JPH0253635B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本発明はピストン型圧縮機の製造方法に関す
る。

本発明は、モータを運転して往復ピストンをそ
の軸線方向に作動させるピストン型圧縮機の製造
方法として説明するが、他の形式のエネルギ吸収
装置の製造方法としても利用できる。更に、ピス
トンを駆動側とし、モータ部分をエネルギ吸収装
置とした逆の配置とすることもできる。

（従来技術） 本発明によつて製造するのと類似の圧縮機が、
出願人の米国特許3944299号、3861222号、
3861223号に記載されている。これらの圧縮機で
は、既知の他の圧縮機と同様に、同期的釣り合い
機構のピニオン支持用の横方向に延びた支持部
が、圧縮機ハウジングに一体に配設されている。
このような構造の圧縮機では、外側ラツク（ピス
トンの重量に対する釣り合い重りとして機能す
る）の連結板にピニオン軸を挿通するためのスロ
ツト（前記米国特許3861223の第２及び３図で参
照番号５３で示される）を形成し、さらに前記各
支持部の面を注意深く加工して外側ラツクのため
の案内面を形成している。

（発明が解決しようとする課題） 前記ピニオン支持部には一対のピニオン軸を挿
入支持するための穴（本発明の第３の穴に対応す
る。）が形成されているが、従来は該穴をクラン
クシヤフトの挿通穴（本発明の第１の穴に対応す
る）とは別に単独で加工し形成していた。

従つて該穴とクランクシヤフトの挿通穴との平
行度がとかくくるいやすく、この結果ピニオンと
連結ロツドの両側に形成されたラツクとが、歯の
全幅で確実に噛合せずに片当たりし、これらの歯
に過大な荷重が作用して歯面を損傷したり異音を
発生するなどのおそれがあつた。

本発明の目的は、ピニオン軸とクランクシヤフ
トとの正確な平行出しを実現することができる、
ピストン型圧縮機の製造方法を提供することにあ
る。

（課題を解決するための手段） 前記課題を解決するため本発明は、前記ピニオ
ン支持部を、第２のハウジング内に横方向に一体
形成した横壁と一体的に形成し、前記第２のハウ
ジング部の側壁に穴を形成し、該穴を通して前記
ピニオン支持部に対してドリル手段を接近可能と
し、クランクシヤフトを挿通する第１の穴及びピ
ニオン軸を挿通する第３の穴を、これらの穴が正
確に平行となるのを確実にするように、前記ドリ
ル手段で実質的に同時に加工、形成するようにし
たピストン型圧縮機の製造方法である。

（作用及び効果） 本発明の前記の如く、第２のハウジングにクラ
ンク軸を挿通する第１の穴と、ピニオン軸を挿通
する第３の穴をそれぞれ形成し、しかも、これら
の穴を同時に形成する構成としているので、例え
ばマルチドリル装置等を使用して第１及び第３の
穴を互いに正確に平行に形成することが可能にな
り、これによりラツクとピニオンとの噛合面を理
想的な直線的接触面とすることができ、歯面の片
当りにより同歯面に過大な荷重が作用して歯面を
損傷したり異音を発生するような不都合を防止す
ることができる。

（実施例） 以下に本発明の実施例を図面に基づいて説明す
る。

第１図に示す如く、圧縮機の下部クランクケー
スを構成する第２のハウジング部１１の基部の延
長部１１ａに電気モータ１２が取り付けられてい
る。第２のハウジング部１１の上端部には、ピス
トン２４に収納した第１のハウジング部２７がボ
ルトにて連結されている。

第２のハウジング部１１の上下方向の中間位置
には、内方に延びたフランジ状の横壁１３と、該
横壁１３からピストン２４の軸線方向に沿つて上
方に延びたスリーブ状の支持部１４とが、第２の
ハウジング部１１と一体に形成されている。支持
部１４の頂部から下方に延びたスロツトによつて
互いに離間した軸支持部１５，１６（第２図参
照）が形成され、両軸支持部間にピニオン１７を
収容している。ピニオン１７は軸支持部に形成さ
れた第３の穴１９，２０を通るピニオン軸１８に
よつて支持されている。

ピニオン１７間に延びた二重ラツク部材２１は
ピストンロツド上方延長部２１ａを有し、この延
長部が隔壁２３のシール２２、圧縮機ピストン２
４及びシリンダ２７の端壁２６に形成した軸受シ
ール２５をそれぞれ貫通している。ピストンロツ
ドは、必要に応じて別の図示しない圧縮機シリン
ダまで更に延長することもできる。二重ラツク部
材２１は更に、ピストンの形状を成す下方延長部
２１ｂを有し、この延長部がクロスヘツドとして
機能する。該クロスヘツドは、横壁１３の下方側
にボルト締めされた、外側環状フランジ２８ａを
備えたスリーブ状の軸受部材２８によつて案内さ
れる。軸受部材２８を第２のハウジング部１１に
取付けた後に第２の穴２８ｂを加工する場合は、
第２のハウジング部１１の下端部の開口１１ｂか
ら第２の穴２８ｂを加工する。また、第６図に示
す如く軸受部材２２８及び第２の穴２２８ｂを第
２のハウジング部１１と一体に形成してもよい。
また第２の穴２８ｂは、第２のハウジング部１１
の上端から軸支持部１５，１６の間を拡大する開
口１５ａ，１６ａ（同様に第６図参照）を通して
加工してもよい。開口１１ｂを設けた場合は拡大
開口１５ａ，１６ａの必要はなく、拡大開口を設
けた場合は開口１１ｂの必要はない。

クランク軸２９は、第２のハウジング部１１の
側壁に形成した第１の穴３１に取付けた軸受３０
内に延びている。第１の穴３１の加工は、第２の
ハウジング部１１の側壁の開口１１ｃを通して第
３の穴１９，２０の穴明けを行うときに、同じ機
械で加工する。第１の穴３１と第３の穴１９，２
０とを互いに正確に平行とすることにより、圧縮
機の正確で迅速な組立が可能となり、またラツク
３９とピニオン２４との良好な噛合状態が得られ
る。クランク軸は一対の釣り合つたクランク腕３
２を備え、ピボツトピン３４によつて連接棒３３
に連結されている。連結棒はピン３５によつてク
ロスヘツド２１ｂにピボツトに連結されている。
クランク軸２９の外方端に取付けたプーリ３６
は、Ｖベルト３８によつてモータ１２の小さいプ
ーリ３７に連結されている。

ピニオン１７の外方の歯に噛合う平行な一対の
ラツク３９は、平行な板４０によつて互いに連結
固着され、ラツク３９と板４０とによつて釣り合
い重りが構成されている。モータによつてクラン
ク軸が駆動されると、二重ラツク３９が上下方向
に動いてピストン２４を作動させる。この運動の
間、ピニオン１７はラツク３９と連結板４０の両
者を一体として、ピストン２４の移動方向とは反
対方向に駆動する。ラツク３９と連結板４０の合
計質量は、反対方向に動くピストンの質量に、連
接棒３３の上部1/3の部分の質量を含めた合計質
量にほぼ等しく、これにより実質上装置の振動が
防止されるようになつている。

第４，５図に示す変形例は、第１〜３図の実施
例とほぼ同様であるが、支持部１１６の上端部に
鋳造の凹み１１６ａ，１１６ｂを有し、かつ支持
部１６６の頂部は四角又は円形とされ、ここに自
己潤滑性を有し、溝型、又は端面形状がＵ型を成
す。少なくとも外側面が平滑面とされたクリツプ
１４１を挿入できるようになつており、該クリツ
プによつてピニオン１７と連結板４０のための支
持面が形成されている。クリツプ１４１はボルト
１４２で支持し、該クリツプがピニオン軸のため
の支持体として作用する。

第６図に示す変形例は第１〜３図とほぼ同様で
あるが、クロスヘツド案内部２２８をピニオン支
持部２１４及び第２のハウジング部２１１と一体
に鋳造している点が異なる。更に、第２のハウジ
ング部２１１の基部には開口を設けず、第２の穴
２２８ｂは頂部から拡大開口２１５ａ，２１６ａ
を介して加工する。

この機械の作動は、前述の出願人の米国特許に
記載されているものとほぼ同様である。その概略
は、モータを作動するとクランクはクロスヘツ
ド、内側のラツク及びピストンを上下動させ、圧
縮機は通常に作動する。ピニオンは外側ラツクを
ピストンと反対方向に動かし、互いに反対方向に
動く質量は、前述特許に詳述する如く釣り合わさ
れる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明を適用して製造する圧縮機の一
例の概略垂直断面図、第２図は第１図の２−２線
に沿う同様な部分断面図、第３図は第２図の３−
３線に沿う断面図、第４図はピニオン軸のための
支持手段の変形例を示す拡大部分断面図、第５図
は第４図の５−５線に沿う部分断面図、第６図は
クラランクケースハウジング部の変形例を示す第
２図と同様な部分断面図、第７図は第６図の７−
７線に沿う断面図である。 １１…第２のハウジング部、１１ｃ…開口、１
２…電気モータ、１３…横壁、１４，１５…軸支
持部、１７…ピニオン、１８…ピニオン軸、１
９，２０…第３の穴、２１…二重ラツク部材、２
７…第１のハウジング部、２８…軸受部材（ピニ
オン支持部）、２８ｂ…第２の穴、２９…クラン
ク軸、３１…第１の穴、３９…ラツク（釣り合い
重り）、４０…板（釣り合い重り）。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 往復動可能なピストンを収容した第１のハウ
   ジング部と、 前記第１のハウジング部に、前記ピストンの軸
   線に関して同軸的に結合された第２のハウジング
   部と、及び 前記ピストンの駆動手段とを有し、該駆動手段
   は、 前記第２のハウジング部の下部側壁に形成され
   た第１の穴を通つて延びるクランク軸と、 前記ピストンとクランクシヤフトとの間におけ
   る前記第２のハウジング部内で横方向に延び、前
   記第２のハウジング部と一体をなす横壁であつ
   て、該横壁は前記ピストンの軸線方向に延びる第
   ２の穴を有する前記横壁と、 前記クランクシヤフトと前記ピストンとを連結
   する連結手段であつて、該連結手段は前記第２の
   穴内で往復動可能で前記クランクシヤフトに連結
   されたピストン型クロスヘツドと、前記クロスヘ
   ツドと前記ピストンとを連結するピストンロツド
   とを有する前記連結手段と、 前記ピストンと前記連結手段の重量に釣り合う
   釣り合い手段とを有し、該釣り合い手段は、 前記ピストンロツドの両側の一対のラツクと、 前記ラツクに噛合した一対のピニオンであつ
   て、前記ピニオンは、前記第２の穴の両側に位置
   し前記横壁から前記第１のハウジング部に延びた
   一対のピニオン支持部に形成された第３の穴に両
   端が嵌合された一対のピニオン軸に支持された前
   記ピニオンと、 前記ピストンロツドを囲繞し、前記ピストンの
   軸線方向に往復動可能な筒状の釣り合い重りであ
   つて、前記釣り合い重りの内側面には一対のラツ
   クが形成され、該ラツクは前記ピニオンと噛合さ
   れて前記釣り合い重りを前記ピストンの移動方向
   とは反対方向に移動させるように構成された前記
   釣り合い重りと、を有するピストン型圧縮機にお
   いて、 前記ピニオン支持部を前記横壁と一体的に形成
   し、前記第２のハウジング部の側壁に穴を形成
   し、該穴を通して前記ピニオン支持部に対してド
   リル手段を接近可能とし、前記第１及び第３の穴
   を、これらの穴が正確に平行となるのを確実にす
   るように、前記ドリル手段で実質的に同時に加
   工、形成するようにしたことを特徴とするピスト
   ン型圧縮機の製造方法。