JPH026416Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

従来、眼鏡枠材料として通常、使用されている
ものには、黄銅、洋白、ステンレス等が、主で、
高級品用としてニツケル基合金（例えば、モネ
ル、クロメル等）がある。 一方、眼鏡枠材料の具備すべき条件は、周知の
如く、耐蝕性、バネ性（強度）、ロー付性、加工
性（プレス、切削）、メツキ性に優れていること
である。 これらの条件に対して、前記材料は、それぞれ
一長一短があつて、要求を満たすに至つていない
のが現状である。 例えば、黄銅は安価で加工性、メツキ性は優れ
ているが、耐蝕性に乏しく、又、色沢（装飾性）
の点においても難点がある。又、洋白は強度が、
不充分であり、ロー付時の温度によるヘタリを生
ずる欠点がある。さらにステンレスは耐蝕性、バ
ネ性は優れているが、加工性（プレス、切削）に
難点がある。 一方、ニツケル基合金は、非常に高価である
が、前記条件をある程度、満足し高級品用として
使用されているが、近年においては、常時、携帯
する眼鏡として、その軽量性が要求されるように
なり、この点においては全く、不満足である。
（ステンレスの比重約8.0に対してニツケル基合金
の比重約9.0である。） ところで、近年、チタン製眼鏡が最高級眼鏡と
して注目を集めているのは周知である。 このチタンは、比重が約4.5で他の眼鏡枠材料
（ステンレス約8.0、洋白約8.7、ニツケル基合金
約9.0）に比べ、約半分であり、汗などに対する
耐蝕性はステンレス以上に秀れて居り強度も洋白
と同程度である。（表１参照）

【表】 一方、このチタンの難点としては、加工性が悪
く、プレス金型を痛めやすく、又、強固な自己酸
化被膜を形成してしまうため、ロー付が非常に困
難で、メツキも通常の方法では不可能である。 上述の如く、眼鏡枠材料として優れた特徴を有
するチタンを無垢で使用するのは困難な点が多々
あるので、近年は、チタンを芯材とし、表層部に
銅あるいは銅合金、ニツケルあるいはニツケル合
金を薄く、被覆したクラツド材が使用されてい
る。 このクラツド材料にしても、無垢のチタンがそ
の母材をなしているので、バネ性（強度）の点に
おいては、洋白と同程度であるので、最高級眼鏡
としては不充分である。 本願は上記のような眼鏡枠材料の諸状況に鑑み
改良されたものである。 すなわち、ニツケル基合金が最表層部に有する
ように、ニツケル基合金とチタンを多層に重合接
合した眼鏡枠材料を提案するものである。 本考案材料は、最表層部にはニツケル基合金を
有しているので、耐蝕性、ロー付性、メツキ性が
優れ、その母材はニツケル基合金とチタンが多層
に重合接合しているために、その多層効果によ
り、バネ性（強度）が一層向上し、又、軽量性の
点においても、比重の小さいチタンの存在によ
り、大巾に軽減化され、従来ではみられなかつ
た、眼鏡枠材料の具備すべき条件をすべて満足し
得る材料を得ることができるものである。

【図面の簡単な説明】

第１図；板状の本考案材料の見取図。第２図；
第１図の断面拡大図。 １；ニツケル基合金、２；チタン。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. ニツケル基合金を最表層部に有してなる、ニツ
   ケル基合金とチタンを多積層に重合接合した眼鏡
   枠材料。