JPH0261527B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ＜産業上の利用分野＞ 開示技術は、タンク等の大型圧力容器の焼鈍に
使用される金属体の熱処理技術の分野に属する。

而して、この発明は、大型の球形タンク等の鋼
製圧力容器の複数部位について熱電対等により温
度検出を行うと共に、ガスバーナーの加熱装置で
該圧力容器の複数部位を個別に加熱し、加熱焼鈍
中で熱処理条件を制御するようにした圧力容器の
全体焼鈍施工方法に関する発明であり、特に、温
度検出信号を電気式等の変換器に入力し、制御信
号に変換して各部位のガスバーナーの加熱装置に
フイードバツクし、ガスの流量を最適熱処理条件
に合わせて各個に自動制御し得るようにした圧力
容器の全体焼鈍施工方法に係る発明である。

＜従来技術＞ 周知の如く、鋼製圧力容器の焼鈍施工方法の種
類には炉内焼鈍施工方法と炉外焼鈍施工方法があ
り、いずれの施工方法においても焼鈍施工時のガ
スバーナーによる熱処理条件、例えば、加熱速
度、冷却速度、保持温度、保持時間、温度偏差等
がその焼鈍結果に大きな影響を及ぼすため、圧力
容器の複数部位の温度を検出して、焼鈍施工時の
温度チヤートを作成し、熱処理条件が設定範囲内
に納まるように熱処理管理者が連続監視を行つ
て、圧力容器に対し所定位置に配設したガスバー
ナーの加熱装置の運転を手動操作し、焼鈍施工の
最適熱処理条件が得られるように制御している。

＜発明が解決しようとする課題＞ しかしながら、上述従来の圧力容器の全体焼鈍
施工方法においては、人為的な操作が多いため、
熱処理条件の制御に要する作業が極めて煩雑であ
るという不都合さがあり、又、操作ミス等を発生
し易いという難点があり、そのため、焼鈍精度が
良くないこともあり、信頼性に欠けるという欠点
もあつた。

この発明の目的は上述従来技術に基づく圧力容
器の全体焼鈍施工方法の問題点を解決すべき技術
的課題とし、焼鈍施工における熱処理条件の管理
が容易に、且つ、確実に行われるようにして、各
種鉄鋼産業における熱処理技術利用分野に益する
優れた圧力容器の全体焼鈍施工方法を提供せんと
するものである。

＜課題を解決するための手段・作用＞ 上述目的に沿い先述特許請求の範囲を要旨とす
るこの発明の構成は、前述課題を解決するため
に、球形タンク等の鋼製圧力容器の複数部位につ
いて熱電対等により温度検出すると共に、ガスバ
ーナーの加熱装置で該圧力容器を加熱焼鈍するよ
うにし、而して、焼鈍中における温度検出信号を
電気式変換器を介して上記ガスバーナーの加熱装
置にフイードバツクし、ガス流量と全体焼鈍施工
に対する最適熱処理条件に合わせて自動制御する
ようにした技術的手段を講じたものである。

＜実施例＞ 次に、この発明の１実施例を図面に従つて説明
すれば以下の通りである。

第１図に示す様に、基礎に載置された鋼製圧力
容器としての球形タンク１の外壁２には設定複数
位置に温度検出体としての熱電対３，３…が付設
され、該タンク１の上部には在来一般態様と同様
に煙道４が付設され、又、下部には超高速燃焼用
のガスバーナー５の加熱装置が臨まされている。

そして、該ガスバーナー５は送風機６に接続さ
れると共に、該ガスバーナー５に対する流量調整
弁７、及び、全体焼鈍用の流量調整弁８を並列に
介装する通路を介して、燃焼ガス供給装置９に接
続されている。

更に、各熱電対３と流量調整弁８とにはコンピ
ユータ制御式の変換器１０が接続され、一方、ガ
スバーナー５、及び、流量調整弁７は他の変換器
１１を介して各熱電対３に電気的に接続されてい
る。

又、ガスバーナー５は第２図に詳示されている
様に、複数のノズル１２，１２…を有しており、
各流量調整弁７に接続され、その先端はタンク１
内で放射状に屈曲されてソリ状に形成されて該タ
ンク１の各面部位に指向されている。

尚、上記変換器１０，１１の加熱、冷却速度、
及び設定温度偏差域が予めプログラムされてい
る。

そして、１３は保温材である。

而して、タンク１全体を焼鈍している過程にお
いて、各熱電対３は連続的に焼鈍温度を検出し、
その検出信号は変換器１０により電気信号に変換
され、加熱、冷却速度が設定範囲から外れた場合
には、該変換器１０を介して全体焼鈍用の流量調
整弁８の開度を自動的に調整し、設定熱処理温度
に制御する。

又、例えば、一部位の温度偏差が設定範囲から
外れた場合には、他の変換器１１を介して所定に
各流量調整弁７の開度を自動的に調整し、燃焼ガ
ス供給装置９からのガスの設定部位ごとに加熱す
るノズル１２，１２…の流量を調整して設定温度
偏差範囲内にコンピユータ等を介して自動的に加
熱制御する。

尚、この発明の実施態様は上述実施例に限るも
のでないことは勿論であり、他の種々の態様が採
用可能である。

＜発明の効果＞ 以上、この発明によれば、球形タンク等の圧力
容器のガスバーナーの加熱による全体焼鈍施工の
操作が容易になり、操作ミス等を無くなり、信頼
性も向上出来るという優れた効果が奏される。

而して、圧力容器の複数部位の温度を検出し、
温度検出信号を変換器を介してガスバーナーによ
る加熱操作にフイードバツクし、該ガスバーナー
へのガス流量を最適熱処理条件に合わせて自動制
御するようにしたことにより、焼鈍施工の人為的
操作が著るしく減少し、操作は容易になり、その
結果、操作ミス等による焼鈍施工不良が無くな
り、信頼性も極めて向上されるという優れた効果
が奏される。

【図面の簡単な説明】

図面はこの発明の１実施例を示すものであり、
第１図は全体概略説明図、第２図は加熱系統要部
断面図、第３図は第２図の−矢視図である。 １……圧力容器、３……温度検出体、５……ガ
スバーナーの加熱装置、１０……変換器、１１…
…変換器。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋼製圧力容器の複数部位の温度検出をすると
   共に複数部位をガスバーナーにより加熱しながら
   熱処理条件を制御するようにした圧力容器の全体
   焼鈍施工方法において、温度検出信号を変換器を
   介して上記各複数部位に対するガスバーナーによ
   る加熱装置に各々フイードバツクし、該各ガスバ
   ーナーの加熱装置に対するガスの流量を最適熱処
   理条件に合わせて制御するようにすることを特徴
   とする圧力容器の全体焼鈍施工方法。