JPH0253669B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明は管継手に関する。

（従来の技術） 従来の管継手には、緊締手段を具備し、かつ、
縦割り管の形状を有し、前記緊締手段を締込むと
直径が減少して、互いに連結される管の端部周囲
に締付けられると共に、その端面側に内向きの環
状フランジを具備するハウジングと、ハウジング
によつて取囲まれ、その軸方向断面がＣ形で内側
へ開放したエラストマー製シールスリーブとを有
し、該シールスリーブの両方の端面に各々１個接
続され、直径が弾性的に収縮可能となるように開
放し、前記ハウジングによつて軸方向に支えられ
た止め輪が配設され、該止め輪の内周が周方向に
分布して配設されたつめ部材を具備し、該つめ部
材がハウジングの緊締の際に被連結管端の外周面
に食い込ませるために使用されるようにしたもの
がある。

上記の管継手は例えばスイス特許第620509号に
より公知である。このスイス特許は西独特許出願
公開第2731465号及び米国特許第4119333号とほと
んど同じ内容である。

公知の継手においては止め輪が中空の円錘台の
形状を有し、その外径がハウジングの端フランジ
と内面との間の隅角部に軸方向に支えられる。公
知の継手の止め輪の内周は半径方向切込みによつ
て薄板状になつており、薄板はブラインド状に重
なり合う。こうして止め輪の内径の薄板の自由端
がつめ部材を形成する。つめ部材はハウジングの
緊締の際に被連結管端の外面に食い込み又はそこ
につめを立てて固着する。

（発明が解決しようとする問題点） ところで、公知の継手の薄板のこの自由端の食
い込み深さは一方ではハウジングを締込む程度
に、他方ではとりわけ管の材料に関係する。

比較的塑性変形しやすい軟質材料の管では公知
の継手の止め輪が管の外面の余りに深い、しかも
時がたつにつれて一層深くなる痕跡を残すことが
判明した。この根跡は管の引張強さを著しく弱化
する。このことは特に純プラスチツク管及び強化
プラスチツク管に当てはまり、或る種の軽合金の
管にも当てはまる。

またほかならぬ上記材料の管では公知の管継手
で作製した管継手の引張負荷限度が極めて限られ
ていることが判明した。例えば冷却の結果又は内
圧の作用の結果、管の長さが縮小するため、比較
的軟質の材料の管の上記の継手が大きな引張応力
を受ける場合は、軟質の管材料は止め輪薄板の食
い込んだ自由端に耐えることができない。その場
合、この止め輪の薄板はもはや固定部材としてで
なく、むしろ平削り工具として作用し、管継手の
引張応力の結果、継手から後退する管端の外面を
切削する。従つて管の長さが元の寸法に戻るなら
ば、固定効果が失われる。

なおプラスチツク管に対しては、管の引張強さ
を決定的に弱めないために、固定部材は外面に管
の肉厚の最大約10％食い込むものとするという規
則が適用されている。しかし公知の管継手では一
前述のように一薄板の自由端の食い込み深さが制
限されず、従つて不定である。

そこで本発明の目的は、上記の欠点がほとんど
取除かれ、従つて軟質材料の管でも完全に密封す
るだけでなく軸方向の負荷もあり得る連結に適し
た、冒頭に挙げた種類の管継手を提供することで
ある。

（問題点を解決するための手段） この目的のために提案の管継手は特許請求の範
囲第１項の後文で定義した特徴を有する。

すなわち、止め輪の各々がおおむね円筒形であ
り、その外周面が一方ではフランジの内縁に、他
方では該止め輪に形成されたストツパと円錘台形
ばね輪とを介して前記フランジと前記ハウジング
の内面との間の隅角部に支えられ、前記つめ部材
が前記止め輪の内周面から内側へ突起する歯群か
ら成り、該歯群を形成する一つの歯が継手中央部
に対し、アーチ状に離間して凸曲面を成す背面
と、おおむね平坦な前記とを有し、該前面が該前
面の直前の止め輪の内周面に形成された凹陥部の
中に伸張することを特徴としている。

（作用） この構成において、止め輪は円筒形であるか
ら、その内周面から内側へ突起する歯は、止め輪
の内周面が管の外面に密接するまでの範囲でだ
け、管の外面に食い込むことができる。止め輪の
歯によつて押のけられた管材料はそれぞれの歯の
前面に前置された凹陥部の中にまくれ上がるか
ら、止め輪の内周面の輪郭と正反対の輪郭が管の
外面に形成される。提案の継手で作製した管継手
が大きな引張荷重を受ける場合でも、歯は管の表
面を切削することがでかきない。管材料が切削さ
れたとしても、止め輪の内面が密接するため、管
内の流体が流出することは全くできないからであ
る。

（実施例） 本発明の理解の便宜のために、次に図面に基づ
いて実施例を説明する。

第１図及び第２図に示す管継手１０は縦割り管
の形のハウジング１１を有する。ハウジング１１
は、両側の端面に半径方向内側に向いた端フラン
ジ１３，１４を具備する、胴体１２を有する。ハ
ウジング１１の縦スリツトに隣接する胴体１２の
端部区域は外側へ折曲げられて葉片１５，１６を
なし、この端部区域の末端は１７又は１８の所で
胴体１２の円筒形区域の外側に溶接されている。。
各葉片に、横穴を具備するボルト１９，２０が挿
入され、ボルト１９の横穴は雌ねじを具備する。
この雌ねじに各々１個のボルト２１又は２２がね
じ込まれ、遊隙を置いてボルト２０の横穴を貫通
する。ボルト２１，２２を締込むと、ハウジング
１１が一体の管押えのように収縮し、その直径が
減少する。

ハウジング１１は、内側へ開放したおおむねＣ
形の軸方向断面を有するエラストマー製シールス
リーブ２３を取囲む。従つてシールスリーブ２３
はウエブ２４を有し、ウエブ２４の内向きの表面
は波形輪郭を有し、外向きの表面はハウジング１
１の締付けギヤツプも橋渡しする鋼帯挿入片２５
を介在して胴体１２の内面に密接する。それ故ウ
エブはシールスリーブの交番熱応力のもとで内側
へ遊離することを防止するために、わん曲した輪
郭を有する。ウエブ２４の両端に各々１個のシー
ルスリツプ２６，２７が突設され、その基部を本
来の密封縁の間で、僅かに伸びたコイルばねリン
グ２８，２９を介してウエブ２４に支えられる。

スリーブの端面側端部に接続して、直径が収縮
可能な、すなわち開いた各々１個の止め輪３０，
３１が設けられ、その外周面がフランジ１４又は
１３の内縁に支えられる。また各止め輪３０，３
１は円錘台形ばね輪３２，３３を介して支えられ
る。ばね輪の内周は止め輪３０又は３１の外周面
に形成された肩部３４，３５に当接し、一方、そ
の外周はハウジング１１の胴体１２と端フランジ
１４又は１３との間の隅角部に係合する。ばね輪
３２，３３と鋼帯挿入片２５の、外側へ円錘形に
曲がつた軸方向端部との間に、三角形横断面の
各々１個のスナツプリング３２′，３３′が挿設さ
れている。

止め輪３０，３１の内周面に、内側へ突起する
歯群から成る、軸方向に互いに間隔を置いて配設
された３つの環状列３６，３７，３８が形成され
ている。この環状列３６，３７及び３８を第１図
には図示の便宜上、実線で示唆するに留めた。こ
の歯形状又は輪郭については第３図ないし第７図
に基づいて後に説明する。各環状列３６〜３８の
両側で止め輪３０，３１の内周面は平滑かつ円筒
形である。第２図で判るように、各止め輪３０，
３１の端部は、ハウジング１１に対する止め輪の
ねじり位置を確保するために、３９及び４０の所
で外側へ折り曲げられている。

前述のように、第１図と第２図にはボルト２
１，２２を締込む前の、すなわち組立準備状態の
継手が示されている。この状態でシールリツプ２
６，２７の密封縁と、内側へ突起する歯を含む止
め輪３０，３１とは、連結される管の外径より大
きな内径を有する。第１図と第２図では連結され
る輪郭を破線４１，４２で示唆した。ボルト２
１，２２を締付ける時に行われる諸過程について
は第１図または第８図に基づいて後に説明する。

止め輪３０，３１の内側に形成された歯の軸方
向輪郭を説明するために、止め輪３０の一部（第
１図の細部Ｄ）の断面を第３図に−著しく拡大し
て誇張して−示す。止め輪３０（止め輪３１には
歯が左右対称に形成されている）の内周面からや
すり歯のように切り出された歯４３は、継手中央
背き側の凸曲した背面４４と、継手中央に臨む側
のおおむね平坦な前面４５を有する。この前面４
５は凹陥部４６まで伸張し、又は同時に前面４５
に直接前置した凹陥部４６の一方の壁面をなす。
背面４４と凹陥部４６に止め輪の内周面の各々１
個の平坦な円筒形部分４７，４８が接続する。理
想的には円筒形内周面に切り込んだ凹陥部４６の
容積が、円筒形部分４７，４８から突出する歯４
３の部分の容積にほぼ相当する。

改めて後述するが、ハウジング１１を締付ける
と、歯４３が被連結管の外面に食い込む。その
時、歯が管の外面に食い込むことによつて押のけ
られる管材料は凹陥部４６の中へ逃げるから、第
３図に示す輪郭と正反対の輪郭が管の外側に刻印
される。

第４図と第５図に示すように、ここで環状列３
６〜３８の「歯のピツチ」をより小さく（第４
図）又はより大きく（第５図）選定することがで
きる。歯の列が事実上中断しないように、ピツチ
を選定することができる（第４図）。ピツチを大
きく選べば、隣接する歯の間に空隙４９が生じ、
部分４７及び４８の間にいわば継手を形成する。
歯４３が止め輪３０，３１の円筒形内周面から内
側へ突起する程度は十分の数ミリメートルであ
る。第３図ないし第５図には、この歯が極めて誇
張して描かれている。

継手を管接合部の上に嵌着したならば、ボルト
２１，２２を締込むことができる。それによつて
ハウジング１１の直径が減少し、シールリツプ２
６，２７が管の外面に密接するまでシールスリー
ブが内側へ圧縮される。シールリツプ２６，２７
はばね輪２８，２９を介してスリーブのウエブ２
４に支えられるから、−周方向に伸びたり、ひだ
を生じたりせずに−管の上に押しつけられる。同
時に止め輪３０，３１とばね輪３２，３３も収縮
させられ、その際、ばね輪は開き角をやや減少す
る。それによつて止め輪３０，３１は収縮に加え
て、僅かに軸方向にハウジング１１の中へ押し込
まれる。このことは管材料への歯４３の食い込み
を促進する。止め輪３０，３１の内周面の円筒形
部分が被連結管の外面に密接すれば、管継手が直
ちに作製される。シールスリーブの端面は肩部４
３とばね輪３２，３３の内側区域に密接する。

この状態を第８図に示す。

こうして連結された管にここで例えば圧力を掛
けると、管継手に引張応力が働く、しかし止め輪
３０，３１が管の外面に強固に、移動不能に定着
され、しかもその外周面に、端フランジ１４又は
１３の内側と相互作用する別のストツプ膨出部５
０又は５１（第１図、第８図）が突設されている
から、引張荷重が完全にハウジング１１によつて
受け止められる。凹陥部４６が管材料でまだ完全
に満たされていない場合は、継手から遠のき側へ
管及びそれと共に止め輪の極めて僅かな軸方向変
位が可能である。このような軸方向変位の結果、
ばね輪３２，３３も開き角を再びやや拡大し（整
列し）、このため止め輪３０，３１が特に環状列
３８の区域で管の外側に一層強く押しつけられ
る。

（発明の効果） 以上説明したように本発明によれば、つめ部材
の被連結管に対するくい込みを制限するようにし
たことから、軟質材料の管でも安全に連結する。
またつめ部材を歯群から形成したので、その食い
込みは容易となつて作業上は向上する。さらに凹
陥部に管材料が逃げるから、歯の食い込みは確実
となり、しかもばね輪によつて止め輪が被連結管
の周囲に強く押し付けられるから、管の連結状態
は安定し、総じて、本管継手は軸方向の負荷に対
して広範な抵抗力を発揮するものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は。その一点鎖線を境にした上の部分が
本発明管継手の締付けていない状態を示す軸方向
断面図、下の部分は同側面図、第２図は第１図に
示す管継手の正面図、第３図は止め輪の内周面の
歯の輪郭が明らかな、第１図に線Ｄで囲んだ細部
の拡大図（すなわち次述の第４図及び第５図の
−線に沿つた断面図に相当する。）第４図は第
３図のＢ−Ｂ線に沿う断面図、第５図は第４図と
は別の態様であつて第３図のＢ−Ｂに沿う断面に
相当する断面図、第６図は第４図の実施様態を第
３図における矢印Ａ方向から見た場合を想定した
矢視図、第７図は第５図の実施態様を第３図にお
ける矢印Ａ方向から見た場合を態定した矢視図、
第８図は本発明継手をプラスチツク管の周囲に緊
締した場合の第１図の細部Ｄの区域の拡大詳細図
を示す。 １１……ハウジング、１３……端フランジ、１
４……端フランジ、３０……止め輪、３１……止
め輪、３４……ストツプ（肩部）、３５……スト
ツプ（肩部）、４３……つめ部材（歯）、４４……
背面、４５……前面、４６……凹陥部。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 緊締手段を具備し、かつ、縦割り管の形状を
   有し、前記緊締手段を締込むとその直径が減少し
   て、互いに連結されるべき管の端部周囲に締付け
   られると共に、その端面側に内向きの環状フラン
   ジを具備するハウジングと、該ハウジングによつ
   て取囲まれ、軸方向断面がＣ型で内側へ開放した
   エラストマー製シールスリーブとを有し、該シー
   ルスリーブの両方の端面に各々一個接続され、直
   径が弾性的に収縮可能となるように開放し、前記
   ハウジングによつて軸方向に支えられた止め輪が
   配設され、該止め輪の内周が周方向に分布するよ
   う配設されたつめ部材を具備し、該つめ部材が前
   記ハウジングの緊締のときに被連結管端の外周面
   に食い込ませるように使用されて成る管継手にお
   いて、前記止め輪の各々がおおむね円筒形であ
   り、その外周面が一方では前記フランジ内縁に、
   他方では該止め輪に形成された肩部と円錘台形ば
   ね輪とを介して前記フランジと前記ハウジングの
   内面との間の隅角部に支えられ、前記つめ部材が
   前記止め輪の内周面から内側へ突起する歯群から
   成り、該歯群を形成する一つの歯が継手中央部に
   対し、アーチ状に離間して凸曲面を成す背面と、
   おおむね平坦な前面とを有し、該前面が該前面の
   直前の止め輪の内周面に形成された凹陥部の中に
   伸張することを特徴とする管継手。 ２ 前記歯が前記止め輪の内周面からまくれ上が
   つていることを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項に記載の管継手。 ３ 前記歯及び前記凹陥部が互いに軸方向間隔を
   有する複数の環状列をなすように配設され、該環
   状列における各々の両側に内周面の平滑な部分が
   つながることを特徴とする、特許請求の範囲第１
   項に記載の管継手。 ４ 前記凹陥部の各々の容積が、前記止め輪の内
   周面から内側へ突起する当該歯の部分かの容積に
   おおむね相当する締付環の内縁が分割されている
   ことを特徴とする、特許請求の範囲第１項に記載
   の管継手。 ５ 前記歯の各々はその隣接の歯が周方向に互い
   に離隔していることを特徴とする、特許請求の範
   囲第１項に記載の管継手。 ６ 前記歯の各々はその隣接の歯が周方向に直接
   に隣接して配設されていることを特徴とする、特
   許請求の範囲第１項又は第３項に記載の管継手。 ７ 前記複数の環状列における各々の前記歯のピ
   ツテが同じであることを特徴とする、特許請求の
   範囲第３項に記載の管継手。 ８ 前記複数の環状列における各々は、一方の環
   状列が隣接の環状列に対して前記歯のピツチの半
   分だけ周方向にねじれていることを特徴とする、
   特許請求の範囲第１項に記載の管継手。