JPH0247277B2 - - Google Patents
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- JPH0247277B2 JPH0247277B2 JP58216674A JP21667483A JPH0247277B2 JP H0247277 B2 JPH0247277 B2 JP H0247277B2 JP 58216674 A JP58216674 A JP 58216674A JP 21667483 A JP21667483 A JP 21667483A JP H0247277 B2 JPH0247277 B2 JP H0247277B2
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Landscapes
- Agricultural Chemicals And Associated Chemicals (AREA)
Description
(イ) 産業上の利用分野
本発明は、海息付着生物の付着抑制法に関す
る。更に詳しくは過酸化水素水を用いて海息付着
生物の付着を抑制するに当り、過酸化水素水の海
息付着生物付着抑制効果を増大せしめる改良され
た方法を提供しようとするものである。 海水を冷却に用いる工場では、海水の流路に海
水付着生物、例えばムラサキイガイ、フジツボ、
ヒドロムシ、コケムシ等が付着し、これらの付着
生物が成長すると水路を狭め、或は付着生物が脱
落して復水器や熱交換器に流入して冷却効率を低
下させる等、種々の障害をひき起す。 このような障害を防止するために、従来、有効
塩素発生剤、有機スズ化合物、有機イオウ化合
物、第4級アンモニウム塩等が用いられてきた
が、これらの薬剤には残留毒性や蓄積毒性の懸念
が皆無とはいえない。 一方、特開昭54−161592号公報には、残留毒性
が蓄積毒性の懸念のない「海水生物付着抑制方
法」として、過酸化水素又は過酸化水素発生剤を
使用する方法が提案されている。この方法では、
海水中の過酸化水素濃度を0.01〜500ppmに保つ
と過酸化水素の効果が現われるとしているが、そ
の具体例をみると、10日前後海水を流通させるだ
けで、35W/W%過酸化水素水を5ppm(従つて
H2O2として1.75ppm)連続注入しても、試験片
表面積1m2当り、フジツボの場合約1.88×104個
〜約2.48×104個付着しており、ムラサキイガイ
の場合約1.69×104個〜約1.55×104個付着するこ
とが示されている。最も大きな障害をひき起すム
ラサキイガイの場合、付着幼生が平均径1cmに成
長したとすると、付着したムラサキイガイ投影面
積合計は、試験片表面1m2当り1.2m2以上に達す
る。実際には海水の流通日数は10日前後でなく、
もつと長期にわたるし、ムラサキイガイの大きさ
も平均径1cmよりは大きくなる。フジツボについ
ても、ムラサキイガイ程ではないにせよ同様の傾
向が認められる。従つて、35W/W%過酸化水素
水を海水に対して5ppm連続注入する程度では、
付着抑制効果が認められるにしても実用には耐え
得ない。実用に耐え得るような付着抑制効果を得
るには、35W/W%過酸化水素水を海水中に
10ppm(純H2O2として3.5ppm)以上連続注入す
る必要があり、このような高濃度で過酸化水素を
注入することは経済的に耐え難い。 また前記公報には、過酸化水素と塩素、ヒドラ
ジン第4級アンモニウム塩又は有機イオウ化合物
との組合せが開示されている。これらの過酸化水
素と組合される薬剤は、それ自体海息付着生物の
付着防止能を有することが公知であるが、効果
面、経済性で満足すべきものではない。さらに過
酸化水素自体が無害といえるが、組合せる薬剤か
ら毒性を考慮すべき問題があつた。 この発明の発明者らは、種々検討した結果、上
記の組合せ薬剤とは全く範疇を異にし、しかもそ
れ自体海息付着生物に対する付着防止能などが全
く知られなかつた第2鉄イオンを組合せたとこ
ろ、極くわずかな添加量で過酸化水素の有効添加
量を大巾に低減しうる知見を得てこの発明を完成
するに至つた。その上、第2鉄イオンを用いた際
には、毒性面においても問題がなく、かつ安価で
大きな経済的利点をもたらすことが判明した。 かくして、この発明によれば、海水に対して過
酸化水素を注入して海水生物の付着を抑制するに
際し、第2鉄イオン又は第2鉄イオン供給化合物
を海水に対し第2鉄イオンとして0.01ppm以上の
割合で添加することを特徴とする海息付着生物の
付着抑制法が提供される。 本発明に用いる過酸化水素としては、過酸化水
素水を使用すればよい。市販されている過酸化水
素水の過酸化水素濃度は通常3〜35W/W%であ
り、いずれも使用可能であるが、過酸化水素濃度
が低いと、使用する過酸化水素水の体積が大きく
なるので、高濃度の方が好ましく、特に30〜
35W/W%の濃度のものが好ましい。 もちろん、過酸化水素は過酸化水素発生剤の形
態で注入されてもよい。 本発明方法における、海水に対する過酸化水素
の割合は通常、前述のように0.05〜3ppm(重量
比)とするのが好ましい。過酸化水素の割合が海
水に対して0.05ppm(重量比)未満であると、本
発明の付着抑制効果が顕著でなくなるので好まし
くない。また過酸化水素の割合が3ppm(重量比)
よりも多いと、第2鉄イオンを併用しなくても、
ある程度の付着抑制効果が得られるのでやはり本
発明の効果が顕著でなくなり、好ましくない。特
に過酸化水素の海水に対する割合が0.1ppm〜
2.5ppm(重量比)のところで、本発明の効果が顕
著である。 本発明に用いる第2鉄イオン又は第2鉄イオン
供給化合物は海水に対して第2鉄イオンとして
0.01ppm(重量比)以上の割合であればいくらで
もよいが、余り多くしても意味がないのみなら
ず、海水を用いる冷却装置に対して悪影響を与え
ることもあるので、これらの海水に対する比率は
第2鉄イオンとして10ppm(重量比)以下にする
のが好ましい。一方、第2鉄イオンが海水に対し
て0.01未満であると効果が不充分で不適当であ
る。特に好ましい添加割合は、第2鉄イオンとし
て0.1〜5ppm(重量比)である。 本発明における第2鉄イオン供給化合物として
は、水可溶性の第2鉄塩が適当であり、好ましい
具体例として硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硫酸第2
鉄アンモニウム等が挙げられる。ただし、水難溶
性の第2鉄塩であつても、第2鉄イオンを海水中
で放出しうる化合物である限り、使用可能であ
る。 上記、第2鉄イオン供給化合物を海水中に添加
する方法としては種々の方法が挙げられるが、通
常、前記第2鉄塩を水溶液として添加する方法を
採るのが好ましい。 ただし、この水溶液としては鉄の酸洗廃液を用
いてもよい。 また、鉄イオンを直接海水中に添加(注入)す
る方法として、鉄棒を浸漬し、これを電気分解さ
せて鉄イオンを放出させる方法が挙げられる。 過酸化水素と鉄イオンとを海水に添加注入する
に際しては、任意の方法を採用できる。しかし、
第2鉄イオンは過酸化水素の分解を促進するの
で、両者を別々に海水に注入し、海水中に入つて
から両者が接触するようにするのが好ましい。注
入された過酸化水素を海息付着生物に対して効果
的に作用されるには、過酸化水素と第2鉄イオン
とを、別々にではあるが、互いに接近した位置で
添加するのがよく、特に両者の添加位置の間隔20
m以下、特に10m以下とすることが好ましい。 過酸化水素や第2鉄イオンの添加場所として
は、海水冷却系統であれば特に限定はないが、取
水口もしくは導水口から、該取水口もしくは導水
口から入る水を吸引しているポンプのサクシヨン
前部までの区間のいずれかの位置で添加するのが
好ましい。従つて、過酸化水素と第2鉄イオンは
同一個所に添加してもよく、あるい過酸化水素水
を先に入れ、少しずらした後側の個所に第2鉄イ
オンを添加してもよい。 このようにこの発明は、海息付着生物の付着を
防止するのに過酸化水素と第2鉄イオンとを併用
することにより、低濃度の過酸化水素により海息
付着生物の付着を防止することができ、経済的観
点からも非常に有効な方法ある。 なお、この発明の方法を実施するにあたり、場
合によつては従来より知られている海息付着生物
の防止作用を有する化合物との併用してもさしつ
かえない。例えば、水溶性ジアルキルジチオカル
バミン酸塩、第4級アンモニウム塩、次亜塩素酸
塩、有機アミン塩等との併用が可能である。この
際にも、単なる過酸化水素とこれらの化合物との
併用時に比して第2鉄イオンの存在により総薬剤
量を減少できるという本発明の効果は発揮され
る。 以上述べたごとく本発明の付着抑制法は、最終
的に分解して水と酸素になる過酸化水素と、それ
自身低毒性の第2鉄イオンの微量を用いた実質的
に無害な処理法である。しかもこれらの使用化合
物はいずれも他の薬剤に比して安価であるため処
理コストの点からも理想的な方法である。 次にこの発明を実施例によつて説明するが、こ
の発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 テストプラント(海水流量3トン/時)を用い
て、ムラサキイガイの付着繁殖期に過酸化水素水
ヒ硫酸第2鉄とを、表1に示す濃度で約2ケ月間
連続添加したところ、過酸化水素水単独あるいは
これとヒドラジンとの併用と比べ、ムラサキイガ
イの付着個数の著しい減少と顕著な成長抑制効果
が認められた。また硫酸第2鉄単独使用の場合は
付着個数の減少は僅かであり成長抑制効果が弱
い。テスト開始から約2ケ月後の結果を表1に示
す。
る。更に詳しくは過酸化水素水を用いて海息付着
生物の付着を抑制するに当り、過酸化水素水の海
息付着生物付着抑制効果を増大せしめる改良され
た方法を提供しようとするものである。 海水を冷却に用いる工場では、海水の流路に海
水付着生物、例えばムラサキイガイ、フジツボ、
ヒドロムシ、コケムシ等が付着し、これらの付着
生物が成長すると水路を狭め、或は付着生物が脱
落して復水器や熱交換器に流入して冷却効率を低
下させる等、種々の障害をひき起す。 このような障害を防止するために、従来、有効
塩素発生剤、有機スズ化合物、有機イオウ化合
物、第4級アンモニウム塩等が用いられてきた
が、これらの薬剤には残留毒性や蓄積毒性の懸念
が皆無とはいえない。 一方、特開昭54−161592号公報には、残留毒性
が蓄積毒性の懸念のない「海水生物付着抑制方
法」として、過酸化水素又は過酸化水素発生剤を
使用する方法が提案されている。この方法では、
海水中の過酸化水素濃度を0.01〜500ppmに保つ
と過酸化水素の効果が現われるとしているが、そ
の具体例をみると、10日前後海水を流通させるだ
けで、35W/W%過酸化水素水を5ppm(従つて
H2O2として1.75ppm)連続注入しても、試験片
表面積1m2当り、フジツボの場合約1.88×104個
〜約2.48×104個付着しており、ムラサキイガイ
の場合約1.69×104個〜約1.55×104個付着するこ
とが示されている。最も大きな障害をひき起すム
ラサキイガイの場合、付着幼生が平均径1cmに成
長したとすると、付着したムラサキイガイ投影面
積合計は、試験片表面1m2当り1.2m2以上に達す
る。実際には海水の流通日数は10日前後でなく、
もつと長期にわたるし、ムラサキイガイの大きさ
も平均径1cmよりは大きくなる。フジツボについ
ても、ムラサキイガイ程ではないにせよ同様の傾
向が認められる。従つて、35W/W%過酸化水素
水を海水に対して5ppm連続注入する程度では、
付着抑制効果が認められるにしても実用には耐え
得ない。実用に耐え得るような付着抑制効果を得
るには、35W/W%過酸化水素水を海水中に
10ppm(純H2O2として3.5ppm)以上連続注入す
る必要があり、このような高濃度で過酸化水素を
注入することは経済的に耐え難い。 また前記公報には、過酸化水素と塩素、ヒドラ
ジン第4級アンモニウム塩又は有機イオウ化合物
との組合せが開示されている。これらの過酸化水
素と組合される薬剤は、それ自体海息付着生物の
付着防止能を有することが公知であるが、効果
面、経済性で満足すべきものではない。さらに過
酸化水素自体が無害といえるが、組合せる薬剤か
ら毒性を考慮すべき問題があつた。 この発明の発明者らは、種々検討した結果、上
記の組合せ薬剤とは全く範疇を異にし、しかもそ
れ自体海息付着生物に対する付着防止能などが全
く知られなかつた第2鉄イオンを組合せたとこ
ろ、極くわずかな添加量で過酸化水素の有効添加
量を大巾に低減しうる知見を得てこの発明を完成
するに至つた。その上、第2鉄イオンを用いた際
には、毒性面においても問題がなく、かつ安価で
大きな経済的利点をもたらすことが判明した。 かくして、この発明によれば、海水に対して過
酸化水素を注入して海水生物の付着を抑制するに
際し、第2鉄イオン又は第2鉄イオン供給化合物
を海水に対し第2鉄イオンとして0.01ppm以上の
割合で添加することを特徴とする海息付着生物の
付着抑制法が提供される。 本発明に用いる過酸化水素としては、過酸化水
素水を使用すればよい。市販されている過酸化水
素水の過酸化水素濃度は通常3〜35W/W%であ
り、いずれも使用可能であるが、過酸化水素濃度
が低いと、使用する過酸化水素水の体積が大きく
なるので、高濃度の方が好ましく、特に30〜
35W/W%の濃度のものが好ましい。 もちろん、過酸化水素は過酸化水素発生剤の形
態で注入されてもよい。 本発明方法における、海水に対する過酸化水素
の割合は通常、前述のように0.05〜3ppm(重量
比)とするのが好ましい。過酸化水素の割合が海
水に対して0.05ppm(重量比)未満であると、本
発明の付着抑制効果が顕著でなくなるので好まし
くない。また過酸化水素の割合が3ppm(重量比)
よりも多いと、第2鉄イオンを併用しなくても、
ある程度の付着抑制効果が得られるのでやはり本
発明の効果が顕著でなくなり、好ましくない。特
に過酸化水素の海水に対する割合が0.1ppm〜
2.5ppm(重量比)のところで、本発明の効果が顕
著である。 本発明に用いる第2鉄イオン又は第2鉄イオン
供給化合物は海水に対して第2鉄イオンとして
0.01ppm(重量比)以上の割合であればいくらで
もよいが、余り多くしても意味がないのみなら
ず、海水を用いる冷却装置に対して悪影響を与え
ることもあるので、これらの海水に対する比率は
第2鉄イオンとして10ppm(重量比)以下にする
のが好ましい。一方、第2鉄イオンが海水に対し
て0.01未満であると効果が不充分で不適当であ
る。特に好ましい添加割合は、第2鉄イオンとし
て0.1〜5ppm(重量比)である。 本発明における第2鉄イオン供給化合物として
は、水可溶性の第2鉄塩が適当であり、好ましい
具体例として硫酸第2鉄、塩化第2鉄、硫酸第2
鉄アンモニウム等が挙げられる。ただし、水難溶
性の第2鉄塩であつても、第2鉄イオンを海水中
で放出しうる化合物である限り、使用可能であ
る。 上記、第2鉄イオン供給化合物を海水中に添加
する方法としては種々の方法が挙げられるが、通
常、前記第2鉄塩を水溶液として添加する方法を
採るのが好ましい。 ただし、この水溶液としては鉄の酸洗廃液を用
いてもよい。 また、鉄イオンを直接海水中に添加(注入)す
る方法として、鉄棒を浸漬し、これを電気分解さ
せて鉄イオンを放出させる方法が挙げられる。 過酸化水素と鉄イオンとを海水に添加注入する
に際しては、任意の方法を採用できる。しかし、
第2鉄イオンは過酸化水素の分解を促進するの
で、両者を別々に海水に注入し、海水中に入つて
から両者が接触するようにするのが好ましい。注
入された過酸化水素を海息付着生物に対して効果
的に作用されるには、過酸化水素と第2鉄イオン
とを、別々にではあるが、互いに接近した位置で
添加するのがよく、特に両者の添加位置の間隔20
m以下、特に10m以下とすることが好ましい。 過酸化水素や第2鉄イオンの添加場所として
は、海水冷却系統であれば特に限定はないが、取
水口もしくは導水口から、該取水口もしくは導水
口から入る水を吸引しているポンプのサクシヨン
前部までの区間のいずれかの位置で添加するのが
好ましい。従つて、過酸化水素と第2鉄イオンは
同一個所に添加してもよく、あるい過酸化水素水
を先に入れ、少しずらした後側の個所に第2鉄イ
オンを添加してもよい。 このようにこの発明は、海息付着生物の付着を
防止するのに過酸化水素と第2鉄イオンとを併用
することにより、低濃度の過酸化水素により海息
付着生物の付着を防止することができ、経済的観
点からも非常に有効な方法ある。 なお、この発明の方法を実施するにあたり、場
合によつては従来より知られている海息付着生物
の防止作用を有する化合物との併用してもさしつ
かえない。例えば、水溶性ジアルキルジチオカル
バミン酸塩、第4級アンモニウム塩、次亜塩素酸
塩、有機アミン塩等との併用が可能である。この
際にも、単なる過酸化水素とこれらの化合物との
併用時に比して第2鉄イオンの存在により総薬剤
量を減少できるという本発明の効果は発揮され
る。 以上述べたごとく本発明の付着抑制法は、最終
的に分解して水と酸素になる過酸化水素と、それ
自身低毒性の第2鉄イオンの微量を用いた実質的
に無害な処理法である。しかもこれらの使用化合
物はいずれも他の薬剤に比して安価であるため処
理コストの点からも理想的な方法である。 次にこの発明を実施例によつて説明するが、こ
の発明はこれに限定されるものではない。 実施例 1 テストプラント(海水流量3トン/時)を用い
て、ムラサキイガイの付着繁殖期に過酸化水素水
ヒ硫酸第2鉄とを、表1に示す濃度で約2ケ月間
連続添加したところ、過酸化水素水単独あるいは
これとヒドラジンとの併用と比べ、ムラサキイガ
イの付着個数の著しい減少と顕著な成長抑制効果
が認められた。また硫酸第2鉄単独使用の場合は
付着個数の減少は僅かであり成長抑制効果が弱
い。テスト開始から約2ケ月後の結果を表1に示
す。
【表】
【表】
なお表1において、過酸化水素の添加量は35%
過酸化水素の海水に対する添加割合を示す。また
硫酸第2鉄はFe2(SO4)3を使用している。添加量
の欄の( )内はそれぞれ純H2O2分、純ヒドラ
ジン分、3価の鉄イオン量を(単位ppm)示す。
過酸化水素の海水に対する添加割合を示す。また
硫酸第2鉄はFe2(SO4)3を使用している。添加量
の欄の( )内はそれぞれ純H2O2分、純ヒドラ
ジン分、3価の鉄イオン量を(単位ppm)示す。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1 海水に対して過酸化水素を注入して海水生物
の付着を抑制するに際し、第2鉄イオン又は第2
鉄イオン供給化合物を海水に対し第2鉄イオンと
して0.01ppm以上の割合で添加することを特徴と
する海息付着生物の付着抑制法。 2 第2鉄イオン又は第2鉄イオン供給化合物
が、第2鉄イオンとして0.01〜10ppm添加される
特許請求の範囲第1項記載の方法。 3 過酸化水素が海水に対して0.05〜3ppm注入
される特許請求の範囲第1〜2項のいずれかに記
載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21667483A JPS60106584A (ja) | 1983-11-16 | 1983-11-16 | 海息付着生物の付着抑制法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP21667483A JPS60106584A (ja) | 1983-11-16 | 1983-11-16 | 海息付着生物の付着抑制法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPS60106584A JPS60106584A (ja) | 1985-06-12 |
JPH0247277B2 true JPH0247277B2 (ja) | 1990-10-19 |
Family
ID=16692144
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP21667483A Granted JPS60106584A (ja) | 1983-11-16 | 1983-11-16 | 海息付着生物の付着抑制法 |
Country Status (1)
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JP (1) | JPS60106584A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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KR20210154762A (ko) | 2020-06-12 | 2021-12-21 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 수지필름, 그 제조방법, 수지조성물, 금속장적층판 및 프린트배선판 |
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JP4856811B2 (ja) * | 2001-02-26 | 2012-01-18 | 三菱瓦斯化学株式会社 | オベリア類の付着抑制方法 |
WO2009050810A1 (ja) * | 2007-10-18 | 2009-04-23 | Nalco Japan Co., Ltd. | 海生生物付着防止効果の持続化方法 |
Citations (1)
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JPS5998791A (ja) * | 1982-11-30 | 1984-06-07 | Katayama Chem Works Co Ltd | 海息付着生物の付着抑制法 |
-
1983
- 1983-11-16 JP JP21667483A patent/JPS60106584A/ja active Granted
Patent Citations (1)
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JPS5998791A (ja) * | 1982-11-30 | 1984-06-07 | Katayama Chem Works Co Ltd | 海息付着生物の付着抑制法 |
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KR20210154762A (ko) | 2020-06-12 | 2021-12-21 | 닛테츠 케미컬 앤드 머티리얼 가부시키가이샤 | 수지필름, 그 제조방법, 수지조성물, 금속장적층판 및 프린트배선판 |
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Publication number | Publication date |
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JPS60106584A (ja) | 1985-06-12 |
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