JPH0245109B2 - Kansomatahanetsushorisochi - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本発明は、繊維織物または編物等の布帛を乾燥
し、または熱処理する装置に関する。

［従来技術およびその問題点］ 上下２層のコンベアネツトの間に長尺状の布帛
を介在させて、前記コンベアネツトとともに布帛
を走行させ、これらコンベアネツトの上下に千鳥
状に対設したノズルスリツトから熱風を噴射し
て、布帛を乾燥または熱処理する装置が知られて
いる。

これらの装置は、熱風吹出しによるエアービー
テイングで布帛を揉みほぐしながら乾燥すること
により、収縮効果、リラツクス効果を高め、布帛
に風合を与えようとするものであり、前記上下の
ノズルスリツトからは一定の強さで常に熱風が噴
出しているため、布帛は上下方向に蛇行しながら
進む。

しかしながら、このような蛇行運動は、第７図
のように布帛１１の走行に伴つて布帛の上下運動
が順次伝わつていくに過ぎず、布帛の任意の領域
が上下下方向に激しいビーテイングを受けること
がなく、従つて、布帛の揉み効果が充分でなかつ
た。

本発明の課題は、布帛の上下方向に激しいホツ
トエアービーテイングを与えて布帛の揉み効果を
高める乾燥または熱処理装置を提供する処にあ
る。

［問題点を解決するための手段］ 本発明の乾燥または熱処理装置は、長尺状の布
帛を、上下２層のコンベアネツト間に介在させて
前記コンベアネツトとともに走行させながら、前
記布帛の上下両面にその全幅にわたつて熱風を噴
射すする乾燥または熱処理装置であつて、ノズル
への熱風の供給を断続的になしうるダンパーを設
けたものである。

また、他の実施態様は、前記ダンパーとして回
転式ダンパーを具備し、この回転式ダンパーを継
続的に回転させるものである。

［作用］ 前記ダンパーによりノズルへの熱風供給を断続
的になしうるので、布帛への熱風の噴射を脈動的
に行なうことができ、布帛の任意の領域に上下方
向のビーテイング作用を与える（第８図参照）。

前記実施態様においては、回転式ダンパーを継
続的に回転させることにより、ノズルへ熱風を断
続的に供給する。

［実施例］ 第１図〜第６図は、本発明の乾燥または熱処理
装置の一実施例を示すものである。

２は乾燥室であり、その中には、熱風の吹出し
ノズル３，４，５と排気還流ダクト６とが水平方
向に交互に並設された６段の棚が、一定距離を隔
てて上下に整列されている。各棚の間を上下２層
のコンベアネツト９，１０が水平方向に走行して
おり、それらのコンベアネツト９，１０の間には
繊維織物または編物等の長尺状の布帛１１が介在
している。前記布帛１１は、コンベアネツト９，
１０とともに走行する間に、上下両方のノズルか
ら噴出する熱風で乾燥される。

上記コンベアネツト９は、方向転換ロール１４
〜２２により方向を変えられながら、前記乾燥室
２の内外を矢線で示すように循環する。もう１つ
のコンベアネツト１０は、方向転換ロール２５〜
３３により方向を変えられながら、前記乾燥室２
の内外を矢線で示すように循環する。

３，４，５は熱風の吹出しノズルであり、布帛
１１の走行方向に直交して設けられた細長い箱か
ら成る。このノズル３，４，５の手前側の端は側
壁３６に閉合されているが、他端は開口３７とな
つており、この開口３７の外側に上下および両側
を隔壁３４，３５で仕切られた熱風供給室４０が
あり、ここに回転式ダンパー３８が軸支されてい
る。前記ノズル３，４，５の布帛１１の進行方向
の側縁にはノズル３，４，５のほぼ全長にわたつ
て細幅のノズルスリツト３９が設けられており、
このノズルスリツト３９から、走行する布帛１１
に向かつて熱風が断続的に噴射される。

中段の４つの棚では、ノズルスリツト３９が、
ノズル４の断面における対角線方向の１組の側縁
に設けられており、上下２段の棚のノズル３，５
では、それぞれ布帛１１の走行路側の側縁に設け
られている。すなわち、ノズルスリツト３９は、
走行する布帛１１の上下に千鳥状に対設されてい
る。

６は、前記ノズル３，４，５の両隣に、布帛１
１の走行方向に直交して設けられた排気還流ダク
トであり、細長い箱から成る。この排気還流ダク
ト６においては、前記ノズル３，４，５を閉合す
る側壁３６により一端が閉合されており、他端は
開口４２となつている。前記排気還流ダクト６の
天板４３および底板４４には、熱風の逃げ口とし
て、ダクト６のほぼ全長にわたつて細長いスリツ
ト４５が設けられている。このスリツト４５は、
側壁３６側において幅広となる三角形状である。
この形状は、前記ノズルスリツト３９から噴射さ
れる熱風量が、側壁３６側において最大となるた
め、熱風が布帛１１に当たつた後に速やかにダク
ト６内に吸入して布帛１１の横流れを防止しよう
と配慮したものである。

次に、本実施例における熱風の流路について述
べる。

まず、装置１１上部に設けた熱源４６により高
温にされた空気は、第３図および第５図におい
て、右上方に配された循環フアン４７により下方
へ送られる。

この熱風の各ノズル３，４，５内への流入は前
記熱風供給室４０内に軸支された回転式ダンパー
３８の開閉により調整される。すなわち、第３図
に示す断面においては、回転式ダンパー３８は上
段より開・閉・開・閉・開・閉となつており、上
より第１段目、第３段目および第５段目のノズル
３，４，５内に熱風が流入し、この熱風は各ノズ
ルスリツト３９より布帛１１に噴射される。

これらの回転式ダンパー３８は、細長い板の両
端に、互いに上下逆方向に延びるフインを設けた
ものである。そして、第６図からも明らかなよう
に各段において１本の回転軸４８により軸支され
ており、隣同士のノズルのダンパーは軸方向に見
れば直交している。

回転軸４８が90゜回転する毎に回転式ダンパー
３８は開・閉を繰り返すため、上下方向の１列の
回転式ダンパー３８においても、第３図および第
５図の開・閉状態が、回転軸４８の回転により交
互に生じることとなる。

本実施例では、回転式ダンパー３８を継続的に
回転させることにより、ノズル３，４，５への熱
風供給を断続的になしうるので、布帛１１への熱
風の噴射を脈動的に行なうことができ、布帛１１
に上下方向の激しいビーテイングを与える。そし
て、回転式ダンパー３８の回転数を調整すること
により、ビーテイング回数を制御でき、布帛の品
質管理が行なえる。

上記のようにして、布帛１１への噴射された熱
風は、第４図に破線で示すように、前記排気還流
ダクト６内に吸入されて右方向へ進み、前記開口
４２より出た後、他のダクト６から出た熱風と合
流する。合流した熱風は隔壁３５，４９で仕切ら
れた熱風排気室４１内を上昇し、エアーフイルタ
ー５０を通過した後、再び熱源４６により高温と
され、装置内を循環する。

本実施例においては、回転式ダンパー３８の
開・閉が、ノズル３，４，５の上下方向の各列に
おいて、上より交互になるようにしたが、各列の
上下の全段において、同時に開または閉となるよ
うにしてもよい。そのようにすれば、布帛１１に
は、千鳥状に対設された上下のノズルスリツト３
９から同時に熱風が噴射されることとなり、布帛
１１の揉み効果が一層高まることとなる。また、
上下のノズルを千鳥状に対設してもよい。

さらに、隣同志のノズルへの熱風の供給を、流
路切替式のダンパーにより、交互に行なうように
してもよい。そのようにしても、各ノズルへの熱
風の供給は断続的なものとなり、布帛へビーテイ
ング効果を与えることができる。

［発明の効果］ ダンパーによりノズルへの熱風の供給を断続的
になしうるので、布帛への熱風の噴射を脈動的に
行なうことができる。これにより、布帛が効果的
にエアービーテイングされ、収縮効果・リラツク
ス効果が大となり、布帛の防縮・風合加工が優れ
たものとなる。

【図面の簡単な説明】

第１図は、本発明の一実施例を示す概略図、第
２図は、第１図の一部拡大図、第３図は、第１図
の―線断面図、第４図は、第１図の―線
断面図、第５図は、第１図の―線断面図、第
６図は、第１図の―線断面図、第７図は、従
来例の布帛の進行を示す概略図、第８図は、本発
明のビーテイング作用を示す概略図である。 符号の説明、１…乾燥または熱処理装置、３，
４，５…ノズル、９，１０…コンベアネツト、１
１…布帛、３８…回転式ダンパー。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １ 長尺状の布帛を、上下２層のコンベアネツト
   間に介在させて前記コンベアネツトとともに走行
   させながら、前記布帛の上下両面にその全幅にわ
   たつて熱風を噴射する乾燥または熱処理装置にお
   いて、ノズルへの熱風の供給を断続的になしうる
   ダンパーを設けたことを特徴とする乾燥または熱
   処理装置。 ２ 前記ダンパーが回転式ダンパーであり、これ
   を継続的に回転させることを特徴とする特許請求
   の範囲第１項記載の乾燥または熱処理装置。