JPH0259030B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、鋳型から取り出して型ばらしされた
製品にバイブレータピストンで振動を与えて中子
砂を落とすように成された砂型鋳造品の砂落し装
置に関する。

〔従来技術とその問題点〕

鋳型から取り出された製品にバイブレータピス
トンで振動を与えて砂落しする装置は、通称ノツ
クアウトマシンと呼ばれ、油砂や合成樹脂砂のよ
うに比較的砂離れのよいものに有効であり短時間
に処理できるという利点がある。

しかしながら、この種従来の砂落し装置は、作
業者が一々製品を手に持ち、これをバイブレータ
ピストンによつて水平方向に振動せられる一対の
アンビル間に置いて砂落しする型式のものが一般
的であり、この場合には砂落し作業の能率が悪い
という問題があつた。

また、このように製品を手で持つことなく、自
動的にバイブレータピストンで振動を与えるよう
にした場合には、製品から砂離れした鋳物砂の一
部が落下せずにその表面に残存するという問題が
あつた。

〔発明の目的〕

そこで本発明は、砂落し作業を自動化してその
作業能率を向上させると同時に、バイブレータピ
ストンの振動によつて製品の表面から砂離れした
鋳物砂を残存させることなく確実に落下させるこ
とができ、しかも落下した砂の回収も極めて容易
に且つ効率的に行い得る鋳型鋳造品の砂落し装置
を提供することを目的とする。

〔発明の構成〕

この目的を達成するために、本発明は、鋳型か
ら取り出された製品にバイブレータピストンで振
動を与えて砂落しするように成された砂型鋳造品
の砂落し装置において、所定の砂落し位置に搬入
された製品を支持する水平な床面の真下に、バイ
ブレータピストンの振動で砂落しされた鋳物砂を
回収する砂回収口が開口形成されると共に、前記
床面が、製品を砂落し位置に搬入出する際の水平
状態から、砂回収口に向かつて所要角度だけ下方
に傾斜した状態になるように、開閉可能に構成さ
れ、当該床面が傾斜状態になつた時に、その床面
上に支持された製品が、当該製品に振動を与える
バイブレータピストンに相対せられるように成さ
れていることを特徴とする。

〔発明の作用〕

本発明によれば、所定の砂落し位置に搬入され
た製品がこれを支持する床面と共に所要角度だけ
下方に傾斜せられた状態でバイブレータピストン
により振動を与えられるから、製品の表面から離
れた鋳物砂がその傾斜に沿つて確実に落下し、製
品の表面に残存することが防止される。

また、製品の表面から落下する鋳物砂は、当該
製品を支持する床面上に降り積もらずに、その床
面の傾斜に案内されて、当該床面の真下に開口す
る砂回収口に落とし込まれるから、砂落しした鋳
物砂の回収を極めて容易に且つ効率的に行うこと
ができる。そして、砂落し作業が終了すると、床
面を元の水平状態に戻して、シリンダ等による製
品の搬入出作業を行うことができる。

〔実施例〕

以下、本発明を図面に示す具体的な実施例に基
づいて説明する。

第１図は本発明による砂落し装置の一例を示す
正面側断面図、第２図はその側面側断面図であ
る。

図中、１は多数のバイブレータピストン２，２
……を配設したケーシング、３はケーシング１内
に製品Ｗを搬入出する台車、４はケーシング１の
後方に水平に配設された製品移送用シリンダ、５
はケーシング１内に配設されて水平状態から下方
に所要角度だけ開閉し得るように構成された床面
である。

ケーシング１は、製品Ｗの搬入出口６に扉開閉
用シリンダ７によつて上下に開閉される扉８が配
設されると共に、底部に排砂ホツパ９が配設され
ている。排砂ホツパ９の排出口１０には、シリン
ダ１１で開閉される排砂ダンパ１２が配設され、
その下方にはベルトコンベア１３が配設されてい
る。

バイブレータピストン２，２……は、所定の配
列で一体的に並設されて台車１５に取り付けられ
ると共に、各先端部が相対する製品Ｗの凹凸部に
対応するように互いに前後して配設されている。

このバイブレータピストン２，２……を取り付
けた台車１５は、その上端がシリンダ１６のロツ
ドヘツド１７に連結されたチエーン１８によりス
プロケツト１９を介して上方から懸吊され、その
左右に配設された車輪２０，２０……により所要
角度傾斜して配設された一対のレール２１，２１
に案内されて上下に所定距離だけ往復走行せられ
るように成されている。

ケーシング１内の床面５は、第１図で見てその
右端が回転軸２２により回動可能に支持されると
共に、その左端がチエーン２３により台車１５と
連結されて、台車１５の往復走行に連動して下方
に所要角度だけ開閉されるように成されている。

なお、第１図において２３は、下方に開放され
る床面５をバイブレータピストン２，２……の先
端と直交して相対する角度に止めるためのストツ
パであつて、該ストツパ２３の下端に前記排砂ホ
ツパ９の砂回収口２４が開口形成されている。

また、床面５上には、ケーシング１の搬入出口
６の前方に敷設されたレール２５と連設されたレ
ール２６が敷設され、製品Ｗを載置固定した台車
３が製品移送用シリンダ４のロツドヘツド２７に
連結されて、該シリンダ４のピストンロツド２８
を伸縮させることにより、レール２５及び２６間
を往復走行せられて、ケーシング１内への製品Ｗ
の搬入出を行うように成されている。

以上が、図面に示す砂落し装置の概略構成であ
り、次にその動作について説明する。

まず、扉開閉用シリンダ７を作動させて扉８を
上方に引き上げ、ケーシング１の搬入出口６を開
放する。そして、製品移送用シリンダ４を作動さ
せてそのピストンロツド２８を伸長させ、ロツド
ヘツド２７に連結された台車３をケーシング１の
前方に敷設されたレール２５上に位置させて、該
台車３上に鋳型から取り出して型ばらしされた製
品Ｗを載置固定する。

次に、再びシリンダ４を作動させて、今度はそ
のピストンロツド２８を収縮させ、製品Ｗを載せ
た台車３をレール２５からレール２６上に移行す
るように走行させてケーシング１内に搬入する。

また、これと同時に扉開閉用シリンダ７とシリ
ンダ１１を作動させ、扉８と排砂ダンパ１２を閉
じてケーシング１の搬入出口６と排砂ホツパ９の
排出口１０を夫々閉塞し、ケーシング１内を完全
に密閉する。

この状態で、シリンダ１６を作動させてそのピ
ストンロツドを伸長させ、そのロツドヘツド１７
に連結されたチエーン１８で懸吊された台車１５
をレール２１，２１に沿つて下方に走行移動させ
る。これにより、台車１５に対してチエーン２３
で連結された床面５が、回転軸２２を支点として
下方に自動的に回動せられて、その下面がストツ
パ２３に当接して所要角度だけ傾斜せられた状態
に保持され、台車３上に載置固定された製品Ｗの
上面がバイブレータピストン２，２……の先端と
直交するように相対せられることとなる。

そして、各バイブレータピストン２を作動させ
て製品Ｗの表面に振動を与え、製品Ｗに付着する
鋳物砂を砂離れさせる。

このとき、各バイブレータピストン２の先端が
製品Ｗの凹凸部に対応して互いに前後するように
配設されているから、製品Ｗに対して確実にその
振動を与えることができると共に、製品Ｗが床面
５と共に所要角度だけ傾斜せられているから、砂
離れが良好であると同時に離れた鋳物砂が製品Ｗ
の表面に残存することなく確実に落下する。

また、落下した鋳物砂は、傾斜する床面５の下
端部側に総て集合せられて、排砂ホツパ９の砂回
収口２４から確実に回収される。

このようにして砂落しが終了すると、バイブレ
ータピストン２，２……の作動を停止させて、シ
リンダ１６を作動させ、今度はそのピストンロツ
ドを収縮させて台車１５を上方に引き上げる。

これに伴い、床面５が上方に回動して原位置に
復帰し、元の水平状態に支持される。

そして、扉開閉シリンダ７により扉８を開けて
搬入出口６を開放し、次に製品移送用シリンダ４
のピストンロツド２８を伸長させて台車３をレー
ル２６上からレール２５上に移行させ、台車３上
に載置された製品Ｗをケーシング１外に搬出させ
る。また、このとき排砂ホツパ９のシリンダ１１
を作動させて排砂ダンパ１２を開き、排出口１０
を開放して回収した鋳物砂をベルトコンベア１３
上に落下させ、所定の砂回収処理施設等まで運搬
する。

以上のように、本発明によれば、鋳型から取り
出された製品Ｗを自動的にバイブレータピストン
２，２……の配設されたケーシング１内で砂落し
することができる。また、バイブレータピストン
２，２……で振動が与えられる製品Ｗが、これを
支持する床面５と共に所要角度傾斜されているか
ら、製品Ｗから砂離れした鋳物砂がその表面に残
存することなく確実に落下すると同時に、落下し
た鋳物砂が床面５の傾斜に沿つてその下端部に集
中的に集められる。したがつて、該傾斜の下端部
に排砂ホツパ９の砂回収口２４等を設けておけ
ば、鋳物砂の回収を極めて容易に且つ効率的に行
うことができる。

なお、砂落し時において、実施例の如く扉８で
製品Ｗの搬入出口６を閉塞すると同時に、排砂ダ
ンパ１２で排砂ホツパ９の排出口１０を閉塞する
ようにすれば、バイブレータピストン２，２……
の騒音がケーシング１外に漏洩せず、作業環境も
極めて良好となる。

また、実施例の如くバイブレータピストン２，
２……を配設した台車１５と、床面５とをチエー
ン２３で連結して連動するようにすれば、床面５
の開閉機構が極めて簡略化され、製造コストも非
常に安価なものとなる。

〔発明の効果〕

以上述べたように、本発明によれば、鋳型から
取り出された製品の砂落し作業が自動化されてそ
の作業能率が向上せられると同時に、バイブレー
タピストンの振動で砂離れされた鋳物砂を製品の
表面に残存することなく確実に離脱して落下させ
ることができ、しかも落下した鋳物砂を一箇所に
集合させて容易に且つ効率的に回収することがで
きるという優れた効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明による砂落し装置の一例を示す
正面側断面図、第２図はその側面側断面図であ
る。 符号の説明、Ｗ……製品（鋳造品）、１……ケー
シング、２……バイブレータピストン、３……台
車、４……製品移送用シリンダ、５……床面、６
……搬入出口、９……排砂ホツパ、２４……砂回
収口。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ 鋳型から取り出された製品にバイブレータピ
   ストンで振動を与えて砂落しするように成された
   砂型鋳造品の砂落し装置において、所定の砂落し
   位置に搬入された製品を支持する水平な床面の真
   下に、バイブレータピストンの振動で砂落しされ
   た鋳物砂を回収する砂回収口が開口形成されると
   共に、前記床面が、製品を砂落し位置に搬入出す
   る際の水平状態から、砂回収口に向かつて所要角
   度だけ下方に傾斜した状態になるように、開閉可
   能に構成され、当該床面が傾斜状態になつた時
   に、その床面上に支持された製品が、当該製品に
   振動を与えるバイブレータピストンに相対せられ
   るように成されていることを特徴とする砂型鋳造
   品の砂落し装置。