JPH024623Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、例えば小売商品等において、靴下、
下着等のように比較的偏平な形に包装された商品
の陳列トレーに関するものである。

従来の技術 靴下、下着等のように比較的偏平な形に包装さ
れた商品は単体では自立できない。そこで、かか
る商品の従来の陳列用トレーには、商品収納空間
を奥行方向に小さく区切つてこの狭小な空間に商
品を差し込むようにし、商品が減少しても残存商
品が倒れることのないようにして商品陳列効果が
低下することのないように配慮したものがある。

考案が解決しようとする問題点 従来の商品陳列トレーによれば、収納された商
品のうち最前列の商品から順次取り出されること
によつて残存商品の前面が順次後退していき、隣
に置かれている他の商品により死角となつて商品
陳列効果が低下するから、たえず商品を補給した
り、残存商品をトレーの前側に移し替えたりする
必要がある。しかし、たえず商品を補給したり、
残存商品をトレーの前側に移し替えたりするには
多大な労力と時間を必要とし不便である。

問題点を解決するための手段 本考案は、箱体と、この箱体の底板上に奥行方
向に設けられたラツクと、底板と前側仕切板と後
側仕切板を有し箱体よりも奥行寸法が短く箱体内
に落し込むことができる中間トレーと、底板と前
側仕切板と後側仕切板を有し中間トレーよりも奥
行寸法が短く中間トレー内に落し込むことができ
る小トレーとを有してなり、上記中間トレーは、
これを箱体内に落し込んだとき上記ラツクが侵入
する逃げ部を有すると共に上記ラツクとの係合部
を有し、上記小トレーは、これを中間トレー内に
落し込んだとき上記中間トレーの逃げ部を介して
上記ラツクが侵入する逃げ部を有すると共に上記
ラツクとの係合部を有することを特徴とする。

作 用 中間トレー及び小トレーは箱体内において奥行
方向に任意にずらすことができ、かつ、その位置
でラツクにより係止することができるから、当初
は上記各トレーを箱体の後部に位置決めして各ト
レーの前後の仕切板の間の空間を含む箱体内の全
空間に商品を収納しておき、前方の商品がある程
度減少したときは、上記各トレーを一緒に又は単
独でこれらのトレーに収納されている商品諸とも
箱体の前部に移動させることができる。

実施例 以下、図示の実施例を参照しながら本考案を説
明する。

第１図乃至第３図において、符号１は箱体、２
は中間トレー、３は小トレーを示す。箱体１は、
前板１１と底板１２と左右の側板１３，１４と底
板１５とによつて奥行方向に長くなるように構成
されており、その内部の幅寸法は収納すべき商品
の幅寸法に合わせて作られ、奥行寸法は箱体１を
載せる棚の奥行寸法に合わせて作られている。箱
体１の底板１５上には多数の凹凸を奥行方向に列
設してなるラツク５が設けられている。中間トレ
ー２は、前側仕切板２１と後側仕切板２２と底板
２３が一体に結合されることによつて構成され、
小トレー３も同様に前側仕切板３１と後側仕切板
３２と底板３３が一体に結合されることによつて
構成されている。中間トレー２の奥行寸法、即ち
前後の仕切板２１，２２の相互間隔は、箱体１の
奥行寸法よりも同箱体１を奥行方向に分割しよう
とする一区画分の寸法だけ短くなるように形成さ
れている。また、小トレー３へ奥行寸法、即ち前
後の仕切板３１，３２の相互間隔は、中間トレー
２の奥行寸法よりも上記箱体１を奥行方向に分割
しようとする一区画分の寸法だけ短くなるように
形成されている。中間トレー２の底板２３には、
奥行方向に溝孔２６が形成されていて、中間トレ
ー２を箱体１内に落とし込んだときラツク５が上
記溝孔２６内に侵入するようになつている。上記
溝孔２６は前側仕切板２１の切欠２４と後側仕切
板２２の切欠２５につながつており、前側仕切板
２１の切欠２４は、中間トレー２を箱体１に落と
し込んだときラツク５にかみ合う程度に形成され
ているのに対し、後側仕切板２２の切欠２５はラ
ツク５にかみ合うことができないように大きく切
り欠かれている。小トレー３の底板３３にも奥行
方向に溝孔３６が形成されていて、中間トレー２
を挟んで箱体１内に小トレー３を落とし込んだと
きラツク５が上記溝孔３６内に侵入するようにな
つている。上記溝孔３６は前側仕切板３１の切欠
３４と後側仕切板３２の切欠３５につながつてお
り、前側仕切板３１の切欠３４は、中間トレー２
を挟んで小トレー３を箱体１に落とし込んだとき
ラツク５にかみ合う程度に形成されているのに対
し、後側仕切板３２の切欠３５は、ラツク５にか
み合うことができないように比較的大きく切り欠
かれている。

次に、上記実施例の使用方法を説明する。箱体
１にまず中間トレー２をその後側仕切板２２が箱
体１の後板１２に接するようにして落とし込み、
次に小トレー３をその後側仕切板３２が中間トレ
ー２の後側仕切板２２に接するようにして落とし
込む。中間トレー２は箱体１よりも奥行寸法が一
区画分だけ短く、小トレー３は中間トレー２より
も奥行寸法が一区画分だけ短くなつているから、
箱体１は中間トレー２の前側仕切板２１と小トレ
ー３の前側仕切板３１によつて３分割されること
になる。また、中間トレー２の切欠２４と小トレ
ー３の切欠３４がラツク５にかみ合うから、中間
トレー２と小トレー３はその場に係止される。そ
こで、箱体１の各分割空間に、第３図に示されて
いるように、比較的偏平な形に包装された商品６
を適宜数ずつ立てた状態で収納し陳列する。商品
６が前側から順次減少し、前側の一区画分が空に
なつたら、中間トレー２の前側仕切板２１を持ち
上げてその切欠２４とラツク５とのかみ合いを外
す。これと同時に小トレー３の前側仕切板３１の
切欠３４とラツク５とのかみ合いも外れるから、
その状態で中間トレー２をその前側仕切板２１が
箱体１の前板１１に接するまで移動させる。こう
することにより、中間トレー２及び小トレー３に
よつて区画された空間に立てた状態で収納されて
いる商品諸共前方に移動し、中間トレー２の最前
列に位置している商品６が箱体１の最前列に移動
することになる。そしてさらに前側の一区画分が
空になつたら、今度は小トレー３の前側仕切板３
１を持ち上げてその切欠３４とラツク５とのかみ
合いを外し、その状態で小トレー３をその前側仕
切板３１が中間トレー２の前側仕切板２１に接す
るまで移動させる。こうすることにより、小トレ
ー３によつて区画されている空間に収納されてい
る商品諸共前方に移動し、小トレー３の最前列に
位置している商品６が箱体１の最前列に移動する
ことになる。従つて、上記実施例によれば中間ト
レー２及び小トレー３を商品諸共前方に移動させ
るだけで商品陳列効果を発揮させることができ、
たえず商品を補給したり商品自体を一つ一つ前方
に移動させたりするのに比べて取り扱いが極めて
簡単である。

なお、図示の実施例では、箱体に落とし込む仕
切部材としてのトレーが中間トレーと小トレーの
二つになつていたが、箱体に落とし込むトレーは
一つだけであつても所期の効果を得ることができ
るし、もちろん二つ以上のトレーを用いても差支
えない。箱体内において仕切部材を係止するため
の係止部材は、箱体の両側に振り分けて形成し、
これに係合すべき仕切部材の係合部も両側に振り
分けて形成するようにしてもよい。また、係止部
材は、仕切部材を暫定的に位置決めできれば足り
るから、必ずしも剛体で形成する必要はなく、例
えば人工芝のようなものでも差支えない。

考案の効果 本考案によれば、箱体内で奥行方向の位置を変
換可能でありかつ底板と前側仕切板と空側仕切板
とを有する中間トレー及び小トレーと、これらの
トレーの仕切部材を箱体内の任意の位置で係止す
るラツクとを有してなるから、箱体の前側から商
品が取り出されて箱体の前側に空間を生じたとき
は、商品を保持しているトレーを商品諸共前方に
移動させるだけで商品陳列効果を維持することが
でき、従来の商品陳列トレーのように、たえず商
品を補給したり商品そのものを前方に移動させた
りするものに比べて大幅に労力の削減を図ること
ができると共に時間の短縮を図ることができる。
また、本考案によれば、後部の商品が順次前方に
移動させられることになり、従来の商品陳列トレ
ーのように前部に生じた空間に商品を補給すると
いうようなことはなくなるから、後部に古い商品
が残り勝ちになるというような不都合はなくな
る。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の実施例を示す分解斜面図、第
２図は同じく一部を切り欠いて示す斜面図、第３
図は同じく側面断面図である。 １……箱体、２……中間トレー、３……小トレ
ー、５……ラツク、２１，３１……前側仕切板、
２２，３２……後側仕切板、２３，３３……底
板。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 扁平な形態の商品を陳列するためのトレーであ
   つて、 箱体と、 上記箱体の底板上に多数の凹凸を奥行き方向に
   列設してなるラツクと、 底板と前側仕切板と後側仕切板を有し、上記箱
   体よりも奥行寸法が短く、上記箱体内に落し込む
   ことができる中間トレーと、 底板と前側仕切板と後側仕切板を有し、上記中
   間トレーよりも奥行寸法が短く、上記中間トレー
   内に落し込むことができる小トレーとを有してな
   り、 上記中間トレーは、これを上記箱体内に落し込
   んだとき上記ラツクが侵入する逃げ部を有すると
   共に上記ラツクとの係合部を有し、 上記小トレーは、これを上記中間トレー内に落
   し込んだとき上記中間トレーの逃げ部を介して上
   記ラツクが侵入する逃げ部を有すると共に上記ラ
   ツクとの係合部を有することを特徴とする商品陳
   列トレー。