JPH0259113B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［発明の技術分野］ 本発明はエスカレータ（動く歩道も含む）の制
動距離を測定する際に使用されるエスカレータの
制動距離記録測定装置に関する。

［発明の技術的背景とその問題点］ 一般に、エスカレータにおいては、乗客を安全
に輸送するため、各種の安全装置が設置されてい
る。

そしてこれらの安全装置のうち、いずれの安全
装置が働いてもエスカレータの運転がただちに停
止されるように構成されている。

ところで、上記安全装置によつてエスカレータ
の運転が停止された時に、乗客がエスカレータを
利用していた場合、慣性により転倒する恐れがあ
る。

このためエスカレータの制動距離は、停止時の
慣性を緩和するため、停止指令がでてから所定の
距離内で減速して停止するように設定されてい
る。

したがつて、エスカレータの定期点検時にその
制動距離を測定して所定の制動距離内でエスカレ
ータが停止するように保守することが行なわれて
いる。

従来、この制動距離の測定方法は、第４図に示
すように、エスカレータ１を上昇運転させ、下部
乗場２において踏段３の端がくし板４を通過する
瞬間を目視によつて確認し停止スイツチを操作す
る。このときから踏段３は、一般に150〜200mm移
動して停止する。そこで、くし板４から150〜200
mm移動した踏段３の端までを測定してこの長さを
停止距離としていた。

しかしながら、このような従来のエスカレータ
の制動距離の測定方法では、目視による停止指令
を行うため、測定者の技量により測定誤差が生じ
やすい、よつて測定にバラツキが生じるため、エ
スカレータを所定の制動距離内で停止するように
保守することが非常に困難であつた。

［発明の目的］ 本発明は、かかる従来の難点を解消すべくなさ
れたもので、エスカレータの制動距離を正確かつ
容易に測定することのできるエスカレータの制動
距離記録測定装置を提供することを目的としてい
る。

［発明の概要］ すなわち、本発明のエスカレータの制動距離記
録測定装置は、エスカレータの固定部分もしくは
移動部分に仮固定され該エスカレータの前記固定
部分もしくは移動部分と相対移動する移動部分も
しくは固定部分に接触可能な記録ペンと、この記
録ペンを前記エスカレータの移動部分もしくは固
定部分に当接させる駆動装置と、前記エスカレー
タの運転が停止したとき前記駆動装置を作動させ
る制御装置とを備えたことを特徴としている。

［発明の実施例］ 以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に
説明する。

第１図は本発明の一実施例のエスカレータの制
動距離記録測定装置を示すもので、同図におい
て、１１は記録装置を示している。この記録装置
１１の本体１２内には、電磁コイル１３が配設さ
れており、この電磁コイル１３の中心には、電磁
コア１４が配設されている。この電磁コア１４の
先端には、可動腕１５の一端が回転可能に取付け
られており、この可動腕１５のほぼ中間部分は、
本体１２に固定されたブラケツト１６に回転可能
に取付けられている。また可動腕１５の他端（先
端）には、支持金具１７が取付けられており、こ
の支持金具１７により記録ペン１８が支持されて
いる。この記録ペン１８としては、たとえば水性
ペン、油性ペン、フエルトペン、クレヨン、白墨
および石墨などが用いられる。

また上述した電磁コイル１３は、この電磁コイ
ル１３から延長したリード線１３ａを複式切替ス
イツチ１９の接点１９Ａに電源回路２０を介して
接続されている。また複式切替スイツチ１９の接
点１９Ｂには、エスカレータ駆動回路２１とエス
カレータ安全回路２２との間に設けられた主スイ
ツチ２３から直列に延長されたリード線２４が接
続されている。

このように構成されたエスカレータの制動距離
記録測定装置は、以下に述べるようにして使用さ
れる。

第２図に示すように、まず、エスカレータ駆動
回路２１（第１図に示す）とエスカレータ安全回
路２２（第１図に示す）との間に設けられた主ス
イツチ２３に接続されたリード線２４を複式切替
スイツチ１９の接点１９Ｂ（第１図に示す）に接
続し、また、複式切替スイツチ１９の接点１９Ａ
（第１図に示す）に記録装置１１の電磁コイル１
３のリード線１３ａを接続する。

次に、記録装置１１をエスカレータ２５の下部
乗場近傍でエスカレータ２５の側面のスカートガ
ード２６に、たとえば粘着テープや磁石などを用
いて仮固定する。このとき、複式切替スイツチ１
９を操作して記録ペン１８がエスカレータ２５の
踏段２７に接触するようにその取付位置の調整を
行なう。

このような制動距離記録測定装置とすることに
よりその測定方法は、まず主スイツチ２３を開放
した状態で、エスカレータ２５を上昇運転する。
次に、エスカレータ２５が通常速度に達した後、
複式切替スイツチ１９を操作すると記録装置１１
側の接点１９Ａが閉じる。

この複式切替スイツチ１９の操作により、主ス
イツチ１３側の接点１９Ｂが開放され、エスカレ
ータ安全回路２２が働いた状態となり、エスカレ
ータ駆動回路２１に停止指令が出され、エスカレ
ータ２５が減速しこの後停止する。

また接点１９Ａの動作により、瞬時に記録装置
１１の電磁コア１４が上昇し、可動腕１５がブラ
ケツト１６を中心に回転して可動腕１５の先端が
降下し記録ペン１８がエスカレータ２５の踏段２
７に接触する。そして、記録ペン１８により踏段
２７にマーキングが施されこのマーキングは踏段
２７が惰性で移動して停止するまで施される。

そしてこのマーキング部分の長さを、たとえば
メジヤーなどにより測定する。したがつて、この
測定した長さがエスカレータ２５の制動距離であ
る。

この実施例では、複式切替スイツチ１９を操作
することにより、エスカレータ駆動回路２１に停
止指令を出してエスカレータ２５を制動させ、こ
れと同時に記録装置１１が作動して記録ペン１８
により踏段２７にマーキングを施すように構成
し、このマーキング部分の長さを測定するように
したので、エスカレータの制動距離を正確かつ容
易に測定することができる。

なお、以上説明した実施例では、エスカレータ
２５のスカートガード２６に記録装置１１を仮固
定して踏段２７に記録ペン１８を接触させること
によりマーキングを施すように構成した例につい
て述べたが、第３図に示すように、エスカレータ
２５の内側板２８に記録装置１１を仮固定してハ
ンドレール２９に記録ペン１８を接触させてマー
キングを施すようにしてもよく、また踏段２７上
あるいは、ハンドレール２９上に紙等の記録部材
（図示省略）を配置してこの記録部材にマーキン
グを施すようにして測定結果を残すようにしても
よい。

また、以上説明した各実施例では、記録装置１
１をエスカレータ２５の固定部分であるスカート
ガード２６あるいは内側板２８に仮固定し、エス
カレータ２５の移動部分である踏段２７あるいは
ハンドレール２９（またはそれらの上に配置した
紙等の記録部材）に記録ペン１８を接触させるよ
うに構成した例について述べたが、記録装置１１
をエスカレータ２５の移動部分である踏段２７あ
るいはハンドレール２９に仮固定し、エスカレー
タ２５の固定部分であるスカートガード２６ある
いは内側板２８（またはそれらの上に配置した紙
等の記録部材）に記録ペン１８を接触させるよう
に構成してもよいことはもちろんである。

また、さらに上述した各実施例では、記録ペン
１８を作動させる駆動装置として電磁コイル１３
および電磁コア１４を備えた記録装置１１を使用
したが、たとえばエアシリンダ、モータ等を用い
てもよく、さらに駆動装置である記録装置１１を
作動させる制御装置として複式切替スイツチ１９
を用いたが、タイマー、その他のスイツチ等を使
用してもよい。

［発明の効果］ 以上説明したように本発明のエスカレータの制
動距離記録測定装置は、エスカレータの固定部分
もしくは移動部分に仮固定されエスカレータの固
定部分もしくは移動部分と相対移動する移動部分
もしくは固定部分に接触可能な記録ペンと、記録
ペンをエスカレータの移動部分もしくは固定部分
に当接させる駆動装置と、エスカレータの運転が
停止したとき駆動装置を作動させる制御装置とか
ら構成したので、エスカレータの制動距離を正確
かつ容易に測定することができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例のエスカレータの制
動距離記録測定装置を説明するための図、第２図
および第３図はそれぞれ第１図のエスカレータの
制動距離記録測定装置の使用状態を示す斜視図、
第４図はエスカレータを示す斜視図である。 １１……記録装置、１３……電磁コイル、１４
……電磁コア、１５……可動腕、１７……支持金
具、１８……記録ペン、１９……複式切替スイツ
チ、２１……エスカレータ駆動回路、２２……エ
スカレータ安全回路、２３……主スイツチ、２５
……エスカレータ、２６……スカートガード、２
７……踏段、２８……内側板、２９……ハンドレ
ール。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ エスカレータの固定部分もしくは移動部分に
   仮固定され該エスカレータの前記固定部分もしく
   は移動部分と相対移動する移動部分もしくは固定
   部分に接触可能な記録ペンと、この記録ペンを前
   記エスカレータの移動部分もしくは固定部分に当
   接させる駆動装置と、前記エスカレータの運転が
   停止したとき前記駆動装置を作動させる制御装置
   とを備えたことを特徴とするエスカレータの制動
   距離記録測定装置。 ２ エスカレータの記録ペンの接触する移動部分
   もしくは固定部分には紙等の記録部材が配置され
   ている特許請求の範囲第１項記載のエスカレータ
   の制動距離記録測定装置。