JPH0247433Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、各種の乾燥庫内に用いて、乾燥物を
効率的に乾燥するための棚、主として、通気性の
袋に袋詰めされた種々の乾燥物の乾燥に用いる、
袋詰め乾燥物等用の乾燥棚であり、併せて、重量
有る袋詰め乾燥物等を、載置する中空棚を引出し
式とし、中空支持体の正面に段設した中空棚を各
段毎に引出し入れ自在とすることによつて、該引
出し式中空棚を乾燥庫の正面入口側等に引出し
て、その載置部への乾燥物の載置、交換を行い、
そのまま元に押し戻し得るようにして、乾燥棚全
体の搬入搬出の必要なしに、必要な引出し式中空
棚のみの引出し入れによつて、乾燥物の載置、交
換等を極めて簡便に行い得るようにしたことを特
長とする、袋詰め乾燥物等の引出し式乾燥棚に係
るものである。

従来技術とその課題 １ 従来、各種の手段、例えば石油燃焼熱による
温風乃至熱風を利用した乾燥、または冷凍機の
除湿作用を利用した除湿空気による乾燥などの
手段によつて、各種大きさの乾燥庫内に収納し
た農水産物、種子等の乾燥物の乾燥を行つてい
るが、 何れの場合においても、効率良く乾燥を行う
には、上記の温風乃至除湿空気（以下乾燥用空
気と記す）を絶えず定方向に流動せしめると共
に、庫内に収納した全ての乾燥物の表面に（例
えば、種子の場合、その１粒１粒の表面に）、
出来るだけ万遍なく乾燥用空気が接触通過する
ことが望ましい。

この目的を達成するために、従来から、庫内
を多数段の水平金網棚で仕切つて、その上に乾
燥物を均等におくようにしたり、天井から等間
隔に吊したりして、可能な限り均等に乾燥物に
乾燥用空気が接触するように、種々の工夫がな
されてきたものである。

(2) また、上記と関連して、特に、通気性の袋に
袋詰めされた種々の乾燥物（袋詰め乾燥物）を
如何にして効率的に乾燥するかという課題があ
つた。

ここに、乾燥物とは、例えば、各種の穀物、
各種植物の種子などであり、 また、通気性の袋とは、上記乾燥物を収納す
る、化学繊維織布、不織布、天然繊維織布また
は各種網等製の袋で、通気性を有するものであ
る。

上記袋詰めされた乾燥物は、たとえ袋が通気
性であつても、そのまま乾燥庫内に置き、まし
て積重ねなどしたのでは、袋周面に極く近い部
分は末だしも、到底、袋の内部深くまでは乾燥
用空気が進入し得ず、よつて、袋内容物の均等
な乾燥などは望みようもないのが現状であり、
やむなく、従来は一旦袋から出してバラの状態
として、平面上に拡げ、或はドラム等の回転で
撹拌するなどして乾燥したものを、再び袋詰め
することによつて行つてきたものである。

本考案の目的と特徴 そこで、本件出願人は、先に、昭和60年実用新
案登録願第6470号（実開昭61−124889号公報参
照）、考案の名称「袋詰め粒状物乾燥棚」及び、
昭和60年実用新案登録願第95468号（実開昭62−
2998号公報参照）、考案の名称「袋詰め乾燥物乾
燥用のパレツト式棚」をもつて、上記乾燥物を袋
詰めのまま効率良く乾燥し得る乾燥棚を開発し
て、上記従来の課題を逐次解決してきたものであ
るが、 更に、本考案は、袋詰め乾燥物等を載置するた
めの中空棚を引出し式として、中空支持体の正面
に段設した中空棚を各段毎に引出し入れ自在とす
ることによつて、該引出し式中空棚を乾燥庫の正
面入口側等に引出して、その載置部への乾燥物の
載置、交換を行い、そのまま元に押し戻し得るよ
うにして、乾燥棚全体の搬入搬出の必要なしに、
目的とする引出し式中空棚のみの引出し入れによ
つて、乾燥物の載置、交換を極めて便利に行い得
るようにしたことを特徴とするものである。

構成 次に本考案の構成をその実施例につき説明する
と、 １ 中空支持体１の正面に１以上複数の引出し式
中空棚２を、その背面においてその中空部３と
中空支持体１の中空部４を連通状態として、間
隔をおき段設すると共に、正面水平方向に向つ
て引出し入れ自在に設け、 また、引出し式中空棚２に袋詰め乾燥物等の
乾燥物５の載置部６を通気小孔７をあけ、或は
金網を張設するなどして中空部３と通気状態に
設け、中空支持体１の正面に引出し式中空棚２
の背面を密接した状態（引出しを元に戻した状
態）において、引出し式中空棚２の載置部６と
中空支持体１の排気口８を除いた乾燥棚全体を
気密に構成し、 中空支持体１の排気口８を乾燥庫９の機械室
１０に適宜連通接続した、袋詰め乾燥物等の引
出し式乾燥棚Ａである。

２ また、本考案は、引出し式中空棚２を引出し
入れ自在に設けるにつき、中空支持体１の正面
水平方向に向つてガイドレール１１を架設し、
該ガイドレール１１に引出し式中空棚２を引出
し入れ自在に設置し、該引出し式中空棚２をガ
イドレール１１の案内でスライドしてその背面
を中空支持体１正面に密接した状態で、引出し
式中空棚２の通気口１２と中空支持体１の通気
口１３が連通するように設けたのである。

(3) 上記において、 (i) 中空支持体１は、例えば、その正面側に、
引出し入れ自在に段設する引出し式中空棚２
背面の通気口１２と連通接続するための通気
口１３を開口し、各通気口１３の両側端付近
から正面水平方向に各一対のガイドレール１
１を架設し、また背面側に機械室１０に接続
する排気口８を設けたものである。

なお、ガイドレール１１は、図示のよう
に、中空支持体１の側面に架設するも、ま
た、乾燥庫９の内壁面等に架設するも任意で
る。

(ii) 引出し式中空棚２は、例えば、扁平な長方
形箱状に形成し、その天板の一部に、複数の
通気小孔７をあけて、或は金網を張設するな
どして、中空部３内と通気状態とした載置部
６を、棚平面積の広さや乾燥物５（例、袋）
の大きさに応じて、１以上複数設け、また、
背面に中空支持体１の通気口１３と合致連通
する通気口１２を設け、左右側面にガイドレ
ール１１と係合スライドするための、例えば
レール１４を固設したものである。

(iii) なお、引出し式中空棚２の載置部６には、
主として、袋詰め乾燥物（例、袋詰めした種
子）を載置して、その乾燥を行うが、乾燥物
は袋詰めしたものに限らず任意であり、その
場合、載置部６にそれら乾燥物を直接載置し
てもよいが、例えば、第１図のような底面に
金網７′を張るなど通気構造としたトレー１
５等を用い、該トレー中に乾燥物を入れて、
その載置部に載せるなどによつて適宜行うよ
うにする。

(4) 本案引出し式乾燥棚Ａを設置する乾燥庫の構
成は適宜であるが、例えば第３図示例の如く、
庫内の乾燥用空気を機械室１０のフアン等によ
つて、乾燥物５、引出し式中空棚２、中空支持
体１を通過せしめて排気口８から強力に吸い込
み、該空気を機械室１０内の例えば冷凍機の除
湿機能で除湿して、機械室１０上部の送気路１
６に送給し、その一部空気を熱交換器を応用し
た、冷凍機使用の除湿乾燥機１７を通して除
湿、加温して再び送気路１６に戻し、それら除
湿空気をヒーター１８で適温に加熱して再び庫
内の送風循環する方式の乾燥庫９（１９は正面
出入口扉）を用いて、該庫内に本案引出し式乾
燥棚Ａを図示のように設置する。

作用 (1) 上記のような設置状態において、乾燥庫９の
各装置を運転して、本案引出し式乾燥棚Ａの排
気口８から機械室１０に強力に吸気すると、各
引出し式中空棚２と中空支持体１の中空部１
２，１３が連通していると共に、各部が気密に
構成されているため、庫内の乾燥用空気が、引
出し式中空棚２の載置部６の通気小孔７→中空
部３→通気口１２，１３→中空支持体１の中空
部４→排気口８の順に強力に吸引されることと
なる。

従つて、該載置部６に例えば袋詰め乾燥物５
が載置されていると、乾燥用空気は通気性の袋
を通り、中の乾燥物（例、種子）相互間を通り
抜けて、通気小孔７等に吸入され、 よつて、乾燥用空気が袋内の個々の乾燥物に
均等に接触しつつ通りぬけて、全ての乾燥物を
均等かつ効率的に乾燥するものである。

２ また、乾燥物５の、引出し式中空棚２の載置
部６に対する載置、交換は、引出し式中空棚２
を正面入口方向に、ガイドレール１１及びレー
ル１４の作用によつて引出して行う。引出し式
中空棚２は必要に応じて個々の引出し、乾燥物
５を載置して元通りに押し戻せば、その通気口
１２と中空支持体１の通気口１３が合致連通し
て、再び吸気作用が行われることとなる。

効果 (1) 上記のように本案引出し式乾燥棚は、乾燥庫
の各装置を運転すると、排気口から強力な吸気
が行われ、よつて載置部の通気小孔等から庫内
乾燥用空気が吸入されるので、該載置部に、通
気性の袋に袋詰めした乾燥物等の載置すれば、
袋及び袋内の乾燥物相互間を乾燥用空気が均等
に接触通過し、従つて、全ての乾燥物を均質に
しかも極めて効率的に乾燥し得る。秀れた効用
を発揮するものである。

(2) また、本案引出し式乾燥棚は、引出し式中空
棚を中空支持体に対し、引出し入れ自在に設け
たので、 載置部に対する乾燥物の載置、交換を、中空
棚を手前方向に引出し、その各載置部に行えば
よいので、棚全体を乾燥庫へ搬入搬出するよう
な面倒なしに、極めて手軽に乾燥物の載置、交
換を行い得る特長がある。

上記は、特に、１袋の重量が50Kg以上にも及
び袋詰め乾燥物（例、種子）の取り扱いにつき
効果的である。

(3) 引出し式中空棚は、載置する乾燥物の大きさ
に見合つて１段以上複数段段設するが、本考案
では各中空棚を個々に引出し入れ自在としたの
で、必要な中空棚だけを引出して乾燥物の載
置、交換を行い得る利点がある。

(4) 特に、引出し式中空棚を個々に引出し得るこ
とと関連して、段設した中空棚相互の間隔を、
乾燥物の大きさに見合つた必要最小限に設定し
得て、よつて、同面積に多数段の中空棚の設置
が可能な利点がある。

これは、各中空棚が固定設置である場合に
は、棚相互の間隔が狭いと、特に、重量の大な
乾燥物の載置、交換が行い難いという欠点を、
各中空棚を引出し式としたことによつて、解決
したに他ならないものである。

(5) また、引出し式中空棚を中空支持体に夫々通
気口を設けたことによつて、引出した中空棚を
元に押し戻して密接した状態で、両通気口が合
致連通するようにしたもので、引出し式として
も、乾燥棚としての乾燥用空気の吸引通過作用
に何ら支障とならない特徴もある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案引出し式乾燥棚の実施例の一部切
断側面図、第２図はその平面図、第３図は乾燥庫
内に本案引出し式乾燥棚を設置した状態を示す説
明図である。 符号、Ａ……本案引出し式乾燥棚、１……中空
支持体、２……引出し式中空棚、３，４……中空
部、５……乾燥物、６……載置部、７……通気小
孔、７′……金網、８……排気口、９……乾燥庫、
１０……機械室、１１……ガイドレール、１２，
１３……通気口、１４……レール、１５……トレ
ー、１６……送気路、１７……熱交換器を応用し
た除湿乾燥機、１８……ヒーター、１９……正面
出入口扉。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 １ 中空支持体の正面に１以上複数の引出し式中
   空棚を、その背面においてその中空部と中空支
   持体の中空部を連通状態として、間隔をおき段
   設すると共に、正面水平方向に向つて引出し入
   れ自在に設け、 また、引出し式中空棚に乾燥物の載置部を通
   気小孔をあけるなどして中空部内と通気状態に
   設け、中空支持体正面に引出し式中空棚背面を
   密接した状態において、引出し式中空棚の載置
   部と中空支持体の排気口を除いた乾燥棚全体を
   気密に構成し、 中空支持体の排気口を機械室に適宜連通接続
   した、 袋詰め乾燥物等の引出し式乾燥棚。 ２ 中空支持体の正面水平方向に向つてガイドレ
   ールを架設し、該ガイドレールに引出し式中空
   棚を引出し入れ自在に設置し、 該引出し式中空棚をガイドレールの案内でス
   ライドしてその背面を中空支持体正面に密接し
   た状態で、引出し式中空棚の通気口と中空支持
   体の通気口が連通するように設けた、 袋詰め乾燥物等の引出し式乾燥棚。