JPH0248097Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本考案は、プレスに付属した材料供給装置から
ブランクを受取りプレスのフイードバーに渡す位
置まで搬送するブランク搬送装置においてブラン
クを掴むために用いるグリツプ装置に関するもの
である。

「従来の技術」 従来、ブランク搬送装置では搬送方向に一定送
りピツチで往復動を繰り返す搬送体の両側に、ブ
ランクの両側を掴んで受け取り、解放して渡すグ
リツプ装置を設けたものが使用されている。この
グリツプ装置は上グリツパを固定し、下グリツパ
をその基部を中心に先端を上グリツパに向けて揺
動させるものであつた。

「考案が解決しようとする問題点」 上述の従来のグリツプ装置では、材料供給装置
で昇降す吸着具に吸着されて取り出されたブラン
クが一定高さに上昇して停止した時、後退してき
た搬送体の上グリツパがブランクと干渉しないよ
うにするため上グリツパをブランク上面より若干
高い位置としている。従つて下グリツパが揺動し
て上グリツパとの間にブランクを挾持したとき、
ブランクは若干上昇して吸着具に接触した状態で
吸着具からグリツプ装置に受け渡され、搬送体の
前進に伴い吸着具はブランク上面を滑り、摩擦抵
抗による損耗が著しい。またブランクは中央が若
干垂れ下がつた状態で挾持されるので、フイード
バーに渡す位置でシユート上に渡したとき位置ず
れを起こし易いなどの欠点があつた。本考案の目
的はこれらの欠点を除き、吸着具と接触しないよ
うにブランクを受け取り、かつブランクの垂れ下
がりを少なくして渡すときの位置ずれを防止でき
るブランク搬送装置におけるグリツプ装置を提供
することにある。

「問題点を解決するための手段及び作用」 本考案の構成は、グリツプ装置を搬送体の搬送
方向と直角な水平方向のレールに位置調整自在に
設け、上下のグリツパは夫々支点ピンに揺動自在
に支持し、下グリツパはエアシリンダで開閉両方
向に駆動し、上グリツパは開く方向にスプリング
で付勢し、開限をストツパで規制し、下グリツパ
が閉じるとき、下グリツパに設けた鈎部が上グリ
ツパのローラに係合駆動して閉じるようにし、上
下両グリツパの先端部に設けたピンにブランク挾
持用の上板、下板を若干回動可能で、先開きとな
る位置で支持して設けた。取付高さは、上下グリ
ツパで挾持したブランクが材料供給装置のブラン
ク取出用吸着具がブランクを一定高さに上昇させ
停止する高さより若干低くし、ブランクと吸着具
との干渉を完全に除いている。また上板、下板を
上下グリツパの先端で若干首振り可能としたので
ブランクの厚さが変わつても正確に挾持でき、先
開きとなつているのでブランクの両側が先に挾持
されて両側に引張られるように挾持されるので垂
れ下がりが小さくできるなどの特徴がある。

「実施例」 第１図乃至第４図において、グリツプ装置１の
構造を示している。グリツプ装置１は、ブランク
搬送装置の搬送方向に往復動する搬送体２の両側
から搬送方向と直角に突出させて設けたレール３
に、第１図に示すように左右両側で、第２図に示
すように中央を支持するローラ４と上下を支持す
るローラ５，５とで移動自在に設けられている。

グリツプ装置１の搬送方向両側にある機体６，
６、間に上支点ピン７と下支点ピン８とを設け、
上支点ピン７に上グリツパ９，９を、下支点ピン
８には下グリツパ１０，１０を夫々回動自在に設
けている。

上グリツパ９の上方に伸びた端部には連結ピン
１１を設け、連結ピン１１と機体６間には上グリ
ツパ９の先端を上に開くように付勢するスプリン
グ１２を張架している。上支点ピン７に回動自在
に設けたレバー１３は、下端部をリンク１４を介
して下グリツパ１０の第１図において右端に連結
している。レバー１３の上端部は、機体６に支軸
１５で枢着したエアシリンダ１６のピストンロツ
ド１６Ａの先端に連結している。

上グリツパ９の開限はストツパ１７で上グリツ
パ９の先端部を規制し、先端部中央部には係合ロ
ーラ１８を設けている。下グリツパ１０の先端部
には上方に伸びる鈎部１９を設け、これがストツ
パ１７に当接して開限にある上グリツパ９の係合
ローラ１８に係合して閉じるように駆動する。
（第４図参照） 上及び下グリツパ９，１０の先端部にはピン２
０，２１を夫々設け、ピン２０には上板２２、ピ
ン２１には下板２３を若干回動可能に設けてい
る。上下にグリツパ９，１０が開いたとき上板２
２、下板２３は夫々先開きとなるよう（第４図参
照）、上板２２の重心はピン２０に対して支点ピ
ン７側に、下板２３の重心はピン２１に対して支
点ピン８と反対側にあるようにしている。

従つて上板２２と下板２３との間に挾持される
ブランク２４の厚みが変わつて上及び下グリツパ
９，１０の閉じた位置は変わつても、ピン２０，
２１回りに上板２２下板２３が回動してブランク
２４の上下面に倣ひ、ブランク２４を正確に挾持
することができるので挾持力は大きい。

第４図に示す上下グリツパ９，１０の開限から
エアシリンダ１６に供給する圧力流体を切換えて
ピストンロツド１６Ａでレバー１３を押すとリン
ク１４を介して下グリツパ１０が閉じる方向に回
動し、途中でその鈎部１９が係合ローラ１８に係
合して上グリツパ９を駆動して共に閉じる。上板
２２と下板２３とは先開きの状態でブランク２４
を挾持し始めるので、ブランク２４は送り方向両
側端から中央に向けて挾持範囲が拡つて挾持さ
れ、若干両側に引張られて、垂みが減少する。上
板２２、下板２３で挾持するブランク２４の高さ
は材料供給装置の吸着具（図示せず）で取出され
上昇して停止した高さをより若干低くしてあるの
で、その後搬送されるブランク２４と吸着具との
接触はなく、かつ上下グリツパ９，１０は両開き
のため、搬送体２が後退するとき吸着具が一定高
さに保持したブランク２４と干渉することがな
い。

第３図において、レール３のローラ４の係合す
る溝底にはラツク２５を所要の長さ範囲に設け、
一方機体６，６にはラツク２５に向けて伸びる位
置決め軸２６が回転可能に支持されている（第１
図参照）。位置決め軸２６の先端にはラツク２５
とかみ合う歯を設け、外周部にはかみ合位置で機
体６部の溝２７と係合するピン２８を植込んでい
る。また位置決め軸２６の中間のフランジ部２９
と、機体６部との間にはばね３０を設け、軸２６
の歯がラツク２５とかみ合う位置に付勢してい
る。ハンドル３１を引いてピン２８を溝２７から
引出すと軸２６の歯はラツク２５から外れ、ハン
ドル３１を回してピン２８を機体６部に係合させ
た状態でグリツプ装置１をレール３に沿つて移動
させ、ブランク２４の寸法に合わせて位置決め
し、ハンドル３１を復帰させ位置決め軸２６の歯
とラツク２５を係合させることにより、グリツプ
装置１の位置調整ができる。

「考案の効果」 以上の説明から明らかなように本考案によれ
ば、上下のブランクを両開きとしたので材料供給
装置の吸着具で吸着したブランクと干渉すること
なく吸着具の一定高さより若干低い高さにブラン
クを挾持することができる。従つてブランクを搬
送する際吸着具と接触しないので吸着具を損耗さ
せない。上下のグリツパ先端に上板及び下板をグ
リツパが開いたとき先開きとなるように設けたの
でブランクの厚さの変化に対応でき、かつブラン
クを端から挾持しつつ両側へ引張るのでブランク
の垂れ下がりを防止し受渡しの位置ずれも防止で
きる。など実用上の効果と利点は大きい。

【図面の簡単な説明】

第１図はグリツプ装置の縦断面正面図、第２図
は第１図の−断面図、第３図は第１図の−
断面図、第４図はグリツプ装置の開いた状態図
である。 １はグリツプ装置、２は搬送体、３はレール、
４はローラ、５はローラ、６は機体、７は上支点
ピン、８は下支点ピン、９は上グリツパ、１０は
下グリツパ、１１は連結ピン、１２はスプリン
グ、１３はレバー、１４はリンク、１５は支軸、
１６はエアシリンダ、１７はストツパ、１８は係
合ローラ、１９は鈎部、２０はピン、２１はピ
ン、２２は上板、２３は下板、２４はブランク、
２５はラツク、２６は位置決め軸、２７は溝、２
８はピン、２９はフランジ部、３０はばね、３１
はハンドル、である。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 ブランク搬送装置の搬送方向と直角方向の両側
   に、互いに対向して設けるグリツパ装置におい
   て、 機体上部の上支点ピン７に回動自在で開方向に
   付勢され、かつ開限を規制されて設けられ、その
   先端と上支点ピン７との中間部に係合ローラ１８
   を有する上グリツパ９と、 機体下部の下支点ピン８に回動自在に設けら
   れ、エアシリンダ１６で開閉駆動され、その先端
   と下支点ピン８との中間部に、閉回動で係合ロー
   ラ１８と係合して上グリツパ９を閉方向に駆動す
   る鈎部１９を有する下グリツパ１０と、 上グリツパ９の先端のピン２０に若干回動可能
   に設けられ、上グリツパ９が開状態のときその先
   端方向が開方向に傾く上板２２と、 下グリツパ１０の先端のピン２１に若干回動可
   能に設けられ、下グリツパ１０が開状態のときそ
   の先端方向が開方向に傾く下板２３と、 を具備することを特徴とするブランク搬送装置に
   おけるグリツプ装置。