JPH0246856Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ この出願考案は、二重環とかがり縫いが同時に
できるロツクミシンにおける二重環縫い針取付具
の二重環針誤使用防止装置に関するものである。

［従来の技術］ 従来の家庭用二重環縫ロツクミシンに使用され
ていた二重環針の針柄は、断面が正円の丸棒状で
あつた。この針の装着は、糸穴を前後に向け、し
かも糸穴上部の括れ部を背面に向けなければなら
なかつた。又、従来の二重環針の装着受容部は、
針柄が下から上に嵌挿されうる円形の深孔が穿設
されていた。

［考案が解決しようとする問題点］ 従来の家庭用ロツクミシンでは、二重環針の針
柄が丸棒状であつたから、その装着受容部も、円
形深孔が穿設されていたに過ぎなかつた。この針
を装着するには、糸穴を前後方向に向け、しか
も、糸穴上部の括れ部を、背面方向に装着する必
要があつた。針の形状は細く、糸穴の上部の括れ
を判別することは煩わしかつたので、ユーザーか
ら、この針が正しい方向に容易に装着できるよう
に強く望まれていた。

［課題点を解決するための手段］ 針棒抱きの側方に、縦溝を有する壁を設け、そ
の溝巾は、針柄部から針外周までの寸法より、や
や広くする。

針案内具は、針取付具に固定する固定面を有
し、この面に折曲して連なり、且つ縦溝内で更に
折曲した垂直面が、針の側方への位置を案内する
ガイド部を有し、又、固定面に連なり、針取付具
の底部に折曲された底面には、針柄部断面形状よ
りやや大きいＤ字形状の挿入孔を穿設したもので
あつて、この針案内具を針取付具に装着し、針を
挿入孔を介してガイド部に沿つて挿通するととも
に、固定ネジの側圧により針取付具の縦溝の隣り
合う壁面に押圧して固定する。

［作用］ ロツクミシンの二重環針の装着に当たり、底面
のＤ字形状孔を介してガイド部に沿つてこの針の
針柄を下から上に挿入し、針取付具の正面（第１
図の矢示方向）から、針柄を壁に螺合した固定ネ
ジで押圧し、その側圧により針取付具の縦溝の隣
り合う壁面に確実に固定する。

［実施例］ 第１図において、２は針棒抱き２ａと壁２ｂと
から成る針取付具である。

針棒３の装着孔４が、垂直に貫通している針棒
抱き２ａの側方に開口幅が柄平部から針外周の寸
法より、やや大きい縦溝５を有する壁２ｂが設け
られている。

１２は針案内具１２である。針案内具１２に
は、針取付具２に固定する固定面８があり、その
面８には固定ネジ６が貫通する孔７が形成されて
いる。

固定面８には、折曲して連なり、縦溝５内で更
に折曲して形成される垂直面９は、装着される針
１の側方への位置を案内するガイド部である。

又、固定面８には、針取付具２の底部（縦溝５
の下方）に折曲して連なる底面１０があり、その
底面１０には、針１の針柄の断面形状よりやや大
きいＤ字形状が針挿入孔１１として形成されてい
る。このＤ字形状孔は、第２図に示されていると
おり、直線辺が背面側に、湾曲辺が正面側に向い
ている。

針取付具２に針案内具１２が装着されているの
で、二重環針１の針柄は、針案内具１２の底面１
０に形成されているＤ字形状孔１１からガイド部
９に沿つて挿通される。挿通された針１の針柄の
右側面は縦溝５の右側壁の壁面５ｂに、左側面は
針案内具１２のガイド部９にそれぞれ位置してい
る。

針柄の上端は、針案内具１２の底面１０のＤ字
形状孔１１の垂直上方で、挿入すべき針柄の長さ
相応の位置に、ストツパーピン１３が正面から縦
溝５を貫通して嵌合固着されているので、このス
トツパーピン１３に当接している。

このようにして挿嵌された状態の針柄は、挿入
孔１１の二等分割中心線に対してガイド９側に偏
倚された壁２ｂに設けた針固定ネジ孔１４から、
固定ネジ１５で螺合される押圧で緊定固着されて
いる。

すなわち、第２図において底面１０のＤ字形状
挿入孔１１は、その直線辺が、縦溝５の壁面５ａ
より僅かに針棒抱き２ａ側にあり、その直線辺の
右角が縦溝５の右側の壁面５ｂより僅かに外側に
あるように配している。それにより、固定ネジ１
５が第２図の状態からさらに針柄を押圧すると、
その側圧により針柄は右側に滑り縦溝５の隣り合
う壁面５ａ，５ｂに安定して固定される。

［他の実施例］ 針取付具２に縦溝５を穿設することなく、即ち
上下方向の貫通でなく、底部から上方向に針柄挿
嵌長さに相応する溝を形成する。

この溝は、上方向が開口していないので、Ｄ字
形状孔から針柄を嵌挿するとき、針柄上端は溝の
深さの位置で突き当たる。そのため、ストツパー
ピン１３が不要となる。

［考案の効果］ この出願の考案の実施により、針案内具のＤ字
形状挿入孔を介して針がほぼ垂直に挿入されるよ
うに案内するガイド部により常に針が所定方向に
のみ取り付けることができるから、従来の針柄の
断面Ｄ字形状の家庭用ミシン針が家庭用ロツクミ
シンにも使用することができることとなつた。

しかも、糸穴を前後に正しく向け、且つ糸穴上
部の括れ部も背面方向に向けて、この二重環針の
針柄を針取付具の隣り合う壁面の常に決まつた位
置に安定して装着できるから位置ずれがない。

また、針棒には針柄を挿入するための精度の高
い針装着の凹溝加工が必要であり、且つ針取付具
は成形加工で一体に加工できるから、構造簡単・
加工容易で安価に製作し得る等の効果は顕著であ
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は、この考案に係る装置の分解斜視図、
第２図は、第１図の固定ネジ６と１５を含む水平
断面の部分拡大図、第３図は、この考案に係る装
置を、針棒に装着した状態の斜視図。 図中の符号は各々次のとおり、１……二重環
針、２……針取付具、３……針棒、４……針棒装
着孔、５……縦溝、８……針案内具の固定面、９
……針案内具のガイド部、１０……針案内具の底
面、１１……Ｄ字形状挿入孔、１２……針案内
具、１３……ストツパーピン、１４……二重環針
固定ネジ孔、１５……固定ネジ、１６……ロツク
針。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 柄平部をもつ針１，１６を装着する二重環とか
   がり縫いが同時にできるロツクミシンにおいて、 針棒３に装着する装着孔４をもつ針棒抱き２ａ
   と、針棒抱きの側方に並設され柄平部から針外周
   までの寸法よりやや広い縦溝５を有する壁２ｂと
   を形成した針取付具２と、 針取付具２に固定する固定面８と、この面に折
   曲して連なり縦溝５内で更に折曲し、針１の側方
   の位置を案内するガイド部９と、固定面８に折曲
   して連なり、針取付具２の底部に延出し、針柄部
   断面形状よりやや大きいＤ字形状の挿入孔１１を
   形成した底面１０とが一体となつて形成する針案
   内具１２と、 壁２ｂに螺合し挿入孔１１の二等分割中心線に
   対してガイド部９側に偏倚させた固定ネジ１５と
   を備えて、 針１を挿入孔１１を介してガイド部９に沿つて
   挿通するとともに、固定ネジ１５の側圧により針
   取付具２の縦溝５の隣り合う壁面５ａ，５ｂに押
   圧して固定することを特徴とする二重環針誤使用
   防止装置。