JPH0249987A - スクロール型圧縮機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明はスクロール型圧縮機における自転阻止機能を備
えたスクロール公転機構に関するものである。

［従来の技術］ スクロール型圧縮機のスクロール公転機構としては特開
昭５９−２８０８２号公報に開示されるものがある。こ
の公転機構は、固定スクロールを収容するハウジングと
可動スクロールとの両対向面上にレースを介して固定リ
ング及び可動リングを対向止着すると共に、両リングに
複数のポケットを対向して透設し、この対向ポケット間
に円筒軸受は素子を介在して構成されており、可動スク
ロールの公転半径が対向ポケットの一方における円筒軸
受は素子の可動領域の径と他方における円筒軸受は素子
の可動領域の径との和に規制されるようになっている。

この公転機構によれば可動スクロールのスラスト方向荷
重のみならずラジアル方向荷重も受は止めることになり
、これにより可動スクロールの自転阻止が行われる。従
って、この公転機構を備えた圧縮機はスラスト方向荷重
を受は止める機構と自転防止機構とを別個に設けた圧縮
機に比して機構簡素化及び部品点数低減の上で有利であ
る。

［発明が解決しようとする課題〕 しかしながら、円筒軸受は素子の両端面の高い平行度が
達成されていない場合には円筒軸受は素子の両端側にて
ラジアル方向へ互いに逆向きに作用する可動スクロール
の公転変位力により円筒軸受は素子が傾いてしまい、円
筒軸受は素子の側周縁角部という特定部位とレース及び
可動スクロールとの摺動接触により短期間で摩耗損傷が
発生する。又、円筒軸受は素子の両端面の高い平行度が
達成されている場合にも、円筒軸受は素子の周縁角部と
レース及び可動スクロールとの摺動接触により短期間で
摩耗損傷が発生する。そのため、固定スクロールの基端
壁内面と可動スクロールの渦巻部先端縁との間にクリア
ランスが生し、圧縮効率が大幅に低下する。又、円筒軸
受は素子が可動スクロールの外周近くで圧縮反力を受け
ているために可動スクロールの基端壁が撓む場合があり
、この撓みにより可動スクロールに対する円筒軸受は素
子の接触部位が周縁部に集中し、前記と同様の摩耗損傷
が発生する。

本発明はこのような短期間の摩耗損傷を回避し得るスク
ロール公転機構を提供することを目的とするものである
。

［課題を解決するための手段］ そのために本発明では、可動スクロールの基端壁とこの
基端壁に対向して設けられた固定基板との対向面上に円
形状の公転位置規制孔をそれぞれ同数設け、前記基端壁
及び固定基板の一方の公転位置規制孔内にはこれより小
径の凹型シューを収容すると共に、他方の公転位置規制
孔内にはこれより小径の凸型シューを収容し、凹型シュ
ーの嵌合凹部と凸型シューの嵌合凸部との間には摺動自
在な嵌合関係を設定した。

［作用コ 可動スクロールの公転動作に伴う圧縮反力は可動スクロ
ール、可動スクロール側のシュー及び固定基板側のシュ
ーを介して固定基板に受は止められ、摺動自在に嵌合す
る凹型シュー及び凸型シューはそれぞれ対向する公転位
置規制孔の円環状壁面の反対部位に接しつつ公転動作に
追随して相対的に周回し、可動スクロールの自転阻止が
行われる。自転不能に公転する可動スクロールの公転動
作に伴い、対向する公転位置規制孔の円環状壁面に接触
するシューには互いに逆方向の力が作用するが、摺動自
在な嵌合関係をもった組付構成により凹型シュー及び凸
型シューのいずれも公転位置規制孔内で傾くようなこと
はない。又、可動スクロールの基端壁が撓むような場合
にも可動スクロール側のシューが基端壁の撓み方向に傾
動変位し、結果的に可動スクロール側のシューが公転位
置規制孔内で傾（ようなことはない。

従って、凹型シュー及び凸型シューは公転位置規制孔内
を円滑に摺動し、可動スクロールの円滑な公転動作がも
たらされる。しかも、可動スクロール及び固定基板とシ
ューとの受圧面が広いことから、凹型シューと凸型シュ
ーとにより大きなスラスト力を受けられ、これにより組
付構成される公転機構ユニット数の低減を図ることがで
きる。

これに付随して高い位置決め精度を要求される公転位置
規制孔の加工数を低減することができる。

［実施例］ 以下、本発明を具体化した一実施例を第１〜４図に基づ
いて説明する。

第１図に示すように１はリヤハウジングを兼ねる固定ス
クロールであり、固定スクロール１とフロントハウジン
グ２とが接合固定されていると共に、固定スクロール１
の外周壁１３の先端部内面には環状の固定基板３がフロ
ントハウジング２先端面に接するように成人固定されて
いる。フロントハウジング２内には回転軸４が回転可能
に収容されており、回転軸４の大径部４ａの内端面上の
偏心位置には偏心軸５が固定基板３中央部の通路を通っ
て固定スクロール１の外周壁１３の包囲領域内に突設さ
れている。

偏心軸５には円弧板からなるバランスウェイト６及びブ
ツシュ７が回動可能に支持されていると共に、ブツシュ
７には可動スクロール８が固定スクロール１と対向接合
して回転可能に支持されており、両スクロール１．８の
基端壁１ａ、８ａ及び渦巻部１ｂ、８ｂにより圧縮室が
形成されている。

可動スクロール８と対向する固定基板３の面上には固定
リング９が止着されており、固定リング９には円形状の
複数の公転位置規制孔９ａ（本実施例では４つ）が等間
隔位置に透設されている。

可動スクロール８の基端壁８ａ背面には可動リング１０
が止着されていると共に、可動リング１０には円形状の
公転位置規制孔１０ａが公転位置規制孔９ａと対応して
等間隔位置に透設されている。

固定リング９例の各公転位置規制孔９ａにはこれより小
径の円板状の凹型シュー１１が挿入されていると共に、
可動リング１０側の公転位置規制孔１０ａにはこれより
小径の凸型シュー１２が挿入されており、両シュー１１
．１２が互いに摺動自在に嵌合されている。

可動スクロール８の公転半径は両リング９，１０の公転
位置規制孔９ａ、１０ａ内における凹型シ二一１１及び
凸型シュー１２の円形状可動領域の径の和となっている
。そして、回転軸４０回転に伴う偏心軸５の公転により
シュー１１．１２が互いに嵌合した状態で公転位置規制
孔９ａ、！Ｏａ内の円環状壁面の反対部位に接しつつ周
回し、可動スクロール８の自転が阻止される。即ち、公
転位置規制孔９ａ、１０ａ、凹型シュー１１及び凸型シ
ュー１２により自転阻止機能を備えた公転機構が構成さ
れており、回転軸４の回転に対して可動スクロール８が
自転することなく公転する。

自転を阻止されつつ公転する可動スクロール８の公転位
置を規制する固定基板３の近傍における外周壁１３には
冷媒ガス導入用の入口１３ａが設けられており、入口１
３ａから導入された冷媒ガスの一部は固定リング９と可
動リング１ｏとの間を通過して両スクロール１．８間の
圧縮室へ入る。

そして、両スクロール１，８間にて圧縮された冷媒ガス
は吐出弁１４により開放可能に閉塞されている吐出ボー
ト１ｃから固定スクロール１の基端壁１ａの背面側の吐
出室１５内へ吐出される。

第４図に示すように凹型シュー１１の嵌合四部１１ａ及
び凸型シュー１２の嵌合凸部１２　ａ　１．Ｊ点Ｃに中
心を持つ半径ｒの球面に形成されており、凹型シ１−１
１の底面１１ｂ及び凸型シュー１２の底面１２ｂはいず
れも平面に近い球面（その半径Ｒは半径ｒに比して十分
に大きい）に形成されている。又、両シュー１１．１２
の周面ば円柱周面に形成されており、凹型シュー１１の
嵌合四部１１ａの中央部と底面１１ｂの中央部との間に
は通孔１１ｃが貫設されている。

可動スクロール８の公転に伴う圧縮反作用及び遠心作用
は凸型シュー１２及び凹型シュー１１を介して固定基板
３及び固定リング９に受は止められ、凸型シュー１２に
はラジアル方向の力が可動リング１０を介して作用し、
凹型シュー１１にはラジアル方向の反力が固定リング９
を介して作用する。即ち、両シュー１１．１２には互い
に逆方向のラジアル方向荷重が加わるが、別体の凹型シ
ュー１１と凸型シュー１２とが同一半径ｒの球面からな
る嵌合凹部１１ａと嵌合凸部１２ａとを介して摺動自在
に嵌合しているため、凹型シュー１１及び凸型シュー１
２はいずれも平面に近い球面形状の底面１１ｂ、１２ｂ
を介して固定基板３及び可動スクロール８０対向面上を
傾くことなく摺動する。従って、固定基板３及び可動ス
クロール８とシュー１１．’１２の円周角部といった特
定部位との間の摺動摩耗が発生することはない。

これは可動スクロール８の基端壁８ａが撓むような場合
にも同様に言えることであり、基端壁８ａの撓みにより
公転位置規制孔１０ａが傾いた場合にも回礼１０ａ内の
凸型シュー１２が球面中心Ｃを中心にして追随傾動し、
凸型シュー１２が公転位置規制孔１０ａ内で傾くような
ことはない。従って、凹型シュー１１の底面１１ｂから
球面中心Ｃまでの距離及び凸型シュー１２の底面１２ｂ
から球面中心Ｃまでの距離の精度が高ければ圧縮効率に
影響を与える可動スクロール８のスラスト方向の公転位
置が長期にわたって所定位置に保たれ、しかも前記距離
の精度出しは従来の円筒軸受は素子の平行精度出しに比
して溝かに容易である。

シュー１１．１２の底部は曲面とはいえ平面に非常に近
いために圧縮反力に対する面圧は直接ボール接触の従来
機構に比して受圧面積が広いために低く、凹型シュー１
１及び凸型シュー１２からなるユニット数の低減化を図
ることができる。これに付随して高い位置決め精度を要
求される公転位置規制孔９ａ、１０ａの加工点数が減り
、部品点数減少及び加工点数の減少によるコスト的な有
利性が著しい。前記面圧の低減化は公転機構ユニットの
必要な数を確保した上で（耐摩耗性に劣る）アルミニウ
ムにより固定基板３及び可動スクロール８を形成するこ
とも可能とし、これにより圧縮機の軽量化も可能となる
。

両リング９．１０間を通過する冷媒ガス中のミスト状潤
滑油は凹型シュー１１の底面１１ｂと固定基板３との間
及び凸型シュー１２の底面１２ｂと可動スクロール８の
基端壁８ａとの間のクリアランスへ入り込み、固定基板
３と凹型シュー１１との間、基端壁８ａと凸型シュー１
２との間の潤滑が効率よく行われる。さらに、凹型シュ
ー１１の底面ｔｔｂと固定基板３との間へ入り込んだ冷
媒ガスは通孔１１ｃへ入り込み、凹型シュー１１の嵌合
凸部１１ａと凸型シュー１２の嵌合凹部１２ａとの間の
潤滑が効果的に行われる。

本発明は勿論前記実施例にのみ限定されるものではなく
、例えば第５図に示すように凸型シュー１６の嵌合凸部
１６ａを楕円体面とし、凹型シュー１７の嵌合凹部１７
ａを前記楕円体面の曲率半径よりも大きい半径の球面の
凹部としてもよい。

このようにすれば嵌合凸部１６ａと嵌合凹部１７ａとが
摺動自在な嵌合関係を持つことになり、両シュー１６，
１７が公転位置規制孔９ａ、１０ａ内で傾くことはない
。しかも、凹型シュー１７に冷媒ガス供給用の通孔を設
けなくとも冷媒ガスが嵌合凸部１６ａと嵌合凹部１７ａ
との間に入り込み、凹型シュー１７と凸型シュー１６と
の間の潤滑が十分に行われる。

又、本発明では凹型シュー及び凸型シューの底面を平面
に設定してもよ（、このようにしても公転位置規制孔の
底面のかなりの部分が露出することからシューと固定基
板３との間の潤滑及びシューと可動スクロールとの間の
潤滑は十分に行われる。

さらに本発明では、凹型シューの嵌合凹部の曲面及び凸
型シューの嵌合凸部の曲面としては球面、楕円体面以外
にも摺動自在な嵌合関係を満たすものであればよく、あ
るいは可動スクロール側の公転位置規制孔に凹型シュー
を収容すると共に、固定基板側の公転位置規制孔内に凸
型シューを収容する実施例も可能である。

［発明の効果コ 以上詳述したように本発明は、対向する公転位置規制孔
内の凹型シュー及び凸型シューからなる複数の公転機構
ユニットを介してスラスト荷重及び可動スクロールの自
転力を受は止めるようにしたので、部品点数の低減化を
図りつつ摺動部位間の短期間の摺動摩耗を回避すること
ができ、これにより低コスト化及び円滑な公転動作を達
成し得るという優れた効果を奏する。

【図面の簡単な説明】

第１〜４図は本発明を具体化した一実施例を示し、第１
図は側断面図、第２図は要部分解斜視図、第３図は第１
図のＡ−Ａ線断面図、第４図は要部拡大側断面図、第５
図は別例の要部拡大断面図である。 固定スクロール１、基端壁１ａ、固定基板３、可動スク
ロール８、公転位置規制孔９ａ、１０ａ、凹型シュー１
１．１７、嵌合凹部１１ａ、１７ａ、凸型シュー１２．
１６、嵌合凸部１２ａ、１６ａ。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. １　ハウジング内に収容された固定スクロールと、この
   固定スクロールに対向して自転不能かつ公転可能に収容
   支持された可動スクロールとの間に可動スクロールの公
   転に基づいて容積減少する密閉空間を形成するスクロー
   ル型圧縮機において、前記可動スクロールの基端壁とこ
   の基端壁に対向して設けられた固定基板との対向面上に
   円形状の公転位置規制孔をそれぞれ同数設け、前記基端
   壁及び固定基板の一方の公転位置規制孔内にはこれより
   小径の凹型シューを収容すると共に、他方の公転位置規
   制孔内にはこれより小径の凸型シューを収容し、凹型シ
   ューの嵌合凹部と凸型シューの嵌合凸部との間には摺動
   自在な嵌合関係を設定したスクロール型圧縮機。