場合、歩留向上に著しい効果が得られ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図乃至第４図は本考案の実施例を示す図、
第１図は全体図、第２図、第３図、第４図は部分
図、第５図は線材コイル切断用のカツター（従来
例）を示す図、第６図は従来のカツターによる切
断を示す図。 ４……カツター、４ａ……カツター本体、６…
…カツター本体側を構成する固定リリング、７…
…回動リング、８……嵌合面、９……半球面凹
部、１０……球体、１１……圧縮バネ、１９……
バランサー。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. カツター本体側に回動リングを回動可能に嵌合
   し、嵌合面の一方の面に半球面凹部を回動方向に
   複数設け、該半球面凹部に球体を押付け可能に挿
   嵌して設けるとともに前記回動リングをバランサ
   ーを介して垂設したことを特徴とする線材コイル
   用カツターの垂設構造。