JPH0250896B2 - - Google Patents

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JPH0250896B2
JPH0250896B2 JP56122868A JP12286881A JPH0250896B2 JP H0250896 B2 JPH0250896 B2 JP H0250896B2 JP 56122868 A JP56122868 A JP 56122868A JP 12286881 A JP12286881 A JP 12286881A JP H0250896 B2 JPH0250896 B2 JP H0250896B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は第四級ヒドラジニウムクロライドの製
造法に関する。
第四級ヒドラジニウムクロライド、特にトリア
ルキルヒドラジニウムクロライドは界面活性剤,
接着剤,エラストマー,重合触媒等に使われるア
ミンイミド化合物の合成原料として、また農薬と
して重要な化合物である。また、これらの用途以
外にも殺菌剤,消毒剤,帯電防止剤,柔軟剤等第
四級アンモニウム塩に類似した用途がある。
しかしながら、トリアルキルヒドラジニウムク
ロライドの工業的製造法は未だ確立されておら
ず、その利用は極めて限られたものにとどまつて
いる。
従来、第四級ヒドラジニウム、とりわけトリア
ルキルヒドラジニウムクロライドの製法として
は、いくつかの方法が知られている。例えば、 1) ヒドラジンまたは非対称ジアルキルヒドラ
ジンをアルキルクロライドで四級化する方法、 2) 対応するトリアルキルヒドラジニウムブロ
マイドまたはアイオダイドを塩化銀で複分解す
る方法、 3) 対応するトリアルキルヒドラジニウムハラ
イドと酸化銀の反応で得られる水酸化物を塩酸
で中和する方法、 4) アンモニアと塩素の気相反応で得られるク
ロロアミンガスを過剰の液状の第三級アミンも
しくは不活性溶媒に第三級アミンを溶解させた
溶液に吹き込みながら反応させる方法、あるい
は 5) 第三級アミンとアンモニアのアルコール溶
液に窒素ガスで希釈した塩素ガスを吹き込みな
がら反応させる方法 などが知られている。
しかしながら、上記1)の方法では、アルキル
アイオダイド,ブロマイド,トシレート等を試薬
として用いる場合には、ほぼ定量的にトリアルキ
ルヒドラジニウム塩が得られるが、アルキルクロ
ライドを用いると多量のトリアルキルヒドラジン
が副生する。また2)の複分解法、3)の中和法
は共に銀化合物を使用する点で工業的に有利な方
法とはいえない。また、4)のアンモニアガスと
塩素ガスとの反応により得られるクロロアミンガ
スを第三級アミンと反応させる方法は、クロロア
ミンベースの収率は高いが、過剰のアミンを使用
すること、アンモニアガスと塩素ガスとの反応で
生成する塩化アンモニウムの除去に困難が伴い、
したがつて塩素ガスの流速を上げることができず
大量生産には適さない。また、この反応の改良法
として、第三級アミンとアンモニアのイソプロピ
ルアルコール溶液に窒素ガスで希釈した塩素ガス
を吹き込む方法が提案されている。しかし、この
方法とて、塩素ガスに対してほぼ2倍量の第三級
アミンを用いる必要があるうえ、塩素ガスの流量
をそれほど上げることができず、工業上すぐれた
方法とはいえない。
本発明者らは、工業上有利な第四級ヒドラジニ
ウムクロライドの製造法について検討を加え、ア
ンモニア水と次亜塩素酸ナトリウム水溶液との反
応混合物を用いて、これを、中和,抽出,単離な
どの精製手段を何ら講じることなく、そのまま水
性媒質中で第三級アミンと反応させたところ、驚
くべきことに第四級ヒドラジニウムクロライドが
高収率で生成することを見い出した。更に驚くべ
きことに、従来のクロロアミンガスを用いる方法
では、クロロアミンに対し、大過剰の第三級アミ
ンを必要としたのに対し、上記反応混合物を用い
た水性溶媒中での反応では、反応混合物中に存在
するクロロアミンとほぼ等モルの第三級アミンを
用いるだけで目的物を高収率で得ることができる
ことを見い出した。従来、アンモニア水と次亜塩
素酸ナトリウム水溶液とを反応させてクロロアミ
ンを含む水溶液またはその濃縮溶液を得、その溶
液からクロロアミンをエーテルなどの溶剤で抽出
する方法などが知られているが、このように単離
されたクロロアミンは極めて不安定な化合物であ
り、工業原料として適当なものとはいえない。ま
た、上記クロロアミンを含む水溶液は、直接ヒド
ラジン誘導体、たとえば非対称ジアルキルヒドラ
ジンの合成に応用されてはいるが、第四級ヒドラ
ジニウムクロライドの合成に用いられた例はな
い。本発明者らは、このような知見に基づき、更
に鋭意検討を重ねた結果、本発明を完成するに至
つた。
すなわち、本発明は、アンモニア水と次亜塩素
酸ナトリウムとの反応混合物に第三級アミンを反
応させることを特徴とする第四級ヒドラジニウム
クロライドの製造法である。
本発明で使用するアンモニア水と次亜塩素酸ナ
トリウムの反応混合物は、アンモニア水を、温度
が0℃を越えないように冷却しながら次亜塩素酸
ナトリウムを加えることによつて得ることができ
る。この場合次亜塩素酸ナトリウムは通常その水
溶液で滴下される。かかる水溶液としては、水酸
化ナトリウムの水溶液に塩素を通じることによつ
て得られる次亜塩素酸ナトリウム水溶液(通常10
%程度の過剰の水酸化ナトリウムを含む)であつ
てもよい。アンモニア水は過剰量、たとえば理論
量の2〜5倍モルが用いられる。このようにして
得られた反応混合物は、クロロアミンおよびそれ
と等モル量の水酸化ナトリウムなどを含む水溶液
であり、この水溶液はそのまま第三級アミンとの
反応に供される。
本発明で四級化することのできる第三級アミン
としてはたとえば鎖状あるいは環状の脂肪族第三
級アミンがある。
具体的な例としては、たとえばトリメチルアミ
ン,トリエチルアミン,トリプロピルアミン,ジ
メチルエチルアミン,ジメチルプロピルアミン,
ジメチルヘキシルアミン,ジメチルオクチルアミ
ン,ジメチルシクロヘキシルアミン,ジエチルメ
チルアミンのような対称あるいは混成の脂肪族モ
ノアミン類、たとえばN,N,N′,N′,―テト
ラメチルエチレンジアミン,N,N,N′,N′―
テトラメチルトリメチレンジアミン,N,N,
N′,N′―テトラメチルヘキサメチレンジアミン
のような脂肪族ジアミン類、N―メチルモルホリ
ン,N―メチルピペリジンのような環状アミン
類、たとえばトリエチレンジアミン,N,N′―
ジメチルピペラジンのような環状ジアミン類たと
えばN,N―ジメチルエタノールアミンなどのア
ルカノールアミン類が挙げられる。
上記第三級アミンは、そのまま、あるいは、た
とえば塩酸塩,硫酸塩などのような無機酸の塩の
形で反応に付すことができる。
また、これら第三級アミンあるいはその塩は、
そのまま、あるいは通常、その水溶液として用い
られる。アミンが水に不溶性ないしは難溶性の場
合には、その塩を用いるかあるいは水の一部に代
えて、たとえばメタノール,エタノールのごとき
アルコール類を加えてもよい。
アンモニア水と次亜塩素酸ソーダとの反応混合
物と第三級アミンとの反応は、通常約−10〜20℃
で行なわれ、好ましくは反応温度を約−5〜10℃
に保ちながら反応を進行させる。この場合、第三
級アミンは、アンモニア水と次亜塩素酸ソーダと
の反応混合物中に含まれるクロロアミンに対し、
ほぼ等モル量か、あるいはほぼ0.9〜1.1倍モル量
使用するのがよい。反応は、アンモニア水と次亜
塩素酸ソーダとの反応混合物を第三級アミン(通
常水溶液)へ滴下する方法であつても、また逆
に、第三級アミン(通常水溶液)をアンモニア水
と次亜塩素酸ソーダとの反応混合物中へ滴下する
方法であつてもよい。通常10分から2,3時間で
反応は終了し、反応終了後、系中に存在するカセ
イソーダを塩酸など通常用いられる鉱酸を使つて
中和する。次いで水を蒸発させたのち、たとえば
エタノール,n―プロパノール,イソ―プロパノ
ール,n―ブタノール,クロロホルムなどの有機
溶媒を用いて、目的物である第四級ヒドラジニウ
ムクロライドを抽出する。なお、反応後中和する
方法とは別に、第三級アミンの鉱酸塩あるいはア
ミン水溶液に予め酸を加えておき、これをアンモ
ニア水と次亜塩素酸ソーダとの反応混合物と中和
させながら反応させることもできる。
本発明の方法によれば、窒素原子が四級化され
た第四級ヒドラジニウムクロライドが極めて高収
率・高純度で得られる。特にアミンベースの収率
は極めて高い。しかも、本反応は、水性溶媒での
反応であり取扱いが容易、過剰の原料を使用する
必要がない、副生物が少ないなどの点から煩雑な
製造装置を必要とせず工業上きわめて有利な方法
である。
本発明の目的物は必要により、通常第四級塩の
精製に用いられている方法、たとえばエタノー
ル,プロパノールなどのアルコール類とエーテル
との混合溶媒を用いて再結晶法などで精製するこ
とができる。
なお、本発明の方法では第三級アミンとして、
ジアミンを用いた場合、通常2個の窒素原子が四
級化された目的物が得られるが、アミンとして、
トリエチレンジアミンあるいは一般式 (Rは同一または異つてヒドロキシルまたは低級
アルコキシで置換されていてもよい低級アルキル
基を示す)で示されるピペラジン誘導体、たとえ
ばN,N′―ジメチルピペラジン,N,N′―ジエ
チルピペラジンなどのジアミンを用いた場合に
は、その目的物は2個の窒素原子のうち片方のみ
が選択的に四級化された化合物が得られ、これら
化合物は新規化合物であつて、従来法で製造する
ことができるほか本発明方法に従つて収率よく得
ることができる。なお、この場合、過剰のクロロ
アミンを用いることによつて好結果が得られる。
本発明の目的物は、界面活性剤、接着剤、エラ
ストマー、ウレタンやエポキシ樹脂の重合触媒な
どに使われるアミンイミド化合物の合成原料とし
て利用でき、またそれ自体は農薬,殺菌剤として
有用である。
以下、実施例を挙げて本発明を説明する。
実施例 1 撹拌機を備え互いに連結された2個の反応機の
1つに25%アンモニア水100mlを、今1つに30%
トリメチルアミン水溶液65gを仕込み、それぞれ
氷/食塩で冷却した。次いで1.7mol/の次亜
塩素酸ナトリウム水溶液(塩素と水酸化ナトリウ
ム水溶液とを反応させて得られた溶液であつて、
水酸化ナトリウムは理論量の10%過剰使用したも
の)200mlを、撹拌下、30分かけて温度を−5〜
0℃に保ちながらアンモニア水へ滴下し、更に10
分間撹拌を続けてクロロアミンを含有する反応混
合物を得た。このようにして得られた反応混合物
をトリメチルアミン水溶液に、温度が0℃を越え
ないように保ちながら30分かけて滴下し、更に10
分反応を続けた。反応終了後、2規定塩酸185ml
を用いて反応液中に存在する水酸化ナトリウムを
中和した。全量を減圧下で蒸発乾固し、99.5%エ
タノール500gを用いて生成したヒドラジニウム
塩の抽出を行なつた。エタノール抽出液を濃縮
し、濃縮液へエーテルを加えたところ結晶が析出
した。この結晶を取し、デシケーター中で真空
乾燥させたところ31.5gの白色のN,N,N―ト
リメチルヒドラジニウムクロライドの結晶が得ら
れた。収率84%融点240℃(分解)このもののIR
スペクトルは3200,3100および1630cm-1にアミノ
基に基づく吸収を示す。
元素分析値 C3H11N2Clとして C H N Cl 計算値(%) 32.58 10.03 25.32 32.05 実測値(%) 32.34 10.16 25.20 32.30 実施例 2 実施例1において、滴下順序を逆にしてトリメ
チルアミン水溶液をクロロアミンを含む反応混合
物に滴下する操作以外は実施例1と全く同様の操
作を行なつて、32.3gのN,N,N―トリメチル
ヒドラジニウムクロライドの結晶を得た。収率86
%融点240℃(分解) 元素分析値 C3H11N2Clとして C H N Cl 計算値(%) 32.58 10.03 25.32 32.05 実測値(%) 32.28 10.13 25.27 32.40 実施例 3 実施例1に記載されたと同様の方法でクロロア
ミンを含む反応混合物を得た。この反応混合物へ
トリメチルアミン塩酸塩および2規定塩酸15mlを
脱イオン水で100mlにした水溶液を温度が0℃を
越えないように30分かけて滴下し、更に15分間撹
拌を続けた。次いで、反応液を減圧下蒸発乾固
し、生成したヒドラジニウム塩を99.5%エタノー
ル500gで抽出した。抽出液を濃縮し、濃縮液へ
エーテルを加え結晶を析出させた。この結晶を
取、乾燥し、34.2gのN,N,N―トリメチルヒ
ドラジニウムクロライドを得た。収率91%融点
242℃(分解) 元素分析値 C3H11N2Clとして C H N Cl 計算値(%) 32.58 10.03 25.32 32.05 実測値(%) 32.33 10.18 25.20 32.45 実施例 4 撹拌機を備えた反応機に25%アンモニア水160
mlを仕込み、ドライアイス/アセトンで冷却し
た。この冷アンモニア水へ1.7mol/の次亜塩
素酸ナトリウム水溶液400mlを撹拌下、内温を−
10〜−5℃に保ちながら滴下しクロロアミンを含
む反応混合物を得た。次いで、この反応混合物へ
トリエチルアミン68.8gを2規定塩酸370mlに溶
かした水溶液を温度が0℃をこえないように撹拌
しながら20分かけて滴下し更に20分間反応を続け
た。反応液を減圧下で蒸発乾固した後、99.5%エ
タノール700mlを用いてヒドラジニウム塩の抽出
を行なつた。エタノール抽出液を濃縮後、濃縮液
へエーテルを加えて結晶を沈澱させた。得られた
結晶を取、乾燥して88.3gのN,N,N―トリ
エチルヒドラジニウムクロライドを得た。
収率85%融点175−178℃ 元素分析値 C6H17N2Cl C H N Cl 計算値(%) 47.21 11.22 18.35 23.22 実測値(%) 47.15 11.57 18.13 23.59 実施例 5 撹拌機を備えた反応機に25%アンモニア水200
mlを仕込みドライアイス/メタノールで冷却し
た。この冷アンモニア水へ1.7mol/の次亜塩
素酸ナトリウム水溶液500mlを温度を−10〜−5
℃に保つように撹拌しながら40分かけて滴下しク
ロロアミンを含む反応混合物を得た。次いで、こ
の反応混合物へN,N―ジメチルエタノールアミ
ン75.8gを脱イオン水で200mlにした水溶液を温
度を0℃に保ちながら50分かけて滴下し反応させ
た。反応終了後系中の水酸化ナトリウムを36%塩
酸93.8gで中和した。反応液を減圧下で蒸発乾固
し、99.5%エタノール1を用いて生成したヒド
ラジニウム塩を抽出した。抽出液を濃縮し、酢酸
エチルを加えて結晶を析出させ104.6gの白色の
N,N―ジメチル―N―(2―ヒドロキシエチ
ル)ヒドラジニウムクロライドを得た。収率88%
融点160℃(分解) 元素分析値 C4H13N2OClとして C H N Cl 計算値(%) 34.16 9.32 19.92 25.21 実測値(%) 34.25 9.53 19.79 25.30 実施例 6 撹拌機を備えた反応機に25%アンモニア水160
mlを仕込みドライアイス/アセトンで冷却した。
この冷アンモニア水へ、1.7mol/の次亜塩素
酸ナトリウム水溶液400mlを撹拌下、内温を−5
〜0℃に保ちながら50分かけて滴下しクロロアミ
ンを含有する反応混合物を得た。次いで、この反
応混合物へN―メチルモルホリン68.8gを2規定
塩酸370mlに溶かした水溶液を温度が−5℃を越
えないように撹拌しながら40分かけて滴下し反応
させた。反応液を減圧下で蒸発乾固した後、99.5
%エタノールで抽出を行ない、抽出液を濃縮し
て、エーテルを加えると白色結晶が析出した。こ
のものを取、乾燥して94.3gのN―アミノ―N
―メチルモルホリニウムクロライドを得た。収率
91%融点233℃(分解) 元素分析値 C5H13N2OClとして C H N Cl 計算値(%) 39.35 8.59 18.36 23.23 実測値(%) 39.26 8.73 18.02 23.11 実施例 7 撹拌機を備えた反応機に25%アンモニア水200
mlを仕込みドライアイス/アセトンで冷却した。
この冷アンモニア水へ、1.7mol/の次亜塩素
酸ナトリウム水溶液500mlを撹拌下、温度を−10
〜−5℃に保ちながら30分かけて滴下しクロロア
ミンを含有する反応混合物を得た。続いてN,
N,N′,N′―テトラメチルエチレンジアミン
49.4gを脱イオン水で200mlにした水溶液を内温
を−5〜0℃に保ちながら撹拌下、40分かけて滴
下し反応させた。反応終了後、36%塩酸93.8gで
系中の水酸化ナトリウムを中和した。反応液を減
圧下で蒸発乾固し、99.5%エタノールで生成した
ヒドラジニウム塩の抽出を行なつた。抽出液を濃
縮し、濃縮液へエーテルを加え結晶を沈澱させ
た。結晶を取、乾燥して78.2gの潮解性のある
N,N′―ジアミノ―N,N,N′,N′―テトラメ
チルエチレンジアンモニウムジクロライドを得
た。収率84%融点211−213℃ このもののIRスペクトルは3200,3100,1630
cm-1にアミノ基に基づく吸収を示す。また、
NMRスペクトル(重水中)は36.5(メチル),
4.34(メチレン),4.80に強度比3:1:1の吸収
を示す。
元素分析値 C3H10N2Clとして C H N Cl 計算値(%) 32.88 9.20 25.56 32.35 実測値(%) 32.62 9.28 25.38 32.40 実施例 8 撹拌機を備えた反応機に25%アンモニア水200
mlを仕込みドライアイス/アセトンで冷却した。
この冷アンモニア水中へ1.7mol/の次亜塩素
酸ナトリウム水溶液500mlを撹拌下、温度を−10
〜−5℃に保ちながら1時間かけて滴下した。こ
のクロロアミンを含む反応混合物へ、N,N′―
ジメチルピペラジン48.5gと36%塩酸93.8gを混
合し、脱イオン水で300mlにした水溶液を温度が
5℃を越えないように撹拌しながら1時間かけて
滴下し反応させた。反応液を減圧下蒸発乾固し、
600mlの99.5%エタノールを用いて生成したヒド
ラジニウム塩を抽出し、抽出液を濃縮したのち、
エーテルを加えて結晶を沈澱させた。結晶を
取、乾燥して、109.7gの潮解性のある結晶を得
た。収率78%融点168−170℃ このもののNMRスペクトル(DMSO―d6)を
第1図に示した。すなわち、2.55,3.1〜3.3,
3.5,3.7〜3.9,6.5ppmに強度比3:4:3:
4:2の吸収を示す。またIRスペクトルは3200,
3100,1620cm-1にアミノ基に基づく吸収を示す。
このことから、得られたものはN,N′―ジメチ
ルピペラジンの2個の窒素原子の1個だけが四級
化されたN―アミノ―N,N′―ジメチルピペラ
ジニウムクロライドであることを確認した。
元素分析値 C6H16N3Clとして C H N Cl 計算値(%) 43.50 9.74 25.36 21.40 実測値(%) 43.58 9.95 25.29 21.52 実施例 9 撹拌機を備えた反応機に25%アンモニア水80ml
を仕込みドライアイス/アセトンで冷却した。こ
の冷アンモニア水中へ1.7mol/の次亜塩素酸
ナトリウム水溶液200mlを撹拌下、温度を−5〜
0℃に保ちながら30分かけて滴下しクロロアミン
を含有する反応混合物を得た。滴下終了後、直ち
にトリエチレンジアミン19.0gを2規定塩酸185
mlに溶かした水溶液を内温が5℃を越えないよう
に撹拌しながら20分かけて滴下し反応させた。反
応液を減圧下で蒸発乾固した後、99.5%エタノー
ル500mlを用いて生成したヒドラジニウム塩の抽
出を行なつた。抽出液を濃縮し、エーテルを加え
て結晶を析出させた。このものを取、乾燥して
51.7gの潮解性のあるN―アミノトリエチレンジ
アンモニウムクロライドを得た。収率93%融点
220℃(分解) このもののNMRスペクトル(DMSO―d6)を
第2図に示した。すなわち、2.9〜3.2,3.3〜3.6,
6.3ppmに強度比3:3:1の吸収を示す。また、
IRスペクトルは3150,3050,1620cm-1にアミノ
基に基づく吸収を示す。このことからトリエチレ
ンジアミンの2個の窒素原子の1個だけが四級化
されたヒドラジニウム塩であることを確認した。
元素分析値 C6H14N3Clとして C H N Cl 計算値(%) 44.04 8.62 25.68 21.66 実測値(%) 43.85 8.85 25.40 21.82
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例8で得られた目的物のNMRス
ペクトルを、第2図は実施例9で得られた目的物
のNMRスペクトルを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 1 アンモニア水と次亜塩素酸ナトリウムとの反
    応混合物に第三級アミンを反応させることを特徴
    とする第四級ヒドラジニウムクロライドの製造
    法。
JP56122868A 1981-08-04 1981-08-04 第四級ヒドラジニウムクロライドの製造法 Granted JPS5824552A (ja)

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Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPS5473707A (en) * 1977-10-24 1979-06-13 Europ Propulsion Improvement in manufacture of unsymmetrical dimethyl hydrazine

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JPS5473707A (en) * 1977-10-24 1979-06-13 Europ Propulsion Improvement in manufacture of unsymmetrical dimethyl hydrazine

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