JPH0257160B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明はメツキ液の均一な流速分布を作るノズ
ルを備えた電気メツキ装置に関し、Zn−Ni合金
めつき、Zn−Fe合金めつき、Feめつき、Znめつ
き等を行うのに使用する電気メツキ装置である。

従来のたて型電気メツキ装置の断面図を第１図
に示す。

第１図において、ストリツプ１はコンダクタロ
ール３を通り相対向する電極２の間を通板され
る。電極２は電気メツキ液８を入れた電気メツキ
槽９内に設置されている。ストリツプ１は電極２
の間を通る際にメツキされる。

また、スリツト型ノズルの電気メツキ装置で
は、第１図に示すように、メツキ液をポンプ６で
昇圧し、配管７を通り、ヘツダ４に供給して、ヘ
ツダに設けられたスリツト型ノズル５よりストリ
ツプ１にメツキ液を噴流（ジエツト）にして吹き
つけている。

スリツト型ノズルの形状を第２図ＡとそのＹ−
Ｙ断面図である第２図Ｂに示す。

第２図Ａ，Ｂから明らかなようにヘツダ４には
スリツト状の絞り板１０が設けられている。な
お、図中の符号は第１図と同一部品を示してい
る。

上記のスリツト型ノズルでは次の点の問題が起
こり、その結果メツキ品質の低下が懸念されてい
る。

問題点 ノズルから噴射された流速は第３図に示すよう
なヘツダ４の長さ方向に流出ベクトル成分をもつ
ているため、ノズル上方では第４図のような偏流
を生じる。そのためストリツプ１の幅方向にメツ
キのむらが生じ、メツキ品質の低下が考えられ
る。なお、第３，４図中の符号は第１，２図と同
義である。

問題点 2000mm程度のノズル長さでスリツト幅が10mm程
度のノズルを機械加工する場合には、工作機械に
よる加工並びに工作精度上問題も多く加工経費も
高い。

本発明は、良質なメツキ品質を得るため、上記
問題点で述べたノズルの偏流をなくし、均一な
流速分布を作るノズル形状を有する電気メツキ装
置を提供するものである。

すなわち、本発明は、(1)ストリツプの幅方向に
伸びるメツキ液供給管を一対の電極の手前に配置
し、該供給管の長手方向に複数の開口を設け、該
開口を２枚の板で挟み、その先端のスリツトをス
トリツプの移送方向に向けて配置し、上記一対の
電極の間にストリツプを移送させて電気メツキを
行う装置において、上記２枚の板の間に、ストリ
ツプの移送方向に平行に間隔をあけて多数の案内
板を設け、この案内板により上記開口からのメツ
キ液を整流してストリツプ表面に流すようにした
ことを特徴とする電気メツキ装置、(2)ストリツプ
の幅方向に伸びるメツキ液供給管を一対の電極の
手前に配置し、該供給管の長手方向に複数の開口
を設け、該開口を２枚の板で挟み、その先端のス
リツトをストリツプの移送方向に向けて配置し、
上記一対の電極の間にストリツプを移送させて電
気メツキを行う装置において、上記２枚の板のう
ちストリツプに近い板に向けて上記開口を設け、
メツキ液の噴流を該板に一旦衝突させた後、該板
に沿つてストリツプ表面に流すようにしたことを
特徴とする電気メツキ装置、(3)上記(2)記載の電気
メツキ装置において、上記２枚の板の間に、スト
リツプの移送方向に平行に間隔をあけて多数の案
内板を設け、上記開口からのメツキ液をストリツ
プに近い板に一旦衝突させるとともに、案内板に
より整流してストリツプ表面に流すようにしたこ
とを特徴とする電気メツキ装置である。第５図
ａ，ｂは本発明装置の一実施態様例を示す図で、
第５図ａは第５図ｂのＸ−Ｘ断面図である。

本発明装置は第５図ａ，ｂに示すようにヘツダ
４の長さ方向に等間隔に孔１２をあけ、該孔１２
間に案内板１１を設置する。このように本発明に
おいては、ノズルのふきだし出口形状は、前述し
た従来のスリツト状ではなく孔型１２にし、これ
により、流出速度のヘツダ幅方向の成分を除去
し、偏流を防止することを１つの特長としてい
る。即ち、第５図ａに示すように孔１２から噴射
された噴流の流れ方向の成分は案内板１１によつ
て除去される。その結果、偏流を防止することが
できるので、メツキ液とストリツプ表面との間の
相対速度が大きくなり、しかもヘツダ幅方向に均
一な流速分布となる。従つて、ヘツダ幅方向に均
一で良質なメツキ品質のものを効率よく生産する
ことができる。

また、ヘツダ４には、孔１２からの噴流を衝突
させるための噴流衝突板１３が設けられ、孔１２
から流出した噴流を流出噴流衝突板１３にぶつ
け、Wallジエツト（即ち、放射状噴流）をつく
り、ノズル幅方向の速度差を小さくし、より均一
にすることも本発明の特長の１つである。即ち、
第６図ａに衝突板が無い場合の噴流のＸ方向の速
度分布の変化を示す。この図より孔１２からのｘ
方向の距離に比例して速度分布がｙ方向に徐々に
広がつていくことがわかる。第６図ｂに衝突板１
３がある場合の噴流のｘ方向の速度分布の変化を
示す。この図より、噴流が衝突板１３にぶつかる
までは、上記と同じような速度分布の変化を示
す。衝突板１３に噴流が衝突すると（衝突地点と
言う）急激に噴流のｙ方向の速度が生じ噴流がス
トリツプ幅方向に分散される均一な速度分布が得
られることがわかる。

更に、孔１２から噴出し、衝突板１３に衝突し
て、Wallジエツトとなつたメツキ液は、ストリ
ツプに衝突するところで均一に分散するようにな
つている。その状況を第７図に示す。第７図は、
流速をたて軸に、ヘツダの幅（ストリツプの幅）
方向の長さを横軸にとつたものである。同図中の
αは、ノズルに流出噴流衝突板が無い場合で、孔
１２からの噴射流体が直接ストリツプに衝突する
ため、孔１２付近では流速が大きく、孔１２間で
は小さくなり、その差が大きい。それに対してβ
は、ノズルに流出噴流衝突板を設置した場合で、
該衝突板で孔１２からの噴射流体を放射状に分散
するため、孔１２付近と孔１２間との速度差が小
さくなり、幅方向に均一になることがわかる。従
つて、ノズル直後でメツキされるストリツプ表面
に均一に液が送られるため良質なメツキが得られ
るのである。

以上、詳述したように、本発明装置によれば、
加工上で要求される精度面での問題のないノズル
構成にて、良品質のメツキを施すことができ、工
業上極めて有益であることが判る。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来の電気メツキ装置を示す図、第２
図ａ，ｂは従来のスリツト型ノズルの形状を示す
図、第３図は第２図ａ，ｂに示すノズルから噴射
されたメツキ液流速のベクトル成分を示す図、第
４図は第２図ａ，ｂに示すノズルから噴射された
メツキ液の偏流状況を示す図、第５図ａ，ｂは本
発明装置に係るノズルの一実施態様例を示す図、
第６図ａ，ｂおよび第７図は本発明の効果を従来
のノズルと対比して説明するための図である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ ストリツプの幅方向に伸びるメツキ液供給管
   を一対の電極の手前に配置し、該供給管の長手方
   向に複数の開口を設け、該開口を２枚の板で挟
   み、その先端のスリツトをストリツプの移送方向
   に向けて配置し、上記一対の電極の間にストリツ
   プを移送させて電気メツキを行う装置において、
   上記２枚の板の間に、ストリツプの移送方向に平
   行に間隔をあけて多数の案内板を設け、この案内
   板により上記開口からのメツキ液を整流してスト
   リツプ表面に流すようにしたことを特徴とする電
   気メツキ装置。 ２ ストリツプの幅方向に伸びるメツキ液供給管
   を一対の電極の手前に配置し、該供給管の長手方
   向に複数の開口を設け、該開口を２枚の板で挟
   み、その先端のスリツトをストリツプの移送方向
   に向けて配置し、上記一対の電極の間にストリツ
   プを移送させて電気メツキを行う装置において、
   上記２枚の板のうちストリツプに近い板に向けて
   上記開口を設け、メツキ液の噴流を該板に一旦衝
   突させた後、該板に沿つてストリツプ表面に流す
   ようにしたことを特徴とする電気メツキ装置。 ３ 請求項２記載の電気メツキ装置において、上
   記２枚の板の間に、ストリツプの移送方向に平行
   に間隔をあけて多数の案内板を設け、上記開口か
   らのメツキ液をストリツプに近い板に一旦衝突さ
   せるとともに、案内板により整流してストリツプ
   表面に流すようにしたことを特徴とする電気メツ
   キ装置。