JPH025685B2 - - Google Patents

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JPH025685B2
JPH025685B2 JP3653482A JP3653482A JPH025685B2 JP H025685 B2 JPH025685 B2 JP H025685B2 JP 3653482 A JP3653482 A JP 3653482A JP 3653482 A JP3653482 A JP 3653482A JP H025685 B2 JPH025685 B2 JP H025685B2
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calcium
calcium hydroxide
oxychloride
slurry
impurities
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Tsugio Murakami
Yoichi Hiraga
Taizo Kawamoto
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Tosoh Corp
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Tosoh Corp
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Publication date
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Publication of JPH025685B2 publication Critical patent/JPH025685B2/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C01INORGANIC CHEMISTRY
    • C01FCOMPOUNDS OF THE METALS BERYLLIUM, MAGNESIUM, ALUMINIUM, CALCIUM, STRONTIUM, BARIUM, RADIUM, THORIUM, OR OF THE RARE-EARTH METALS
    • C01F11/00Compounds of calcium, strontium, or barium
    • C01F11/02Oxides or hydroxides

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  • Chemical & Material Sciences (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Life Sciences & Earth Sciences (AREA)
  • Geology (AREA)
  • Inorganic Chemistry (AREA)
  • Compounds Of Alkaline-Earth Elements, Aluminum Or Rare-Earth Metals (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
本発明は高純度水酸化カルシウムの製造方法、
詳しくは、塩化カルシウムと水酸化カルシウムお
よび/または酸化カルシウムから水溶液中でオキ
シ塩化カルシウムを得、このオキシ塩化カルシウ
ムを分解する高純度水酸化カルシウムの製造方法
に関するものである。 水酸化カルシウムは強アルカリであり、中和
剤、排水処理剤として上下水道、公害防止用に、
又漂白剤の製造原料、更には土壤の改質剤、建設
用材料、砂糖の精製、食品添加剤等、巾広い分野
に大量に消費されている化合物である。 一般に水酸化カルシウムは石灰石をコークス又
は重油を使つて焼成し生石灰とし、この生石灰を
水で消化して水酸化カルシウムとする方法で製造
されている。 この方法は、水酸化カルシウムを安価にしかも
大量に製造することができるが、原料として石灰
石という天然物を直接用いるため石灰石に由来す
る不純物の種類およびその量は多く、燃料である
コークス、重油に由来する不純物も加わり、一般
の化学品に比べてその純度は極めて低い。 その為、同り強アルカリであつても、その使用
分野は苛性ソーダと比べて高純度を必要としない
粗野な分野か、又は不純物の除去工程を設けた分
野に限られている。 不純物としては固体および溶解不純物がある
が、ほとんどの不純物は水酸化カルシウム粒子の
内部に存在している為、水酸化カルシウム粒子を
水溶液、有機溶剤で洗浄しても取り除くことはで
きない。 不純物としてはCO2(即ちCaCO3)、SiO2
Al2O3、Fe2O3、MgO、SO4(CaSO4または
CaSO3)等があり、これらは総計で1〜5wt%も
ある。 但し、その量および比率は石灰石の産地、コー
クス又は重油の種類によつて大巾に異なる。又、
微量金属としてCr、Mn、Ni、Cu、Pb等があり、
これらは10〜1000ppm程含まれる。 このような純度の低いものに対して、高純度の
水酸化カルシウムを得る方法としては、高純度の
苛性ソーダと高純度の塩化カルシウムを反応させ
る方法、水酸化カルシウムの懸濁液を過して、
その液を濃縮する方法等があるが、極めて特殊
な場合を除いては経済的に成り立たない。 即ち、従来より排水処理等の粗野な分野を除い
て高純度の強アルカリ剤としては、苛性ソーダが
通常用いられてきた。しかしながら、苛性ソーダ
は昨今のエネルギーコストの高騰、塩素需要の落
ち込みから価格は上昇し、又逼迫している。この
ような状況および水酸化カルシウムの主原料であ
る石灰石は国内に於て数少ない自給天然資源の1
つであり、その供給は極めて安定である為、強ア
ルカリ剤として高純度で安価な水酸化カルシウム
の出現が各方面で望まれている。 以上のことに鑑み本発明者等は原料の不純物の
種類、含量の変動に左右されず、高純度でしかも
安価に水酸化カルシウムを製造できる方法を確立
すべく鋭意検討した結果、水酸化カルシウムおよ
び/または酸化カルシウムを塩化カルシウムと反
応させオキシ塩化カルシウム結晶を生成させた
後、分級して粗粒部のオキシ塩化カルシウムを
得、これを分解して水酸化カルシウムにすれば高
純度の水酸化カルシウムが製造できることを見い
出し、本発明を完成させた。 すなわち、本発明は塩化カルシウムと水酸化カ
ルシウムおよび/または酸化カルシウムから水溶
液中でオキシ塩化カルシウムを晶出させ、該オキ
シ塩化カルシウムを分級して粗粒部のオキシ塩化
カルシウムを得、次いで該粗粒部のオキシ塩化カ
ルシウムを分解して水酸化カルシウムを得ること
を特徴とする高純度水酸化カルシウムの製造方法
を提供するものである。 本発明を更に詳細に説明する。 本発明は塩化カルシウムと水酸化カルシウムお
よび/または酸化カルシウムから水溶液中でオキ
シ塩化カルシウムを晶出させること、および該オ
キシ塩化カルシウムを分級して粗粒部のオキシ塩
化カルシウムを得ることを必須の要件とする。 前述したように石灰石を原料として製造した酸
化カルシウムおよび/または該酸化カルシウムを
水和して得られる水酸化カルシウムでは不純物が
これら粒子内にほぼ均一に分布しており、更には
ほとんどが不溶性であるため、水又は有機溶剤で
洗浄する方法、あるいは分級等の機械的操作では
分離することはできない。 しかしながら、本発明者等の検討によつて酸化
カルシウムおよび/または水酸化カルシウムと塩
化カルシウムを反応させてオキシ塩化カルシウム
を製造すると、原料中に含まれていた不純物が極
めて微細な粒子として遊離してくること、および
生成するオキシ塩化カルシウムは非常に結晶成長
が良好で、不純物微細粒子に比較して極めて巨大
な結晶を得ることを見い出した。 このように微細粒子の不純物が遊離してくるこ
とは、酸化カルシウムおよび/または水酸化カル
シウム中に含有する不純物はもともと極微細な粒
子で存在しており、酸化カルシウムおよび/また
は水酸化カルシウムが一旦溶解してオキシ塩化カ
ルシウムに変化し、この際不純物を遊離するため
と考えられる。 又、更に重要な発見は、遊離した不純物が全く
オキシ塩化カルシウム結晶内に取り込まれないこ
とである。この理由はおそらく水酸化カルシウ
ム、酸化カルシウムとオキシ塩化カルシウムの結
晶形態が異なり、本質的に不純物が結晶内に取り
込まれ難いことおよび結晶成長が良好で結晶表面
への物理的付着も防止できることに起因している
と考えている。 以上の説明からも明らかなように、得られる生
成物はオキシ塩化カルシウム結晶と不純物微細粒
子の混合物であるが、その粒子径に非常に大きな
差があり、分級によつて容易に不純物を含まない
オキシ塩化カルシウムの結晶を得ることができ
る。 即ち、上記要件の主目的はオキシ塩化カルシウ
ムを晶出させることにより、水酸化カルシウムお
よび/または酸化カルシウムに含まれる不純物を
水溶液中に浮遊および溶出させることおよび、晶
出したオキシ塩化カルシウムを分級して浮遊およ
び溶出した不純物をオキシ塩化カルシウムと分別
することにある。 ここで重要なことは、不純物の分離、即ちオキ
シ塩化カルシウムの晶出である。晶出では、(イ)水
酸化カルシウムおよび/または酸化カルシウムを
完全にオキシ塩化カルシウムとし、不純物を含ん
だ未反応の水酸化カルシウムおよび/または酸化
カルシウムを残さないこと、(ロ)不純物を抱き込み
易いオキシ塩化カルシウムの集合晶を晶出させな
いこと、(ハ)不純物との分級が困難な微細なオキシ
塩化カルシウムを晶出させないこと、である。そ
の為にはオキシ塩化カルシウムの晶出速度を調節
することが大切であり、晶出速度は20〜250g/
hr・が望ましい。 又、オキシ塩化カルシウムを晶出させる時の水
溶液としては、塩化カルシウム水溶液でも、アン
モニアソーダ法(ソルベー法)の蒸留液のよう
に塩化カルシウムと塩化ナトリウムの水溶液でも
また、高度さらし粉の排液でもよい。要するに、
オキシ塩化カルシウムの晶出に必要な塩化カルシ
ウムが存在しておればよい。 水酸化カルシウムおよび/または酸化カルシウ
ムは、(イ)石灰石を焼成して得られる生石灰を消化
して得られる消石灰又は石灰乳、(ハ)他成分を含ん
だもの、例えばドロマイトを焼成して得られる酸
化カルシウム、更にこれを消化して得られる水酸
化カルシウム、(ニ)反応で生成する水酸化カルシウ
ム、例えば水酸化ナトリウムと塩化カルシウムの
反応、等があるが、これらに限定されない。 又、水酸化カルシウムおよび/または酸化カル
シウムはそのまま用いても良いが、あらかじめ水
又は塩化カルシウムを含んだ水溶液で水酸化カル
シウムのスラリーとし、このスラリーを分級して
得られた細粒部の水酸化カルシウムのスラリーを
用いても良い。この場合、粗大な砂、コークスか
す等を除くことができる。分級にはセツトラー、
液体サイクロン、湿式篩等を用いることができ
る。 晶出させるオキシ塩化カルシウムの代表例とし
ては、三塩基性塩化カルシウム水和物(CaCl2
3Ca(OH)2・nH2O、n=11〜13)、一塩基性塩化
カルシウム水和物(CaCl2・Ca(OH)2・nH2O、
n=1〜4)がある。 三塩基性塩化カルシウム水和物は晶出が容易
で、しかも単結晶で粗大結晶となり易いので不純
物との分離が容易であり、望ましいオキシ塩化カ
ルシウムである。この結晶の晶出は比較的温和な
条件で操作できる。即ち、水溶液が塩化カルシウ
ム溶液の場合、塩化カルシウム濃度10〜30wt%、
温度10〜35℃、スラリー濃度10〜40wt%であり、
晶出速度20〜250g/hr・である。尚、塩化カ
ルシウム以外の塩が共存する場合、ほぼその塩濃
度分だけ塩化カルシウム濃度を下げる。 又、オキシ塩化カルシウムがCaCl2・Ca
(OH)2・H2Oの時、晶出条件は塩化カルシウム
濃度30〜40wt%、温度20〜120℃、スラリー濃度
10〜40wt%であり、晶出速度は20〜250g/hr・
である。 こうして得られる結晶は単結晶で10ミクロン以
上、数ミリメートルにも達した不純物をほとんど
含まないものであり、原料からの不純物のほとん
どは微粒として浮遊し、一部は溶解している。 又、オキシ塩化カルシウムの晶出時に種晶を添
加すると、オキシ塩化カルシウムに含まれる不純
物濃度を更に下げることができる。このことも本
発明者等が初めて見い出した事実である。これは
種晶の存在によりオキシ塩化カルシウムの成長が
緩やかに行われ、不純物との分離が更に容易にな
る為と考えている。尚、種晶としては平均粒径50
ミクロン以下、更には30ミクロン以下が望まし
く、添加量は生産量の1/200〜1/5が望ましい。
又、種晶は水酸化カルシウムと塩化カルシウムの
反応により別に製造しても、得られたオキシ塩化
カルシウムを粉砕して用いても良い。 又、晶出形式には回分式、連続式いずれも適用
できるが、生産効率から連続式が望ましい。 次にオキシ塩化カルシウムと不純物を分別する
ためにスラリーに分配している相対的な粗粒部と
微細部とを分級する。分級は不純物が微細であ
り、且つオキシ塩化カルシウムが粗大であるため
極めて容易であり、不純物をほぼ完全に除くこと
ができる。分級装置としてはセツトラー、液体サ
イクロン、湿式篩等が適用でき、又、晶出と分級
を兼ねた晶出分級槽も使える。尚、分級時に洗浄
母液を用いれば溶解不純物も除ける。 こうして得られた粗粒部のオキシ塩化カルシウ
ムはそのまま分解して水酸化カルシウムにしても
良いが、その前に過しても良い。過により溶
解不純物は完全に除ける。又、この時の液は分
級時の洗浄母液として使える。 又、本発明の粗粒部のオキシ塩化カルシウムを
分解して水酸化カルシウムにすることを必須の要
件とする。 ここでの主目的はオキシ塩化カルシウムを分解
して水酸化カルシウムを析出させ、塩化カルシウ
ムを溶存させることにある。 オキシ塩化カルシウムの分解は容易で、その方
法は種々ある。例えば三塩基性塩化カルシウム水
和物を分解させる場合、温度を高めるか、溶液中
の塩濃度を下げる。 温度と塩濃度には相関性があり、塩濃度が高い
程温度は高く保つ。尚、塩化カルシウム水溶液中
で分解させる場合、塩濃度30wt%以下、温度40
℃以上では常に分解できる。 又、CaCl2・Ca(OH)2・H2Oも三塩基性塩化カ
ルシウム水和物と同様に分解できる。 分解形式としては回分式、連続式のいずれも適
用できる。 分解して得られる水酸化カルシウムの濃度は5
〜30wt%が適当である。尚、分解して水酸化カ
ルシウムを晶出させる時、粗粒部のオキシ塩化カ
ルシウムに含まれていた微量の不純物は溶液中に
浮遊したり、又溶出し水酸化カルシウムと分離す
る。浮遊不純物はほとんどが微細で数ミクロン以
下である。したがつて、水酸化カルシウムが数ミ
クロン以上の場合、分級して粗粒部を取得すれば
不純物は更に少なくできる。又、粗大不純物は分
級して粗大部を除くことにより除去できる。分級
は通常用いられているセツトラー、液体サイクロ
ン、湿式篩等が適用でき、又晶出と分級を兼ねた
分級晶出型も適用できる。 この分級により、オキシ塩化カルシウムに含ま
れる不純物の20〜90%が除ける。尚、不純物の除
去率は連続式程、又水酸化カルシウム結晶が単結
晶でしかも大きい程、又、水酸化カルシウムの晶
出時に種晶を添加する場合程、大きくなる。 こうして高純度の水酸化カルシウムよりなるス
ラリーが得られるが、スラリーはそのままの状態
でも良く、又過してケークにしても、更に乾燥
して粉状にしても良い。 過時に水で洗浄すれば結晶に付着した溶存塩
類が除ける。過には真空過、遠心過等、乾
燥には気流乾燥、流動乾燥、ベルトドライヤー等
が適用できる。 尚、本発明の予期しなかつた特徴として次の三
点が挙げられる。(1)分解によつて得られた水酸化
カルシウムがいずれも結晶質であり、見事な六角
板状、六角柱状をしている。その為、この水酸化
カルシウムは強固であり、乾燥品には粉塵の発生
がほとんどない。又、嵩密度は大きく、取り扱い
が容易である。(2)得られる水酸化カルシウムは活
性であり、反応性に富む。これは極めて純度が高
いことによると思われる。(3)得られる水酸化カル
シウムの粒径は1ミクロン以下のものから100ミ
クロン以上のものまで広範囲に調節できる。即
ち、温度をより高く保つか、塩濃度をより低く保
つことにより、分解速度を大きくでき、粒径は小
さくなる。又、分解速度を極めて大きく、例えば
5分間以内で分解を完了させるとオキシ塩化カル
シウムの形状を残した水酸化カルシウムの集合体
が得られる。 これらの機能性により、本発明の水酸化カルシ
ウムの用途範囲は更に大巾に拡大できる。 次に本発明の特徴を列記する。 (1) 水酸化カルシウムおよび/または酸化カルシ
ウムに含まれる不溶解不純物、溶解不純物とも
に除け、高純度の水酸化カルシウムが得られ
る。得られる水酸化カルシウムの不純物量は
CO20.1%以下、SiO2200ppm以下、
Al2O3100ppm以下、Fe2O350ppm以下、
MgO500ppm以下、SO4100ppm以下にできる。 (2) 特殊な薬剤は必要なく経済的である。 (3) 高度な単位操作はなく、工程は簡単である
為、経済的である。 (4) 得られる水酸化カルシウムは結晶質である。
その為か、乾燥したものは従来品と比べて強固
であり粉塵の発生が極めて少なく、又嵩密度が
大きく取り扱いが容易である。 (5) 得られる水酸化カルシウムは活性であり、反
応性が大きい。これは純度が極めて高いことに
起因すると思われる。 (6) 得られる水酸化カルシウムの結晶粒径を広範
囲に調節できる。 すなわち、従来品が数ミクロンの不定形である
のに対して、本発明では1ミクロン以下のものか
ら100ミクロン以上の結晶質のものまで自由に製
造できる。 次に本発明の実施例を示すが、本発明はこれら
に限定されるものではない。又、実施例及び比較
例で示す部及び%は全て重量に基づくものであ
る。なお、分析方法は下記の方法によつた。 CO2 小西式無水炭酸定量装置を用いた容量法(JIS
R9011) SiO2 過塩素酸法による沈殿をアルカリ熔融した後、
1−アミノ−2−ナフトール−4−スルホン酸に
よる比色定量(分光々度計使用) Al2O3 アンモニア水中和による沈殿をアルカリ熔融し
た後、オキシンによる比色定量(分光々度計使
用) Fe2O3 オルソフエナントロリン比色定量(分光々度計
使用) MgO 原子吸光々度法 SO4 BaSO4精製による比濁法(分光々度計使用) Cr、Mn、Ni フレームレス式原子吸光法 実施例 1 攪拌機を備えたオーバーフロー管付セパラブル
フラスコ(1)に石灰石をコークスで焼成、消
化して得られた20%の石灰乳(不純物濃度は表1
に示す)を145g/hr、33.5%の塩化カルシウム
水溶液を215g/hrの速度で連続して導入し、温
度は25℃に維持した。 オーバーフロー管からは長さ20〜500μ、幅10
〜200μ、厚み5〜200μのひし形状の三塩基性塩
化カルシウム水和物20%のスラリーが360g/hr
で得られた。この時、母液には数ミクロン以下の
淡茶色をした不純物が浮遊していた。 次に、この三塩基性塩化カルシウム水和物のス
ラリー1Kgを下部が逆円錐状をした1.5の円筒
形の分級器(断面積44cm2)に入れ、下部から20%
の塩化カルシウム水溶液を4.8/hrの速度で連
続して1時間導入した。 こうして、分級器内の粗大な三塩基性塩化カル
シウム水和物170gを含んだスラリーを得、スラ
リー濃度が20%になるようにデカンテーシヨンに
より上澄液を抜き出し廃棄した。 次に、500mlの攪拌機に備えたオーバーフロー
管付セパラブルフラスコに分級して得られた20%
の粗大な三塩基性塩化カルシウム水和物のスラリ
ーを200g/hrで連続して導入し、温度は40℃に
維持した。 オーバーフロー管からは幅が5〜100μ、厚み
が5〜30μの六角板状をした結晶質の水酸化カル
シウム8%のスラリーが200g/hrで得られた。
このスラリーを3000rpmの遠心分離機で1分間処
理し、更に水酸化カルシウム100gに対して20g
の水で1分間洗浄して、水分が10%の水酸化カル
シウムのケークを得た。得られた水酸化カルシウ
ムの不純物濃度を表1に示す。 尚、液は洗液でCaCl220%に調製して分級器
下部からの導入液として用いた。 また、分級器上部からの流出スラリー(以下、
流出スラリーという)をG−5のグラスフイルタ
ーでロ過して固形物中の不純物の濃度を測定し
た。その結果を表1に示す。 実施例 2 実施例1の方法に於て、20%の石灰乳を200メ
ツシユ(タイラーNo.)の篩で処理して得た細粒部
の20%石灰乳を用いる外、全て同様に操作した。 得られた三塩基性塩化カルシウム水和物及び水
酸化カルシウムの結晶形は、実施例1と同じであ
り、水酸化カルシウムの不純物濃度は表1に示し
た。 実施例 3 実施例2の方法に於て、三塩基性塩化カルシウ
ム水和物の晶出槽に種晶として、長さ10〜30μ、
幅5〜10μ、厚み2〜5μの20%三塩基性塩化カル
シウム水和物のスラリーを7g/hrで導入する
外、全て同様に操作した。 得られた三塩基性塩化カルシウム水和物は長さ
30〜700μ、幅10〜300μ、厚み10〜200μであり、
分級による三塩基性塩化カルシウム水和物の収率
は90%、分解して得られた水酸化カルシウムは結
晶質で幅が5〜150μ、厚みが5〜50μであり、遠
心分離操作によるケーク中の水分は7%であつ
た。尚、不純物濃度は表1に示した。 実施例 4 アンモニアソーダ法(ソルベー法)の蒸留廃液
(CaCl212%、NaCl5%)100部に石灰石をコーク
スで焼成した得られた生石灰(不純物濃度を表1
に示す)を10部添加混合した後、200メツシユの
篩で処理し細粒部の水酸化カルシウムのスラリー
を得た。組成はCa(OH)210%、CaCl211.0%、
NaCl4.6%であつた。 次に、1の攪拌機を備えたオーバーフロー管
付セパラブルフラスコに、前記細粒部の水酸化カ
ルシウムのスラリー322g/hr、塩化ナトリウム
38g/hrの速度で連続して導入し、温度は18℃に
維持した。 オーバーフロー管からは長さ10〜600μ、幅10
〜400μ、厚み5〜150μのひし形状の三塩基性塩
化カルシウム水和物22%のスラリーが360g/hr
で得られた。 次に、この三塩基性塩化カルシウムのスラリー
を実施例1と同様に分級して粗粒部の三塩基性塩
化カルシウム水和物のスラリーを得た。但し、分
級器下部からはCaCl27%、NaCl20%の水溶液を
導入した。尚、分級操作時の温度は15〜18℃であ
つた。 次に、得られた20%の粗粒部の三塩基性塩化カ
ルシウム水和物のスラリーを実施例1と同様に分
解して水酸化カルシウムのスラリーを得た。但し
分解温度は35℃で行つた。 オーバーフロー管からは幅が5〜80μ、厚みが
5〜30μの六角板状をした結晶質の水酸化カルシ
ウム8%のスラリーが得られ、このスラリーを遠
心分離機で過、洗浄して水分が12%の水酸化カ
ルシウムのケークを得た。得られた水酸化カルシ
ウムの不純物濃度を表1に示す。 実施例 5 1の攪拌機を備えたオーバーフロー管付セパ
ラブルフラスコに石灰石をコークスで焼成し、更
に消化して得られた30%の石灰乳(不純物濃度は
表1に示す)を95g/hr、50%の塩化カルシウム
水溶液を295g/hrで連続して導入し、温度は50
℃に維持した。オーバーフロー管からは長さ20〜
300μ、幅5〜50μ、厚み5〜50μの柱状のCaCl2
Ca(OH)2・H2O20%のスラリーが390g/hrで得
られた。 次に、このCaCl2・Ca(OH)2・H2Oのスラリー
を実施例1と同様に操作し、粗粒部のCaCl2・Ca
(OH)2・H2Oのスラリーを得た。尚、この操作
に於て、分級器下部からは40℃、34%の塩化カル
シウム水溶液を導入した。 次に、分級して得られたスラリーの上澄液をデ
カンテーシヨンにより抜き出すことにより30%に
濃度調節し、133g/hrで500mlの攪拌機を備えた
オーバーフロー管付セパラブルフラスコに水67
g/hrとともに連続して導入した。尚、温度は45
℃に維持した。 オーバーフロー管からは幅が10〜100μ、厚み
が2〜10μの六角板状をした結晶質の水酸化カル
シウムのスラリーが200g/hrで得られた。この
スラリーを実施例1と同様に遠心分離機で処理
し、水分18%の水酸化カルシウムのケークを得
た。得られた水酸化カルシウムの不純物濃度を表
1に示す。 実施例 6 実施例3において、分解して得られた水酸化カ
ルシウムのスラリー450gを下部が逆円錐状をし
た500mlの円筒形の分級器(断面積25cm2)に入れ、
下部から20%の塩化カルシウム水溶液を75ml/hr
の速度で連続して30分間導入し流出液は廃棄し
た。次いで下部からの流速を1.2/hrに増し連
続して1時間導入した。この時の流出スラリーの
上澄水をデカンテーシヨンにより廃棄し、スラリ
ー濃度を高めて実施例1と同様に遠心分離機で処
理した。得られた水酸化カルシウムのケークの水
分は20%で、不純物濃度は表1に示した。
【表】
【表】 実施例 7 <簡単な物性テスト> 次に、実施例1〜6で得られた水酸化カルシウ
ムのケークを熱風乾燥器で脱水し、乳鉢で軽くほ
ぐして粉状とし、試験管に入れ、振盪させて、流
動性、粉塵の発生をみた。肉眼による観察の結
果、いずれも自由流動性に富み粉塵の発生はなか
つた。 又、乾燥して得られた水酸化カルシウムの粉5
gを水100mlの入つた200mlのビーカーに懸濁さ
せ、マグネチツクスターラーで攪拌しながら
5N/の酢酸30mlを一度に加え水酸化カルシウ
ムの溶解状態を観察した。 その結果、原料の水酸化カルシウムと比べて粒
径が大きいにもかかわらず、2〜5倍の溶解速度
であつた。 特に実施例3、6で得られた水酸化カルシウム
の溶解速度は大きかつた。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1 塩化カルシウムと水酸化カルシウムおよび/
    または酸化カルシウムから水溶液中でオキシ塩化
    カルシウムを晶出させ、該オキシ塩化カルシウム
    を分級して粗粒部のオキシ塩化カルシウムを得、
    次いで該粗粒部のオキシ塩化カルシウムを分解し
    て水酸化カルシウムを得ることを特徴とする高純
    度水酸化カルシウムの製造方法。 2 水酸化カルシウムおよび/または酸化カルシ
    ウムが水酸化カルシウムのスラリーを分級して得
    られた細粒部の水酸化カルシウムのスラリーであ
    る特許請求の範囲第1項記載の高純度水酸化カル
    シウムの製造方法。 3 オキシ塩化カルシウムが三塩基性塩化カルシ
    ウム水和物である特許請求の範囲第1項又は第2
    項記載の高純度水酸化カルシウムの製造方法。
JP3653482A 1982-03-10 1982-03-10 高純度水酸化カルシウムの製造方法 Granted JPS58156532A (ja)

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