JPH0254409B2 - - Google Patents
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- JPH0254409B2 JPH0254409B2 JP57065923A JP6592382A JPH0254409B2 JP H0254409 B2 JPH0254409 B2 JP H0254409B2 JP 57065923 A JP57065923 A JP 57065923A JP 6592382 A JP6592382 A JP 6592382A JP H0254409 B2 JPH0254409 B2 JP H0254409B2
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Description
本発明はAgマトリクスに金属酸化物を分散し
た電気接点材料に関するものである。 金属酸化物を利用したAg−酸化物複合接点材
料として、Ag−CdO接点材料が広く利用されて
いる。Ag−CdO接点材料は、接点材料に要求さ
れる接触抵抗、耐溶着性、耐アーク消耗などに平
均的に優れた性能を示すことから、継電器、家庭
用電気機器の電源スイツチ、一般産業用の電磁開
閉器など、数アンペア以上の負荷電流域に多用さ
れている。 しかるに、近年、上記各種の電源開閉器に対し
安全上の規制に伴なう接触信頼性、耐絶縁性の向
上が強く要求されて来ている。また他方において
は、電気機器の半導体化に連れて各種の電子部品
は小型化が望まれ、電源開閉器においても例外で
はない。この要求は、接点間距離の縮少など安全
上の規制から見れば相矛盾するものとなり、加え
て、最近においては、Ag資材の急激なコスト上
昇にともない、経済性の面から接点の大きさをよ
り小さくする傾向があり、結果的には、接点の単
位面積当りの開閉負荷を大きくとれる材料が求め
られている。 Agマトリクスに酸化ビスマスを分散させた接
点材料は、接触抵抗が低く耐溶着性の優れた接点
材料であるが、その問題点として消耗量が多いと
いうことが見受けられた。 発明者らはこの点を改良するために種々検討を
重ねた結果、先に、AgマトリクスにBiの酸化物
の他にSnの酸化物を添加し、これら両酸化物を
反応させて、Bi−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)とし、
これを分散させた材料を提案した。 この接点材料は、耐溶着性、耐消耗性に対して
良好な特性を示すものであるが、前述したように
最近の傾向により接点の形状を小さくして単位面
積当りの開閉負荷を大きくすると、開閉回数が増
えるにつれて接点が変形し、周辺に酸化物が抜け
たAgに富む層が生成し、接点特性、特に耐溶着
性を悪化させる傾向が見られた。このときの接点
の断面を示すと、第1図のとおりである。図にお
いて、1,1′は接点ばね、2,2′はAg−酸化
物接点、3,3′はAgに富む層である。開閉回数
が増大すると、Agに富む層はそれに比例して成
長するために、接点表面全体におけるAgに富む
層の面積は開閉回数の2乗にあたかも比例する如
くに増える。その結果、接点表面の真に接触して
いる点が、Agに富む層に存在する割合も増大し、
当然のことながら、Agに富む層は耐溶着性が劣
るため、接点の溶着回数は著しく増加し始める。 本発明はこのような点に鑑みて成されたもの
で、改良されたAg−Bi2Sn2O7系電気接点材料を
提供するものである。すなわち、発明者等は上記
AgマトリクスにBi−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)を
分散した材料に関して引き続いて改良検討した結
果、Agに富む層の発生を防止する方法としてSn
酸化物(SnO2)をBi−Sn酸化物(Bi2Sn2O7)よ
り十分に多くすることが効果を示すことを見い出
した。 以下、本発明の電気接点材料について詳細に説
明する。 本発明の電気接点材料は、Agマトリクス中に
Bi−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)とSnの酸化物
(SnO2)を含有するAg−酸化物複合接点材料で
含有されている酸化物の量は、金属換算値でBi2
〜2.9重量%、Sn6.1〜10重量%であり、残部が
Agとなつている。 上記したAgマトリクスに、Bi−Snの酸化物
(Bi2Sn2O7)とSnの酸化物(SnO2)を分散した
接点材料においては、全体的な傾向として、Bi
の含有量すなわちBi2Sn2O7酸化物の含有量が増
加すると耐溶着性が上昇する傾向にあるが、前述
の如く小型接点に高負荷を印加した場合、Biの
含有量が多いと接点表面の変型が著しく、第1図
に示した傾向をとりやすい。従つて、材料的には
耐溶着性が高いにもかかわらず、開閉回数が増大
すると逆に溶着しやすい結果を招くことになる。
一方、Snの含有量すなわちSnO2が増加すると、
材料そのものの耐溶着性改善の効果は少ないが、
先に記した変型が少なく、第1図に示した傾向が
生じにくい状況を示す。従つて、開閉回数が増大
した場合には、結果的には溶着する割合が少ない
ことになる。この現象は、恐らくBi2Sn2O7と
SnO2のアーク放電やジユール熱に対する熱的挙
動においてBi2Sn2O7が不安定であること、さら
には機械的な強度、硬さなどの相違によつてもた
らされているものと考えられる。BiとSnの酸化
物(Bi2Sn2O7)は、Biの酸化物(Bi2O3)とSn
の酸化物(SnO2)をモル比で1:2の割合で700
〜900℃の範囲内の温度で加熱することにより、
黄緑石構造をもつ酸化物として生成する。その融
点は1200℃以上で、昇華性を示し、Agマトリク
スに分散することにより耐溶着性の向上が得られ
る。しかして、AgマトリクスにBi−Sn酸化物を
分散させる手法として、Ag−Bi−Snの三元合金
を酸化雰囲気中にて加熱し、BiとSnを選択的に
酸化させるいわゆる内部酸化法が取られるが、上
記モル比より換算すれば、三元合金中のBiの重
量xとSnの重量yがy/x≒0.57の関係にてBi
−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)を生成させることが
できる。しかしながら、この関係にてAgと合金
化されているBiとSnを内部酸化により確実にBi
−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)に転化させることは
困難で、特に、Agに固溶しにくいBiが偏析して
Bi酸化物(Bi2O3)として存在しやすい傾向があ
る。その結果、Bi酸化物(Bi2O3)が存在する場
合には、先に述べたように、小径化した接点面に
高負荷を印加すると接触面が荒れたり変形し、望
ましい状況を呈しない。このような観点から、ビ
スマス量に対して十分な量のSnを配した三元合
金を内部酸化することによつて、Bi酸化物が単
独で存在することを防止する必要がある。一方、
Sn量が過多になるとSn酸化物(SnO2)の影響が
特性を強く支配するようになる。例えば、Sn酸
化物が多く含有されると接触抵抗が上昇する。あ
るいは、機械加工性が降下するなどの現象が現わ
れる。しかしながら、小径接点に高負荷を印加し
ている状態においては、Bi−Sn酸化物の昇華に
よる接点面の清浄作用によつて接触抵抗の増大が
防止されやすいこと、また機械加工性について
は、後述するように製法や組成上でZnの微量添
加によつて改善されることから、Sn量過多の欠
点は大きく緩和される。 本発明の電気接点材料は、以上述べたような昇
華温度の低いBiとSnの酸化物と、昇華分解温度
の高い錫酸化物との相乗作用によつて、本発明の
用途に対して優れた接点特性を現出しているもの
であるが、これらの特性を引き出すためには、本
発明のAg−酸化物接点材料の金属成分組成は少
なくともBiが2〜2.9重量%、Snが6.1〜10重量
%、残部がAgより成るものである。これらの成
分組成において、Biについては前述した用途に
対して望ましい特性の得られた範囲である。ま
た、Snについては先に記した変形に対する強さ
から6重量%よりも多いことが望まれ、接触抵
抗、材料の加工性などからは上限として10重量%
に留められる。 なお、本発明にかかる材料においては、さらに
添加酸化物として、Ni、Co、ミツシユメタル、
Znの酸化物を添加することが接点特性の向上に
つながる。特に、Ni、Co、ミツシユメタルは添
加によりアーク放電の消弧作用、あるいは材料硬
度の上昇により消耗量を少なくすることが認めら
れる。また、Zn酸化物を添加した場合には機械
加工能の改善効果が認められる。これら酸化物の
好ましい添加範囲は、金属成分として0.1〜2重
量%である。 以上説明した本発明をより具体的にするために
次に実施例を示す。 実施例 本発明の組成に従つて、Ag、Bi、Sn、Ni、
Co、Zn、ミツシユメタル(ランタン、セリウム、
ネオジウム、プラセオジウムなどの希土類金属を
93重量%以上含む)を合量200g秤量する。これ
を溶解し、加圧窒素ガスにて噴霧し、2000rpmに
て回転しているφ400m/mのステンレス円板に噴
射し、急冷された径0.5〜1m/m、厚さ0.1m/m
以下の隣片状粉体に転化する。これによつて、偏
析しやすいBiを粉体内に均質に固溶させること、
およびSn量が増大すると次工程における内部酸
化の進行が遅くなるために内部酸化を速く行うこ
と、さらに最終素材としての機械加工能の向上が
計られる。前記粉体は、次に750℃の空気中にて
20時間加熱され、Ag以外の添加金属を選択的に
酸化し、Agをマトリクスとした酸化物を含む粉
体とされる。この粉体は、φ20m/m径の円筒型に
装填され、8トン/cm2の圧力で成型され、さらに
900℃で2時間焼結される。次いで、この焼結体
は650℃の温間押出しにより2m/m径の線材に加
工される。その後、冷間加工と焼鈍を繰返しなが
ら径1.4m/mの線材まで加工され、さらに径2.7
m/m、曲率半径8m/mの球面頭部を有する接点
鋲に加工され、接点開閉試験の試料に供される。 接点特性は、第2図の回路を用いた試験により
評価された。すなわち、スイツチS1として
ASTM型試験機を用いて、接触力30g、開離力
40g、開閉速度10cm/秒なる開閉条件とし、試験
負荷として商用電源周波数60Hz、電圧125V、ダ
イオード保護抵抗器r=2.4Ω、負荷R=25Ω、
容量C=760μFとした。従つて、突入電流のピー
クは80A、定常5Aである。スイツチS2は、容量
Cの電荷をスイツチS1をオンする直前に放電させ
るための回路を構成するものである。 接点特性の評価は、上記条件にて3×104回開
閉した時の溶着回数、すなわち接点を開離するた
めに40gを越える力を要した回数および、3×104
回開閉後の接点の消耗量により行つた。試験数量
は各6対であり、次表に各特性の最小値と最大値
を示した。比較試料として、Ag−CdO(CdO:
13.5重量%)合金の特性も併せて示す。
た電気接点材料に関するものである。 金属酸化物を利用したAg−酸化物複合接点材
料として、Ag−CdO接点材料が広く利用されて
いる。Ag−CdO接点材料は、接点材料に要求さ
れる接触抵抗、耐溶着性、耐アーク消耗などに平
均的に優れた性能を示すことから、継電器、家庭
用電気機器の電源スイツチ、一般産業用の電磁開
閉器など、数アンペア以上の負荷電流域に多用さ
れている。 しかるに、近年、上記各種の電源開閉器に対し
安全上の規制に伴なう接触信頼性、耐絶縁性の向
上が強く要求されて来ている。また他方において
は、電気機器の半導体化に連れて各種の電子部品
は小型化が望まれ、電源開閉器においても例外で
はない。この要求は、接点間距離の縮少など安全
上の規制から見れば相矛盾するものとなり、加え
て、最近においては、Ag資材の急激なコスト上
昇にともない、経済性の面から接点の大きさをよ
り小さくする傾向があり、結果的には、接点の単
位面積当りの開閉負荷を大きくとれる材料が求め
られている。 Agマトリクスに酸化ビスマスを分散させた接
点材料は、接触抵抗が低く耐溶着性の優れた接点
材料であるが、その問題点として消耗量が多いと
いうことが見受けられた。 発明者らはこの点を改良するために種々検討を
重ねた結果、先に、AgマトリクスにBiの酸化物
の他にSnの酸化物を添加し、これら両酸化物を
反応させて、Bi−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)とし、
これを分散させた材料を提案した。 この接点材料は、耐溶着性、耐消耗性に対して
良好な特性を示すものであるが、前述したように
最近の傾向により接点の形状を小さくして単位面
積当りの開閉負荷を大きくすると、開閉回数が増
えるにつれて接点が変形し、周辺に酸化物が抜け
たAgに富む層が生成し、接点特性、特に耐溶着
性を悪化させる傾向が見られた。このときの接点
の断面を示すと、第1図のとおりである。図にお
いて、1,1′は接点ばね、2,2′はAg−酸化
物接点、3,3′はAgに富む層である。開閉回数
が増大すると、Agに富む層はそれに比例して成
長するために、接点表面全体におけるAgに富む
層の面積は開閉回数の2乗にあたかも比例する如
くに増える。その結果、接点表面の真に接触して
いる点が、Agに富む層に存在する割合も増大し、
当然のことながら、Agに富む層は耐溶着性が劣
るため、接点の溶着回数は著しく増加し始める。 本発明はこのような点に鑑みて成されたもの
で、改良されたAg−Bi2Sn2O7系電気接点材料を
提供するものである。すなわち、発明者等は上記
AgマトリクスにBi−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)を
分散した材料に関して引き続いて改良検討した結
果、Agに富む層の発生を防止する方法としてSn
酸化物(SnO2)をBi−Sn酸化物(Bi2Sn2O7)よ
り十分に多くすることが効果を示すことを見い出
した。 以下、本発明の電気接点材料について詳細に説
明する。 本発明の電気接点材料は、Agマトリクス中に
Bi−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)とSnの酸化物
(SnO2)を含有するAg−酸化物複合接点材料で
含有されている酸化物の量は、金属換算値でBi2
〜2.9重量%、Sn6.1〜10重量%であり、残部が
Agとなつている。 上記したAgマトリクスに、Bi−Snの酸化物
(Bi2Sn2O7)とSnの酸化物(SnO2)を分散した
接点材料においては、全体的な傾向として、Bi
の含有量すなわちBi2Sn2O7酸化物の含有量が増
加すると耐溶着性が上昇する傾向にあるが、前述
の如く小型接点に高負荷を印加した場合、Biの
含有量が多いと接点表面の変型が著しく、第1図
に示した傾向をとりやすい。従つて、材料的には
耐溶着性が高いにもかかわらず、開閉回数が増大
すると逆に溶着しやすい結果を招くことになる。
一方、Snの含有量すなわちSnO2が増加すると、
材料そのものの耐溶着性改善の効果は少ないが、
先に記した変型が少なく、第1図に示した傾向が
生じにくい状況を示す。従つて、開閉回数が増大
した場合には、結果的には溶着する割合が少ない
ことになる。この現象は、恐らくBi2Sn2O7と
SnO2のアーク放電やジユール熱に対する熱的挙
動においてBi2Sn2O7が不安定であること、さら
には機械的な強度、硬さなどの相違によつてもた
らされているものと考えられる。BiとSnの酸化
物(Bi2Sn2O7)は、Biの酸化物(Bi2O3)とSn
の酸化物(SnO2)をモル比で1:2の割合で700
〜900℃の範囲内の温度で加熱することにより、
黄緑石構造をもつ酸化物として生成する。その融
点は1200℃以上で、昇華性を示し、Agマトリク
スに分散することにより耐溶着性の向上が得られ
る。しかして、AgマトリクスにBi−Sn酸化物を
分散させる手法として、Ag−Bi−Snの三元合金
を酸化雰囲気中にて加熱し、BiとSnを選択的に
酸化させるいわゆる内部酸化法が取られるが、上
記モル比より換算すれば、三元合金中のBiの重
量xとSnの重量yがy/x≒0.57の関係にてBi
−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)を生成させることが
できる。しかしながら、この関係にてAgと合金
化されているBiとSnを内部酸化により確実にBi
−Snの酸化物(Bi2Sn2O7)に転化させることは
困難で、特に、Agに固溶しにくいBiが偏析して
Bi酸化物(Bi2O3)として存在しやすい傾向があ
る。その結果、Bi酸化物(Bi2O3)が存在する場
合には、先に述べたように、小径化した接点面に
高負荷を印加すると接触面が荒れたり変形し、望
ましい状況を呈しない。このような観点から、ビ
スマス量に対して十分な量のSnを配した三元合
金を内部酸化することによつて、Bi酸化物が単
独で存在することを防止する必要がある。一方、
Sn量が過多になるとSn酸化物(SnO2)の影響が
特性を強く支配するようになる。例えば、Sn酸
化物が多く含有されると接触抵抗が上昇する。あ
るいは、機械加工性が降下するなどの現象が現わ
れる。しかしながら、小径接点に高負荷を印加し
ている状態においては、Bi−Sn酸化物の昇華に
よる接点面の清浄作用によつて接触抵抗の増大が
防止されやすいこと、また機械加工性について
は、後述するように製法や組成上でZnの微量添
加によつて改善されることから、Sn量過多の欠
点は大きく緩和される。 本発明の電気接点材料は、以上述べたような昇
華温度の低いBiとSnの酸化物と、昇華分解温度
の高い錫酸化物との相乗作用によつて、本発明の
用途に対して優れた接点特性を現出しているもの
であるが、これらの特性を引き出すためには、本
発明のAg−酸化物接点材料の金属成分組成は少
なくともBiが2〜2.9重量%、Snが6.1〜10重量
%、残部がAgより成るものである。これらの成
分組成において、Biについては前述した用途に
対して望ましい特性の得られた範囲である。ま
た、Snについては先に記した変形に対する強さ
から6重量%よりも多いことが望まれ、接触抵
抗、材料の加工性などからは上限として10重量%
に留められる。 なお、本発明にかかる材料においては、さらに
添加酸化物として、Ni、Co、ミツシユメタル、
Znの酸化物を添加することが接点特性の向上に
つながる。特に、Ni、Co、ミツシユメタルは添
加によりアーク放電の消弧作用、あるいは材料硬
度の上昇により消耗量を少なくすることが認めら
れる。また、Zn酸化物を添加した場合には機械
加工能の改善効果が認められる。これら酸化物の
好ましい添加範囲は、金属成分として0.1〜2重
量%である。 以上説明した本発明をより具体的にするために
次に実施例を示す。 実施例 本発明の組成に従つて、Ag、Bi、Sn、Ni、
Co、Zn、ミツシユメタル(ランタン、セリウム、
ネオジウム、プラセオジウムなどの希土類金属を
93重量%以上含む)を合量200g秤量する。これ
を溶解し、加圧窒素ガスにて噴霧し、2000rpmに
て回転しているφ400m/mのステンレス円板に噴
射し、急冷された径0.5〜1m/m、厚さ0.1m/m
以下の隣片状粉体に転化する。これによつて、偏
析しやすいBiを粉体内に均質に固溶させること、
およびSn量が増大すると次工程における内部酸
化の進行が遅くなるために内部酸化を速く行うこ
と、さらに最終素材としての機械加工能の向上が
計られる。前記粉体は、次に750℃の空気中にて
20時間加熱され、Ag以外の添加金属を選択的に
酸化し、Agをマトリクスとした酸化物を含む粉
体とされる。この粉体は、φ20m/m径の円筒型に
装填され、8トン/cm2の圧力で成型され、さらに
900℃で2時間焼結される。次いで、この焼結体
は650℃の温間押出しにより2m/m径の線材に加
工される。その後、冷間加工と焼鈍を繰返しなが
ら径1.4m/mの線材まで加工され、さらに径2.7
m/m、曲率半径8m/mの球面頭部を有する接点
鋲に加工され、接点開閉試験の試料に供される。 接点特性は、第2図の回路を用いた試験により
評価された。すなわち、スイツチS1として
ASTM型試験機を用いて、接触力30g、開離力
40g、開閉速度10cm/秒なる開閉条件とし、試験
負荷として商用電源周波数60Hz、電圧125V、ダ
イオード保護抵抗器r=2.4Ω、負荷R=25Ω、
容量C=760μFとした。従つて、突入電流のピー
クは80A、定常5Aである。スイツチS2は、容量
Cの電荷をスイツチS1をオンする直前に放電させ
るための回路を構成するものである。 接点特性の評価は、上記条件にて3×104回開
閉した時の溶着回数、すなわち接点を開離するた
めに40gを越える力を要した回数および、3×104
回開閉後の接点の消耗量により行つた。試験数量
は各6対であり、次表に各特性の最小値と最大値
を示した。比較試料として、Ag−CdO(CdO:
13.5重量%)合金の特性も併せて示す。
【表】
【表】
以上の説明および表の結果から明らかなよう
に、本発明にかかる電気接点材料は、従来のAg
−CdOの接点に比較して、溶着、消耗のいずれの
特性においても優れた値を示しており、産業上の
価値の大なるものである。
に、本発明にかかる電気接点材料は、従来のAg
−CdOの接点に比較して、溶着、消耗のいずれの
特性においても優れた値を示しており、産業上の
価値の大なるものである。
第1図は、従来の電気接点材料の開閉試験後の
状態を示す断面図、第2図は本発明にかかる電気
接点材料の試験用回路の配線図である。
状態を示す断面図、第2図は本発明にかかる電気
接点材料の試験用回路の配線図である。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 Ag−卑金属合金粉粒体を内部酸化し焼結し
て、Agマトリクスに卑金属酸化物粒子を分散し
たAg−酸化物複合材料であつて、Agマトリクス
に分散している主たる酸化物がBi−Snの酸化物
(Bi2Sn2O7)及びSnの酸化物(SnO2)であり、
その金属合金成分が金属換算値で、Biを2.0〜2.9
重量%、Snを6.1〜10.0重量%を含み、残部がAg
であることを特徴とする電気接点材料。 2 Ag−卑金属合金粉粒体を内部酸化し焼結し
て、Agマトリクスに卑金属酸化物粒子を分散し
たAg−酸化物複合材料であつて、Agマトリクス
に分散している主たる酸化物がBi−Snの酸化物
(Bi2Sn2O7)及びSnの酸化物(SnO2)であり、
その金属合金成分が金属換算値で、Biを2.0〜2.9
重量%、Snを6.1〜10.0重量%およびNi、Co、ミ
ツシユメタル、Znの中の1種を0.1〜2.0重量%含
み、残部がAgであることを特徴とする電気接点
材料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57065923A JPS58181837A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | 電気接点材料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP57065923A JPS58181837A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | 電気接点材料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPS58181837A JPS58181837A (ja) | 1983-10-24 |
JPH0254409B2 true JPH0254409B2 (ja) | 1990-11-21 |
Family
ID=13300972
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP57065923A Granted JPS58181837A (ja) | 1982-04-19 | 1982-04-19 | 電気接点材料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPS58181837A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0496711U (ja) * | 1991-01-24 | 1992-08-21 |
Families Citing this family (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN100402195C (zh) * | 2006-04-07 | 2008-07-16 | 桂林金格电工电子材料科技有限公司 | 银复合氧化锡触头材料制备工艺 |
Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5384163A (en) * | 1976-12-29 | 1978-07-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Method of producing electric contactor |
-
1982
- 1982-04-19 JP JP57065923A patent/JPS58181837A/ja active Granted
Patent Citations (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPS5384163A (en) * | 1976-12-29 | 1978-07-25 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | Method of producing electric contactor |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JPH0496711U (ja) * | 1991-01-24 | 1992-08-21 |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPS58181837A (ja) | 1983-10-24 |
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