JPH0254761B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、例えば構造壁やスラブ床などの鉄筋
コンクリート版を作製する際にその版の肉厚中間
部を分割面とする一方の分割版を工場において予
め作製し、そのプレキヤスト分割版を他方の分割
版作製のためのコンクリート型枠に活用して、前
記プレキヤスト分割版と後打ち分割版との複合一
体化により所期の鉄筋コンクリート版を作製する
場合の、前記プレキヤスト分割版に該当するもの
で、詳しくは、コンクリート板と、このコンクリ
ート板の一面側に各頂部が突出する状態でかつ強
度一体化する状態にコンクリート板に埋込固定さ
れた補強鉄筋群ならびに、補強鉄筋群の各頂部を
連結するように前記コンクリート板の板面に沿つ
た姿勢又はほぼ沿つた姿勢に架設されたトラス鉄
筋とを有するプレキヤストコンクリート型枠に関
する。

上記のようなプレキヤストコンクリート型枠に
おいては、コンクリート板の乾燥収縮に伴なつ
て、前記コンクリート板の補強鉄筋の突出しない
側の面を仕上げしない、又は一般的な塗装仕上げ
の場合は第１図イで示すように、またタイルや石
等の打込み仕上げの場合は第１図ロで示すように
反りが発生して品質低下を招くことは避けられな
かつた。殊に、版全体の大きさが2500×3500mm程
度で仕上げ手段が塗装仕上げやタイル打込み仕上
げの場合は反りが３mm程度に止まり、品質的に特
に問題とはならないが、近年のこの種のプレキヤ
ストコンクリート型枠の多様化に伴ない、例え
ば、仕上げ手段として磨石材を使用したり、一辺
が5000mmを越えるような大型版を使用する場合は
反りによる品質面での影響が大きいため、反りを
矯正して平坦なものにする必要が生じてきた。

尚、第１図において各部品番号は後記実施例の
ものをそのまま使用する。

このような反り矯正手段として、従来ではトラ
ス鉄筋にむくりをつけておいて後打ち分割版の作
製直後（脱型時）に逆反りを与える手段が採られ
ていたが、これによる場合は脱型してみないと矯
正結果が解らず、品質面で大きなバラツキが生
じ、また使用装置、手間が増えてコストアツプを
招く欠点があつた。

本発明は、上記の従来欠点を解消するもので、
反り矯正を簡易に、かつバラツキなく適正良好に
行なえるようにする点に目的を有する。

上記目的達成のために講じた本発明に係るプレ
キヤストコンクリート型枠の特徴構成は、前記ト
ラス鉄筋の中間部に押し引きによる反り矯正具が
介装されている点にあり、次のような作用効果を
有する。

つまり、反りが発生した場合、前記反り矯正具
を介してトラス鉄筋を押し引きすることによつ
て、前記補強鉄筋を力の伝達部材としてコンクリ
ート板に任意の逆反り力を与えて前記の反りを矯
正することができる。従つて、 建込み完了後の大きな連続した面の状態で、
相隣るものとの出入りを調整し乍らの反り矯正
が行なえて、壁やスラブ床等の仕上がりが良好
となる。

視覚的に確認しながら適正な反り矯正、面調
整が行なえる。

大掛りな装置が不要であり、また、反り矯正
具としてもターンバツクルなど既存のものを利
用でき、コストアツプは僅少で済む。

品質管理が容易で、仕上り精度の均一確保が
図れる。

といつた効果を奏するに至つた。

以下本発明の実施例を図面に基づいて詳述する
と、第２図において１は構造壁やスラブ床などの
鉄筋コンクリート版の約２分の１の肉厚を有する
コンクリート板、２は下半部を前記コンクリート
板１内に埋込固定しかつ各頂部２ａをコンクリー
ト板１の一面側に突出させたほぼ三角形状の補強
鉄筋群でそれらの下端部が梁筋５により固着連結
されて強度一体化されている。３は前記補強鉄筋
２群の各頂部２ａを連結して連梁効果を現出する
ように前記コンクリート板１の板面に沿つた姿勢
又はほぼ沿つた姿勢に架設されたトラス鉄筋であ
り、このトラス鉄筋３の中間部に押し引きにより
反りを矯正する反り矯正具の一例としてターンバ
ツクル４を介装したものである。

尚、ターンバツクル４の介装位置及び個数は、
必要矯正量によつて異なるが、一般的には次のよ
うなものとなる。

プレキヤストコンクリート型枠全体が長辺と短
辺との比が大きい長方形でその長辺方向の反りの
みを矯正したい場合は、第３図イ又はロのよう
に、１つ又は２つ以上複数のターンバツクル４を
介装し、またプレキヤストコンクリート型枠全体
が長辺と短辺との比が小さい長方形や正方形で両
辺方向ともに反りを矯正したい場合は、第４図イ
又はロのように両辺方向に沿つたトラス鉄筋３，
３夫々に１つ又は複数のターンバツクル４，４を
介装する。

上記構成のプレキヤストコンクリート型枠は所
要箇所に連続して建込んだのち、前記ターンバツ
クル４を操作してトラス鉄筋３を押し引きするこ
とによりコンクリート板１の乾燥収縮に伴なつて
発生した反りを矯正し、しかる後、第５図のよう
に補強鉄筋２群の突出側に所要厚のコンクリート
６を打設することにより、その後打ちコンクリー
ト６とプレキヤストコンクリート板１とを複合一
体化して所望の鉄筋コンクリート版を作製するも
のである。

なお、反り矯正具４はターンバツクルに限ら
ず、トラス鉄筋３を押し引きできるものであれば
いかなる形態のものであつても良い。

【図面の簡単な説明】

図面は本発明に係るプレキヤストコンクリート
型枠の実施例を示し、第１図イ，ロは反り状態を
示す側面図、第２図は縦断側面図、第３図イ，ロ
及び第４図イ，ロは夫々、反り矯正具の配置例を
示す概略平面図、第５図は完成鉄筋コンクリート
版の縦断側面図である。 １……コンクリート板、２……補強鉄筋、３…
…トラス鉄筋、４……反り矯正具。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １ コンクリート板１と、このコンクリート板１
   の一面側に各頂部が突出する状態でかつ強度一体
   化する状態にコンクリート板１に埋込固定された
   補強鉄筋２群ならびに、補強鉄筋２群の各頂部２
   ａを連結するように前記コンクリート板１の板面
   に沿つた姿勢又はほぼ沿つた姿勢に架設されたト
   ラス鉄筋３とを有するプレキヤストコンクリート
   型枠であつて、前記トラス鉄筋３の中間部に押し
   引きによる反り矯正具４が介装されているプレキ
   ヤストコンクリート型枠。