JPH0251850B2 - - Google Patents

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JPH0251850B2
JPH0251850B2 JP7846886A JP7846886A JPH0251850B2 JP H0251850 B2 JPH0251850 B2 JP H0251850B2 JP 7846886 A JP7846886 A JP 7846886A JP 7846886 A JP7846886 A JP 7846886A JP H0251850 B2 JPH0251850 B2 JP H0251850B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、ウランおよびフツ素を含む廃液から
ウランおよびフツ酸を回収する方法に関し、特
に、天然ウランまたは減損ウランの六フツ化ウラ
ンへの転換工程から発生する廃液、あるいは濃縮
または劣化ウランの六フツ化ウランから酸化ウラ
ンへの再転換工程から発生する廃液中のウランお
よびフツ素を効率よく分離回収する方法に関する
ものである。
(従来の技術) ウランの精製錬は、乾式法と湿式法とに大別さ
れる。乾式法は廃液がでることが少ないが、装置
が複雑になり、温度制御などが難しくコスト高に
なる。一方、湿式法は反応が均一で、腐食の問題
もなく、装置も単純で操作も容易であるが、原理
的に廃液が多く発生するのは避けられない。この
場合、廃液としてはウランおよびフツ素を含有す
る廃液が多い。例えば、日本において採用されて
いる第1図に示すような工程を有するPNC法
(日本鉱業会誌99(1983)523参照)では、電解還
元によつて得た塩化ウラナス水溶液とフツ酸とを
反応するフツ化沈澱工程において、反応生成した
四フツ化ウラン結晶粒子は濃厚なスラリーとして
反応槽底部の排出口からぬきだされるが、反応を
終えた廃液は槽上部から溢流となつて回収され
る。
このウランおよびフツ素含有廃液を処理して、
廃棄する必要があるが、このための方法としては
従来、消石灰を用いた中和沈澱による固液分離法
が知られている。
(発明が解決しようとする問題点) しかしながら、消石灰を用いる中和沈澱による
固液分離して得られるフツ化カルシウムを主成分
としたケーキ中には、放射性のウラン化合物が含
まれているために、該ケーキを固形廃棄物として
ドラム缶中に密封して保存しなければならないと
いう問題点がある。また、廃液中に硫酸イオンが
共存する場合は、消石灰と硫酸イオンとの反応に
より沈澱時に水に不溶性の石膏を生じるため、保
管しなければならないケーキ量が非常に多量とな
るという問題がある。
(問題点を解決するための手段) そこで、本発明者等は、ウランおよびフツ素含
有廃液の処理に際して、固形廃棄物が実質的に発
生しない廃液処理法を提供することを目的として
鋭意研究した結果、マグネシウム化合物を用いた
中和沈澱による固液分離法と蒸留によるフツ酸の
回収と、蒸留残渣からのウラン回収とを組合わせ
ると、上記の目的が達成されることを見出し本発
明を完成するに到つた。すなわち、本発明はウラ
ンおよびフツ素含有廃液にマグネシウム化合物を
添加し、必要に応じて酸又はアルカリを加えてPH
を6〜9に調整することにより、生成する沈澱を
分離する中和沈澱工程と、前記中和沈澱工程で分
離された沈澱物に硫酸水溶液を加えて、フツ酸を
蒸発せしめて回収する蒸留工程と、蒸留残渣から
ウランを回収する回収工程からなることを特徴と
するウランおよびフツ素を含有した廃液からのウ
ランおよびフツ酸の分離回収法を要旨とするもの
である。
以下に、本発明の内容を詳しく説明する。
本発明が適用される廃液は種々の湿式法ウラン
精製錬により生じるウランおよびフツ酸を含有す
るものであればよい。特に、前述のフツ化沈澱工
程から得られる溢流液が好ましい。
本発明の中和沈澱工程において用いられるマグ
ネシウム化合物としては、MgCl2、MgSO4、Mg
(OH)2、MgO等およびこれらの混合物が好まし
く、PH調整のためのアルカリは、KOH又は
NaOH、酸は、硫酸又は塩酸が好ましい。マグ
ネシウム化合物の添加量としては、廃液中のフツ
素イオン濃度に対して、1〜10倍当量添加するの
が好ましく、より好ましくは、2〜4倍当量であ
る。この工程において廃液中のウランおよびフツ
酸の大部分は沈澱物として固定される。沈澱物は
従来公知の固液分離法、例えばフイルタープレス
法で固液分離される。固液分離により得られるケ
ーキの含水率は、通常60〜70wt%である。
本発明では、次にこのケーキに硫酸水溶液を加
えてフツ酸を遊離させ、このフツ酸を蒸留により
回収する。硫酸の添加量としては、ケーキ中の
MgF2の1〜5倍当量が好ましく、またより好ま
しくは2〜3倍当量である。また、添加する硫酸
水溶液の硫酸濃度は20〜98%程度が好ましい。こ
の程度の硫酸を加えた時の蒸留により回収される
フツ酸濃度は3〜50wt%となり、このフツ酸水
溶液は工程内で有効に再利用される。フツ酸の蒸
留は、単蒸留、多段蒸留等いかなる方法を用いて
もよく、また、バツチ蒸留、連続蒸留いずれの方
法も可能である。また、減圧蒸留、常圧蒸留いず
れも可能である。
蒸留工程においてフツ酸を蒸留した際に、硫酸
マグネシウムと硫酸ウラニルと遊離硫酸とを含有
したスラリーが蒸留残渣として回収される。この
スラリーにウラン濃度が20〜50g/となるよう
に水を加えると均一な溶液が得られる。この溶液
にアルカリを加えて液のPHを1〜2に調整し、従
来公知の強塩基性イオン交換樹脂を用いる吸着法
やトリアルキルアミンを用いる溶媒抽出法等を用
いて溶液中のウランとマグネシウムを分離すれば
ウランを純粋な形で回収することができる。
(実施例) 以下、本発明を実施例により更に詳細に説明す
る。尚、湿式ウラン転換法から発生するフツ化沈
澱オーバーフロー液を処理する際の実施例を以下
に示す。
実施例 1 中和沈澱工程 フツ素3g/、ウラニルアニオン3g/、
硫酸30g/を含有するフツ化沈澱オーバーフロ
ー液10に、マグネシウム化合物として酸化マグ
ネシウム100gを加え、しかる後48%NaOHを加
えて液のPHを6.5に調整したところ、ウランを含
有したフツ化マグネシウムの沈澱が生成した。こ
の沈澱を含有した液をフイルタープレスで濾過し
たところ27.2gのウラン含有フツ化マグネシウム
ケーキと9.5の濾過液が得られた。
液の組成は、フツ素イオン濃度が50mg/、ウ
ラン濃度が21mg/であり、廃液中に含まれてい
たウランおよびフツ素の98%以上は沈澱物として
固定された。また、この固液分離工程で得られた
フツ素ウラン含有ケーキの含水率は56wt%であ
つた。なお、本工程で発生する硫酸マグネシウム
と硫酸ソーダを主成分とする濾液は、従来公知の
イオン交換樹脂法、沈澱法などを用いて更に排出
基準値以下に濃度を低減せしめた後、河川に放流
される。
蒸留工程 前記中和沈澱工程で得られたウランを含有した
含水率56wt%のフツ化マグネシウムケーキ155g
に60wt%硫酸水溶液290gを加えた溶液を蒸留温
度(ベーパー温度)90〜100℃、蒸留圧力760mm
Hgで蒸留を行つた。留分としては、17.9wt%の
フツ酸が158ml回収された。蒸留残渣に水を加え
て水溶液状態で1.0回収した。この水溶液は、
遊離硫酸104g/、マグネシウムイオン17g/
、ウラニルイオン27.2g/を含有する液で、
フツ酸は殆んど含まれていなかつた。
上記の実験で明らかなように、この蒸留工程で
廃液中のフツ酸とウランとは完全に分離される。
なお本工程で回収された17.9wt%のフツ酸溶液
は、湿式ウラン製錬のフツ化沈澱時に使用するフ
ツ酸として有効に再利用される。
ウラン回収工程 前記、蒸留工程に於ける蒸留残渣から得られる
ウラン含有水溶液に苛性ソーダを加えてPH2の水
溶液とした。この水溶液1.3を強塩基性アニオ
ン交換樹脂(三菱化成社製ダイヤイオンSA11A)
400mlを充填したカラムにSV(空間速度)2Hr-1
で通液した。通液後の液のウラン濃度は197mg/
、マグネシウムイオン濃度13g/であり、原
液中のウランの99%以上はアニオン交換樹脂に吸
着され、ウラニルイオンとマグネシウムイオンは
分離された。
なお、アニオン交換樹脂に吸着されたウラニル
イオンは、6〜7規定の硫酸水溶液、もしくは
0.5〜1.5規定の塩酸水溶液で20〜60g/程度の
ラウニルイオン含有水溶液として回収することが
でき、この液は湿式ラウニル製錬工程のウラン原
料として有効に再利用される。また、前記アニオ
ン交換樹脂の通過液は、ウランを殆んど含有して
いないため、従来公知の高度処理を行つた後、放
流される。
(発明の効果) 本発明は上述したように、マグネシウム化合物
を用いる中和沈澱工程と沈澱物に硫酸を添加して
フツ酸を回収するための蒸留工程と蒸留残渣から
のウラン回収工程とを組み合わせることにより、
フツ酸とウランをリサイクル使用できるようにし
たため、従来のカルシウム化合物を用いる廃液処
理と比較して、スラツジが実質的に発生しないた
めスラツジのドラム缶貯蔵を必要としないという
利点がある。また、高価なフツ酸やウランを廃液
中から有効に回収することにより、原料コストが
節減できるという利点もある。
【図面の簡単な説明】
第1図はPNC法を示す工程図である。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 ウランおよびフツ素含有廃液にマグネシウム
    化合物を添加し、必要に応じて酸又はアルカリを
    加えてPHを6〜9に調整することにより、生成す
    る沈澱を分離する中和沈澱工程と、前記中和沈澱
    工程で分離された沈澱物に硫酸水溶液を加えて、
    フツ酸を蒸発せしめて回収する蒸留工程と、蒸留
    残渣からウランを回収する回収工程からなること
    を特徴とするウランおよびフツ素を含有した廃液
    からのウランおよびフツ酸の分離回収法。
JP61078468A 1986-04-04 1986-04-04 ウランおよびフツ酸の分離回収法 Granted JPS62235218A (ja)

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