JPH0251154B2 - - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、試料を分析路中に取り込むための試
料供給装置と、試料を測定し測定結果を表示する
ための信号処理機構を備えた、試料を気体または
較正流体あるいはその両者で分離する形式の液体
試料分析装置に関する。

こうした分析装置は、たとえば医学研究室です
でに知られており、血液ガス分析とか液体試料で
のほかの測定とかに役立つている。それら公知の
装置はその試料供給装置の型式によつて区分けさ
れるものである。すなわち、ひとつは個別に供給
される試料を順ぐりに測定する型式のもので、そ
の分析装置ではすでに取込まれた試料の測定が完
全に完了してはじめて新たな個別試料の取込み準
備が完了するというものである。他のものは一連
試料を自動測定する型式で、測定すべき一連試料
を試料供給装置への送り込みユニツト内へ操作員
が入れるだけでよくてそれ以上の工程は自動的に
その分析装置自体で制御されるというものであ
る。

このような両分析装置の難点は、個別試料供給
ユニツト付きの装置では一連の同じような試料の
順ぐりの測定にかなり時間を要し専用の操作員を
必要とすることである。一連試料供給ユニツト付
きの装置では場合によつて割込みになる個別試料
のためには一連試料測定を中断して個別試料をそ
の分析工程内へ入れるのに比較的わずらわしい扱
いが必要であることである。

この発明の課題は、いま述べた公知装置の難点
を簡単なやりかたで避けるとともに、一連試料測
定中に個別試料の測定を割込ませることができ、
その場合、すでに分析路中に一連試料が取り込ま
れて測定が済んでいない試料があれば、その試料
の測定を完全に完了することのできる装置の提供
にある。

この課題を解決するため、本発明の装置は、試
料供給装置が信号処理機構にいずれかひとつを選
択連結することができる個別試料供給ユニツトと
一連試料供給ユニツトを備え、さらに、該一連試
料供給ユニツトの運転中に試料取り込みを中断す
るスイツチが備えられ、また、試料の通過に応動
する感知具が分析路に組み込まれており、該スイ
ツチの作動時に分析路中に取り込まれたが測定が
済んでいない試料の通過に感知具が応動すると、
制御ユニツトの制御命令にもとづいて、前記試料
供給装置を前記個別試料供給ユニツト側に切り換
えるように構成してあることを特徴とする。

このようにして、両試料供給ユニツトの利点が
ひとつの装置に共通して備えられ、それら個々の
供給ユニツトの難点が除かれるのである。それら
両試料ユニツトを双方に共通な信号処理機構等に
選択的につなぎつけるという可能性によつて、そ
の試料供給の別々な両可能性のためにそれぞれ専
用の、比較的複雑で値段の張る信号処理機構は必
要でなく、それによつて分析装置のための費用が
簡単なやりかたで縮減されるのである。

さらに一連試料分析運転中に試料取込みを中断
するスイツチが備えられており、そのスイツチ作
動の時点ですでに分析路中に取込まれたがいまだ
測定されていない試料の通過に感知具が応動する
と、制御ユニツトの制御命令にもとづいて、その
試料供給装置を個別試料供給ユニツト側に切り変
えるように構成してあるため、進行中の一連試料
測定中に前記スイツチを作動操作しさえすれば、
そのあとは分析路中にすでにある一連試料は確実
に測定され、その後、個別試料供給ユニツトを介
しての割込みが可能となるのである。その際、試
料の通過に応動する感知具は、好ましくは、分析
路中で測定電極のあとに組込まれるのがよく、そ
うすることによつて、感知具から来る個別試料供
給ユニツト側への切換え用信号が、一連測定の完
了の直後にはじめて得られるのである。

また、本発明の装置は、さらに、時間スイツチ
が備えられ、別の感知具が前記個別試料供給ユニ
ツトに組み込まれていて、該時間スイツチが、割
込みによる個別試料測定の完了後に前記分析路中
の感知具によつてセツトされ、前記別の感知具が
前記個別試料供給ユニツトでの試料の新規取り込
みに応動するとリセツトされるものであり、該セ
ツト時間経過の後に、前記制御ユニツトの制御命
令にもとづいて、前記試料供給装置を前記一連試
料供給ユニツト側に切り換えるように構成してあ
るため、ひとつの割込みとされた個別試料測定完
了ののち前記時間スイツチによつて規定されたセ
ツト時間内に新たな別の個別試料が個別試料供給
ユニツトに入れられないかぎり、分析装置はそれ
までの一連試料測定運転へ自動的に戻るのであ
る。

つぎに、図面に略式に示されている実施例につ
いて、この発明がさらに詳しく説明される。

図に示された本発明の分析装置は、本質的に、
試料供給装置と、その試料供給装置置を介して取
り込まれる液体試料についての測定を行なつたり
それに対応する測定値を出力したりする信号処理
機構とを備えている。

その試料供給装置は、個別試料供給ユニツト１
と一連試料供給ユニツト２とをともに備えてお
り、それらは、試料流路３，４と制御可能弁５，
６とを介して、それら両供給ユニツト用に共通な
信号処理機構の所定部分に、特にいくつもの測定
毛管７に、選択的に連通可能なものである。

その一連試料供給ユニツト２は、詳しく示され
てはいないが試料キユベツト８の矢印９の方向の
自動送り込みの機構を備えており、それは、この
分析装置での、りんかく線表示しかここではさま
れていない箱１０、の内部に組込まれているもの
で、関連組込みとされたスイツチ１１を持ち、そ
れは、箱１０が閉じられた際にその試料組込みを
開始するためのものである。試料組込み制御ユニ
ツト１２は、キユベツト・充填状態検知機構１３
と、スイツチ１１の信号線路１４や針運び構成体
１６の信号線路１５や分析装置の中央制御ユニツ
ト１８の信号線路１７のための連結用端子とを備
えている。

その針運び構成体１６は、試料取込み制御ユニ
ツト１２や中央制御ユニツト１８からの制御命令
にもとづいて矢印２０の方向での針１９の動きを
ひきおこすもので、そのようにして試料取込みの
ために試料キユベツト８内へ先端２１が挿入され
ている針１９は、詳しくは示されていないやりか
たで洗浄セツト２２内で軸方向に案内されてい
る。その洗浄セツト２２は、つなぎ流路２３を備
えていて、制御可能弁２４を介して、閉鎖するこ
とも、貯蔵容器２５から標準溶液を流し込むこと
もできるものである。

その個別試料供給ユニツト１は充填口２６を持
ち、それは、たとえば注射器とか試料毛管とかを
はめ込むことができるように構成されている。図
に示された実施例ではさらにまたひとつの標準溶
液のための第二の貯蔵容器２７も備えられてお
り、両貯蔵容器２５，２７は、流路２８，２９
と、締切り可能弁３０，３１と、共通流路３２と
を介して測定毛管７と連通可能なものである。そ
の共通流路３２には空気弁３３が組付けられてい
て、開かれた状態では、個別試料団や標準試料団
の隔離のために試料路内へ空気を取り入れるため
のものである。

その共通流路３２の測定毛管７の端部には吸引
流路３４がつながれており、それは、図外のポン
ンプ装置を介してやはり図外の収納容器へと通じ
ているものである。

それら測定毛管７は、ひとつあるいは多数の信
号線路３５を介して信号処理ユニツト３６に連結
されており、そのユニツト３６は測定結果の表示
や表現を可能にするもので、制御線路３７を介し
て中央制御ユニツト１８に連結されている。

最後になつたが、前記弁５，６，３０，３１，
３３も個別試料供給ユニツト１自体も同じよう
に、信号線路３８や３９を介して中央制御ユニツ
ト１８によつて、制御可能あるいは監視可能に構
成されている。

図に示された実施例で信号処理ユニツト３６に
組付けられているスイツチ４０が一連試料測定用
の位置にあつて、一連試料供給ユニツトの箱１０
がスイツチ１１の作動のもとで閉じられているか
ぎり、キユベツト８内にある試料は中央制御ユニ
ツト１８による制御を受けて自動的に測定される
わけである。そのために、まず、つなぎ流路２３
を介して標準溶液が貯蔵容器２５から洗浄セツト
２２内へ、さらにここには示されていないが針１
９を貫通している針穴と試料流路３と共通流路３
２とを介して測定毛管７を貫通して導入される。
そうなつたところで、洗浄セツト２２下方への針
穴の部分的な下降に同調して、隔離作用をする空
気団が吸込まれる。その空気団に続いて、キユベ
ツト８内にある液体試料内への針１９の下降によ
つて、試料液所定量が分析路内へ吸込まれる。こ
の工程の完了ののち、前に説明したやりかたでふ
たたび空気団が吸込まれ、その後、ふたたび標準
液やあるいは矢印９の方向へキユベツト８の進み
動きに伴つて新たな試料が分析路内へ吸い込まれ
る。容器２７内にある第二の液標準物は第二の検
出するべき物質についての校正のための働きをす
るものである。

もしもこのような一連試料測定のあいだに個別
試料測定を割込もうとすれば、図に示された分析
装置では、ただスイツチ４０を作動させることが
必要なだけで、そうすることで、一連試料供給ユ
ニツト２を介しての試料取込みは中断されるので
ある。その際、すでに試料流路３内や共通流路３
２内にあつて標準液およそび／または空気団で隔
離されている試料の測定は、例として測定毛管７
のうしろで吸引流路３４内に組込まれて試料の通
過に応動する感知具４１が、すでに分析路内へ組
込まれているがスイツチ４０の作動時点でいまだ
測定されていない一連試料の通過を感知するまで
平常通り続けられる。詳述すると、例えば針運び
構成体１６の下降や空気弁３３の開口回数をカウ
ントするとともに、感知具４１による試料通過や
空気団通過の回数をカウントすることにより、一
連試料の測定の完了を感知するのであり、その時
点で一連試料の測定完了を表示して試料供給装置
を個別試料供給ユニツト１側へ切換えるのであ
る。このように切換えが終了すると、個別試料供
給ユニツト１の充填口２６に試料を入れることが
でき、その場合、校正標準物導入はすでに一連試
料供給について説明したと同じやりかたで流路２
８や２９を介して行なわれるのである。

図示された実施例では、中央制御ユニツト１８
内に時間スイツチ４２が備えられており、それ
は、割込みされた個別試料測定の完了ののちに感
知器４１によつて起動されるものである。個別試
料供給ユニツト１の充填口２６にはまたひとつの
感知具４３が備えられており、それは、信号線路
３９を介して中央制御ユニツト１８や、あるいは
時間スイツチ４２に連結されているもので、その
時間スイツチ４２の構成によつて規定された時間
内に個別試料供給ユニツト１に新たに個別試料が
入れられると、その時間スイツチ４２をリセツト
するものである。この時間スイツチ４２の規定時
間内に充填口２６に新たな個別試料が入れられな
ければ、中央制御ユニツト１８を介して試料供給
装置は一連試料供給ユニツト側へふたたび切換え
られるのである。

こうして、この発明によれば、簡単なやりかた
で、その分析装置の本質的部品類はそのまま維持
したままで別々なふたつの試料供給を可能にする
のであり、したがつてその分析装置はおおげさな
追加費用などなしにまことに多面的に使用可能な
ものとなるのである。

【図面の簡単な説明】

図面は、この発明による分析装置の好ましいひ
とつの実施形態例をブロツク図的に示しているも
のである。 １……個別試料供給ユニツト、２……一連試料
供給ユニツト、１８……制御ユニツト、４０……
スイツチ、４１……感知具、４２……時間スイツ
チ、４３……感知具。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 試料を分析路中に取り込むための試料供給装
   置と、試料を測定し測定結果を表示するための信
   号処理機構を備えた、試料を気体または較正流体
   あるいはその両者で分離する形式の液体試料分析
   装置において、該試料供給装置が該信号処理機構
   にいずれかひとつを選択連結することができる個
   別試料供給ユニツト１と一連試料供給ユニツト２
   を備え、さらに、該一連試料供給ユニツト２の運
   転中に試料取り込みを中断するスイツチ４０が備
   えられ、また、試料の通過に応動する感知具４１
   が該分析路に組み込まれており、該スイツチ４０
   の作動時に分析路中に取り込まれたが測定が済ん
   でいない試料の通過に感知具４１が応動すると、
   制御ユニツト１８の制御命令にもとづいて、前記
   試料供給装置を前記個別試料供給ユニツト１側に
   切り換えるように構成してある液体試料分析装
   置。 ２ 試料を分析路中に取り込むための試料供給装
   置と、試料を測定し測定結果を表示するための信
   号処理機構を備えた、試料を気体または較正流体
   あるいはその両者で分離する形式の液体試料分析
   装置において、該試料供給装置が該信号処理機構
   にいずれかひとつを選択連結することができる個
   別試料供給ユニツト１と一連試料供給ユニツト２
   を備え、さらに、該一連試料供給ユニツト２の運
   転中に試料取り込みを中断するスイツチ４０が備
   えられ、また、試料の通過に応動する感知具４１
   が該分析路に組み込まれており、該スイツチ４０
   の作動時に分析路中に取り込まれたが測定が済ん
   でいない試料の通過に感知具４１が応動すると、
   制御ユニツト１８の制御命令にもとづいて、前記
   試料供給装置を前記個別試料供給ユニツト１側に
   切り換えるように構成してあり、さらに、時間ス
   イツチ４２が備えられ、別の感知具４３が前記個
   別試料供給ユニツト１に組み込まれていて、該時
   間スイツチ４２が、割込みによる個別試料測定の
   完了後に前記分析路中の感知具４１によつてセツ
   トされ、前記別の感知具４３が前記個別試料供給
   ユニツト１での試料の新規取り込みに応動すると
   リセツトされるものであり、該セツト時間経過の
   後に、前記制御ユニツト１８の制御命令にもとづ
   いて、前記試料供給装置を前記一連試料供給ユニ
   ツト２側に切り換えるように構成してある液体試
   料分析装置。