JPH0256903B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 この発明は、ゴルフクラブヘツドの表面処理に
関するものであり、特にヘツドのフエース面の処
理法に関する。

従来、ゴルフクラブのヘツドで、その基材とし
てステンレス、鉄、モリブデン等の金属類を使用
しているものは、その表面処理法として例えば鉄
の場合は、その表面をクロムメツキを施し、或は
ステンレスの場合はバフ研磨を行う等の方法があ
つた。然るに、この場合ボールをヒツトするとき
そのフエース面が摩耗したり、或は酸化したりし
て耐久性に乏しく、強靭性に欠けるところがあつ
た。更に、此種のゴルフクラブヘツドの表面処理
法として、特公昭53―34537号公報所載のものが
知られている。而して、該公報に記載せられたも
のはアイアンヘツド基材上に多孔質金属層、セラ
ミツク層、高弾性樹脂層にて被覆したものであ
り、そして前記第１層の多孔質金属層に用いる金
属はタングステン、モリブデン、タンタル、ニツ
ケル等であり、更に第２層のセラミツク層にはク
ロミア、アルミナ、ジルコニア、チタニア等の金
属酸化物又はそれらのブレンドもしくはその他の
金属酸化物との固溶体が用いられ、且つ、タング
ステンカーバイト、クロムカーバイト等の炭化物
或はそれらとニツケル、コバルト等の複合体も使
用されることがある。そして、第３層の高弾力性
強接着性樹脂としてエポキシ樹脂、ポリウレタン
樹脂、ポリエステル樹脂等の接着性に富み、乾燥
硬化後は強靭で弾力性に富み、且つ、耐摩耗性の
合成樹脂が用いられ、そして、同公報第１図に示
すように該合成樹脂にてクラブヘツド表面層を構
成すると共に、該合成樹脂の接着力にて高融点金
属粒子とセラミツク粒子とを一体的に接合してい
るのである。

而して、上記公報所載のものは、ゴルフクラブ
ヘツドの表面処理としてはその結合力が未だ不足
し、表面の耐摩耗性が劣る。そこで、第１層のニ
ツケル層と第２層のセラミツク層とがより強固に
結合し、耐摩耗性にも富むゴルフクラブヘツドの
表面処理を為すために解決せられるべき技術的問
題点が生じてくるのである。依つて、この発明は
上記問題点に鑑み之を解決せんとして提供せられ
たものであり、ゴルフクラブヘツド基材の表面に
プラズマ溶射にてニツケル層を被覆し、更にこの
上面にプラズマ溶射にてセラミツク層を被覆する
工程を有する表面処理法に於て、前記第１層のニ
ツケルの上面に、表面をニツケルでコーテイング
したセラミツクをプラズマ溶射してサーメツト化
すことを特徴とするゴルフクラブヘツドの表面処
理法を提供せんとするものである。

以下、この発明の一実施例に従つて詳述する。
尚、説明の都合上、従来公知に属する方法も同時
に説明する。第１図は本発明の表面処理法を実施
したゴルフクラブヘツドの正面図であるが、特に
フエース面に実施したものである。第２図は第１
図のＡ―Ａ線の断面図を示す。ゴルフクラブヘツ
ド１は通常、軟鉄、ステンレス、又はモリブデン
等の金属を基材２として型造される。この実施例
はフエース面３に本発明方法を実施したものを示
しているが、之に限定されるものではないし、而
して、前記基材２のフエース面３側の表面にニツ
ケル４の粉末をプラズマ溶射する。而してこのプ
ラズマ溶射は、従来巳に公知であり、その溶射法
は之を問うものではない。斯くして、前記の通
り、基材２の表面にプラズマ溶射されたニツケル
４の上面に、更に表面をニツケル４ａでコーテイ
ングされたセラミツク５の粉末をプラズマ溶射
し、その表面をサーメツト化するのである。この
実施例は上述せる方法に係るので、先づ、基材１
の表面にプラズマ溶射されたニツケル４は、その
表面に無数のアンカーが形成されると同時にニツ
ケル粒子の飛行速度が音速程度という高速溶射で
ある為、ニツケル４の溶射皮膜と基材２との密着
度が極めて大であり、殆ど基材２と一体化すので
ある。更に、このニツケル４の皮膜の上面にプラ
ズマ溶射されるセラミク５は、その表面をニツケ
ル４ａにてコーテイングされている為、溶射に際
して前記のニツケル層の微細なアンカーによく喰
い込むと同時に、相互のニツケルは一体的に溶着
され、而も前記の通り、超高速の粒子飛行によつ
て緻密で密着力の大なる表面皮膜が得られること
になる。而も、プラズマ炎は中性炎であるため、
酸化還元の力が弱く、ニツケルが酸化によつて変
質することは殆どないのである。而も、ニツケル
４ａをコーテイングしたセラミツク５は、プラズ
マ溶射によつて溶着形成された皮膜がサーメツト
化すことになる。即ち、セラミツク５の粒子の空
隙にニツケル４ａの粒子が充填された状態とな
り、その表面層の強靭性がより増大することにな
ると同時に、その表面には極めて微細で無数のア
ンカーを有することになるのである。

本発明は上記一実施例にて詳述せる如く、コー
テイング層のニツケルと第２層のニツケルとが溶
着するため、第１層と第２層の密着性が従来のも
のに比しより強固となり、更に、セラミツクが離
脱しないためクラブヘツド表面のセラミツクによ
り、耐摩耗性が高上し、更に摩擦係数が大であ
り、ヒツトしたボールにスピンが増大し、止まる
ボールをヒツトでき、而も、ニツケルが均一に分
散する為、クツシヨン効果が得られ、ボールの保
持時間が長く、飛距離が増大し方向性も向上す
る。

【図面の簡単な説明】

図は本発明の一実施例を示し、第１図はヘツド
のフエース面に本発明を実施した場合の正面図、
第２図は第１図Ａ―Ａ線断面図、第３図は表面を
ニツケルでコーテイングしたセラミツクの断面図
である。 符号説明、１……ヘツド、２……基材、３……
フエース面、４，４ａ……ニツケル、５……セラ
ミツク。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ ゴルフクラブヘツド基材の表面にプラズマ溶
   射にてニツケル層を被覆し、更に、この上面にプ
   ラズマ溶射にてセラミツク層を被覆する工程を有
   する表面処理法に於て、前記第１層のニツケルの
   上面に、表面をニツケルでコーテイングしたセラ
   ミツクをプラズマ溶射してサーメツト化すことを
   特徴とするゴルフクラブヘツドの表面処理法。