JPH0254182B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、精密鋳造用セラミツクシエルモール
ドの製造に関し、セラミツクシエルモールドの製
造プラントに係る。

精密鋳造用セラミツクシエルモールドは周知の
方法では次のようにして作られる。即ち、モール
ドが十分な厚さになるまで、結合剤懸濁液に浸漬
し、この付着した懸濁液フイルムに耐火性の粒子
を砂まきし、続いて乾燥することによつて、この
ような複数の被覆層を、溶去する模型または鋳造
システムに複合された房状模型上に形成すること
により作られる。前記の十分な厚さのモールドは
模形材料が溶去した後で燃焼されて直ちに使用で
きるモールドになる。

セラミツクシエルモールドを製造するために２
つの型のプラントが知られている。第１のいわゆ
るメリーゴーランド型の代表的なものは米国特許
明細書第3278998号、同第3429358号および同第
360288号に記載されている。このプラントは個々
の被覆層を硬化するために化学的な方法が専ら用
いられる。しかし、中間乾燥を行わずにセラミツ
クモールドを製作すると、セラミツクモールドの
品質が悪くなり、特にモールドの強度が弱くな
る。続いて行われるモールドの後乾燥ではこの欠
点を除去することができない。

第２の型のプラントは米国特許明細書第
2932864号、同第3850224号と西独国特許公開公報
第2735395号に記載されている。このプラントは
被覆層の数に相当する数のＵ字状乾燥トンネル
と、この乾燥トンネルの上方でループ状に延びる
無端のセラミツクモールド用コンベヤ装置と、空
気調和兼供給装置とからなつている。前記乾燥ト
ンネルは自由端が開放した各々１つの入口部分
と、これと類似の各々１つの出口部分と、入口部
分と出口部分を接続する中央部分を備えている。
前記空気調和兼供給装置は空気供給通路と空気排
出通路によつて乾燥トンネルと接続されている。
空気供給通路または空気排出通路の配置に応じ
て、乾燥空気はセラミツクモールドのコンベヤ装
置に沿つてまたはコンベヤ装置に対して横方向に
乾燥トンネルを流過する。乾燥トンネルの入口部
分または出口部分の開放した各端部は、各被覆層
用浸漬ステーシヨンおよびサンデイングステーシ
ヨンを付設した作業室に開口している。

西独国特許公開公報第2735395号記載の実施形
の場合には、各乾燥トンネルに空気供給装置が付
設され、この空気供給装置は入口部分と出口部分
のために、別々の乾燥空気調和手段を備えてい
る。この手段はその時々の乾燥度合に適合する。
この実施形は米国特許明細書第2932864号と同第
3850224号記載のプラントと違つて、良好な品質
のセラミツクモールドの製造を可能にする。この
セラミツクモールドは、各被覆層のための乾燥パ
ラメータが厳守されると、乾燥によつて生ずる品
質上の欠陥がない。

米国特許明細書第2932864号に記載されている、
少数のセラミツクモールドを乾燥させるための他
の実施形は、乾燥時にセラミツクモールドが動か
ない点で前記の実施形と異なる。この実施形の場
合には、乾燥通路がキヤビネツト状のケーシング
の中に並列にかつ上下に配置され、セラミツクモ
ールドがレールの形をした各々１つの引出し板に
よつて乾燥通路の中に挿入される。

これらのプラントの共通の欠点は、浸漬ステー
シヨンとサンデイングステーシヨンと乾燥ステー
シヨンが各被覆層のために別々に設けられている
のでプラントの装置上のコストがきわめて大であ
り、かつ広い据付け面積を必要とすることにあ
る。米国特許明細書第2932864号記載のキヤビネ
ツト状プラントは実施が容易であるが、作動態様
が不連続であるので、精密鋳造用鋳型の大量生産
には適していない。

本発明の目的は、セラミツクシエルモールドを
連続的に大量生産する際に、品質特にモールド強
度を損なうことなく、装置コストと必要な据付け
面積を少なくすることである。

本発明の課題は、極く少数の浸漬ステーシヨン
とサンデイングステーシヨンと乾燥ステーシヨン
を備えたセラミツクモールド製造プラントを提供
することである。この場合、ステーシヨンの数は
被覆層の数に依存せず、そしてほぼ東独国特許公
報（WP B22c／223427）に記載されている方法
で個々の被覆層を、異なる性質特に異なる速度の
乾燥空気によつて乾燥させるべきである。

この課題は本発明に従つて、それぞれ水平な平
面に沿つて延びる乾燥通路が２つだけ設けられ、
かつこの乾燥通路が間隔をおいて上下に配置さ
れ、この両乾燥通路に共通のコンベヤが付設さ
れ、このコンベヤが２段の無端コンベヤの形の両
乾燥通路の全長にわたつて延び、更に下方と上方
の乾燥通路を通つて模型またはセラミツクシエル
モールドを順々にかつ何度も運搬できるようにす
るために両乾燥通路が互いに連通していることに
よつて解決される。本発明の他の特徴に依れば、
溶去可能な模型に第１の被覆層を形成するため
に、下方の乾燥通路の入口の領域に、結合剤被覆
層を形成するための浸漬ステーシヨンと耐火性の
粒子を積層するためのサンデイングステーシヨン
が運搬方向に順々に設けられ、第２および他の被
覆層を形成するための各々１つの浸漬ステーシヨ
ンとサンデイングステーシヨンが下方の乾燥通路
の出口の領域に設けられている。下方と上方の乾
燥通路は乾燥空気用供給導管と戻り導管によつて
乾燥空気浄化用の中央のステーシヨンと接続さ
れ、このステーシヨン内で所定の割合の新気が空
気調和され、続いて乾燥通路から戻る乾燥空気と
混合され、そして被覆層を乾燥させるためにここ
から乾燥通路に供給される。乾燥通路は好ましく
は互いに平行に配置された真直な複数の区間から
なり、この区間は、乾燥通路が蛇行形に延びるよ
う中間部分によつて対をなして交互に連結されて
いる。性質が被覆層のそれぞれの乾燥過程に相応
する乾燥空気を乾燥通路の個々の区間に供給する
ために、乾燥通路のこの区間は個別的にまたはグ
ループをなしてその端面が供給導管と戻し導管に
よつて乾燥空気調和ステーシヨンと接続され、そ
して空気供給通路内には他の加熱装置と、絞り弁
またはルーバー薄板を備えた通風機もしくは回転
数に応じて制御される通風機が設けられている。
それによつて、乾燥空気温度が乾燥過程に適した
温度に調節され、乾燥空気の風速が所定の温度に
調節される。乾燥空気が水または溶媒と強く混合
する乾燥通路の区間は排気導管によつて外気と直
接的に連通している。この区間は通常、セラミツ
クモールドが浸漬および砂まきのすぐ後で運ばれ
て通過する区間である。乾燥通路の横断面積は好
ましくは、それが模型の外形と調和しかつ乾燥通
路の壁と模型の間に狭い隙間が生じるように形成
される。

セラミツクモールドが乾燥通路を通過する際に
絶えず回転すると好都合である。この場合、この
回転は周知の方法で所属の荷重懸架装置によつて
行われる。

本発明の係るプラントは装置コストが安いとい
う利点と据付け面積が狭いという利点を結びつ
け、同時にその時々の乾燥条件に適した異なる性
質の乾燥空気によつてセラミツクシエルモールド
の個々の被覆層のための乾燥態様を改善する。

本発明並びに他の詳細な事柄を図に基づいて詳
しく説明する。

本発明に係るプラントは下方の乾燥通路１とそ
の上に設けた上方の乾燥通路２からなつている。
この両通路には、模形とシエルモールド４のため
の共通のコンベヤ３が付設されている。コンベヤ
３は二段状の無端コンベヤであり、かつそれぞれ
乾燥通路１，２の上方でその全長にわたつて延び
ている。この場合、コンベヤは搬送方向に見て上
昇区間５によつて下方の乾燥通路１の出口６と上
方の乾燥通路２の入口７を接続し、そしてコンベ
ヤ３の下降区間８は上方乾燥通路２の下方へ延び
る部分９に追従している。

コンベヤ３のこの下降区間８並びに上昇区間５
が下方の乾燥通路１と上方の乾燥通路２を接続し
ているので、２つの平面に沿つて延びるセラミツ
クモールド４用乾燥路が形成され、すべてのモー
ルドがこの乾燥路を何度も通過することができ
る。本実施例では上方の乾燥通路２が下方の乾燥
通路１の平面まで下降する部分９を備えている。
下方の乾燥通路１からの排気はこの部分を通つて
詳細に説明しない空気調和ステーシヨンすなわ
ち、空気浄化ステーシヨン２９へ導かれ、同時に
乾燥のために利用可能である。更に、部分９を設
けないで本発明を実施し、乾燥通路１からの排気
を他の方法で空気調和ステーシヨン２９に戻すか
または他の場所から排出することができる。

下方の乾燥通路１は複数の真直な区間１０，１
１，１２からなつている。これらの区間は対をな
してかつ中間部分１３，１４によつて交互に連結
されている。従つて、乾燥通路１は蛇行形に形成
されている。下方の乾燥通路１の入口１５の領域
と、セラミツクモールドの運搬方向に見て出口６
の後方において、結合剤懸濁液を積層するための
浸漬ステーシヨン１６，１７とサンデイングステ
ーシヨン１８，１９がコンベヤ３の作用範囲に設
けられている。この場合、入口１５の領域に配置
された浸漬ステーシヨン１６と、第１の被覆層を
形成するためのサンデイングステーシヨン１８
と、残りのすべての被覆層を形成するための浸漬
およびサンデイングステーシヨン１７，１９が設
けられている。このためにコンベヤ３はステーシ
ヨン１６，１８の領域において周知の方法で次の
ように形成されている。即ち、コンベヤ３の荷物
つり具がステーシヨン１６，１８を選択的に通過
するかまたはこのステーシヨンを迂回して乾燥通
路１の区間１０へ直接的に運搬されるように形成
されている。

この種の装置は分岐装置として知られているの
で、ここでは詳説しない。ステーシヨン１７，１
９の領域においてもコンベヤ３を前記と同様に形
成することができる。しかし、本実施例ではこの
ように形成する必要はない。なぜなら、最後の被
覆層が形成されそして乾燥通路１，２を新たに通
過した後乾燥するまで、未完成のセラミツクモー
ルドが乾燥の度毎にステーシヨン１７，１９を通
るからである。その後、セラミツクモールドは取
去ステーシヨン２０でコンベヤから取去される。
運搬方向に見てステーシヨン１６，１８の手前
に、被覆されていない模型または房状模型のため
の投入ステーシヨン２１が設けられている。

上方の乾燥通路２は下方の乾燥通路とほぼ同じ
ように多数の真直な区間２２，２３，２４，２５
からなつている。これらの区間は中間部分２６，
２７，２８によつて連結されて蛇行形の乾燥通路
２を形成している。

セラミツクモールド用乾燥空気を調和するため
に、空気調和ステーシヨン２９が導管３１によつ
て吸込まれる新気のための空気調和設備３０を備
えている。乾燥気は空気調和ステーシヨン２９か
ら供給導管３２，３３，３４，３５を通つて乾燥
通路１並びに乾燥通路２の区間２２，２３，２４
に供給される。乾燥通路１の下方には室３６が設
けられている。乾燥通路１の排気が導管３７を経
てこの室３６に導かれる。この排気の一部は、乾
燥通路２の下方へ延びる部分９の出口に設けた通
風フアン３８によつてエアーカーテンを形成する
ために利用され、大部分は戻り導管３９と乾燥通
路２の下方へ延びる部分９と乾燥通路の区間２５
を経て空気調和ステーシヨン２９へ供給される。
この場合、部分９と区間２５内の排気はそこを通
つて運ばれるセラミツクモールドを乾燥するため
に使用される。

区間２２に供給された乾燥空気は湿気が多いの
で排気導管４０から排気として排出される。区間
２３，２４に吹込まれた乾燥空気は戻り導管４１
を経て空気調和ステーシヨン２９に達する。乾燥
通路１，２から区間２５と戻り導管４１を通つて
空気調和ステーシヨン２９に戻つた乾燥空気はこ
こで空気調和された新気と混り、再生されたこの
乾燥空気は供給導管３２，３３，３４，３５を経
て乾燥通路１，２に吹込まれる。この供給導管は
調節可能な後熱装置と調節可能な絞り弁を備えて
いる。室３６内に他の通風フアンを設けてもよ
い。この通風フアンは流動床を発生するための適
当な導管によつてサンデイングステーシヨン１
８，１９に乾燥空気を供給する。

セラミツクモールドを製造するために溶去可能
な模型または房状模型が投入ステーシヨン２１か
らコンベヤ３に供給される。続いて、模型は浸漬
ステーシヨン１６とサンデイングステーシヨン１
８を通過し、そしてここで結合剤懸濁液と耐火性
の粒子からなる第１の被覆部が形成される。この
ようにして第１の被覆層を備えた模型は続いて乾
燥通路１の中を運ばれる。この場合、模型は所定
の性質の乾燥空気によつて乾燥される。この乾燥
空気は供給導管３２から乾燥通路１の区間１０，
１１，１２に供給される。第１の被覆層が乾燥し
た後で、セラミツクモールドは出口６を通つて乾
燥通路１から出され、そして浸漬ステーシヨン１
７とサンデイングステーシヨン１９において新し
い懸濁液フイルムと耐火性の粒子を付着させるこ
とによつて第２の被覆層が形成される。第１の被
覆層のための乾燥空気性質よりも悪い所定の性質
の乾燥空気によつて第２の被覆層を乾燥させるた
めに、セラミツクモールドはコンベヤ３によつて
このコンベヤの上昇区間５と入口７を経て乾燥通
路２に供給される。セラミツクシエルモールドは
乾燥通路２を通過するときに乾燥空気によつて送
風される。この乾燥空気の性質は第２およびその
他の被覆層の乾燥過程を開始するためにこの被覆
層の乾燥条件に対応する。この乾燥空気は空気調
和ステーシヨン２９で空気調和され、そして供給
導管３３，３４，３５を経て乾燥通路２の区間２
２，２３，２４に供給される。供給導管３３，３
４，３５内に設けた後熱装置と絞り弁によつて、
乾燥空気の性質は乾燥通路２の区間毎に変わる乾
燥条件に相応して微調節される。セラミツクシエ
ルモールドは乾燥通路２を通過した後、下方へ延
びる部分９の端部からこの乾燥通路を出る。本実
施例においてこの部分９は好ましくは乾燥通路１
の作業平面まで延びている。それによつて、乾燥
通路１を流過してその中のモールドを乾燥した、
湿気が比較的少ない乾燥空気を、第１の乾燥区間
内で第２およびその他の被覆層を乾燥させるため
に、乾燥通路２の区間２５に供給することがコス
トをあまりかけずに可能である。セラミツクシエ
ルモールドは乾燥通路２から出た後で、コンベヤ
３によつて再び乾燥通路１に供給される。この場
合、浸漬ステーシヨン１６とサンデイングステー
シヨン１８のところでは処理をせずに通り過ぎ
る。乾燥通路１の第２の乾燥区間において第２の
被覆層の最終的な乾燥が行われるので、シエルモ
ールドは乾燥通路１の出口６から出た後で浸漬ス
テーシヨン１７とサンデイングステーシヨン１９
内で処理することによつて第３の被覆層を形成す
ることができる。この被覆層の乾燥は前記の第２
の被覆層と同じ様に行われる。これにより、モー
ルドがその実際の使用にとつて必要な厚さまたは
強度を得るまで、シエルモールドの他の被覆層を
形成および乾燥することができる。必要な数の被
覆層が模型の周りに形成されかつ乾燥された後
で、セラミツクシエルモールドは取去ステーシヨ
ン２０でコンベヤ３から除去される。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明に係るプラントの概略側面図、
第２図のＡ−Ａ線に沿つた平面図、第３図は第１
図のＢ−Ｂ線に沿つた平面図である。 １，２……乾燥通路、３……コンベヤ、６……
下方乾燥通路の出口、９……上方乾燥通路の下方
へ延びる部分、１０，１１，１２，２２，２３，
２４，２５……乾燥通路区間、１３，１４，２
６，２７……中間部分、１５……下方乾燥通路の
出口、１６，１７……浸漬ステーシヨン、１８，
１９……サンデイングステーシヨン、２９……空
気調和ステーシヨン、３２，３３，３４，３５…
…供給導管、３７……導管。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 乾燥通路と、この乾燥通路に対応して設けら
   れたコンベヤと、結合剤を付着させるための浸漬
   ステーシヨンと、耐火性粒子を積層するためのサ
   ンデイングステーシヨンと、空気調和ステーシヨ
   ンと、乾燥通路に接続された空気供給導管および
   空気戻り導管とを備えた、ロスト模型を使用して
   精密鋳造用セラミツクシエルモールドを製造する
   ためのプラントにおいて、水平に配向され間隔を
   おいて上下に配設された２つの乾燥通路１，２を
   備え、この両乾燥通路１，２に共通の１つのコン
   ベヤ３が付設され、このコンベヤが両乾燥通路の
   全長にわたつて延び、かつ両乾燥通路を二段状無
   端コンベヤの形に連結し、消失する模型に第１の
   被覆層を形成するための浸漬ステーシヨン１６と
   サンデイングステーシヨン１８が下方乾燥通路１
   の入口１５の領域に搬送方向に見て順番に設けら
   れ、第２および他の被覆層を形成するための浸漬
   ステーシヨン１７とサンデイングステーシヨン１
   ９が下方乾燥通路の出口６領域に設けられている
   ことを特徴とするプラント。 ２ 両乾燥通路１，２に、中央の空気調和ステー
   シヨン２９が付設され、この空気調和ステーシヨ
   ンが乾燥空気用の分離された供給導管３２，３
   ３，３４，３５によつて下方および上方の乾燥通
   路と接続されていることを特徴とする前記特許請
   求の範囲第１項記載のプラント。 ３ 供給導管内に、調節可能な後熱装置と調節可
   能な絞り弁が設けられていることを特徴とする前
   記特許請求の範囲第２項記載のプラント。 ４ 乾燥通路１，２が互いに平行に設けられた真
   直な区間１０，１１，１２，２２，２３，２４，
   ２５からなり、この区間がそれぞれ対をなしてか
   つ交互に中間部分１３，１４，２６，２７によつ
   て相互連結されていることを特徴とする前記特許
   請求の範囲第１項記載のプラント。 ５ 上方の乾燥通路２の一区間２５が下方の乾燥
   通路１の面まで下降する部分９を備え、この部分
   が下方乾燥通路１の排気のための導管３７と作用
   連結されていることを特徴とする前記特許請求の
   範囲第４項記載のプラント。