JPH0262487B2 - - Google Patents
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- JPH0262487B2 JPH0262487B2 JP60263840A JP26384085A JPH0262487B2 JP H0262487 B2 JPH0262487 B2 JP H0262487B2 JP 60263840 A JP60263840 A JP 60263840A JP 26384085 A JP26384085 A JP 26384085A JP H0262487 B2 JPH0262487 B2 JP H0262487B2
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Classifications
-
- C—CHEMISTRY; METALLURGY
- C01—INORGANIC CHEMISTRY
- C01F—COMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
- C01F7/00—Compounds of aluminium
- C01F7/02—Aluminium oxide; Aluminium hydroxide; Aluminates
- C01F7/16—Preparation of alkaline-earth metal aluminates or magnesium aluminates; Aluminium oxide or hydroxide therefrom
- C01F7/164—Calcium aluminates
Description
産業上の利用分野
本発明は、合成樹脂の充填材として難燃化性に
優れたカルシウムアルミネート水和物の製造方法
の改良に関し、詳しくは粒度が細かく、かつ揃つ
たカルシウムアルミネート水和物微粉末の製造方
法に関する。 従来の技術とその問題点 カルシウムアルミネート水和物、3CaO・
Al2O3・6H2O(以下、C3AH6と略称する)は、合
成樹脂に充填され、、加熱されたとき220〜240℃
で結晶水を離脱させるので、合成樹脂の難燃化に
有用な充填材として用いられている。 このC3AH6を充填材として用いるとき、粒子
径が細かくなる程、顕著な難燃効果が期待される
が、一方、非常に細かい粒子は二次凝集を起し合
成樹脂への分散性が悪くなるので好ましくなく、
1〜3μm程度で粒径の揃つたものが良いとされ
ている。 微粉状C3AH6の製造方法としては、例えば特
開昭50−137400および特開昭59−203727が挙げら
れ、前者は石灰と水酸化アルミニウムを水懸濁下
で水熱合成するに際し、カルシウムアルミネート
系鉱物を種子とし、かつ添加後の組成がほぼ
C3AH6組成と等しくなるように添加し、50℃以
上で反応させるものであるが、この方法では微細
なカルシウムアルミネート鉱物の調製を必要と
し、また添加量も、そのカルシウムアルミネート
鉱物の組成に応じて調節する必要があるなど工程
が煩雑で、結晶粒子径も0.5〜15μmとされる。ま
た、後者では、水酸化アルミニウムと石灰から水
熱合成によりC3AH6を主成分とするものを生成
させ、これをオートクレーブから抜き取り150〜
200℃で加熱処理するものであり、オートクレー
ブを用いる他、得られた水和物をスプレードライ
ヤーで又は加熱乾燥装置−粉砕装置で処理して製
品とするものであり、C3AH6純度が高い反面、
高温乾燥固化したものを微粉砕する必要があるな
どの問題がある。 問題点を解決するための手段 発明者らは、石灰と水酸化アルミニウムから、
C3AH6を水熱合成するプロセスを考察し、この
結晶核となるカルシウムアルミネートの生成と、
これを核としてC3AH6の水熱合成温度で反応さ
せれば、粒子径の揃つた微粉状のC3AH6が得ら
れることを見い出し、この結晶核生成のための前
処理温度と時間について種々検討し、本発明を完
成するに至つた。 本発明に係るカルシウムアルミネート水和物の
製造方法は、石灰と水酸化アルミニウムから水熱
合成により3CaO・Al2O3・6H2Oを主成分とする
微粉末を製造する方法において、石灰と水酸化ア
ルミニウムの水スラリーを60℃以下、2時間以上
で前処理を施し、次に70℃以上で所定時間水熱合
成することを特徴とするものである。 即ち、石灰と水酸化アルミニウムの水スラリー
を先ず60℃以下の適宜温度で処理することによ
り、カルシウムアルミネート水和物合成の結晶核
となる微細な種子を形成(2時間以上処理)せし
め、次に温度をC3AH6の合成に好ましい温度、
70℃以上に昇温して所定時間処理し、所望粒度の
C3AH6を得るものである。 本発明において、原料石灰としては、生石灰、
アセチレン発生残渣、工業用石灰が使用できるが
反応収率の点で、高純度のものが好ましく、同様
に水酸化アルミニウムも市販のものが用いられる
が高純度のものが好ましい。 次に、石灰と水酸化アルミニウムの比率は、モ
ル比でCaO/Al2O3が3/1が基準となるが、2.9
〜3.1の範囲で用いることができ、この範囲以外
では製品C3AH6中の残存水酸化カルシウムまた
は水酸化アルミニウムの量が多くなり、好ましく
ない。また、水スラリーのスラリー濃度は、300
〜600g/(固形分はCa(OH)2+Al(OH)3の合
計で表示)の範囲がよく、300g/以下では生
産性が低く、600g/以上では撹拌が不充分と
なるからである。 前処理温度としては、生長反応が進行する温度
以下とすることが必要で、60℃以下であればよい
が、常温で処理することが経済的である。このと
きの前処理時間としては2時間以上とすることが
必要で、2時間より短かいと充分に微粉の
C3AH6を生成せしめるに必要な種子量を得るこ
とができず、より好ましくは、常温で10時間以上
とするのが良い。 この前処理後、昇温し、C3AH6の結晶成長工
程に移行するのであるが、この昇温速度は過飽和
結晶核の準安定状態から成長過程に移るためで特
に限定されるものではない。 前述の昇温後のスラリーはC3AH6の水熱合成
ではC3AH6以外のカルシウムアルミネート水和
物、例えば4CaO・Al2O3・12H2O等をC3AH6に
転移させると共に、C3AH6自体も生成せしめる
ものであり、その加熱温度としては70℃以上の高
温で反応させるのがよく、70℃以下ではC3AH6
以外のカルシウムアルミネート水和物も生じ、ま
た反応速度も遅くなり好ましくない。次に反応時
間は70℃では40時間以上、120℃では1時間以上、
200℃では5分以上が必要で、この時間以下では
未反応CaOが生成物中に残存し純度が低く好まし
くない。反応温度は100℃以下とすることにより、
圧力容器等の使用を回避できるので、100℃以下
が好ましく、反応時間、反応収率を考慮すると90
℃程度が好ましい。 作 用 本発明においては、前処理と、C3AH6の水熱
合成との二段に別けて処理することにより、反応
が次のように進むものと考えられる。 前処理においては、析出初期段階で過飽和度の
大きい低温状態を維持し、C3AH6以外のカルシ
ウムアルミネート水和物の種子を充分な量析出さ
せ次いでこれらの一次核を結晶核として、水熱合
成温度に上昇させ、C3AH6の反応を実用的範囲
の時間内に完了させるものである。この水熱合成
においては、大量の一次核が存在し、この核によ
る結晶成長が行なわれる結果、微粒かつ粒度分布
の狭いC3AH6が生成するものである。 実施例 以下、本発明を実施例、比較例により、さらに
具体的に説明する。 実施例 1 工業用消石灰と水酸化アルミニウムをCaO/
Al2O3モル比を3.0とし、これに水を加え、スラリ
ー濃度500g/とした。 これを常温(25℃)でステンレス鋼製の4容
器に入れ、24時間撹拌した。 このスラリーを次いで90℃に昇温し、90℃で17
時間撹拌し水熱合成を行なつた。反応終了後、生
成物を乾燥処理し、その物性を調べた。残存CaO
は0.3%と僅かで、X線回折法で測定した結果は
ほとんどC3AH6であり、走査電子顕微鏡で観測
の結果、その単粒子径は1〜2μmであつた。 比較例 1 実施例1と同一の条件で調製した消石灰・水酸
化アルミニウムスラリーを、前処理なしに90℃で
17時間撹拌保持し、水熱合成を行なつた。反応終
了後、生成物を乾燥処理し、その物性を調べたと
ころ、C3AH6を主成分とするもので、その単粒
子径は7〜10μmであつた。 実施例 2 実施例1で用いた工業用石灰・水酸化アルミニ
ウムスラリーを用い、このスラリーを20℃から昇
温速度17.5℃/時で昇温し、4時間後に90℃と
し、90℃で17時間撹拌保持し水熱合金を行なつ
た。 反応終了後、生成物を乾燥処理し、その物性を
調べたところ、ほとんどC3AH6からなり、その
単粒子径は1〜3μmと細かいものであつた。 実施例3〜11、比較例2〜4 実施例1と同様の原料を用い、CaO/Al2O3モ
ル比、スラリー濃度、前処理条件を種々変えて
C3AH6の合成を行なつた。 これらの処理条件および得られた生成物の単粒
子径等を調べた。結果を次の第1表に示す。 なお、比較のため、前処理時間を本発明で規定
した2時間以下とした場合についての結果を同じ
く第1表に付載する。
優れたカルシウムアルミネート水和物の製造方法
の改良に関し、詳しくは粒度が細かく、かつ揃つ
たカルシウムアルミネート水和物微粉末の製造方
法に関する。 従来の技術とその問題点 カルシウムアルミネート水和物、3CaO・
Al2O3・6H2O(以下、C3AH6と略称する)は、合
成樹脂に充填され、、加熱されたとき220〜240℃
で結晶水を離脱させるので、合成樹脂の難燃化に
有用な充填材として用いられている。 このC3AH6を充填材として用いるとき、粒子
径が細かくなる程、顕著な難燃効果が期待される
が、一方、非常に細かい粒子は二次凝集を起し合
成樹脂への分散性が悪くなるので好ましくなく、
1〜3μm程度で粒径の揃つたものが良いとされ
ている。 微粉状C3AH6の製造方法としては、例えば特
開昭50−137400および特開昭59−203727が挙げら
れ、前者は石灰と水酸化アルミニウムを水懸濁下
で水熱合成するに際し、カルシウムアルミネート
系鉱物を種子とし、かつ添加後の組成がほぼ
C3AH6組成と等しくなるように添加し、50℃以
上で反応させるものであるが、この方法では微細
なカルシウムアルミネート鉱物の調製を必要と
し、また添加量も、そのカルシウムアルミネート
鉱物の組成に応じて調節する必要があるなど工程
が煩雑で、結晶粒子径も0.5〜15μmとされる。ま
た、後者では、水酸化アルミニウムと石灰から水
熱合成によりC3AH6を主成分とするものを生成
させ、これをオートクレーブから抜き取り150〜
200℃で加熱処理するものであり、オートクレー
ブを用いる他、得られた水和物をスプレードライ
ヤーで又は加熱乾燥装置−粉砕装置で処理して製
品とするものであり、C3AH6純度が高い反面、
高温乾燥固化したものを微粉砕する必要があるな
どの問題がある。 問題点を解決するための手段 発明者らは、石灰と水酸化アルミニウムから、
C3AH6を水熱合成するプロセスを考察し、この
結晶核となるカルシウムアルミネートの生成と、
これを核としてC3AH6の水熱合成温度で反応さ
せれば、粒子径の揃つた微粉状のC3AH6が得ら
れることを見い出し、この結晶核生成のための前
処理温度と時間について種々検討し、本発明を完
成するに至つた。 本発明に係るカルシウムアルミネート水和物の
製造方法は、石灰と水酸化アルミニウムから水熱
合成により3CaO・Al2O3・6H2Oを主成分とする
微粉末を製造する方法において、石灰と水酸化ア
ルミニウムの水スラリーを60℃以下、2時間以上
で前処理を施し、次に70℃以上で所定時間水熱合
成することを特徴とするものである。 即ち、石灰と水酸化アルミニウムの水スラリー
を先ず60℃以下の適宜温度で処理することによ
り、カルシウムアルミネート水和物合成の結晶核
となる微細な種子を形成(2時間以上処理)せし
め、次に温度をC3AH6の合成に好ましい温度、
70℃以上に昇温して所定時間処理し、所望粒度の
C3AH6を得るものである。 本発明において、原料石灰としては、生石灰、
アセチレン発生残渣、工業用石灰が使用できるが
反応収率の点で、高純度のものが好ましく、同様
に水酸化アルミニウムも市販のものが用いられる
が高純度のものが好ましい。 次に、石灰と水酸化アルミニウムの比率は、モ
ル比でCaO/Al2O3が3/1が基準となるが、2.9
〜3.1の範囲で用いることができ、この範囲以外
では製品C3AH6中の残存水酸化カルシウムまた
は水酸化アルミニウムの量が多くなり、好ましく
ない。また、水スラリーのスラリー濃度は、300
〜600g/(固形分はCa(OH)2+Al(OH)3の合
計で表示)の範囲がよく、300g/以下では生
産性が低く、600g/以上では撹拌が不充分と
なるからである。 前処理温度としては、生長反応が進行する温度
以下とすることが必要で、60℃以下であればよい
が、常温で処理することが経済的である。このと
きの前処理時間としては2時間以上とすることが
必要で、2時間より短かいと充分に微粉の
C3AH6を生成せしめるに必要な種子量を得るこ
とができず、より好ましくは、常温で10時間以上
とするのが良い。 この前処理後、昇温し、C3AH6の結晶成長工
程に移行するのであるが、この昇温速度は過飽和
結晶核の準安定状態から成長過程に移るためで特
に限定されるものではない。 前述の昇温後のスラリーはC3AH6の水熱合成
ではC3AH6以外のカルシウムアルミネート水和
物、例えば4CaO・Al2O3・12H2O等をC3AH6に
転移させると共に、C3AH6自体も生成せしめる
ものであり、その加熱温度としては70℃以上の高
温で反応させるのがよく、70℃以下ではC3AH6
以外のカルシウムアルミネート水和物も生じ、ま
た反応速度も遅くなり好ましくない。次に反応時
間は70℃では40時間以上、120℃では1時間以上、
200℃では5分以上が必要で、この時間以下では
未反応CaOが生成物中に残存し純度が低く好まし
くない。反応温度は100℃以下とすることにより、
圧力容器等の使用を回避できるので、100℃以下
が好ましく、反応時間、反応収率を考慮すると90
℃程度が好ましい。 作 用 本発明においては、前処理と、C3AH6の水熱
合成との二段に別けて処理することにより、反応
が次のように進むものと考えられる。 前処理においては、析出初期段階で過飽和度の
大きい低温状態を維持し、C3AH6以外のカルシ
ウムアルミネート水和物の種子を充分な量析出さ
せ次いでこれらの一次核を結晶核として、水熱合
成温度に上昇させ、C3AH6の反応を実用的範囲
の時間内に完了させるものである。この水熱合成
においては、大量の一次核が存在し、この核によ
る結晶成長が行なわれる結果、微粒かつ粒度分布
の狭いC3AH6が生成するものである。 実施例 以下、本発明を実施例、比較例により、さらに
具体的に説明する。 実施例 1 工業用消石灰と水酸化アルミニウムをCaO/
Al2O3モル比を3.0とし、これに水を加え、スラリ
ー濃度500g/とした。 これを常温(25℃)でステンレス鋼製の4容
器に入れ、24時間撹拌した。 このスラリーを次いで90℃に昇温し、90℃で17
時間撹拌し水熱合成を行なつた。反応終了後、生
成物を乾燥処理し、その物性を調べた。残存CaO
は0.3%と僅かで、X線回折法で測定した結果は
ほとんどC3AH6であり、走査電子顕微鏡で観測
の結果、その単粒子径は1〜2μmであつた。 比較例 1 実施例1と同一の条件で調製した消石灰・水酸
化アルミニウムスラリーを、前処理なしに90℃で
17時間撹拌保持し、水熱合成を行なつた。反応終
了後、生成物を乾燥処理し、その物性を調べたと
ころ、C3AH6を主成分とするもので、その単粒
子径は7〜10μmであつた。 実施例 2 実施例1で用いた工業用石灰・水酸化アルミニ
ウムスラリーを用い、このスラリーを20℃から昇
温速度17.5℃/時で昇温し、4時間後に90℃と
し、90℃で17時間撹拌保持し水熱合金を行なつ
た。 反応終了後、生成物を乾燥処理し、その物性を
調べたところ、ほとんどC3AH6からなり、その
単粒子径は1〜3μmと細かいものであつた。 実施例3〜11、比較例2〜4 実施例1と同様の原料を用い、CaO/Al2O3モ
ル比、スラリー濃度、前処理条件を種々変えて
C3AH6の合成を行なつた。 これらの処理条件および得られた生成物の単粒
子径等を調べた。結果を次の第1表に示す。 なお、比較のため、前処理時間を本発明で規定
した2時間以下とした場合についての結果を同じ
く第1表に付載する。
【表】
なお、得られた生成物は何れもC3AH6を主成
分とし、CaOは水熱合成90℃、17時間処理では
0.3%以下であり、140℃、30分処理では0.5%で
あり、200℃、10分処理では1.0%であつた。この
不純物の量からも水熱合成の温度は約90℃とした
方が好ましいという結果が得られた。 発明の効果 本発明によれば、3CaO・Al2O3・6H2Oを主成
分とし、充填材として優れた難燃性を示すために
必要な微細な粒径を有し、かつ二次凝集により合
成樹脂への分散を阻害しない適度の粒径、即ち1
〜5μmで、かつ粒径幅が2μm以下の狭いものが
得られ、合成樹脂用難燃化充填材として優れたカ
ルシウムアルミネート水和物が製造される。また
製造工程でオートクレーブや結晶核種子を必要と
せず、温度条件を変更し2段処理により製造でき
るので、工程が簡単であり、生産コストの低減を
達成できる利点がある。
分とし、CaOは水熱合成90℃、17時間処理では
0.3%以下であり、140℃、30分処理では0.5%で
あり、200℃、10分処理では1.0%であつた。この
不純物の量からも水熱合成の温度は約90℃とした
方が好ましいという結果が得られた。 発明の効果 本発明によれば、3CaO・Al2O3・6H2Oを主成
分とし、充填材として優れた難燃性を示すために
必要な微細な粒径を有し、かつ二次凝集により合
成樹脂への分散を阻害しない適度の粒径、即ち1
〜5μmで、かつ粒径幅が2μm以下の狭いものが
得られ、合成樹脂用難燃化充填材として優れたカ
ルシウムアルミネート水和物が製造される。また
製造工程でオートクレーブや結晶核種子を必要と
せず、温度条件を変更し2段処理により製造でき
るので、工程が簡単であり、生産コストの低減を
達成できる利点がある。
Claims (1)
- 1 石灰と水酸化アルミニウムから水熱合成によ
り3CaO・Al2O3・6H2Oを主成分とする微粉末を
製造する方法において、石灰と水酸化アルミニウ
ムの水スラリーを60℃以下、2時間以上で前処理
を施し、次に70℃以上で所定時間水熱合成するこ
とを特徴とするカルシウムアルミネート水和物の
製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60263840A JPS62128919A (ja) | 1985-11-26 | 1985-11-26 | カルシウムアルミネ−ト水和物の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP60263840A JPS62128919A (ja) | 1985-11-26 | 1985-11-26 | カルシウムアルミネ−ト水和物の製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS62128919A JPS62128919A (ja) | 1987-06-11 |
JPH0262487B2 true JPH0262487B2 (ja) | 1990-12-25 |
Family
ID=17394952
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP60263840A Granted JPS62128919A (ja) | 1985-11-26 | 1985-11-26 | カルシウムアルミネ−ト水和物の製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPS62128919A (ja) |
Families Citing this family (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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-
1985
- 1985-11-26 JP JP60263840A patent/JPS62128919A/ja active Granted
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS62128919A (ja) | 1987-06-11 |
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