JPH0249024Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （技術分野） 本考案は、コンパクトデイスクプレーヤ等に装
着されたコンパクトデイスクの再生の中断あるい
は終了の際等、コンパクトデイスクを円滑かつ速
やかに停止させるため使用されるデイスクプレー
ヤのブレーキ付クランプ装置に関するものであ
る。

（従来技術） 最近、コンパクトデイスクをケースに収容し、
そのケースをそのままプレーヤ本体に載置してケ
ース内のコンパクトデイスクを演奏するようにし
たデイスクプレーヤが開発されてきている。

この場合、ケースに収容したコンパクトデイス
クをターンテーブル上に装着し、そのターンテー
ブルでケース内に浮かせた状態に保持されるコン
パクトデイスクを回転させ、そのコンパクトデイ
スクに記録された音楽等の情報が再生されるよう
になつている。

そして、そのコンパクトデイスクの再生中にお
ける再生中断、および再生終了の際に、ターンテ
ーブルの回転が停止させられるが、そのときター
ンテーブル上にクランパでクランプされたコンパ
クトデイスクは慣性にて回転し続ける。そして、
その回転しているコンパクトデイスクがケースの
内面によつて持ち上げられケースの搬出経路を介
してコンパクトデイスクの挿入口等へ戻されてい
くことになる。

したがつて、回転しつづけるコンパクトデイス
クの記録面と対向するケースの内面とが接触して
摩擦を生じ、コンパクトデイスクの記録面が損傷
させられる等の問題がある。

また、コンパクトデイスクの回転が停止するま
で待つてケースを持ち上げるようにすれば良いの
であるが、それではコンパクトデイスクの再生中
断、再生終了後の次の動作がなされるまでに時間
が費やされデイスクプレーヤの円滑な作動が疎外
されることになる。

その対策として従来にあつてはデイスクプレー
ヤのターンテーブルに逆電圧をかけてターンテー
ブルの慣性による回転を停止させるようにしたも
のがあるが、別途ターンテーブルに逆電圧を印加
するための回路を設ける必要が生じる他構造も複
雑となる上にコスト高になるという問題がある。

（本考案の目的） 本考案は、上述した問題を解決するためなされ
たもので、その目的とするところは、デイスクプ
レーヤの再生中断、再生終了の停止時等に慣性に
より回転させられるターンテーブルを円滑かつ、
速やかに停止させ、デイスクプレーヤに装着され
たコンパクトデイスクを円滑かつ速やかに停止さ
せ、デイスクプレーヤへ装着されたコンパクトデ
イスクを確実に静止させることにより、コンパク
トデイスクの記録面の保護を図るとともにデイス
クプレーヤの再生中断、再生終了後の次の動作が
より円滑かつ速やかに行なわれるようにしたデイ
スクプレーヤのブレーキ付クランプ装置の提供を
するところにある。

（本考案の概要） 上記目的を達成するため、本考案装置は、筒状
体にて形成され、その筒状体の一端側端部に前記
筒状体の軸心方向に延出するフランジ部を有する
クランパホルダと該クランパホルダのフランジ部
に遊嵌状態に保持されたクランパと、前記クラン
パホルダの他端側端部の開口部を覆うように設け
られた蓋体と、前記蓋体の内面と前記クランパと
の間に介装されたフエルト材、ゴム等からなるブ
レーキ用部材と、から構成されたことを特徴とす
るものである。

（本考案の実施例） 以下、本考案の望ましい実施例を図面を参照し
ながら説明する。

機台１上にはプレーヤ本体２が支持部材３，３
により支持されて配設されている。コンパクトデ
イスク４のプレーヤ本体２上にはターンテーブル
２ａが突出しており、その中心上には位置決めピ
ン２ｂが同軸的に突出されている。

プレーヤ本体２の側方にはコンパクトデイスク
４の収容されたケース５をガイド６，７に案内す
るための案内部８が隣接して配設されている。案
内部８は本実施例では二段式となつている。

ケース５は開蓋式になつており、コンパクトデ
イスク４を収容してコンパクトデイスク４の高密
度な情報が収録される記録面を不慮の汚れから保
護している。ケース５は上面にクランパ開口部５
ａ、下面に読取窓５ｂを有している。

案内部８の反対側でプレーヤ本体２の隣接側方
には、機台２上から支持板９が垂設されている。
支持板９の上端部では支持片１０が直交して取り
付けられており、また、支持板９の下部は機台１
を貫通して垂下させ、その下端部にも支持片１１
が直交して取り付けられている。支持片１０，１
１間には支持板９と平行してシヤフト１２が固定
されている。シヤフト１２には軸筒１３が軸受１
４を介してシヤフト１２の長手方向に摺動自在に
嵌合されている。軸筒１３にはエレベータ１５の
基端部１５ａが軸筒１３と直交する関係で連成さ
れている。したがつて、エレベータ１５はシヤフ
ト１２に片持されて矢印両方向に昇降動すること
になる。エレベータ１５の下部はケース５の搭載
部１６となつており、枠状に形成されている。搭
載部１６のシヤフト１２側では段部１６ａとなつ
ており、ケース５が搭載された時ケース５の移動
を規制する。

エレベータ１５の基端部１５ａでシヤフト１２
と支持板９間にはラツク１７が歯面を支持板９側
に向けて固定されている。ラツク１７には、支持
板９に形成された窓孔９ａを挿通して減速ギヤ列
１８が噛み合わされている。減速ギヤ列１８は支
持板９に直交して固定されたギヤ支持板２０に軸
着されており、モータ２１と直結されたウオーム
２２に噛み合つている。したがつて、モータ２１
が回転するとウオーム２２の回転により減速ギヤ
列１８が回転し、この回転力がラツク１７に伝え
られてエレベータ１５がシヤフト１２に支持され
ながら昇降動することとなる。エレベータ１５の
上部には天井板（蓋体）２３が取り付けられ、こ
の天井板２３の内面にはクランパ部２４が配設さ
れている。クランパ部２４は筒状体にて形成され
その筒状体の一端側端部に前記筒状体の軸方向に
延出するフランジ部２５ａを有するクランパホル
ダ２５と、このクランパホルダ２５内で遊嵌され
外周部にリング状のマグネツト２６の装着された
クランパ２７と前記天井板２３の内面とクランパ
２７との間に介装されたフエルト材、ゴム材等か
らなるブレーキ用部材Ａと、からなつている。ク
ランパ部２４はその中心がプレーヤ本体２の位置
決めピン２ｂの軸心と一致するような位置に配設
されている。

ブレーキ用部材Ａは、ドーナツ状に形成され、
その中心にピン２ｂが挿通用の孔A₁が設けられ
ていて、天井板２３側あるいはクランパ２７の上
面２７ａに一体に貼りつけられた構成でもよく、
また、遊嵌状態に天井板２３とクランパ２７の上
面間に介装せしめられていてもよい。

エレベータ１５の再生終了時あるいは再生中断
の際、エレベータ１５の停止は支持板９下に配設
されたスイツチ３０をエレベータ１５の底部が押
圧することによつておこなわれるようになつてい
る。すなわち、再生終了時や、再生中断の際は、
エレベータ１５はモータ２１の作動により、自動
的に下降し、天井板２３とクランパ２７間に介装
されたブレーキ用部材Ａが押圧される位置に至る
とエレベータ１５の底部がスイツチ３０に当接し
てモータ２１が停止し同時にエレベータ１５が停
止するようになつている。なお、符号２９はガイ
ド６または７上に載置されたケース５をエレベー
タ１５の搭載部１６の所定位置に搭載するための
フツク３７を有するキヤリツジである。

以下に本考案装置の動作を説明する。

いま、エレベータ１５内にケース５が搭載され
ておらず、クランパ２４がターンテーブル２ａ上
にある状態でコンパクトデイスク４の収容された
ケース５がガイド７上に載置され図示を省略した
選曲スイツチをONにすると、モータ２１が回転
し、この回転力がウオーム２２、減速ギヤ列１８
を介してラツク１７に伝えられ、ラツク１７を押
上げエレベータ１５が矢印方向に上昇動してガイ
ド７と対応する所定位置に停止する。ついで、キ
ヤリツジ２９が作動して矢印Ｘ方向の所定停止位
置に移動し、フツク３７でケース５の窓孔５ｃを
引掛けた後、矢印Ｙ方向に移動してケース５をエ
レベータ１５の搭載部１６の所定搭載位置にまで
搬送する。

ケース５がエレベータ１５に搭載されると、モ
ータ２１が逆回転し、エレベータ１５を矢印方向
に下降させる。エレベータ１５に下降にともな
い、まず、ケース５内のコンパクトデイスク４が
ターンテーブル２ａ上に装着される。なおも、エ
レベータ１５が下降すると、次にクランパ部２４
のクランパ２７がコンパクトデイスク４をターン
テーブル２ａ上に挟着するとともにクランパホル
ダ２５内で浮遊した状態となる。この時エレベー
タ１５はマイコン制御にて停止状態にあり、プレ
ーヤ本体２が作動し、コンパクトデイスク４の再
生が開始される。

再生が終了あるいは中断されると、マイコン制
御によりモータ２１が回転してエレベータ１５は
矢印方向に下降し、エレベータ１５の下端部がス
イツチ３０と当接する位置に至ると、天井板２３
がブレーキ用部材Ａを押圧し、それによつてブレ
ーキ用部材Ａがクランパ２７を押圧するので、慣
性により回転しようとするターンテーブル２ａ上
のコンパクトデイスク４の回転が停止される。そ
の後、完全に静止した状態のコンパクトデイスク
４の記録面４ａがその記録面４ａに対向するケー
ス５の内面にエレベータ１５が昇動するにつれて
当接することになる。

その後、エレベータ１５が案内部８の高さにま
でケース５を上昇せしめると、今度はキヤリツジ
２９がケース５を案内部８まで円滑に戻すことに
なる。

なお、実施例ではエレベータ１５を使用するデ
イスクプレーヤについて述べたが、本考案ブレー
キ付クランプ装置は他のデイスククランプ装置と
しても使用できる汎用性のある構造である。

（考案の効果） 以上説明したように、本考案のデイスクプレー
ヤのデイスクブレーキ装置によるときは、再生中
断、再生終了の停止時等に慣性により回転させら
れるターンテーブル上のコンパクトデイスクの回
転を円滑かつ速やかに停止させ、プレーヤ本体へ
装着されたコンパクトデイスクを完全に静止させ
た状態でコンパクトデイスクの記録面を対向する
ケース内面で持ち上げる構造なので、コンパクト
デイスクの記録面の保護が図れるとともにデイス
クプレーヤの再生中断、再生終了後の次の動作が
円滑、かつ、スムーズに行なえることになる等の
効果を奏することとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案装置を使用したデイスクプレー
ヤの一部を断面で示した概略正面図、第２図は本
考案装置に使用されるコンパクトデイスクを収容
したケースの平面図、第３図はデイスクプレーヤ
の作動状態を示す正面図、第４図イ，ロは本考案
装置の作用状態を示す要部断面作動図、要部拡大
断面図である。 Ａ……ブレーキ部材、２……プレーヤ本体、４
……コンパクトデイスク、２３……天井板（蓋
体）、２４……クランパ部、２５……クランパホ
ルダ。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 筒状体にて形成され、その筒状体の一端側端部
   に前記筒状体の軸心方向に延出するフランジ部を
   有するクランパホルダと、該クランパホルダのフ
   ランジ部に遊嵌状態に保持されたクランパと、前
   記クランパホルダの他端側端部の開口部を覆うよ
   うに設けられた蓋体と、前記蓋体の内面と前記ク
   ランパとの間に介装されたフエルト材、ゴム等か
   らなるブレーキ用部材と、から構成されたことを
   特徴とするデイスクプレーヤのブレーキ付クラン
   プ装置。