JPH024897Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案はフオークリフト等に使用する荷役用パ
レツトのデツキボードの改良に関するものであ
る。

従来から、フオークリフト運搬用に使用するパ
レツトには木製パレツト、金属製パレツト、合成
樹脂製パレツト等があつて夫々の用途に応じて選
択使用され、例えば食品、薬品の運搬に使用する
パレツトは衛生上の観点から全体を丸洗いできる
洗浄に適した品質のパレツトが要求される。

上記のうち木製パレツトは、入手が容易であ
り、軽量である割合に強度が大きいので最も多く
使用されているが、洗浄に適しておらず、洗浄の
ときの吸水によつて腐朽や汚れの沈着、木質のさ
さくれによる飛散等が生じる欠点があり、又、金
属製パレツトや合成樹脂製パレツトは洗浄可能で
あるが、前者は重量が大きくて取扱い難く、又、
衝撃などで変形を生じ、後者は軽量ではあるが、
強度が小さい等の問題点がある。

このため、木製パレツトに合板等の木質デツキ
材を使用して、その両面に繊維強化プラスチツク
を被覆したデツキボードが一部利用されている
が、このものは表面がプラスチツクであるので、
表面が滑り易く、フオークリフトの爪から滑り落
ちたり、空パレツトを積んで移送する際にパレツ
トが滑つて落下する等、操作性、安全性に問題が
ある。

本考案はこのような従来の欠点及び問題点に鑑
みてなされたもので、比強度に優れた木質板をデ
ツキボード基板とし、その表裏両面にゴム物質よ
りなる防水層を設けると共に、その四方端面に硬
質プラスチツクよりなる縁部材を固着して、強
度、洗浄性、滑り防止性、端面の耐衝撃性等の諸
物性に優れたパレツト用デツキボードを提供する
ものである。

本考案の実施例を図面によつて説明すれば、第
１図において、Ａは本考案のデツキボードで、複
数枚の木材単板を積層接着して一体化した単板積
層材よりなるデツキボード基板１の表裏両面に、
ゴム物質よりなる防水層２，２′を一体に層着し、
該防水層２，２′の表面を凹凸状粗面２ａ，２
a′に形成してある。３はデツキボード基板１及び
防水層２，２′の側端面の両方を被覆するように
全周に亘つて固着した縁部材で、硬質塩化ビニー
ル樹脂等の硬質プラスチツクよりなり、背面中央
部に長さ方向に鋸歯状の突起部３ａを設けて略々
Ｔ字状に形成し、基板１の周縁部端面に刻設した
凹溝部１ａに該突起部３ａを嵌合し、接着剤によ
つて固着して基板１と一体的に形成してある。

上記において、デツキボード基板１には、合
板、LUL等の単板積層材又はパーテイクルボー
ド等の木質板が使用され、又、防水層２，２′に
は、天然ゴム、ブタジエンゴム、ブタジエンスチ
レンゴム、ブチルゴム、ウレタンゴム、アクリル
ゴム、弗素ゴム、エチレンプロピレンゴム、シリ
コンゴム等が使用せられ、表面を凹凸状に形成し
て、洗浄した後の水濡れ状態の時においても充分
な防滑性を有するようにしてある。

防水層２，２′は、これらのゴム物質を予めシ
ート状に形成したものをゴム系接着剤等で被覆し
てもよく、又、ゴム物質を加硫前の状態でシート
状にしたものを、基板１の両端に配設して加熱圧
締することにより、ゴム物質の加硫と同時に基板
１の両面に密着させて一体的に形成してもよい。

上記のように構成したので、基板１の両面に設
けた防水層２，２′によつて木質材よりなる基板
１の表裏両側からの吸水を防止し、又、側端面周
縁部に設けた縁部材３によつて基板１の側端部を
衝撃から保護して防水層２，２′の剥離を防止す
ると共に該縁部材３を防水層２，２′の端面を含
むように固着したことにより基板１の側端面より
の吸水を完全に防止して水密性を向上させ、さら
に表裏面の防水層２，２′がゴム物質よりなり、
柔軟で且つ摩擦抵抗が大きいので、荷滑りやパレ
ツト自体がフオークリフトの爪から滑り落ちるよ
うなトラブルが生じることがなく、縁部材３と相
俟つて、積荷の滑動や、積荷の衝突による衝撃を
吸収し、又フオークリフトの爪の衝突による衝撃
に対しても基板１を完全に保護する。なお、縁部
材３は鋸歯状の突起部３ａによつて強固に基板１
に固着してあるので、フオークリフトと爪の衝突
や、搬送物の積み降しの際における衝撃等によつ
ても容易に脱落することがなく、長期間防水性及
び端部の保護効果を維持することができる。

第３図は本考案の他の実施例を示すもので、デ
ツキボード基板１と防水層２，２′との間に夫々
繊維強化プラスチツク層４，４′を設けたもので
あり、このように構成したので、表面側からの耐
衝撃性を高めて荷積の衝撃による防水層２，２′
の損傷を防止すると共に、裏面側のフオークリフ
トの爪との当接する部分の圧縮歪を小さくして防
水層の損傷を防止し、且つデツキボード基板１全
体の剛性を高めて、重荷重に耐えるようにしたも
のである。

上記のように構成したデツキボードＡは、第４
図に示すように、合成樹脂の脚部材５を介して、
上下に平板状のデツキボードＡを取り付け、又は
第５図に示すように防水処理を施した桁材６を介
して桟状のデツキボードＡを取り付けて、パレツ
トを組立てて用いられるものである。

上述のように本考案は、木質板よりなるデツキ
ボード基板１の表裏両面に、ゴム物質よりなる防
水層２，２′を設けると共に、該デツキボード基
板１の側端面に前記防水層２，２′の端面に亘つ
て被覆する硬質プラスチツクよりなる縁部材３を
固着一体化してなるパレツト用デツキボードに係
るものであるから、デツキボードが軽量で比強度
が大であり、デツキボード基板の両面に設けた防
水層及び側端面に設けた縁部材によつて基板の吸
水を防止されデツキボードの丸洗いによる洗浄で
も腐朽、汚染を生じることがない。又、ゴム物質
防水層の柔軟性によつて、縁部材と相まつて耐衝
撃性を増大し、さらに大きな摩擦係数によつて荷
滑り止め、及びフオークリフトの爪からの滑り落
ちの防止効果を期待できる等の特長を有するもの
であり、食品や薬品等の衛生性を重要視する物品
の搬送に適したパレツトが形成されるものであ
る。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案の実施例を示すもので、第１図は
縦断側面図、第２図は第１図における要部の拡大
断面図、第３図はデツキボード基板の両面に繊維
強プラスチツクを介して防水層を設けたデツキボ
ードの縦断側面図、第４図及び第５図は本考案の
デツキボードを用いて組立てたパレツトの斜視図
である。 １……デツキボード基板、２，２′……防水層、
３……縁部材。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 木質板よりなるデツキボード基板１の表裏両
   面に、ゴム物質よりなる防水層２，２′を設け
   ると共に、該デツキボード基板１の側端面に前
   記防水層２，２′の端面に亘つて被覆する硬質
   プラスチツクよりなる縁部材３を固着一体化し
   たことを特徴とするパレツト用デツキボード。 防水層２，２′の表面を凹凸状２ａ，２a′に
   形成した実用新案登録請求の範囲第１項記載の
   パレツト用デツキボード。 デツキボード基板１と防水層２，２′との間
   に繊維強化プラスチツク層４，４′を介在させ
   た実用新案登録請求の範囲第１項記載のパレツ
   ト用デツキボード。