JPH026912Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 この考案は、粘着式塵取りタツクに関する。

従来、衣服等に付着した塵埃類を簡単に除去す
るための器具として、回転可能に支持したロール
外面に粘着層を設け、これを衣服表面に沿わせて
回転させ、塵埃類を粘着除去するものが知られて
いる。

上記塵埃類除去用器具は、布目の間に入り込ん
だ塵埃類であつても比較的確実に除去することが
でき、好ましい清掃効果を発揮するのであるが、
使用に際し、ロールが必要であり、又、ロール外
周面の粘着シートを定期的に交換しなければなら
ず、使用が面倒であり、又、取り替える際には塵
埃類の付着した粘着シートを直接支持するから不
潔感を与えるなどの欠点があつた。

一方、粘着面を用いた軽便使用可能な塵取りタ
ツクとして、例えば実開昭52−95261号公報又は、
実開昭55−133959号公報に開示されているよう
に、粘着面を設けたフイルムにより筒状袋を形成
し、中に手指を挿し込んで使用するものが公知で
あるが、これらのものは粘着層面に仮着された剥
離紙を剥す際、又は使用中に粘着層を設けた基材
が容易に折曲し、粘着面同志が粘着してしまつて
使用不能になることが往々にしてある欠点があつ
た。

さらに、手指を挿し込んで軽便使用できるもの
として実開昭50−125456号、同57−8062号が公知
であるが、これらは手指を挿し込むための筒状部
を形成するフイルムが基材背面側にその周縁同志
を積層接着しているから手指挿入時の拡大変形時
に上記フイルムが剥がれやすく、使用不能となる
ことが多いといつた欠点があつた。

また、剥がした剥離紙は、そのまま廃棄され不
経済であるといつた欠点もあつた。

この考案は、上記欠点に鑑み、気軽に使用出
来、又、粘着層の折曲による相互接着の生じるお
それ、あるいは手指挿入部を形成するフイルムの
剥離も無く、さらに剥離紙も事後的に有効利用で
きる無駄のない粘着式塵取りタツクを提供するこ
とを目的としてなされたものであつて、腰のある
基材の片面に粘着層が形成され、該基材の他面側
には薄層フイルムが、該薄層フイルムと前記基材
との間に手掌が挿し込めるようその巾方向両縁端
部が前記基材の粘着層面側に折り返されて粘着固
定されており、前記粘着層上には前記基材とほぼ
同大とされ、かつ清拭機能を付与する処理の施さ
れた剥離紙が仮着されて成ることを特徴とするも
のである。

以下この考案を実施例により説明する。

第１図はこの考案の実施例の要部拡大断面図、
第２図、第３図は実施例の使用状態を示す平面図
である。

この考案の粘着式塵取りタツク１は、ボール
紙、不織布、プラスチツク板、あるいはアルミ蒸
着を施した不織布等の腰のある基材２の片面に粘
着層３が形成され、この基材２の他面側には厚さ
20μ程度のプラスチツクフイルムなどの薄層フイ
ルム４が、この薄層フイルム４と基材２との間に
第２図に示すように手掌Ｈが挿し込めるよう配設
され、この薄層フイルム４の巾方向両縁端部４
Ａ，４Ａが基材２の片面側へ折り返され粘着層３
面に粘着固定されていると共に、粘着層３上には
基材２とほぼ同じ大きさで、清拭機能を付与する
処理の施された剥離紙６が仮着されて構成されて
いる。

上記実施例における清拭処理としては、剥離紙
６として、薄いシリコンペーパの積層体を用いる
か、あるいは、通常の剥離紙に比べ、多量のシリ
コン塗布量、例えば0.5〜1.0ｇ／m²とされたもの
が用いられる。

尚、剥離紙６の粘着層３上への仮着には、図示
のように、清拭機能を付与する処理の施された面
５を粘着面３側へ対面させて仮着することが清掃
面保護上好ましい。

そして、この考案の粘着織布塵取りタツク１を
使用する場合、第５図に示すように、基材２と薄
層フイルム４との間に手指H′挿し込むと、手指
H′の嵩によつて基材２及びフイルム４は図示の
ように矢印方向へ湾曲する。

このとき、剥離紙６はその端縁部が薄層フイル
ム４の折り返し部４Ａ，４Ａで粘着層３から隔離
されているため、図示のように自然にそり返り、
このそり返り部分６Ａ，６Ａを把持して剥離紙６
を剥がす。

そして粘着層３を露出させた後は、粘着層３を
衣服表面に当てがつて塵埃類を除去するのであ
る。

このとき、基材２は腰の有る材質とされている
ため、鋭角的に折曲することは無く、粘着層３同
志の対面接着は生じない。また、フイルム４は粘
着層３側へ折り返して接着されているから粘着界
面には剪断力のみが加わり剥離しにくくなる。

尚、手掌を挿入する隙間Ｓは一対をなして２個
所あるから他方の手に持ちかえる必要がある場
合、第３図に点線で示すように他側より他の手指
を挿入すれば簡単に持ち変えることができる。

一方、剥がした剥離紙６は、第３図に示したよ
うに清拭機能を付与する処理を施した面５によ
り、例えば靴７などの表面を拭き取り清掃を行う
のである。

尚、剥離紙６で清拭を行う場合、塵取りを行つ
た粘着層３上に、清拭処理をおこなつた面が外側
になるよう剥離紙６を再び粘着固定し、塵取り時
と同様の操作により清拭を行うように用いても良
い。

又、清拭と塵取りとが交互に行えるよう第４図
に示すように基材２の他面側に取付けられる薄層
フイルム４に清拭機能を付与する処理を行つても
良く、この場合、手を挿入したままタツク１を反
転させれば清拭、塵取りの両者を交互に行うこと
ができ便利である。

そして使用後は適宜廃棄するのである。

この考案は、以上のように構成されているか
ら、基材の一面に設けた粘着層が使用中に対面接
着してしまうことが無く、また、粘着層上に仮着
された剥離紙は、基材と薄層フイルムの間に手指
を挿入したときに生じる基材の湾曲により自然に
そり返る状態となり剥離も非常に軽便となる。

しかも使用する材料が安価であり、薄層フイル
ムと基材との接着も、粘着層の粘着力により行う
からホツトメルト等の複雑な製造工程を要せず、
また薄層フイルムは基材の粘着層側へ折り返して
粘着されているから剥がれにくく丈夫であり、さ
らに粘着層から剥された剥離紙もそのまま廃棄す
ることなく、清拭に用いることができるので、資
材の無駄が全くなく、きわめて経済的に使用で
き、さらに構造が簡単でかつ、安価に提供できる
から、使い捨てにしても不経済とならないなど
種々の実用的効果を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案の実施例の要部拡大断面
図、第２図、第３図は使用状態を示す平面図、第
４図は実施例の使用状態を示す断面図、第５図は
実施例の使用状態説明図である。 １……粘着式塵取りタツク、２……基材、３…
…粘着層、４……薄層フイルム、６……剥離紙。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 腰のある基材の片面に粘着層が形成され、該基
   材の他面側には薄層フイルムが、該薄層フイルム
   と前記基材との間に手掌が挿し込めるようその巾
   方向両縁端部が前記基材の粘着層面側に折り返さ
   れて粘着固定されており、前記粘着層上には前記
   基材とほぼ同大とされ、かつ清拭機能を付与する
   処理の施された剥離紙が仮着されて成ることを特
   徴とする粘着式塵取りタツク。